2025/03/15

死んだアナグマの旧営巣地を早春の夜に独りでうろつくホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年3月下旬 

平地の二次林で死んだニホンアナグマの旧営巣地(セット)に夜な夜な現れる健常タヌキの動向をまとめました。 

シーン1:3/29・午後19:43(@0:00〜) 
早春の林床に横たわっていたニホンアナグマMeles anakuma)の死骸が ホンドタヌキNyctereutes viverrinus)に食べられ持ち去られた後も、監視カメラで見張っています。 
歩行が正常なタヌキが晩に画角を斜めに横切りました。 


シーン2:3/29・午後20:52・気温5℃(@0:11〜) 
死んだアナグマの営巣地(セット)にタヌキの健常個体が現れました。 
巣穴Rへは立ち寄らず、奥の二次林内に入ると餌を探してうろついています。 


シーン3:3/30・午前3:40・小雨・気温4℃(@0:43〜) 
日付が変わった未明に監視カメラが起動すると、夜霧がうっすらと立ち込めていました。 
タヌキの健常個体が慎重に左へ向かっています。 


シーン3:3/30・午前3:49・降雪・気温4℃(@1:09〜) 
軽い吹雪になりました。 
健常タヌキが獣道を左から右へゆっくり立ち去りました。 


シーン4:3/30・午前3:53・降雪・気温5℃(@1:33〜) 
右から来たタヌキが巣口Lの横を通って左へ向かいます。 


シーン5:3/31・午前2:34・降雪・気温5℃(@1:45〜) 
翌日も小雪がちらつく深夜に健常タヌキが登場しました。 
巣口Lの匂いを嗅いだだけで中には入らず、左に立ち去りました。

このとき巣穴Lの中には下半身が麻痺した「いざりタヌキ」が居るのではないか?と私は推測しているのですが(願望)、その跛行個体と挨拶したのかな? 


シーン6:3/31・午後19:59・気温5℃(@2:08〜) 
晩に健常個体が獣道から来て巣口Lの匂いを嗅ぎ回っています。 
巣口Lに顔を突っ込んだものの、中には入らず、手前に立ち去りました。 


シーン7:3/31・午後20:00・降雪・気温5℃(@2:52〜) 
別アングルに設置した監視カメラで続きが撮れていました。 
健常タヌキが今度は巣口Rの匂いを嗅いでから、右下へ立ち去りました。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 




カラスの群れにモビングされて逃げる昼間のフクロウ(野鳥)

 

2024年4月上旬・午後13:25頃・晴れ 

平地の二次林でカラスの群れが鳴き騒ぎ、猛禽を追い回していました。 
カラスの繁殖期が始まったので、営巣する縄張りから天敵を追い出すモビング行動(擬攻撃)が激しくなっているのです。 
落葉灌木に止まった猛禽の正体は、フクロウStrix uralensis)でした。 
昼間にフクロウの姿を初めて撮れて、感動しました! 
フクロウのすぐ左にはカラスが止まっていて、嫌がらせをしています。 
ようやく春になり、落葉していた二次林でもマルバゴマキ(別名マルバゴマギ、ヒロハゴマキ、オオバゴマキ)の若葉がいち早く開き始めています。 

樹上のフクロウが飛び去る瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:43〜) 
二次林から隣接するスギ防風林の方へとフクロウは逃げて行き、その後を複数のカラスがしつこく追いかけていきます。 




その後、カラスの群れに追いたてられて逃げていくフクロウをもう一度目撃したのですが、証拠動画を撮り損ねました。 
カラスにモビング(擬攻撃)されるフクロウという対決の構図を動画に撮るのなら、もっと引きの絵で両種を同時に撮るべきでした。 
しかし、夜行性のフクロウを生まれて初めて直に観察できた私は興奮してフクロウに思いっきりズームインしてしまい、カラスの姿が撮れていません。 
そのため、カラスの種類が分からないのですが、濁った嗄れ声で鳴いていたことから、ハシボソガラスではないかと思います。(※ 追記参照) 

実は35分前にも、現場近くでフクロウの鳴く声を聞いています。
「ゴッホウ ゴロッケ ゴゥホウ」という♂の囀りさえずりでしたが、残念ながら録音できず。
フクロウの営巣木が近くにあるとすれば嬉しいのですが、まだ樹洞を見つけられていません。 
二次林に侵入した私に対して、フクロウが警告声を発したのでしょうか? 
昼間にフクロウが鳴くとそれを聞きつけたカラスが周囲から集まり、血眼になって探し出してモビングが始まるのかもしれません。 
夜になると力関係は一転して、夜行性フクロウの天下です。 
塒入りしたカラスをフクロウが捕食するのかもしれません。 

