2021年6月下旬・午後21:18(気温17℃)および午前00:36(気温16℃)
堤防を護岸するコンクリートの階段にトレイルカメラ(センサーカメラ)を設置したのは、ある目的がありました。
長年ここには野生動物の溜め糞があり、サインポストとして利用しているのは何者なのか正体を突き止めたかったのです。
溜め糞と言えばタヌキというのが定説ですけど、ここではアナグマの可能性もあるのではないかと長年私は疑っていました。
昔、現場付近で昼間に一度だけアナグマとばったり出会ったことがあるからです。
値下がりしたトレイルカメラを購入したものの、それなりに高価な撮影機材です。
盗難や悪戯されるのを恐れて、設置法が及び腰になってしまいました。
溜め糞が残された階段の2段上の物陰にカメラを設置して、斜めから見下ろすようなアングルにしたつもりでした。
しかし撮れた映像を見直すと、設置アングルがいまいち甘いですね。
いきなりニホンアナグマ(Meles anakuma)が一晩で2回も写っていたので驚きました。
夜間は赤外線の暗視映像に自動で切り替わります。
初回はカメラの背後から登場し、タニウツギの茂みをくぐって階段を移動しました。
動体検知するはずなのに、カメラの起動が遅過ぎました。
撮り始めたときには被写体が近過ぎて、獣の種類が素人にはよく分かりません。
髭と鋭い爪が印象的です。
トレイルカメラの匂いを嗅いで立ち去る後ろ姿をよく見ると、素人目には股間に陰茎が見える気がします。
だとすれば♂だと思うのですが、どうでしょうか?
カエルの鳴き声も♪録音されていました。
3時間18分後の深夜、再び現れたので、同一個体が戻って来たのかな?
2頭目の別個体が登場した可能性も考えられます。
正面から現れたアナグマがカメラの臭いを嗅いで、階段を立ち去りました。
前足の爪が鋭いのが特徴です。
残念ながら、今回もカメラの起動が遅すぎます。
居なくなったと思いきや、しばらくすると画面の左から再登場しました。
地面の臭いを嗅ぎながら階段を降りる際に、アナグマの全身像が側面からしっかり写っていました。
アナグマは溜め糞の存在に気づいていないのか、それとも興味がないのか、迂回して階段から立ち去りました。
野生のアナグマがここに生息している決定的証拠映像が撮れたので、大満足です。
意外なことに、登場したアナグマは2回とも、階段上の古い溜め糞で匂いを嗅いだり新たに排便するどころか、全く興味を示しませんでした。
以下にトレイルカメラの技術的な改善点を記します。
カメラをもっと下向きに傾けて設置しないと、肝心の溜め糞が写りません。
周囲に自生する灌木の枝葉が風で揺れる動きにセンサーが誤作動してしまうことが分かりました。
ところがセンサーの感度を下げると無駄撮りは確かに減るものの、動物が登場した肝心の決定的瞬間に起動が遅れてしまうようです。(センサー感度をmiddleに戻すべき)
トレイルカメラには32GBのSDカードが付属していました。
しかし、メーカー保証対象外の64GBのSDカードでも問題なく録画できると分かったのが収穫です。
雨が降ってもカメラの防水性能はばっちりで、センサーの誤作動はありませんでした。
回収時にカメラの表面は雨と朝露で濡れていました。
晴れれば自然に乾きます。
今回、野生のアナグマはトレイルカメラに近づいてから階段を迂回する動きを見せました。
トレイルカメラを少しでも目立たなくしたかった私は、黒いプラスチック製の植木鉢をさり気なくカメラに被せていました。
(レンズとセンサーのあるカメラ前方には窓を切り開いておきました。)
しかし、そのカバーが風で飛んだりしないように載せて置いた鉄の重りが雨のせいで一晩で錆だらけになっていました。
私が余計なことをしたせいで、どうやら野生動物は鉄錆の匂いを警戒したようです。
翌日、私がカメラを回収に行くと、トレイルカメラの前面が錆びた水で汚れていました。
カメラを階段上に直に置いたので、雨の跳ね返りがレンズやセンサーを直撃したようです。
トイレットペーパーで汚れを拭き取れば、その後の使用に支障は出ませんでした。
色々と細かくトレイルカメラの設定を調節したり試行錯誤する必要があって、使い方に慣れるまではなかなか大変です。
カメラトラップも奥が深い世界だと分かってきました。
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