2019/11/23

トウモロコシ畑を守る鳥害対策グッズ類



2019年7月中〜下旬(同じ場所で2回に分けて撮った映像をまとめました)

トウモロコシ畑の上を鳥害対策の凧が風で揺れていました。
最近ではホームセンターでも売っていてすっかり普及した、タカ型の鳥追いカイトです。
期待通りの防鳥効果はあるのでしょうか?
馴れが生じてしまえばせっかく実ったトウモロコシを鳥に食害されてしまうのは時間の問題です。

カメラを右上にパンすると、電線に1羽のキジバトStreptopelia orientalis)が止まり、トウモロコシ畑を虎視眈々と見下ろしていました。
キジバトは種子食性ですから、きっとトウモロコシが大好物でしょう。
電線上で方向転換した直後に黒っぽい丸い固形糞をポトリと排泄しました(@0:28)。
キジバトがトウモロコシ畑に降りて食害するシーンを撮影したかったのですが、キジバトは警戒心が強いので、おそらくブラインドに隠れないと無理そうです。
実はキジバトの他にもハシボソガラスとスズメもトウモロコシ畑の近くまで来ていました。(映像なし)

4日後に同じ現場(トウモロコシ畑)を再訪すると、鳥追いカイトの設置場所が少し変更していました。
鳥に対して馴れが生じないように、こうした地道な工夫が大切です。
更に別の鳥害対策グッズが追加されていました。
黒いカラスのプラスチック模型が吊り下げられていました。
模型の形状をよく見ると、ハシボソガラスではなくハシブトガラスがモデルになっているようです。
風が吹いても模型は重くてほとんど動かないので、これだけでは案山子としての効き目は薄いでしょう。
黒いビニールの切れ端がカラスの模型に縛り付けられ、風になびいていました。
それでも近くでスズメの群れがチュンチュン♪鳴いています。(姿は見えず)

鳥害対策は野鳥と農家の絶え間ない知恵比べです。
様々なタイプの防鳥グッズを組み合わせて使うことが有効とされています。
実際にこのトウモロコシ畑の農家さんは毎年あの手この手で涙ぐましい工夫をされているようです。
例えば2年前には防鳥ネットが張られていました。
▼関連記事(2年前の撮影)
トウモロコシ畑で雄花を啄むスズメの群れ(野鳥)


余談ですが、日没前の西日に照らされトウモロコシ畑の上空に大きな虹がかかっていました。
夕立も降っていないのに、虹が出ているのは不思議でした。(局所的に雨が降ったのかな?)
動画の彩度を上げたら外側にもう一つの虹が薄っすらと架かっていました。
(正式な名称を知りませんが、二重の虹です。)


【追記】
2020/10/31付の山形新聞の記事によると、
内側の主虹(しゅにじ)はくっきり、外側の副虹(ふくにじ)はうっすらとしていた。(中略)虹は太陽光が空気中の水滴(雨粒)で屈折、反射して起きる現象。二重の虹の主虹は太陽光が水滴内で1回反射、副虹は2回反射して現れる。

【追記2】
2022/10/08 17:31 ウェザーニュース「東北でダブルレインボー 雨の後に二重の虹が出現」によると、
濃くはっきり見えるものを「主虹」、その外側に見える色の並びが反対の虹を「副虹」といいます。

よく見ると主虹の内側が明るく、主虹と副虹の間が暗く、副虹の外側がやや明るく見えるのがわかります。主虹と副虹の間の暗く見える部分は「アレキサンダーの暗帯」と呼ばれます。


鳥よけグッズ:カラス模型(野鳥)+黒ビニール袋@トウモロコシ畑
鳥追いカイト(タカ型)(野鳥)@トウモロコシ畑

飛べ!オオニジュウヤホシテントウ



2019年8月上旬

川沿いのコンクリート護岸に繁茂するクズの葉の上でオオニジュウヤホシテントウHenosepilachna vigintioctopunctata)がウロウロと徘徊していました。
クズ(マメ科)はオオニジュウヤホシテントウの食草(ナス科、ウリ科)ではありません。