この辺りの林床でたまに見つかる鳥の死骸は、フクロウのしわざだった可能性が出てきました。 
関連記事(半年、1年前の撮影)▶  


昼間にフクロウと出会えた状況は、神垣健司『森の賢者 フクロウ』に書いてある通りでした。
フクロウは極めて警戒心が強く臆病な野鳥である。そのため人が近づいたときには、人が気づく前に飛び去って姿を消してしまう。そのため人がフクロウを見ることは非常に難しいのだ。ただ、フクロウを目撃できるケースが2通りある。ひとつは昼間、カラスに追い出されて森から出てきたとき、もうひとつは夜に道路際などで獲物を探しているときである。ただ、こうした機会に出会うことは稀である。(第3章:森に生きる p32より引用)



※【追記】 
猛禽に対してモビングするカラスの鳴き声だけから、カラスの種類を区別できるでしょうか? 
Perplexity AIに質問すると、以下の回答を得ました。
結論から言うと、単純な聞き分けは難しいらしい。
 
モビング中は通常時と異なる緊迫した状況であり、以下の点が考えられます: ハシボソガラスは威嚇時に「グワララ」など濁った声で鳴くことが多い3。 ハシブトガラスも威嚇時には澄んだ声だけでなく濁った声を出すことがあるため、通常の鳴き声からの区別が難しくなる場合がある。

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2025/03/14

早春の休耕地にある営巣地に現れスクワットーマーキングするニホンアナグマ♂【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年4月上旬

シーン0:3/27・午後15:47・晴れ・気温26℃(@0:00〜) 
休耕地にあるホンドタヌキの営巣地を自動撮影カメラで見張っています。 
最近では疥癬に罹ったホンドギツネが巣穴の一部を乗っ取ったようです。 
残雪がほとんど溶けて、枯れ草に覆われた原っぱが露出しました。 


シーン1:4/2・午前2:52・小雪?・気温1℃(@0:04〜) 
小雪がちらつく深夜に、左から久しぶり(1ヶ月ぶり)にニホンアナグマ♂(Meles anakuma)が現れ、巣口Mfの匂いを念入りに嗅いでいました。 
体型や顔つきから♂のアナグマだと分かります。 
その後は地面に尻を擦り付けるスクワットーマーキングを繰り返しながら、右に前進します。
匂い付けして縄張り宣言しているのです。 

春の繁殖期(交尾期)に備えて、アナグマの夜這い♂が早くも♀の巣穴を探しに来たようです。 

寒の戻りで小雪がちらついている(軽い吹雪)と思ったのですが、早春に咲くスギなど樹木の風媒花から花粉が夜も飛散している可能性もありますかね?
(現場の近くにスギ防風林があります。)
雪だとしても、地上にしっかり積もることはありませんでした。 

関連記事(同所同時期の撮影)▶ 春風で飛散するスギの花粉【トレイルカメラ】風媒花


シーン2:4/2・午前2:56(@1:04〜) 
3分半後に監視カメラが再び起動すると、アナグマ♂は巣口Rの匂いを嗅いでいました。 
枯草に覆われた地面のあちこちでスクワットーマーキングしながら手前の二次林へ向かってきます。 


【考察】 
近くの二次林にあるセット(営巣地)で越冬(冬眠)していたアナグマが死んでしまい、気落ちしていたのですが(アナグマ・ロス)、無事に春まで生き残った個体もいることが分かって安心しました。 
まさに自然淘汰の結果だと考えるしかありません。


ニホンアナグマの溜め糞に産み付けられたベッコウバエの卵

 

2023年10月中旬・午後13:15頃・くもり 

平地のスギ防風林に長年放置された手押し車の錆びたフレームの中にニホンアナグマ♀♂(Meles anakuma)の溜め糞場stmpがあります。 
定点観察に来てみると、新鮮な黒い下痢便が残されていました。 

ベッコウバエ♀♂(Dryomyza formosa)がアナグマの溜め糞に群がっていました。 
糞塊上に居たのは交尾後ガード中の♀♂ペアが3組と、単独個体の♀が1匹です。 
すぐ横の細い落枝の上にもベッコウバエがもう1匹(性別不明)、止まっていました。 
(腹部の色でベッコウバエの性別判定が可能です。) 

