2019/09/07

水田の畦道で羽繕いし飛び立つアオサギ【HD動画&ハイスピード動画】(野鳥)



2019年6月中旬

田植え後の水田でアオサギArdea cinerea jouyi)が羽繕いしていました。
後ろ姿ですけど、畦道に立って胸元の羽毛を嘴で整えています。
私が30分後に戻って来ると同一個体と思われるアオサギが畦道に片足立ちで佇んでいました。
飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画に切り替えてみました。(@0:25〜)

私が少し近づいてからカメラを向けると、警戒心の強いアオサギはすぐに飛び立ちました。
左に飛び去る様子を流し撮りすると、アオサギは水田の上を低空で飛び越え、右旋回しながら高度を少し上げて行きます。
民家の屋根も飛び越えると最後は滑空して左に旋回して、民家の陰に消えました。
行き先には川の支流が流れています。


アオサギ(野鳥)@水田畦道+羽繕い

キンギンボクの花で集粉するスミゾメハキリバチ♀



2019年6月中旬

川べりの護岸付近に咲いたキンギンボク(別名ヒョウタンボク)の群落でムナカタハキリバチ(別名スミゾメハキリバチ)♀(Megachile willughbiella sumizome)が忙しなく訪花していました。

一瞬クロマルハナバチ♀と見間違えそうになりましたが、腹部下面にオレンジ色のスコパ(集粉毛)が見えるので、ハキリバチ科の♀と分かります。

訪花シーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみると、ムナカタハキリバチ♀は毎回花の雄しべにしがみついています。
飛翔筋の運動で雄しべの葯に振動を与え、落ちてくる(降り注ぐ)花粉を集めているようです。
この採餌法を振動集粉と言います。
このとき黒い舌を伸ばしても蜜腺には届いていないようなので(@1:40)、吸蜜はせずに集粉(花粉集め)に専念しているようです。


スミゾメハキリバチ♀@キンギンボク訪花

舗装路の窪みで採食するドバト(野鳥)



2019年6月中旬

車が行き交う舗装路の真ん中でカワラバト(=ドバト;Columba livia)がアスファルトの小さな窪みに執着して何度もついばんでいました。
横を車や自転車が通ると逃げ腰になるものの、すぐに食事を再開します。
センターラインの近くにいれば車に轢かれないことを知っているようです。

何を食べているのでしょうか?
撮影直後に穴を覗きに行ったものの、何も残っていませんでした。
風で飛ばされてきた草の種子が大量に溜まっていたのですかね?
公園などでときどき鳩に餌を与えるヒトがいますけど、さすがに車道の真ん中に餌を撒いたりはしないはずです。


ドバト(野鳥)@舗装路凹+採食

2019/09/06

早朝に営巣木の上空でノスリ親鳥を追い回すハシボソガラス(野鳥)




ノスリ(野鳥)営巣地での観察記録#10



▼前回の記事
夜明けに樹上で鳴き続け偵察飛翔を繰り返すノスリ親鳥(野鳥)

2019年5月下旬・午前4:45頃(日の出時刻は午前4:20)

柳樹上のノスリButeo japonicus)の巣を私が撮っている間に、左のポプラ樹間で親鳥がピィー、ピィー♪と甲高い声で鳴き続けています。
早朝の縄張り宣言なのでしょうか?
それに応えて巣内の雛が鳴くこともなく、全く動きがありませんでした。
ノスリ親鳥が鳴くリズムが急に崩れたので、何事かと思ってカメラを左に向けると、河畔林の上空でノスリ親鳥(左翼の風切羽が1枚抜け落ちた個体)とハシボソガラスCorvus corone)の空中戦が繰り広げられていました。
営巣木の周囲で縄張りの偵察飛翔を繰り返すノスリ親鳥がカラスを追い払おうとして返り討ちに遭ったようです。

情けなく悲鳴を上げて♪逃げるノスリをハシボソガラスがガーガー♪鳴きながらしつこく追いかけています。
この河畔林にはカラスの巣も幾つもありますから、ノスリとカラスは縄張り争いの緊張状態が続いているようです。
ノスリと出くわす度にカラスは擬攻撃(モビング)しています。
右に逃げたノスリは旋回して元のポプラ樹冠に戻り、一方カラスは深追いしてきませんでした。
その後もノスリはめげずにポプラ樹上でひたすら鳴き続けています♪(縄張り宣言?)。
しばらくすると再び右に飛び出し、一回りするとすぐに元のポプラ樹冠に引き返しました。
縄張りを誇示しながらの偵察飛行なのでしょうか?

