2021/09/04

ヒメキンギョソウの花で採餌するハキリバチの一種♀【HD動画&ハイスピード動画】

 

2021年6月上中下旬・午後16:35頃・くもり 

山麓の道端の花壇に咲いたヒメキンギョソウ(リナリア)の群落でハキリバチ科の一種♀(種名不詳)が訪花していました。 
腹部下面のスコパに黄色い花粉を満載しています。 
リナリアという園芸植物はオオバコ科ウンラン属なのだそうです。 
この黄色い花が咲く品種はリナリア・ブルガリスで、ヨーロッパから北アジアが原産らしい。 
花筒がとても複雑な形状をしています。 
例えばマメ科に特徴的な構造の花は植物学的に蝶形花と呼びますが、リナリアの花は何と呼ぶのでしょう? 
ネット検索で調べても分かりませんでした。(どなたかご存知の方がいらっしゃいましたら、教えて下さい。) 

ハキリバチ♀はリナリアの花筒の入り口を頭でこじ開けて潜り込み、距の奥にある蜜腺から吸蜜します。 
そのとき体に花粉が付着します。 
花筒から後ろ向きに出てくると次の花に飛んで行き、花の受粉を担います。 

訪花シーンを240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:52〜)
ハキリバチ♀は花の周囲をホバリングしながら空中で左右の脚を擦り合わせています。 
体毛に付着した花粉をまとめて後脚でスコパに擦り付けているのです。 

訪花中に強い風が吹くとリナリアの株が激しく揺れます。 
それでもハキリバチ♀は平気で花にしがみついて潜り込み、採餌を続けています。 
強風に煽られても飛び続けられるのはさすがです。 

ハキリバチ♀と一緒に訪花していた小型のカミキリムシの一種も気になります。 
マクロレンズを装着してカミキリムシの訪花シーンも接写したかったのですが、あまりにも風揺れが激しいので泣く泣く断念しました。 


 

早朝に電柱の天辺で鳴き続けるノスリ(野鳥)

 

2021年6月下旬・午前5:30頃・晴れ 

早朝の田園地帯でノスリButeo japonicus)が電柱の天辺に止まって鳴いていました。 
強烈な朝日を浴びて完全に逆光のアングルになってしまいました。 
逆光補正すると胸の羽毛が白かったので、おそらくノスリで大丈夫でしょう。 

ピーエ、ピーエ♪と寂しげな甲高い声で繰り返し鳴いています。 
ノスリは鳴き声のバリエーションが乏しくて、どんな意味合いがあるのか分かりにくいのが難点です。 
早朝の囀りさえずり(モーニングコール、縄張り宣言?)なのでしょうか? 
おそらく近くで営巣しているのではないかと私は睨んでいます。 
通りかかった私に対して警戒声♪を発しているのかもしれません。
しかし、この個体は初め私に対して背を向けて鳴いていました。  
他にはキジ♂の母衣打ち♪やムクドリ、カエルの鳴き声♪も近くから聞こえています。 

横の道を軽トラックが走って来たら、ノスリは電柱から飛び去りました。 
飛び立つ瞬間を撮り損ねたのが残念です。 
羽ばたきと滑翔を交互に繰り返して広大な田んぼの上空を横切り、遠ざかりました。 
飛翔シーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみると、辛うじて翼の下面全体が見えて、ノスリの特徴を確認できました。 

※ 動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 
※ 前半(〜0:49)のみ逆光補正を施しています。

 

2021/09/03

オニグルミの木を登る若いニホンザル

 

2021年6月下旬・午後16:45頃・晴れ 

里に近い山麓で若いニホンザルMacaca fuscata fuscata)がオニグルミの木に登っていました。 
太い枝に腰掛けると、頬袋に溜め込んだ餌をモグモグと咀嚼しています。 
何を食べているのかメニューは分かりませんでした。 
私がカメラをじっと向けているので気まずくなったのか、立ち上がると木登りを再開。 
枝葉の茂みに隠れて見失ってしまいました。 
奥のスギ林へと遊動して行ったのかもしれません。

