2019年6月中旬
街なかの車道に面した2階建ての某事務所の屋根裏の壁に丸い穴が開いています。
その穴に興味を示した1羽のムクドリ(Sturnus cineraceus)が繰り返し訪れていました。
何のための穴なのか分かりませんが、左にもう一つある穴は
電線やケーブルを屋内に引き込むための穴でもなさそうです。(煙突を通す穴だったのかな?)
穴の中から雛が餌乞いする鳴き声が聞こえないので、営巣中ではないようです。
どうやら営巣地を物色しているようですが、まさか、これから2回目の繁殖を行うのでしょうか?
確かムクドリの繁殖は年に1回のはずでは…?とうろ覚えだったの調べてみると、私の知識が間違っていました。
菅原光二・丸武志『カラー版自然と科学50:ムクドリ』によると、
・はんしょく期は3月から7月です。 (p7より引用)
・つがいは、一年に二回はんしょくすることができます。後半には、前半に巣あなを手にいれることができなかったつがいもはんしょくしているようです。 (p20より引用)
平凡社『日本動物大百科4鳥類II』によれば、
ムクドリの第1回の繁殖は4月上旬から6月上旬までである。 (p162より引用。第2回目の繁殖期間の記述なし)
電線に止まったムクドリが巣穴の方を向いて、入巣のタイミングを慎重に見計らっていました。
背後でじっと見ている私に巣の位置を知られたくなくて警戒しているのかな?
電線を横歩きして巣穴の正面まで来ました。
初めのうち、私はてっきり雛に給餌するために帰巣する親鳥なのだろうと単純に予想していました。
しばらくすると、ムクドリは電線から緑のトタン屋根に跳び移りました。
次に下を何度も見ながら屋根の縁を横に歩き、巣穴の上まで移動しました。
遂に屋根から飛び降りるとし、丸くくり抜かれた巣口の縁に止まりました。(@1:04)
華麗なホバリング(停空飛翔)を、まずは1/5倍速のスローモーションでご覧下さい。
真っ暗な穴の中を覗き込んで、じっくり物色しています。
ところが結局は穴の中に入らず、身を翻して飛び去りました。
一旦、電線に戻ったムクドリは、再びトタン屋根に飛んで移動しました。
なぜか穴に直接飛び込もうとはしないで、とても慎重に回り道をしています。
これは私の想像ですが、穴の中に古い鳥の巣があるのを見て、巣の持ち主が戻って来て怒られる(攻撃される)のをこの個体は恐れているのかもしれません。
ムクドリは慎重に時間をかけ、前回と同じ帰巣ルートで巣口の縁に止まりました。
華麗なホバリング(停飛)を、まずは1/5倍速のスローモーションでご覧下さい。(@4:06)
穴の奥を覗き込み、長々と逡巡してから、ようやく意を決したように穴の中に飛び込みました。(@6:01)
巣穴から飛び出す瞬間を240-fpsのハイスピード動画に切り替えて撮ってみました。(@6:05〜)
もし育雛中であれば、巣から飛び去る親鳥は雛の糞を嘴に咥えているはずです。(排糞行動)
しかし、ようやく穴の奥から顔を出したムクドリは、白い糞を咥えていませんでした。
穴の縁に足を掛けてから外に飛び立つまでに、なぜか長いこと躊躇していました。(編集でカット)
キョロキョロと周りを警戒しています。
最後は羽ばたきながらこちらに向かって飛んできて、私の頭上を飛び越えて行きました。
その後、この穴でムクドリが営巣したかどうか確認していません。
たまに通りかかっても、ムクドリの姿は見かけませんでした。
ムクドリ(野鳥)@電線 |
ムクドリ(野鳥)@電線・全景 |
ムクドリ(野鳥)@電線・全景 (左の穴には興味なし) |
ムクドリ(野鳥)@屋根裏壁:巣穴物色 |
屋根裏の穴(左側) |
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