※ 動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。

つづく→#11:柳樹上の巣で抱雛するノスリ親鳥(野鳥)


二回目の繁殖のため巣穴を物色するムクドリ【HD動画&ハイスピード動画】(野鳥)



2019年6月中旬

街なかの車道に面した2階建ての某事務所の屋根裏の壁に丸い穴が開いています。
その穴に興味を示した1羽のムクドリSturnus cineraceus)が繰り返し訪れていました。
何のための穴なのか分かりませんが、左にもう一つある穴は塞がれていました。
電線やケーブルを屋内に引き込むための穴でもなさそうです。(煙突を通す穴だったのかな?)
穴の中から雛が餌乞いする鳴き声が聞こえないので、営巣中ではないようです。
どうやら営巣地を物色しているようですが、まさか、これから2回目の繁殖を行うのでしょうか?
確かムクドリの繁殖は年に1回のはずでは…?とうろ覚えだったの調べてみると、私の知識が間違っていました。
菅原光二・丸武志『カラー版自然と科学50:ムクドリ』によると、

・はんしょく期は3月から7月です。 (p7より引用)
つがいは、一年に二回はんしょくすることができます。後半には、前半に巣あなを手にいれることができなかったつがいもはんしょくしているようです。 (p20より引用)



平凡社『日本動物大百科4鳥類II』によれば、

ムクドリの第1回の繁殖は4月上旬から6月上旬までである。 (p162より引用。第2回目の繁殖期間の記述なし)



電線に止まったムクドリが巣穴の方を向いて、入巣のタイミングを慎重に見計らっていました。
背後でじっと見ている私に巣の位置を知られたくなくて警戒しているのかな?
電線を横歩きして巣穴の正面まで来ました。
初めのうち、私はてっきり雛に給餌するために帰巣する親鳥なのだろうと単純に予想していました。

しばらくすると、ムクドリは電線から緑のトタン屋根に跳び移りました。
次に下を何度も見ながら屋根の縁を横に歩き、巣穴の上まで移動しました。
遂に屋根から飛び降りるとし、丸くくり抜かれた巣口の縁に止まりました。(@1:04)
華麗なホバリング(停空飛翔)を、まずは1/5倍速のスローモーションでご覧下さい。
真っ暗な穴の中を覗き込んで、じっくり物色しています。
ところが結局は穴の中に入らず、身を翻して飛び去りました。

一旦、電線に戻ったムクドリは、再びトタン屋根に飛んで移動しました。
なぜか穴に直接飛び込もうとはしないで、とても慎重に回り道をしています。
これは私の想像ですが、穴の中に古い鳥の巣があるのを見て、巣の持ち主が戻って来て怒られる(攻撃される)のをこの個体は恐れているのかもしれません。
ムクドリは慎重に時間をかけ、前回と同じ帰巣ルートで巣口の縁に止まりました。
華麗なホバリング(停飛)を、まずは1/5倍速のスローモーションでご覧下さい。(@4:06)
穴の奥を覗き込み、長々と逡巡してから、ようやく意を決したように穴の中に飛び込みました。(@6:01)

巣穴から飛び出す瞬間を240-fpsのハイスピード動画に切り替えて撮ってみました。(@6:05〜)
もし育雛中であれば、巣から飛び去る親鳥は雛の糞を嘴に咥えているはずです。(排糞行動)
しかし、ようやく穴の奥から顔を出したムクドリは、白い糞を咥えていませんでした。
穴の縁に足を掛けてから外に飛び立つまでに、なぜか長いこと躊躇していました。(編集でカット)
キョロキョロと周りを警戒しています。
最後は羽ばたきながらこちらに向かって飛んできて、私の頭上を飛び越えて行きました。

その後、この穴でムクドリが営巣したかどうか確認していません。
たまに通りかかっても、ムクドリの姿は見かけませんでした。


ムクドリ(野鳥)@電線
ムクドリ(野鳥)@電線・全景
ムクドリ(野鳥)@電線・全景 (左の穴には興味なし)
ムクドリ(野鳥)@屋根裏壁:巣穴物色

屋根裏の穴(左側)