トレイルカメラに写ったキジ♂(野鳥)

 

2021年6月下旬・午前7:12・晴れ・気温31℃ 

堤防のコンクリート階段に設置したトレイルカメラ(センサーカメラ)に初めて写っていた記念すべき第1号はキジ♂(Phasianus versicolor)でした。 
朝、階段を1段ずつゆっくり降りて行くと、水辺の柳灌木の茂みに姿を消しました。 
普段の撮影では(ブラインドを使わない限り)どうしてもヒトに対する警戒心が行動に影響してしまうので、キジの全く自然な行動を記録できたのは貴重です。 

カメラが動体検知してからの撮影時間を2分間に設定していたのですが、長過ぎました。 
大抵の場合は1分間で充分です。 
しかし、今回は最後に(@1:50)遠くからキジ♂がケンケーン♪ ドドドドド…♪と縄張り宣言の母衣打ち♪をする鳴き声がしっかり録音されていました。 
オオヨシキリ♂の囀りさえずりも絶え間なく聞こえます。 

2021/09/02

不審なトレイルカメラを調べに来たニホンアナグマ【暗視映像】

 

2021年6月下旬・午後21:18(気温17℃)および午前00:36(気温16℃) 

堤防を護岸するコンクリートの階段にトレイルカメラ(センサーカメラ)を設置したのは、ある目的がありました。 
長年ここには野生動物の溜め糞があり、サインポストとして利用しているのは何者なのか正体を突き止めたかったのです。 
溜め糞と言えばタヌキというのが定説ですけど、ここではアナグマの可能性もあるのではないかと長年私は疑っていました。 
昔、現場付近で昼間に一度だけアナグマとばったり出会ったことがあるからです。 

値下がりしたトレイルカメラを購入したものの、それなりに高価な撮影機材です。 
盗難や悪戯されるのを恐れて、設置法が及び腰になってしまいました。 
溜め糞が残された階段の2段上の物陰にカメラを設置して、斜めから見下ろすようなアングルにしたつもりでした。 
しかし撮れた映像を見直すと、設置アングルがいまいち甘いですね。 

いきなりニホンアナグマMeles anakuma)が一晩で2回も写っていたので驚きました。 
夜間は赤外線の暗視映像に自動で切り替わります。
初回はカメラの背後から登場し、タニウツギの茂みをくぐって階段を移動しました。 
動体検知するはずなのに、カメラの起動が遅過ぎました。 
撮り始めたときには被写体が近過ぎて、獣の種類が素人にはよく分かりません。 
髭と鋭い爪が印象的です。 
トレイルカメラの匂いを嗅いで立ち去る後ろ姿をよく見ると、素人目には股間に陰茎が見える気がします。 
だとすれば♂だと思うのですが、どうでしょうか? 
カエルの鳴き声も♪録音されていました。 

3時間18分後の深夜、再び現れたので、同一個体が戻って来たのかな? 
2頭目の別個体が登場した可能性も考えられます。 
正面から現れたアナグマがカメラの臭いを嗅いで、階段を立ち去りました。 
前足の爪が鋭いのが特徴です。 
残念ながら、今回もカメラの起動が遅すぎます。 
居なくなったと思いきや、しばらくすると画面の左から再登場しました。 
地面の臭いを嗅ぎながら階段を降りる際に、アナグマの全身像が側面からしっかり写っていました。 
アナグマは溜め糞の存在に気づいていないのか、それとも興味がないのか、迂回して階段から立ち去りました。 

野生のアナグマがここに生息している決定的証拠映像が撮れたので、大満足です。
意外なことに、登場したアナグマは2回とも、階段上の古い溜め糞で匂いを嗅いだり新たに排便するどころか、全く興味を示しませんでした。 

以下にトレイルカメラの技術的な改善点を記します。 
カメラをもっと下向きに傾けて設置しないと、肝心の溜め糞が写りません。 

周囲に自生する灌木の枝葉が風で揺れる動きにセンサーが誤作動してしまうことが分かりました。 
ところがセンサーの感度を下げると無駄撮りは確かに減るものの、動物が登場した肝心の決定的瞬間に起動が遅れてしまうようです。(センサー感度をmiddleに戻すべき) 