この個体はなぜか後翅をしっかり畳んでおらず、先端を
はみ出したまま歩き回っています。
風で揺れるクズの葉の上で何度か翅を開きかけては止めました。
今にも飛び立ちそうなので、動画に撮ってみましょう。
すると予想通り、オオニジュウヤホシテントウはクズの葉縁で立ち止まると鞘翅をパカッと広げて後翅を羽ばたかせると、こちらに向かって飛んで来ました。
飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。


オオニジュウヤホシテントウ@クズ葉

林床で採食後にスギの木に登るニホンザル(子猿)



2019年7月下旬・午前7:10

山麓に植林されたスギ(杉)林で横枝に腰掛けていた若いニホンザルMacaca fuscata fuscata)が木から身軽にヒョイと降りました。
頭を下にして真っ逆さまに幹を降りるやり方はヒトには真似できません。

林床を遊動し始めました。
右手を素早く伸ばして下草に居た虫を捕まえようとしたものの、取り逃がしたようです。
その代わりに座り込んで草(シダ?)を採食。
口をモグモグしながらチラチラと振り返り、斜面の上に居る私の様子を窺っています。

警戒したのか急に駆け出して助走を付け、スギの幹に勢いよく跳びつくとスルスルとよじ登りました。
体重が軽そうですが、それにしても素晴らしい身体能力ですね。


ニホンザル:子猿@スギ林床+採食・捕虫

2019/11/22

早朝から止まり木で羽繕いするチゴハヤブサ(野鳥)



2019年7月中旬・午前5:31〜5:55

早朝からチゴハヤブサFalco subbuteo)が、いつものお気に入りの止まり木(ヒノキ高木の天辺で枯れた枝の部分)で念入りに羽繕いを繰り返していました。
朝日を浴びる順光のアングルを探して回り込むと、なかなかフォトジェニックに撮れました。
チゴハヤブサの特徴である褐色の下腹がしっかり見えます。
尾脂腺の脂を嘴で全身の羽根に塗り広げています。
ときどき尾羽を扇のように広げるストレッチ運動(?)が、ちょっと面白いですね。
翼も右、左の順にストレッチ運動しています。
羽繕いの合間にときどき鳴いたのですけど、私がカメラを向けると鳴き止んでしまい、鳴き声を動画に記録できませんでした。

近くでカラスがずっと鳴いています。

このチゴハヤブサはドバトを狩った直後ではないか?と私は推測しています(→理由)。
しかし、もっと高倍率の超望遠レンズが無いと、捕食した獲物の返り血を浴びているかどうか見分けられません。
狩りの瞬間を観察するには、もっと早起きして見に来ないといけないのかもしれません。



つづく→チゴハヤブサとカラスが空中戦の大喧嘩(野鳥)

マサキの花を舐めるセンチニクバエ?



2019年7月下旬

神社の境内に生垣として植栽されたマサキが白い花を満開に咲かせていました。
訪花昆虫はハエとアリしか見かけませんでした。
ニクバエ科の仲間が花の上を徘徊しながら花蜜や花粉を口吻で舐めている様子を動画に撮ってみました。

普通種のセンチニクバエBoettcherisca peregrina)ですかね?
(もし間違っていたらご指摘願います。)
腹背が市松模様(チェッカー)っぽくてお洒落だなーと見る度に思います。


センチニクバエ?@マサキ訪花吸蜜
センチニクバエ?@マサキ訪花吸蜜
マサキ花:生垣
マサキ花:生垣
マサキ花:生垣・全景

2019/11/21

ハンノキから下りるニホンザル(白猿を含む群れ)



2019年7月下旬・午前8:00頃

里山の麓でハンノキの樹上で数頭のニホンザルMacaca fuscata fuscata)が活動していました。
頻りに鳴き交わしています。

樹上で2頭が軽い小競り合いからの追いかけっこになりました。
朝から照りつける夏の日差しが強くて、猿のシルエットしか見えません。
枝をスルスルと降りていく個体に注目して撮ると、下の枝に居た個体の隣りに並んだ途端に軽く小競り合いになりました。(ふざけてるだけ?)
葉の茂った枝には黒っぽい実も少し残っています。

15分後にハンノキの枝をどんどん下に降りて来た♀個体は、全身の毛皮が白っぽくて異彩を放っていました。
顔が一瞬見えた際に瞳の色が薄かったので(@1:02)、白変種ではなくて本当のアルビノなのかもしれません。


▼関連記事(6年前の撮影)
ニホンザル(アルビノ)の樹上採食と雪原遊動



ニホンザル@ハンノキ樹上
ニホンザル@ハンノキ樹上(右腕で子猿を抱き寄せている?)