2019/09/05

川の水深計の天辺で見張るモズ♂とヒヨドリ(野鳥)



2019年6月中旬

水害対策のための自動水深計と思われる装置が川の中に設置してありました。
川から垂直に立っている柱には小さなソーラーパネルが付属しているので、川の水位や水質などをリアルタイムで測定・記録・送信しているのでしょう。(水位テレメータ?)
その柱の天辺でモズ♂(Lanius bucephalus)が上流を向いて止まっていました。

昼下がりの強い日差しを浴びながら、辺りをキョロキョロ見回しています。
モズにしては珍しく尾羽根を上下に動かしておらず、真下に向けていました。
川岸のヨシ原ではでオオヨシキリ♂が頻りに鳴いています♪
モズ♂は首をねじって左肩を羽繕い。
急に振り返ると尾羽根を上下させ、右(下流)に飛び去りました。(@1:28)
1/5倍速のスローモーションでリプレイ。

その直後にヒヨドリHypsipetes amaurotis)が飛来し、モズと入れ替わるように水深計の天辺に陣取りました。


モズ♂(野鳥)@川:水深計柱天辺
ヒヨドリ(野鳥)@川:水深計柱天辺



キリンソウの花蜜を吸うベニシジミ春型



2019年6月中旬

川沿いの堤防に咲いたキリンソウの群落でベニシジミLycaena phlaeas daimio)が訪花していました。
翅を半開きのままで吸蜜しています。
隣の花へ歩いて移動することもあります。
最後は飛び立ちました。


ベニシジミ春型@キリンソウ訪花吸蜜



2019/09/04

ハシブトガラス親鳥に餌をもらい巣箱で羽ばたき練習をする雛【10倍速映像】(野鳥)



送電塔#KN7に営巣したハシブトガラスの観察記録#16



▼前回の記事
巣箱がある送電塔から見張り緊急発進するハシブトガラス親鳥(野鳥)

2019年6月中旬・午後13:58〜15:28

ハシブトガラスCorvus macrorhynchos)の巣箱を微速度撮影で90分間監視してみました。
10倍速の早回し映像をノーカットでご覧下さい。
昼下がりの暑さで陽炎が立ち昇り、三脚でカメラを固定しているのに画面がゆらゆらと揺れているように見えます。

少なくとも2羽の雛が巣箱の中で動いています。
この時間帯は、親鳥による給餌の頻度が低いようです。
暑い昼下がりは餌となる昆虫の活動も下がりますから、親鳥があまり餌を獲れないのも当然でしょう。
あるいはもしかすると、巣立ちに備えて親鳥が雛への給餌量を意図的に抑えているのかな?

喉袋を餌で膨らませた親鳥がようやく右から帰巣しました。(@2:49)
在巣の雛鳥はすかさず伸び上がって翼を広げ、嘴を大きく開けて餌乞いします。
久しぶりに見る雛はもうすっかり大きく成長していて、幼鳥と呼べそうです。
給餌した親鳥は左へ飛び降りました。(@2:55)
食後に留守番している雛の1羽が巣内で大きく位置を変え、軽く羽ばたき練習をしました。(@3:00)

しばらく昼寝していた雛が目覚めると、巣箱の外枠から身を乗り出し下界を見下ろしています。(@5:10)
好奇心旺盛な雛は鉄骨に止まり羽繕い。
そのまま飛び降りるのかな?と見ている私はドキドキしましたが、結局巣立ちませんでした。

やがて右から飛来した親鳥が帰巣しました。(@5:43)
喉袋はぺしゃんこなので、空荷で採餌から戻って来たようです。
雛の餌乞いに応じて巣に入ったものの案の定、給餌しませんでした。
雛の背後に回り込み、雛が排泄した糞を咥えました。
今度は親鳥の喉袋が膨らんでいるのが分かります。
ゼラチン質で包まれた雛の糞を喉袋に入れて、巣の外に捨てに行きました(排糞行動)。(@5:49)

直後に雛がまた元気に羽ばたき練習を始めました。(@5:51)
再び巣箱の外枠から鉄骨へ移動したりと、活発に動き回っています。

平凡社『日本動物大百科4鳥類II』を紐解いてハシブトガラスの繁殖活動について調べると

巣は高木や送電線の鉄塔などの高所につくり、青緑色地に褐色斑のある卵を3〜5個産む。抱卵は♀により約20日間、育雛期間は30〜35日で、雌雄で行なう。巣立ち後はしばらく家族生活を送る。繁殖中の親鳥は攻撃性が強い。(p173より引用)


果たして巣立ちの瞬間を観察・撮影できるでしょうか?