トレイルカメラには32GBのSDカードが付属していました。 
しかし、メーカー保証対象外の64GBのSDカードでも問題なく録画できると分かったのが収穫です。 

雨が降ってもカメラの防水性能はばっちりで、センサーの誤作動はありませんでした。
回収時にカメラの表面は雨と朝露で濡れていました。 
晴れれば自然に乾きます。

今回、野生のアナグマはトレイルカメラに近づいてから階段を迂回する動きを見せました。 
トレイルカメラを少しでも目立たなくしたかった私は、黒いプラスチック製の植木鉢をさり気なくカメラに被せていました。 
(レンズとセンサーのあるカメラ前方には窓を切り開いておきました。) 
しかし、そのカバーが風で飛んだりしないように載せて置いた鉄の重りが雨のせいで一晩で錆だらけになっていました。 
私が余計なことをしたせいで、どうやら野生動物は鉄錆の匂いを警戒したようです。 
翌日、私がカメラを回収に行くと、トレイルカメラの前面が錆びた水で汚れていました。 
カメラを階段上に直に置いたので、雨の跳ね返りがレンズやセンサーを直撃したようです。 
トイレットペーパーで汚れを拭き取れば、その後の使用に支障は出ませんでした。 

色々と細かくトレイルカメラの設定を調節したり試行錯誤する必要があって、使い方に慣れるまではなかなか大変です。 
カメラトラップも奥が深い世界だと分かってきました。 


巣から落ちたシジュウカラの雛を襲うアリの群れ(野鳥)

 

2021年6月下旬・午後17:00頃・くもり 

住宅地の道端の地被植物の上でシジュウカラParus minor minor)の雛が静かに暴れていました。 
巣からうっかり落ちてしまったようですが、すぐ隣の民家の庭に植栽された2本のアカマツを見上げても、シジュウカラの巣は見あたりません。 
私が雛に近づいても警戒声を発して抗議するシジュウカラの親鳥♀♂の姿も周囲にありませんでした。 

シジュウカラの雛は目をときどき開くものの、辺りが見えているのか疑問です。 
体の羽根は未だ生え揃っていない状態で裸の部分もあり、個々の羽毛は未発達な刺毛(筆毛)の状態です。 
よく見ると、赤っぽい微小なアリ(種名不詳)が雛の体中に群がっていました。 
獲物を見つけた働きアリが群れを動員して捕食しに集まってきたのでしょうか? 
あるいは、雛が落ちた地面がちょうどアリの巣の真上だったのかもしれません。 
シジュウカラ雛がアリを嫌がって必死で翼をばたつかせて暴れても、振り落とせません。 
未だ歩くどころか立つことも出来ない雛は、アリから逃げることもできないのです。 
雛は鳴き声を発する元気もないようです。 

このときハシブトガラスCorvus macrorhynchos)の成鳥が近くの電柱でカーカー♪と頻りに鳴き騒いでいました。 
私に獲物を横取りされたと勘違いして抗議しているのでしょうか? 
それならばと私は現場から少し離れて、交差点の反対側から成り行きを見守ることにしました。 (以降は映像なし) 
 "Mind of the Raven: Investigations and Adventures with Wolf-Birds" by Bernd Heinrich という北米のワタリガラスに関する本を読むと、カラスが育雛中の鳥の巣を襲い、雛を拉致して「貯食」する例があることを知りました。 
日本でもカラスがスズメやツバメなど鳥の巣を襲って雛を捕食するのは周知の通りです。
この時期はカラスにとっても繁殖期ですから、雛や幼鳥に餌を与えて育て上げないといけないのです。