エンジュの花で採餌するクロマルハナバチ♀



2019年8月上旬・午後16:05頃

民家の庭で見事に大きく育った見慣れない樹木に白い花が咲いていて、様々なハチが集まっていました。
マメ科植物だと思うのですが、ニセアカシアではありません。
木の下には白い落花が散乱していました。
図鑑で調べてみると、エンジュと判明。


エンジュ花
エンジュ花
エンジュ花+葉
エンジュ花・全景
エンジュ花・全景
エンジュ枝・樹皮
エンジュ幹・樹皮

クロマルハナバチBombus ignitus)のワーカー♀がエンジュに訪花していました。
後脚の花粉籠に橙色の花粉団子を満載しています。
しばらく花から花へと吸蜜して回ると、次は花にしがみついて身繕いを始めました。
体毛に付着した花粉をまとめて花粉籠に移しているのです。
化粧が済むと、採餌を再開。

複数個体を撮影。


クロマルハナバチ♀@エンジュ訪花採餌
クロマルハナバチ♀@エンジュ訪花採餌



【追記】
2020年8月下旬

同じエンジュの木を久しぶりに見に行くと、花が散った後に未熟な豆果が細長く育っていました。






2019/11/20

カワラヒワ♂同士の大喧嘩♪(野鳥)



2019年7月下旬・午後15:27〜15:36

カワラヒワCarduelis sinica)の♀♂つがいおよび幼鳥の家族群(計3羽)が砂利を敷いた神社の境内で地上採食していました。
辺りには疎らに草花が生えているので、地面に落ちた草の種子を啄んでいるのでしょう。
成鳥は頭部の色で見分けられます。(♂が黄緑色で、♀は灰褐色)
幼鳥の腹部には縦の黒い斑点があります。
この幼鳥はもう自力で採食できるようになったのか、今回は親鳥から幼鳥への巣外給餌は見られませんでした。
今季の繁殖では幼鳥が1羽しか育たなかったのか、それとも他の兄弟姉妹は別の所に居たのかな?

▼関連記事(今回の撮影地点の近くで1年前に撮影)
幼鳥にオオキンケイギクの実を巣外給餌するカワラヒワ親鳥♂(野鳥)


その後私が他の虫に気を取られていると、急にカワラヒワが大騒ぎを始めました。
一体何事でしょうか?
頻りに鳴き騒ぎながら空中戦になり、喧嘩相手を追い回しています。
神社の横の路上にまで出てきて戦っています。
地上でも激しい肉弾戦(格闘)が続きます。
対峙しながら交互にジャンプ(飛び上がる)するような喧嘩が華麗ですね。
高く跳んだ方が勝ちというような、跳躍力を競う儀式的な闘争なのかな?
カワラヒワ♂は喧嘩に夢中で、すぐ近くで私が撮っていてもほとんど眼中に無いようです。
喧嘩の途中からマサキの生垣の陰に隠れてしまったのは残念でした。

激しい喧嘩を流し撮りすると目が回りそうなので、1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみましょう。
繁殖期が終わって幼鳥を縄張りから追い出す子別れかもしれない…と現場で私は一瞬思いました。
しかし成鳥♂同士の喧嘩と判明したので、縄張り争いまたは♀を巡る争いなのでしょう。
親子水入らずの縄張りに余所者♂が侵入してきたようです。

カワラヒワの鳴き声はキリキリキリ…♪と澄んだ鈴の音のようにきれいです。
声紋解析してみる?