つづく→#17:ハシブトガラス親鳥が墓地で警戒(野鳥)


ハシブトガラス(野鳥)巣箱@送電塔#KN7

軒下のオニグモ(蜘蛛)を狩るヒヨドリ(野鳥)



2019年6月中旬・くもり

街なかを流れる川沿いに建つコーポ2階の外廊下で奇妙なホバリングを繰り返すヒヨドリHypsipetes amaurotis)が気になりました。
私が急いでカメラを向けると、ヒヨドリは外廊下の手摺に止まって周囲の様子を伺っています。
その場で黒い糞をドロリと排泄し、手摺に付着しました。(@0:04)
普段は白い鳥の糞が黒いのは珍しく思いました。

急に飛び上がったヒヨドリが外廊下の天井付近で偵察のためにホバリング(停空飛翔)しました。
再び手摺から飛び上がり、今度は廊下の天井から何か黒い獲物を嘴で器用に捕食しました。
1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみると、獲物は天井板の目地に潜んでいた黒くて大きなクモでした。
おそらくオニグモAraneus ventricosus)でしょう。
手摺に舞い戻ったヒヨドリは、暴れるオニグモを手摺に軽く叩きつけて殺しました。
このときクモの歩脚が数本落ちました。
ヒヨドリは動かなくなったクモを咥え直し、鳴きながら意気揚々と飛び去りました。
丸々と太ったオニグモをその場で食べずに持ち去ったので、巣で腹を空かせて待っている雛に給餌するのでしょう。
近くの住宅地に巣があるようです。
私は未だヒヨドリの巣を見つけたことがありません。
ヒヨドリがオニグモの天敵になるとは予想外でした。
野鳥がクモを狩る決定的瞬間の証拠映像が撮れたのは、かなり嬉しかったです。

オニグモは夜行性で、昼間は網をたたんで物陰に隠れているのですが、隠れ方が甘かった個体は捕食者によって自然淘汰されてしまうのでしょう。

実は、ヒヨドリが採食時に停飛(ホバリング)するのはお手の物です。

▼関連記事(6年前の撮影)
干し柿を盗み食いするヒヨドリ【冬の野鳥:HD動画&ハイスピード動画】

ヒヨドリ(野鳥)@コーポ2F外廊下+停飛
ヒヨドリ(野鳥)@オニグモ(蜘蛛)捕食
ヒヨドリ(野鳥)@オニグモ(蜘蛛)捕食



2019/09/03

夜明けに樹上で鳴き続け偵察飛翔を繰り返すノスリ親鳥(野鳥)




ノスリ(野鳥)営巣地での観察記録#9



▼前回の記事
ノスリの巣:夜明け前後の様子(野鳥)

2019年5月下旬・午前4:08〜4:54(日の出時刻は午前4:20)

夜が明ける前に私がノスリButeo japonicus)の巣を撮っていると、近くで親鳥が鳴き始めました。
ピィーイ、ピィーイ♪と甲高い声でひたすら繰り返しています。
営巣木の柳から左に少し離れたところにポプラ(=セイヨウハコヤナギ)の大木が聳え立っています。
逆光でポプラ枝葉のシルエットしか見えませんが、その樹冠に望遠レンズを向けた途端に、そこから1羽のノスリが鳴きながら飛び出しました。
てっぺんよりも少し下の枝に止まっていたようです。

親鳥は巣内ではなく、近くのポプラ樹上で夜を過ごしたのでしょうか?
こちらに向かって一直線に飛んで来て、鳴きながら私の頭上を通過しました。
辺りを一回りした後でポプラ樹冠にバサバサと止まり直しました。