さて、気になるハシブトガラスは落鳥した雛の真上の電線に移動し、周囲を見張っています。 
今にも路上に舞い降りて落鳥したシジュウカラの雛を捕食するのではないかと期待して、私は遠くから撮影します。 
ところがカラスは電線上から脱糞したり、嗄れ声でガーガー♪とやかましく鳴き続けるばかりです。 
通行人や車がひっきりなしに通るので、警戒しているのでしょうか? 
それともカメラをずっと向けている私の存在が気に食わないのかな? 
意外にも最後はどこかへ飛び去ってしまいました。 
実はシジュウカラの雛の存在には気づいていなかった可能性もあります。 
もしかすると近くにカラスの巣があって、親鳥が雛を守るためヒトに対して威嚇していただけかもしれません。

この後、シジュウカラの雛がどうなったか、見届けていません。
誰か「心優しいヒト」に拾われたでしょうか?
ネコやヘビが通りかかって捕食した可能性が高いでしょう。 

シジュウカラは絶滅の恐れがない普通種ですし、私は自然界の営みになるべく介入しないように心がけています。 
「良かれと思って、可哀想だから」と特定の生き物(ヒトがかわいいと思い感情移入しやすい生物)だけを依怙贔屓するのは問題があります。 
腹を空かせたカラスやアリやネコの貴重な餌をヒトが勝手に取り上げるのは理不尽で残酷だ、という考え方もあるからです。 
巣から落ちた雛を親鳥が巣に運んで戻すことは不可能ですし、給餌に通って育て上げる可能性は低いでしょう。(おそらく見捨てるはずです。) 
これがもし幼鳥(巣立ち雛)なら、間違いなく親鳥に世話を任せるべきです。
関連記事▶ 巣立ち直後のヒヨドリ幼鳥をブロック塀から安全な場所に誘導する親鳥♀♂(野鳥)
一部の猛禽類などでは親鳥から受け取る餌を独占するために雛同士でつつき合ったり巣から落としたりして殺し合い、親鳥はその争いには介入せず黙認します。
そうした厳しい野鳥の世界にヒトの倫理観を持ち込んでも仕方がありません。
小坪遊池の水」抜くのは誰のため?~暴走する生き物愛』という話題になった新潮新書によると、
・野生の生き物、特に元々その地域にすんでいた生き物たちは、その場所で自然のままに生き、死んでいくのが本来の姿であり、人が必要以上に手を加えることは避けたほうがいい。(中略)そのまま死んでも、昆虫などが死体を食べ、さらに微生物に分解されていきます。死体も生態系の一員なのです。
・鳥や動物を保護するというのは、親切心からでも、法律(鳥獣保護管理法:しぐま註)違反になる可能性があります。
・保護のつもりでも、人が捕まえることは、生き物に大きなストレスを与えるといわれています。 (以上、「第2章:生き物ととるべきディスタンス」より引用)

…というのは建前というか、非難されたときのための理論武装です。
巣から落ちた雛を助けるかどうかは、私も実際に目の当たりにするとかなり悩む問題です。 
もし私に鳥の雛を育てるスキルやノウハウがあれば、違法でもこっそり持ち帰って飼育したい誘惑に駆られるかもしれません。 
今回は雛を発見した時刻が遅かったので、遠くのペットショップまで雛の餌を買いに行けませんでした。
逆に、例えば家でネコやヘビを飼って溺愛しているヒトが居て、たまたま道端で拾った鳥の雛を生き餌としてペットに与えたとしても(死にゆく雛の有効利用)、私は一方的に責める気になりません。
(残酷だと怒るヒトも中にはいるだろうな…というのも、もちろん理解できます。)
動物であれ鳥や虫であれ、肉食性の生き物を責任を持って飼育するということは、何かしらの獲物を定期的に捕食させる必要があります。
不殺生(自分の手を汚したくない・罪悪感を持ちたくない)など綺麗事では済みません。
シジュウカラの雛を育て上げるには大量の生きた虫の命を奪って食わせる必要があるのです。

2021/09/01

アルストロメリアの花で採餌するトラマルハナバチ♀【HD動画&ハイスピード動画】

 

2021年6月下旬・午後16:15頃・くもり 

山麓の道端の草木塔の横に植栽されたユリズイセン(=アルストロメリア)の小群落でトラマルハナバチBombus diversus diversus)のワーカー♀が訪花していました。 
ピンクの花に正当訪花で吸蜜を繰り返すも、後脚の花粉籠は空荷でした。 