地上で戦っていた♂2羽はやがて飛び上がり、近くのケヤキ灌木の枝に移動しました。
ケヤキの細い枝先に止まってピィーン♪とかチュウーン♪というような高い声で繰り返し鳴いています。
喧嘩の相手が枝葉のどこに隠れたのか、探しているのかな?
再び喧嘩が始まり、空中戦をしながら灌木の茂みの中をバサバサと2羽が落ちて行きます。
1羽が戦場を離脱し、鳴きながら砂利を敷いた境内に飛び降りました。(直後に見失う)

チュイーン、チュイーン♪と樹上で鳴き続ける声の主を探していたら、樹上から♂2羽が境内の砂利に飛び降りました。
地上で対峙してヂヂヂヂヂヂ…♪と鳴きながら喧嘩を続けます。
追い回してまたすぐに樹上に戻りました。
(横の道を車が通りかかったので撮影中断。)

ケヤキの樹上で喧嘩が続いています。

今度は桜(ソメイヨシノ?)の樹上に移動しました。
太い枝を舞台に対峙しながら2羽の♂が交互にジャンプする(飛び上がる)争いが再び繰り広げられました。
チュイーン、チュイーン♪と鳴き続ける声だけでなく、複雑な囀り♪(縄張り宣言?)も聞こえます。
♀♂つがいが鳴き分けているのでしょうか?
1羽の♂が奥のトタン屋根に一時避難したものの、すぐにもう1羽の♂が桜の木から飛んで来ると、もつれ合うように追い払いました。

どうしても♂同士の派手な喧嘩に注目してしまい、♀の行動を記録できていません。
もしかすると、チュイーン、チュイーン♪と鳴き続けているのは、♀がパートナーの♂が勝つように励ましているのかもしれません。
この騒ぎの間、幼鳥の行方も不明です。
♂の個体識別ができていないので、最終的にどちらが勝ったのか不明です。
自然界の野鳥はヒトが勝手に望むようなオシドリ夫婦(貞淑な一夫一婦制)ではなく、♀は勝者の♂と新たにつがい関係になることも多いのだそうです。
個体識別して調べてみれば、今回も♀が応援していたのは、実はつがい外の♂かもしれません。




※ 逆光のシーンでは動画編集時にコントラストではなく彩度を上げました。
動きの激しいシーンでは手ブレ補正なし。
音声を正規化して音量を強制的に上げています。


参考文献:『エソロジカル・エッセイ:無名のものたちの世界IV』という古本の「カワラヒワの繁殖生活」と題した章


カワラヒワ♂2(野鳥)@路上+闘争
カワラヒワ♂2(野鳥)@路上+闘争
カワラヒワ♀♀♂(野鳥)@神社境内:中央の♀っぽい個体は幼鳥

マメコガネを吸汁するアオメアブの飛び立ち【HD動画&ハイスピード動画】



2019年8月上旬

川沿いのコンクリート護岸に蔓延るノブドウの群落でアオメアブCophinopoda chinensis)を見つけました。
葉に乗って何か獲物を吸汁しています。
青目虻という和名ですけど、複眼の構造色が今回は青緑ではなく赤っぽく見えるのは、日光が当たる角度のせいでしょう。
獲物は赤っぽい金属光沢の甲虫で、おそらくマメコガネPopillia japonica)のようです。
獲物の腹背に口吻を突き刺して体液を吸汁しています。
獲物は既に死んでいて、全く暴れたり動いたりしませんでした。
食事中のアオメアブの腹部が微かに動いているのは腹式呼吸の運動でしょう。
腹端の形状が独特ですけど、私はアオメアブの性別の見分け方を知りません。(どなたか教えて下さい)

私が少し動いて側面から狙うようにしたら、甲虫の腹部側面に白黒の縞模様が見えたので、マメコガネで間違いなかろうと確認できました。

アオメアブが急にその場で羽ばたいて、ノブドウの葉に止まる向きを少しだけ変えました。
まずは1/5倍速のスローモーションでご覧下さい。(@0:50)
横で動いた私を警戒したのか、それとも止まっている葉からずり落ちそうになったから、かもしれません。
しかしすぐにまた虫の体重で葉が傾いてしまいます。

飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:20〜)
物を投げつけると、アオメアブは素早く飛び去りました。
よほど慌てていたのか、獲物を空中で落としてしまいました。