余談ですが、ポプラの樹間で何か昆虫が群飛していました。
蚊柱よりも大きな虫が飛び回っているのです。
ノスリ親鳥が貯食した獲物の死骸にハエが集ってるのでしょうか?
あるいはノスリ親鳥のねぐらにスズメバチの巣があったら面白いのですが、よく見ると鱗翅目が何頭も羽ばたいているようです。
もしかすると、美麗種として有名なゼフィルスの仲間かもしれません。
シルエットしか見えないのが残念です。
その後、あちこち移動するノスリの観察を続けると、河畔林の別の樹冠でも群飛している昆虫がいました。
この群飛をしっかり撮るには、対岸に渡って順光のアングルで狙う必要がありますね。

閑話休題。
ポプラ大木の天辺で鳴き続けるのは、朝の縄張り宣言(囀りさえずり)♪なのでしょうか?
川べりで暮らす野鳥たちも鳴き始め、素晴らしい朝のコーラスになりました。
私が聞き取れた鳴き声の野鳥を列挙すると、キジ♂、ホオジロ♂、ハシブトガラス、モズ、ヒヨドリ、ハシボソガラス、スズメなど。

ノスリが止まり木から何度も飛び出して私の頭上を飛び回るのは、不審者に対する威嚇や偵察飛行なのかな?
巣の方を向いて長時間撮り続ける私を警戒しているのかもしれません。
観察歴の浅い私には未だノスリの性別を見分けられません。
もしかするとポプラ樹上で鳴いたり飛び回るのは♂の陽動作戦で、その間に♀がこっそり帰巣したのかもしれません。
気になった私が途中で巣の様子をチェックしても、相変わらず親鳥は不在のようで雛の動きもありませんでした。
ここで営巣する♀♂つがいのうちの1羽は、左翼の風切羽が欠損していることが分かっています。
この特徴は逆光で飛んでいるシルエットだけでも容易に見わけることができて、個体識別に便利です。
私の頭上を飛び越えた際によく見ると、今回も左翼の羽が欠けた個体でした。(@6:12)
(途中で入れ替わっている可能性は?)

やがて止まり木から飛び出したノスリが、鳴きながら羽ばたきと滑翔(グライディング)を交互に繰り返し、水平に飛び回るようになりました。
気温が低い早朝は上昇気流が未だありませんから、大型猛禽類のノスリにとって鳴きながら飛び回るのは結構大変な労力のはずです。
それにも関わらず何度も繰り返すということは、何か目的があるはずです。
早朝に飛び回ってパトロールする範囲が縄張りなのでしょうか?
しかし、ノスリの縄張りがまさかこんなに狭いはずがない気がします。
カラスなどの野鳥が領空侵犯する度に追い払いに行っているのかもしれません。

やがて、画面の左下から太陽が昇り始めました。
すると野鳥のコーラスが終わり、辺りが静かになりました。

後半になると、営巣木(柳)のすぐ隣にひょろっと聳え立つニセアカシア(別名ハリエンジュ)高木の天辺に止まってひたすら鳴き続けていました。
油断なく辺りをキョロキョロ見回しています
最後にニセアカシアの枝から左に飛び立ち、お気に入りのポプラ樹冠に飛び込みました。

この時間帯に観察するのは初めてでしたが、ノスリ親鳥の早朝の行動パターンがだいぶ分かってきました。

※ 動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています


後々考えると、このとき私はノスリ親鳥を困らせていた(苛立たせていた)のかもしれません。
川を挟んで対岸に三脚を立てて長時間撮影(ブラインド未使用)している私を警戒して、親鳥が朝にやるルーチンが変わってしまった可能性が高いです。
言い訳になりますが、ノスリの鳴き声がバリエーションに乏しくて、素人の私にはその意味が正しく解釈できませんでした。
巣の近くで鳴き続けているのはノスリ♂が毎朝やってる囀りさえずり(縄張り宣言のモーニングコール)なのだろうか?と暢気に考えていたのです。
参考資料を読んで予習したときも、ノスリの営巣習性や鳴き声の意味について詳しい記録を見つけられませんでした。
後日になって別種の猛禽に関する専門書(§)を読み漁っていたら、もしかすると私が我流でやった初期の観察法がノスリの親鳥にストレスを与えていたのかもしれないと気付かされました。
(§ 特に氏原巨雄『オオタカ観察記』と宮崎学『鷲鷹ひとり旅』の2冊が非常に素晴らしく、観察ノウハウのバイブルとして今後の参考になりそうです。)