雄しべの葯に花粉がほとんど残っていないのは、ユリズイセンが開花直後で葯が未だ開裂してないのですかね? 
それでもトラマルハナバチ♀は雄しべの束を抱えて花粉を腹面に擦り付けようとしています。 
集粉を試みた後、花弁にぶら下がって身繕いしたり、空中でホバリング(停飛)しながら左右の脚を擦り合わせて身繕いしたりしています。 
トラマルハナバチ♀の体毛に花粉が付いているようには見えませんが、まとめた花粉を後脚の花粉籠に移しているのでしょう。 

訪花および飛翔シーンを240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@2:02〜)  

不審なトレイルカメラを見に来たハシボソガラス(野鳥)

 

2021年6月下旬・午前7:30頃・ 

野生動物を調査するためにカメラトラップをやってみたいと前から思っていました。
ようやく手頃な価格になったトレイルカメラ(センサーカメラ)を購入してみました。 
試しに堤防のコンクリート階段の片隅に設置してみると、期待した野生動物ではなく野鳥が写っていました。 

現場付近を縄張りとするハシボソガラスCorvus corone)が見慣れない新奇の物体(トレイルカメラ)に興味を示し、早速偵察に来たようです。 
カメラの前を何度か横切っただけで何も悪戯せずに、上の段から飛び去りました。 
最後はハシボソガラスの鳴き声も録音されています。

朝なのに撮影時の気温は36℃と記録されていました。 
直射日光でコンクリート階段が熱くなるようです。 
真夏はもっと気温が高くなりそうですし、対策しないとトレイルカメラの活動限界を迎えそうです。 

動体検知してから2分間の撮影時間は長過ぎるので、1分間に変更した方が良さそうです。 
このままでは無駄な映像でSDカードの容量がすぐに一杯になってしまいます。 

2021/08/31

夜もニャッ♪と鳴いて跳びはねるトノサマガエル【暗視映像】

 

2021年6月中旬・午前後19:30〜20:00頃 

すっかり日が暮れた夜に山中の池LでトノサマガエルPelophylax nigromaculatus)を赤外線の暗視カメラで撮影してみました。 
昼間は私を警戒して鳴かなかったのかと思いきや、夜になっても池の中で鳴くトノサマガエルを見つけられませんでした。 
トノサマガエルは雨が降らないと鳴かないのかな? 
ちなみに、動画で聞こえているのはモリアオガエル♂の鳴き声だけです。 

シーン1: 
岸辺近くの浅い水に半身を浸して2匹が近くに居たのですが、初めは別々の方向を向いていました。 
奥に居た個体が急に左へ跳んだ瞬間に小声で短くニャッ♪(またはキュッ♪)と鳴きました。 
近くで別個体が急に動いたのに、もう1匹は無反応でした。 
トノサマガエルは暗闇でどの程度見えているのでしょう? 
続けてもう1匹も左へ跳んだ瞬間にニャッ♪と鳴きました。 

シーン2:(@0:29〜) 
同じく池の浅い泥水に浸かっていた個体を撮ると、方向転換してからジャンプ。 
しかし、この個体は黙って跳びました。 

シーン3:(@0:56〜) 
黙って跳躍。 

シーン4:(@1:20〜) 
池Lの岸に上陸して跳び回っているやや小型の個体。 
緩斜面のガレ場を登って上の池Hを目指しているようです。 
黙ってピョンピョン移動しています。 

トノサマガエルが跳躍の瞬間にニャッ♪と鳴く行動が面白くて、頑張って夜も動画で記録しました。 
いつ跳ぶのか予測できず、愚直に長撮りするしかありません。 
ジャンプする度に鳴くとは限らず、黙って跳ぶこともあるのが不思議です。 
鳴くかどうかは性差なのかな? 
天敵に悟られないよう最小限の声量で、自分の位置を異性に知らせているのではないか?と予想してみました。 
暗視カメラのモノクロ映像ではトノサマガエルの性別を見分けられないのが問題です。 
同じ日の明るい昼間に撮影したトノサマガエルの跳躍シーンの動画を公開予定です。 

