2019/11/20

カワラヒワ♂同士の大喧嘩♪(野鳥)



2019年7月下旬・午後15:27〜15:36

カワラヒワCarduelis sinica)の♀♂つがいおよび幼鳥の家族群(計3羽)が砂利を敷いた神社の境内で地上採食していました。
辺りには疎らに草花が生えているので、地面に落ちた草の種子を啄んでいるのでしょう。
成鳥は頭部の色で見分けられます。(♂が黄緑色で、♀は灰褐色)
幼鳥の腹部には縦の黒い斑点があります。
この幼鳥はもう自力で採食できるようになったのか、今回は親鳥から幼鳥への巣外給餌は見られませんでした。
今季の繁殖では幼鳥が1羽しか育たなかったのか、それとも他の兄弟姉妹は別の所に居たのかな?

▼関連記事(今回の撮影地点の近くで1年前に撮影)
幼鳥にオオキンケイギクの実を巣外給餌するカワラヒワ親鳥♂(野鳥)


その後私が他の虫に気を取られていると、急にカワラヒワが大騒ぎを始めました。
一体何事でしょうか?
頻りに鳴き騒ぎながら空中戦になり、喧嘩相手を追い回しています。
神社の横の路上にまで出てきて戦っています。
地上でも激しい肉弾戦(格闘)が続きます。
対峙しながら交互にジャンプ(飛び上がる)するような喧嘩が華麗ですね。
高く跳んだ方が勝ちというような、跳躍力を競う儀式的な闘争なのかな?
カワラヒワ♂は喧嘩に夢中で、すぐ近くで私が撮っていてもほとんど眼中に無いようです。
喧嘩の途中からマサキの生垣の陰に隠れてしまったのは残念でした。

激しい喧嘩を流し撮りすると目が回りそうなので、1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみましょう。
繁殖期が終わって幼鳥を縄張りから追い出す子別れかもしれない…と現場で私は一瞬思いました。
しかし成鳥♂同士の喧嘩と判明したので、縄張り争いまたは♀を巡る争いなのでしょう。
親子水入らずの縄張りに余所者♂が侵入してきたようです。

カワラヒワの鳴き声はキリキリキリ…♪と澄んだ鈴の音のようにきれいです。
声紋解析してみる?

地上で戦っていた♂2羽はやがて飛び上がり、近くのケヤキ灌木の枝に移動しました。
ケヤキの細い枝先に止まってピィーン♪とかチュウーン♪というような高い声で繰り返し鳴いています。
喧嘩の相手が枝葉のどこに隠れたのか、探しているのかな?
再び喧嘩が始まり、空中戦をしながら灌木の茂みの中をバサバサと2羽が落ちて行きます。
1羽が戦場を離脱し、鳴きながら砂利を敷いた境内に飛び降りました。(直後に見失う)

チュイーン、チュイーン♪と樹上で鳴き続ける声の主を探していたら、樹上から♂2羽が境内の砂利に飛び降りました。
地上で対峙してヂヂヂヂヂヂ…♪と鳴きながら喧嘩を続けます。
追い回してまたすぐに樹上に戻りました。
(横の道を車が通りかかったので撮影中断。)

ケヤキの樹上で喧嘩が続いています。

今度は桜(ソメイヨシノ?)の樹上に移動しました。
太い枝を舞台に対峙しながら2羽の♂が交互にジャンプする(飛び上がる)争いが再び繰り広げられました。
チュイーン、チュイーン♪と鳴き続ける声だけでなく、複雑な囀り♪(縄張り宣言?)も聞こえます。
♀♂つがいが鳴き分けているのでしょうか?
1羽の♂が奥のトタン屋根に一時避難したものの、すぐにもう1羽の♂が桜の木から飛んで来ると、もつれ合うように追い払いました。

どうしても♂同士の派手な喧嘩に注目してしまい、♀の行動を記録できていません。
もしかすると、チュイーン、チュイーン♪と鳴き続けているのは、♀がパートナーの♂が勝つように励ましているのかもしれません。
この騒ぎの間、幼鳥の行方も不明です。
♂の個体識別ができていないので、最終的にどちらが勝ったのか不明です。
自然界の野鳥はヒトが勝手に望むようなオシドリ夫婦(貞淑な一夫一婦制)ではなく、♀は勝者の♂と新たにつがい関係になることも多いのだそうです。
個体識別して調べてみれば、今回も♀が応援していたのは、実はつがい外の♂かもしれません。




※ 逆光のシーンでは動画編集時にコントラストではなく彩度を上げました。
動きの激しいシーンでは手ブレ補正なし。
音声を正規化して音量を強制的に上げています。


参考文献:『エソロジカル・エッセイ:無名のものたちの世界IV』という古本の「カワラヒワの繁殖生活」と題した章


カワラヒワ♂2(野鳥)@路上+闘争
カワラヒワ♂2(野鳥)@路上+闘争
カワラヒワ♀♀♂(野鳥)@神社境内:中央の♀っぽい個体は幼鳥

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