つづく→#10:早朝に営巣木の上空でノスリ親鳥を追い回すハシボソガラス(野鳥)


ノスリ(野鳥)♪@ニセアカシア樹冠
ノスリ(野鳥)♪@ニセアカシア樹冠・全景+日の出
ノスリ(野鳥)♪@ニセアカシア樹冠

キンギンボクの花で採餌するクマバチ♀



2019年6月中旬

川沿いで見慣れない灌木に咲いた白い花にキムネクマバチ♀(Xylocopa appendiculata circumvolans)が訪花していました。
花から花へ忙しなく飛び回り、正当訪花を繰り返し吸蜜しています。(※追記参照)
腹背は黄色い花粉で汚れているものの、後脚の花粉籠は空荷でした。


※ 【追記】
映像を見直すと、正当訪花ではなく穿孔盗蜜しているようです。


▼関連記事(1年後に撮り直し)
キンギンボクの花で穿孔盗蜜するクマバチ♀

クマバチ♀@キンギンボク訪花採餌
クマバチ♀@キンギンボク訪花採餌

さて、気になるのはこの植物の名前です。
川沿いのコンクリート・ブロックの護岸を覆うように低く繁茂したり、隣接する河畔林でニセアカシアやタニウツギなどの木々に絡みつく蔓植物のようにも見えます。
外来植物の群落なのかと思いきや、キンギンボク(別名ヒョウタンボク)と教えてもらいました。


キンギンボク(ヒョウタンボク)花
キンギンボク(ヒョウタンボク)花
キンギンボク(ヒョウタンボク)花・全景:コンクリート護岸
キンギンボク(ヒョウタンボク)花・全景:河畔林(ニセアカシア)
キンギンボク(ヒョウタンボク)花・全景:河畔林(ニセアカシア)
キンギンボク(ヒョウタンボク)花・全景:河畔林(タニウツギ)

2019/09/02

巣箱がある送電塔から見張り緊急発進するハシブトガラス親鳥(野鳥)



送電塔#KN7に営巣したハシブトガラスの観察記録#15



▼前回の記事
巣箱の雛に餌を与え糞を始末するハシブトガラスの親鳥(野鳥)

2019年6月中旬

17日ぶりの定点観察です。
だいぶ間隔が空いてしまったので、ハシブトガラスCorvus macrorhynchos)の雛が巣立ってしまったのではないかと心配でした。
鉄塔が見える場所に着くとすぐに望遠レンズで見ると、1羽の親鳥が巣箱の右横の鉄骨に止まり、油断なく左右を見張っていました。

もう少し近づいていつもの場所に三脚をセットし、本格的に撮り始めました。
すると鉄骨に止まってカーカー♪鳴いていた親鳥が鳴きながら右へ飛び去りました。
パートナーと協力して領空侵犯への対応を迫られたのかな?(私に対する警戒ではないと思います。)
この後、親鳥♀♂はしばらく巣箱を留守にしたまま戻って来ませんでした。
巣箱内で身動きする雛が見えたので、未だ巣立っていないことが分かり、一安心。

つづく→#16:ハシブトガラス親鳥に餌をもらい巣箱で羽ばたき練習をする雛【10倍速映像】(野鳥)


ハシブトガラス親鳥(野鳥)@巣:送電塔#KN7+見張り

路上に落ちたサクランボの果肉をついばむスズメ(野鳥)



2019年6月中旬


▼前回の記事
サクランボの熟果を食害するスズメ(野鳥)

スズメPasser montanus)成鳥が路上に降り立ち、サクランボの木の枝から落ちた果実を啄んでいました。
果皮が赤いので、甘く熟した果実のようです。
スズメの嘴サイズではサクランボの果実を丸ごと呑み込めないようで、種子の周りの果肉だけを少しずつ食べています。
したがって種子散布者ではない(主役として当てにされていない)…と結論づけようとしたら、最後にスズメは食べ残しの果実を咥えたまま飛び去りました。
どこか安全な場所で食餌を続けるのでしょう。
食後に種子を捨てれば、持ち運んで飛んだ距離だけサクランボの種子散布に寄与したことになります。


スズメ(野鳥)@路上+サクランボ落果:果肉採食
スズメ(野鳥)@路上+サクランボ落果:果肉採食



2019/09/01

ノスリの巣:夜明け前後の様子(野鳥)