そもそも池の中でときどき跳ぶ目的が不明です。 
獲物を捕食のために跳んでいるのか、ただの移動なのか、どちらでしょう? 
暗闇の捕食シーンは一度も撮れていませんでした。 
縄張り侵入者や配偶者候補(抱接のパートナー)を目掛けて跳びついているのですかね?  
昼間、何かに驚いて慌てて跳んで逃げる際は鳴きませんでした。 

あるいは跳躍時の鳴き声に深い意味など全く無い可能性もあります。
ヒトが何か動作をする際に「よっこらしょ」と掛け声を発するように、トノサマガエルも気まぐれで掛け声を発しているだけかもしれません。
あるいは満腹時にジャンプすると腹が圧迫されて思わず声が出てしまうのかもしれません。

※ 動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 

キジ♂の早朝散歩と縄張り宣言♪(野鳥)

 

2021年6月下旬・午前5:25頃・晴れ(日の出時刻は午前4:15) 

田園地帯の農道をキジ♂(Phasianus versicolor)が歩いていました。 
近くでハシボソガラスCorvus corone)が嗄れ超えでガーガー♪鳴く度に立ち止まって辺りを警戒しています。 
早朝の朝日を浴びて輝く色鮮やかな羽毛や肉垂れが美しいですね。 
やがて縄張り宣言の母衣打ち♪を披露しました。(@1:11) 
再び歩き始めると農道を外れ、横の草むらに移動しました。 
立ち止まって周囲の広大な水田を見渡しています。 
ようやく草むらの地面を啄み始めました。 
ほとんど採食はせず、朝の縄張りパトロールがメインのようです。 

この後、私は先回りして農道を歩いて来るキジ♂を正面から撮ろうと目論んだものの、どうやら気づかれたようでキジ♂を見失ってしまいました。

2021/08/30

赤い首輪を巻いた野生ニホンザル

 

2021年6月下旬・午後16:45頃・晴れ 

山麓の用水路沿いで野生ニホンザルMacaca fuscata fuscata)の群れと遭遇しました。 
フェンスの手摺に腰を下ろして座っていた個体が真っ赤な首輪を装着していました。 
テレメトリーのための黒い小型の電波発振器(およびGPS?)と短くて黒いアンテナが首輪に付いています。 
最新の機器は昔よりも改良されて小型化と軽量化が進んでいるようです。 
派手な赤色の首輪を見るのは個人的に初めてです。 
フィールドではとてもよく目立ちそうですが、群れの仲間は問題なく受け入れているのかな? 

手摺りの上を少し歩いて去りかけたものの、すぐにまた座り込んでしまいました。 
股間に睾丸や外性器が見えなかったので、若い♀かな? 
胸に乳首は見えませんでした。 

ちらちらとこちらを振り返り、私の様子を窺っています。 
最後はフェンスの手摺から右の道に飛び降りました。 
跳躍シーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。
背丈の高い草むらに隠れつつ、群れの仲間の遊動について行ったようです。

脱糞後に電線から飛び立つヒヨドリ幼鳥(野鳥)

前回の記事:▶ ヒヨドリ幼鳥の居眠りと親鳥を呼ぶ鳴き声(野鳥)

2021年6月中旬・午後18:10頃・(日の入り時刻は19:04) 

路地裏の電線上に独り残ったヒヨドリHypsipetes amaurotis)幼鳥cが腹を減らして親鳥を呼んでいます。 
近くで別個体の幼鳥が同様に鳴いている声も聞こえますし、親鳥も鳴き交わしています。 

幼鳥cが急に落ち着きをなくし、身震いしたり電線を横歩きしたりし始めました。 
いかにも電線から飛ぼうか躊躇っているようです。 
近くで親鳥が餌で釣ったり幼鳥cを呼んだりしているのかもしれませんが、このとき私には親鳥を見つけられませんでした。 