あるいは、アオメアブは既に満腹状態にあり、獲物を捨てても惜しくなかったのかもしれません。
念の為に落とし物を拾ってしっかり同定すべきでしたね。
死ぬほど暑いのに茂みを掻き分けてコガネムシの死骸を探すのが億劫で、動画に撮れただけで私は満足してしまいました。




▼関連記事
花壇で獲物を吸汁するアオメアブ 
(2年前の撮影)
ホソヘリカメムシ♂を吸汁するアオメアブの飛び立ち【HD動画&ハイスピード動画】 (獲物をしっかり抱えて飛び去った例)


アオメアブ@ノブドウ葉+マメコガネ吸汁

2019/11/19

オニグルミ樹上で虫を捕食するニホンザル



2019年7月下旬・午前6:40

山麓に育ったオニグルミの大木で野生ニホンザルMacaca fuscata fuscata)が活動していました。
枝にはクルミの青い(未熟な)実がついています。
横枝を移動する若い♂αに注目して撮ると、座って体を掻きました。
口をモグモグさせています。
同じ枝の右の方に別個体βが飛び乗り、その反動で枝が揺れました。
枝に座っていた個体αが不意をつかれても咄嗟にバランスを取り戻したのはさすがです。

右の個体βが横枝を移動中に左手をさっと伸ばし、枝の下面に付いていた虫を捕まえました。(@0:51)
スロー再生しても獲物がよく見えないのですが、セミですかね?
食事のために座り直そうとしたら、足で枯枝を折ってしまい落ちてきました。
食事のために座り直し、獲物の翅を毟っているようです。
この後私は左の個体αの動きに気を取られてカメラを左にパンしてしまい、肝心の食事シーンが撮れていません。
森のあちこちに猿が散開し、色々なことが同時多発するので、どうしても目移りしてしまいます。
身軽に隣の幹に跳び移ると、どんどん上に登って行きます。
再び右の個体βに注目すると、オニグルミの枝を引き寄せて何やら(葉を?)採食中でした。
(βの性別は?)

どうやらニホンザルは虫も結構よく食べるようです。


ニホンザル@オニグルミ樹上+虫捕食

3本脚のヨツボシワシグモの死んだふり(蜘蛛)



2019年7月下旬

川辺りに密生するキンギンボク(別名ヒョウタンボク)灌木でヨツボシワシグモKishidaia albimaculata)を見つけました。
若葉の根元で休んでいました。

風揺れに悩まされながらもマクロレンズで接写してみました。
背面からでは触肢がよく見えず、性別は不明です。
この個体は過去に怪我したようで、歩脚が3本しか残っていません。
他の5本の歩脚は根元から欠損しています。
もし幼体であれば、次の脱皮の際に再生するかもしれません。

▼関連記事
ヨツボシワシグモ(蜘蛛) @9年前の撮影
四本脚のイオウイロハシリグモ(蜘蛛) @10年前の撮影(右の全歩脚を欠損)

私が指を差し出してキンギンボクの葉に軽く触れて揺らしたただけで、ヨツボシワシグモは慌てたように擬死落下しました。
1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみると、途中の葉に引っかかったものの自発的に2段階で地面まで転がり落ちていました。


ヨツボシワシグモ:歩脚欠損(蜘蛛)@キンギンボク葉

2019/11/17

ウワミズザクラの熟果を食べに来たヒヨドリ(野鳥)



2019年7月下旬

池畔に植栽されたウワミズザクラ並木で熟した果実をヒヨドリHypsipetes amaurotis)が食べに来ていました。

しかし私が対岸からカメラを向けた途端にヒヨドリはあからさまに警戒し、肝心の採食シーンは残念ながら撮れませんでした。
枝から枝へ飛び移り、最後は鋭く鳴きながら此岸に向かって飛んで来ました。
悔しいので、飛び立ちのシーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。
これは来季の宿題です。


【追記】
翌年の5月上旬に花を見に行くと私の予想は外れていて、エゾヤマザクラではありませんでした。
ソメイヨシノよりだいぶ遅れて白いブラシ状の花が咲いていて、ウワミズザクラと判明。
植物学的にウワミズザクラの果実は液果ではなく核果なのだそうです。
という訳で、樹種を訂正しておきます。