ノスリ(野鳥)営巣地での観察記録#8



▼前回の記事
ハシボソガラスにモビングされて逃げるノスリの親鳥(野鳥)

2019年5月下旬・午前3:57〜4:49(日の出時刻は午前4:20)

3日後の定点観察。
真っ暗な深夜から出撃して、夜明け前のノスリButeo japonicus)の巣の様子を調べに行きました。
東の空から太陽が登ると逆光のアングルになってしまうのですが、初めは暗くて柳樹上に作られた巣のシルエットが辛うじて見える程度でした。
早朝は無風で周囲の枝葉が全く動かないので、撮影しやすくて助かります。
巣内で動きはありません。

やがて夜明け前の野鳥のコーラスが始まりました。
辺りが白々と明るくなると、ニセアカシアの白い花が巣の周囲で満開に咲いていました。
長撮りした監視映像を5倍速に加工すれば、巣内の動きが検出しやすいかもしれません。(@0:15〜0:26、0:43〜1:53、2:28〜2:34、2:50〜3:00)
しかし早回し映像でも、巣内で雛鳥は全く動きませんでした。
親鳥が抱雛しているかどうかも不明です。
雛は巣内でぐっすり寝ているとか、雛が未だ小さくて巣内で動いてもこのアングルでは見えないだけなら良いのです。

最近カラスにノスリの雛が襲われてしまったのではないかとそれだけが心配です。

巣の近くで親鳥が鳴き始めました♪(@0:27〜)
ピィーイ、ピィーイ♪と甲高い声でひたすら繰り返すだけで単調です。
河畔林のどこで鳴いているのか、初め私には分かりませんでした。
どうやら親鳥はどこか巣の外で夜を過ごしていたようです。
たとえ夜間は巣内に親鳥が不在だとしても、朝一番に帰巣して雛の様子をチェックするだろうと私は予想していました。
(送電塔に営巣したハシボソガラスがそうでした。)

※ 動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。




つづく→#9:夜明けに樹上で鳴き続け偵察飛翔を繰り返すノスリ親鳥(野鳥)



↑【おまけの動画】
同じ素材を早回しにせずに、そのままお届けします。(ブログ限定で公開)


ノスリ(野鳥)巣@夜明け前:柳樹上
ノスリ(野鳥)巣@夜明け後:柳樹上

橋の下の草地を蛇行するアオダイショウ



2019年6月中旬

橋の下の地面にアオダイショウElaphe climacophora)を見つけました。
赤い舌をチロチロと出し入れしながら草地を蛇行しています。
初めは川に向かっていたので泳ぐのかと期待したのですけど、途中で引き返してしまいました。
横の川で釣りをしている人は、背後の蛇には気づいていません。


アオダイショウ@橋の下:草地・全景
アオダイショウ:頭部@橋の下:草地
アオダイショウ@橋の下:草地
アオダイショウ@橋の下:草地

池で獲った魚を木に叩きつけてしめるカワセミ♂(野鳥)



2019年6月中旬・午後17:50

夕方の池に飛び込んで素早く魚を獲ったカワセミ♂(Alcedo atthis bengalensis)がすぐ岸に戻り、桜の横枝に止まりました。
(映像はここから。)
薄暗いので画質が粗く、カメラのAFも効きにくいです。

この個体は下嘴が赤くないので、♂ですね。
暴れる小魚を足元の横枝に何度も叩きつけて殺しています。
周囲の桜の葉に白い鳥の糞が大量に付着しているので、カワセミお気に入りの止まり木なのかな?
(あるいは野鳥のねぐらになっているのかもしれません。)

締めた魚をカワセミ♂が自分で飲み込んだように撮影中は見えたのですが、映像をじっくり見直すとどうやら小魚を食べずに咥えたまま飛び立っているようです。
蒼い稲妻のように飛び去るカワセミ♂を流し撮りしたものの、見失ってしまいました。
巣で待つ雛に給餌するために魚を獲ったのでしょう。
飛び去る瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。

この池でカワセミを見れたのは2回目です。
近くにカワセミの巣があるのなら嬉しいニュースです。


カワセミ♂(野鳥)@池畔:桜樹上+魚捕食



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