飛ぶのを予想した私がカメラのレンズをズームアウトしたらヒヨドリ幼鳥cは固形の糞をポロリと排泄しました。 
脱糞シーンをまずは1/5倍速のスローモーションでご覧ください。 
直後に等倍速でリプレイ。 
電線上の幼鳥cは親鳥からナツグミの熟果を給餌され、丸飲みにしていました。
関連記事▶ ナツグミの赤い実をヒヨドリ幼鳥に巣外給餌する親鳥(野鳥)
したがって、排泄した糞の中には未消化のナツグミ種子が含まれているはずです。 
それを確認できたら種子散布の証明になるのですが、今回は動画撮影を優先しました。 

ヒヨドリ幼鳥cは脱糞で少しでも体重を軽くした直後に飛び立ち、目の前の民家の屋根に着陸しました。 
飛翔シーンをまずは1/5倍速のスローモーションでご覧ください。 
直後に等倍速でリプレイ。 
ヒヨドリの雛は他の種類の鳥に比べて未熟な状態で早々に巣立ちます。 
尾羽が短いヒヨドリ幼鳥は飛行能力が覚束ないものの、辛うじて短距離を飛べるようです。 

ちなみに「鳥の羽の種類と役割」を解説したサイトによると、
縦揺れを防ぎ、飛行の安定や方向転換、ブレーキの役割をするのが尾羽です。

傾斜がある屋根の上で滑り落ちそうになっても、なんとか踏み止まりました。 
屋根の上でもピィーピィー♪と甲高く鳴き続け、健気に親鳥を呼んでいます。 
続けて屋根から飛び去り、家屋の陰に消えました。 

※ 動画編集時に逆光補正を施し、音声は正規化して音量を強制的に上げています。 


路地を挟んで反対側の電線に止まっていた別個体の幼鳥bもいつの間にか居なくなっていました。 
おそらく親鳥♀♂および他の幼鳥たちと合流し、近くの庭木など安全な場所に家族群でねぐら入りしたと思われます。 
ヒヨドリの幼鳥があのまま目立つ場所でバラバラに鳴いて居たのでは、いずれネコやカラスなどの天敵に見つかって捕食されてしまいそうです。 

巣立ち直後のヒヨドリ幼鳥と親鳥の行動を詳細に観察できて、私はとても満ち足りた気分で家に帰りました。 
残る課題は、営巣および育雛行動の観察です。 
私は未だヒヨドリの巣を見つけられたことがありません。 

シリーズ完。

2021/08/29

ジョウカイボンとゴウソ

 

2021年6月中旬・午後18:00頃・くもり 

山中の池Lの岸に自生するゴウソ群落の小穂にジョウカイボンLycocerus suturellus)がしがみついていました。 
ジョウカイボンは草食性ではなく肉食性なので、この植物を訪れたのはたまたまでしょう。 

しばらくすると、小穂から飛び立ちました。 
飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみると、パカッと広げた後翅は真っ黒でした(根元だけ白っぽい)。
関連記事(8年前の撮影)▶ 飛べ!ジョウカイボン【ハイスピード動画】
しかし飛翔力が弱く、隣のゴウソの葉にすぐ着陸すると、どんどん歩いて下に移動して行きました。

この植物の名前を私は知らなかったのですが、動画ブログのネタにしないとなかなか図鑑で調べる気になりません。
アゼナルコと迷ったりしたのですけど、おそらくゴウソだと思います。
水辺の植物も知らない種類が多いので、1つずつ地道に学んでいくしかありません。

電線から撮影者を見下ろし警戒声♪を発するシジュウカラ♀♂(野鳥)

 

2021年6月中旬・午後17:45頃・くもり 

私が路地裏に佇んでヒヨドリ家族群の給餌行動を熱心に撮影していると、なぜか私の周囲にシジュウカラ♀♂(Parus minor minor)がやって来て喧しく鳴き始めました。 
ヒヨドリ幼鳥に近づき過ぎた私に対してヒヨドリ親鳥が発する警戒声を聞きつけて、近所で営巣しているシジュウカラ♀♂が様子を見に来たのかな?と想像しました。 