ヒヨドリ(野鳥)@ウワミズザクラ熟果採食

クロウリハムシがカラスウリの葉でトレンチ行動を始めるも…



2019年7月下旬・午後18:32〜18:36
▼前回の記事
カラスウリの葉を徘徊するクロウリハムシ

道端に蔓延るカラスウリの群落で夕方にウロウロしていたクロウリハムシAulacophora nigripennis)aがようやく摂食場所を決めたようで、葉縁に陣取るとトレンチ行動を始めました。
本で読んで知ってはいたものの、実際に観察するのは初めてです。
夕暮れでやや薄暗いのですが、固唾を呑んで見守ります。

トレンチ行動とは:
石井誠『昆虫のすごい瞬間図鑑:一度は見ておきたい!公園や雑木林で探せる命の躍動シーン』によると、

 クロウリハムシは、ウリの葉を円形に傷つけていく。それから、その円の中の葉を食べる。この奇妙な習性は、先に周りを傷つけておくことで、植物が出す防御物質や苦い汁液の流入を止めていると考えられている。円の傷の中の葉っぱは、きっと食べやすくておいしくなるのだろう。(p178より引用)


そこへお邪魔虫の登場です。
左から別個体bが飛来し、同じ葉に着陸しました。(@0:15)
上の葉に移動してくれたので一安心。
クロヤマアリFormica japonica)のワーカー♀も同じ葉を徘徊しています。
アリはクロウリハムシとニアミスしてもトレンチ行動の邪魔はしませんでした。

一方、トレンチ行動に励むクロウリハムシaは葉の表面に噛み傷を付けながら腹端を中心にゆっくり弧を描いています。
噛み傷は細くて白っぽい線のように残るものの、葉裏まで貫通していません。
ハキリバチのように葉片を切り抜く訳ではないのです。

トレンチ(塹壕)の円弧がようやく1/4まで描けた辺りで、お邪魔虫が戻ってきてしまいました。
しばらく別の葉を徘徊していた別個体bが同じ葉に戻って来て、作業中の個体aに近づいて来ました。
正面からの衝突を避けるように、クロウリハムシaはトレンチ行動を中断すると、惜しげもなく飛び去ってしまいました。
クロウリハムシaの逃避行動をまずは1/5倍速のスローモーションでご覧下さい。
後ずさりしながら黒い鞘翅をパカッと広げると、カラスウリの葉から転がり落ちるように飛び去りました。

クロウリハムシの性別を私は見分けられませんが、もしかすると♂bが♀aと交尾しようと近寄ってきたので、食前にセクハラされそうになった♀aが嫌がって逃げ出したのかもしれません。
サンクコストの呪縛」(コンコルド効果)に囚われない見事な(潔い)逃げっぷりに感心しました。
きっと食事前の下処理であるトレンチ行動は大した負担(コスト)ではないのでしょう。
もしも先客aを追い払った個体bがトレンチを引き継いでカラスウリの葉を食べ始めれば、一種の労働寄生(盗み寄生)と呼べるでしょう。
しかし当時の私はその可能性に頭が回らず、その後の顛末を見届けずに観察を止めてしまいました。
逃げた個体aは、ほとぼりが冷めると元の葉に戻って来てトレンチ行動を再開するのでしょうか?
食草の量が豊富なので、落ち着いて食事のできる別の葉でトレンチ行動を新たに始めるのではないかと私は予想しています。




↑【おまけの映像】
未完のトレンチ行動を5倍速の早回し映像にしてみました。
お忙しい方はこちらをご覧下さい。(ブログ限定公開)
三脚を使わず手持ちカメラでの撮影です。

今回はトレンチ行動を最期まで見届けられずに残念でした。
初めて見たクロウリハムシのトレンチ行動は意外に速く進行しました。(もっと時間がかかるのかと想像していました。)
微速度撮影でトレンチ行動を記録してみたいものです。
次回のチャンスを逃さぬように、三脚を常に持ち歩くことにします。

カラスウリの植物体を傷つけると苦い汁が滲み出すことを要確認。



つづく→トレンチ行動の微速度撮影にチャレンジ

クロウリハムシa@カラスウリ葉+トレンチ行動開始
クロウリハムシb@カラスウリ葉+トレンチ行動跡(中断)

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