シジュウカラの鳴き声はバリエーション豊富で、近年その一つ一つの意味が明らかにされています。 
NHKの動物番組『ダーウィンが来た!』の2021年05月23日放送回で「鳥の言葉が分かる!聞いてびっくり鳥語講座」と題してシジュウカラの言語を特集していました。 
鈴木俊貴氏らの研究によると、シジュウカラが「ピーツピ♪」と鳴くのは、「警戒しろ」という意味だそうです。 
シジュウカラが「ヂヂヂヂ♪」と鳴くのは、餌を見つけた時などに混群のメンバーに対して「集まれ」と呼びかける意味があるのだそうです。 
他にも「上空にタカが来た!」と天敵の襲来を伝えるときには、シジュウカラは「ヒーヒーヒー♪」と鳴くそうです。 
また、シジュウカラが「ジャージャー♪」と鳴くときは「ヘビだ」という意味になります。 
更に面白いことに、シジュウカラは単語を組み合わせて文章を構成することが可能らしく、「ピーツピヂヂヂヂヂ♪」と続けて鳴いたときには「警戒しながら集まれ」という意味になります。 
これを聞くとカラ混群は、モズ剥製へのモビング行動を始めました。 
こうした予備知識があると、今回私が出会ったシジュウカラの鳴き声も理解できるようになりました。 

シジュウカラ(♀?)が私の頭上の電線に止まって見下ろしながら、チョッ、チョッ、ツピツピ♪と鋭く鳴き続けています。 
私がカメラを向けても逃げようとしません。 
この鳴き方は「警戒しろ!」という意味ですから、警戒の対象は明らかに私でしょう。 
冠羽を逆立てているのは興奮の現れかな?
黒いネクタイのように胸に縦に走る黒帯の幅でシジュウカラの性別を見分けるのですけど、逆光でしかも電線に隠れてしまい、どうしても胸の黒帯がしっかり見えません。 

すぐ近くで別個体がジジジジ…♪「集まれ!」と鳴く声も聞こえました。 
どうやらつがいのパートナーも近くに来ているようです。 
私から少し離れた電線上でヂヂヂヂ…♪(集まれ!)と繰り返し鳴いているのは、シジュウカラの♂だと分かりました。 
鳴く合間に電線上で左肩の羽毛を整えました(羽繕い)。 

やがて私の存在に慣れてくれたのか、人畜無害だと分かってくれたのか、うるさいシジュウカラは居なくなりました。 
電柱の支線から民家の軒下の雨樋や屋根に忙しなく飛び移るようになりました。 
この民家の敷地内にシジュウカラの巣がありそうだと思ったのですが、飛び回るシジュウカラを見失ってしまいました。 
おそらく近所の庭木などにシジュウカラが営巣してそうです。 
縄張り内に現れた怪しい人物(私)を偵察に来たのでしょう。 
仲間を呼び寄せて、私に対してモビングを仕掛け、追い払うつもりだったと分かりました。 
ただし今回私が観察した限りでは、シジュウカラの同一個体が「ピーツピヂヂヂヂヂ♪」(警戒しながら集まれ!)と続けて鳴くことはなく、「ピーツピ♪」(警戒しろ)と繰り返し鳴く個体と「ヂヂヂヂヂ♪」(集まれ!)と鳴く個体が別々でした。 

※ 動画編集時に逆光補正を施し、音声は正規化して音量を強制的に上げています。 

シジュウカラの警戒声を声紋解析してみる?
性別不明。♀?
これは明らかに♂


実はこのとき、野次馬としてコムクドリ♂も私の様子を見に来ました。
関連記事▶ 電線上で頭を掻き、脱糞、欠伸するコムクドリ♂(野鳥)
カラ混群では異種のメンバー間で互いに言語が違っても意思疎通ができることが分かっています。 (幼鳥の時期に学習する)
一般的な混群ではないのに、ヒヨドリやシジュウカラの鳴き声「警戒しろ」「集まれ」を聞いて理解し、コムクドリが集まってきたのなら面白い発見です。 
とにかく登場する野鳥が多過ぎて、どれを撮ろうか目移りしてしまいました。 

 

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