♀の背後からマウントしている♂は交尾器を結合していないので、正確には交尾中ではありません。 
交尾を済ませた後も配偶者♀がライバル♂と交尾しないよう、♀が自分の精子で確実に受精した卵を産むまでガードしているのです。 
ベッコウバエ♀が獣糞から吸汁している間、交尾後ガード中の♂はおとなしくしています。 
やはり、ベッコウバエ♂が翅を素早く開閉して翅の斑点模様を誇示するディスプレイ行動は求愛誇示(あるいは♂同士の威嚇誇示)なのでしょう。 

糞塊の表面に大量に付着している白っぽい薄片はベッコウバエの卵です。 
ベッコウバエ♀の産卵行動を観察・撮影してみたいのですが、じっくり腰を据えて取り組む必要がありそうです。 
今回のように少し離れた位置から溜め糞を見下ろすように撮っても、ベッコウバエ♀の腹端がしっかり見えません。 
ベッコウバエ♀の真横からローアングルのマクロレンズで狙って待ち構える必要があるのですが、私がカメラをセッティングしている間にベッコウバエの群れは警戒して散り散りに飛び去ってしまうのです。 
ハエが溜め糞場stmpに戻ってくるまで辛抱強く待てるかどうかがポイントです。 
ベッコウバエの卵を採集して持ち帰り、1齢幼虫が孵化する様子を観察するのも面白そうです。 

他には、ハクサンベッコウバエNeuroctena analis)が1匹とキンバエ類(種名不詳)が2匹、アナグマの溜め糞上で吸汁していました。 
また、オオヒラタシデムシNecrophila japonica)の成虫が1匹、食糞していました。 

鬱蒼としたスギ林の中は昼間でもかなり薄暗いので、望遠マクロではどうしても画質が粗くなります。 
光量不足でAFが被写体に合焦しにくいのです。 
マクロレンズを装着したら更に暗くなることが予想されます。
強力な照明を使うと、その熱で溜め糞が乾燥したり、眩しい光をハエが嫌がって逃げたりしてしまうかもしれません。
静止画の写真を撮るだけなら薄暗くてもストロボを焚くだけで済むのですけど、動画で記録したい私はいつも悩むことになります。
いっそのこと、赤外線の暗視カメラで動画撮影する方が楽かもしれません。



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2025/03/13

倒木が散乱するスギ防風林で早春に縄張り争いするホンドタヌキの群れ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年3月下旬

シーン0:3/19・午後14:06・晴れ(@0:00〜) 
明るい日中にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
多数の風倒木が散乱している平地のスギ防風林で、根返りスギの根元に掘られた「根曲がり巣穴a」をトレイルカメラで監視しています。 
春の繁殖期に何か野生動物が住み着いてくれるでしょうか? 
林床にまだ少しだけ残雪があります。 


シーン1:3/25・午前1:36(@0:04〜) 
深夜に奥の真っ暗なスギ林の中から野生動物2頭が現れました。
その目が爛々と白く光り、カメラの方を向いています。 
左手前の獣道から別個体のホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が偵察に行くと喧嘩になり、激しい追いかけっこが始まりました。 
唸り声やワンッ♪と軽く吠える声が聞こえます。 


シーン2:3/25・午前1:38(@0:36〜) 
2分後に画面左の獣道をタヌキが右奥に向かって回り込んで行きました。 
闇夜の林内で白く光る眼が動いています。 
しばらくすると、右下から別個体が登場。 
右から回り込んで奥へ立ち去りました。 

別アングルで設置した監視カメラにはなぜか今回の騒動が何も写っていませんでした。 



※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


【考察】
幼獣同士の追いかけっこ遊びならともかく、タヌキの成獣同士でこんな激しい争いを見るのは初めてです。 
もしかすると、この辺りは隣接する縄張りの境界で、紛争地帯なのかもしれません。
根曲がり巣穴aを巡る争いとは考えにくいので、繁殖期に特有の発情した♀を巡る♂同士の争いなのでしょうか? 
( 発情期でタヌキが荒ぶっている?)



つづく→

下半身が麻痺したまま巣口で座り込んで動けないホンドタヌキの横で巣材を集めるハシブトガラス【野鳥:トレイルカメラ】

 

前回の記事:▶  


2024年3月下旬 

ニホンアナグマMeles anakuma)が死んだ後も、自動撮影カメラでその営巣地(セット)の監視を続けています。 
ホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)が巣穴を乗っ取ったようです。 

シーン1:3/30・午後16:04・晴れ・気温14℃(@0:00〜) 下半身を麻痺した個体と思われるタヌキが、巣口Lから顔を出して外の様子を伺っています。 
心なしか、ブルブル震えているようです。 
足が不自由で食べ物を充分に摂れず、カロリー不足で低体温なのでしょう。
夕方の時間帯は巣口Lの窪地は日が当たらず、日光浴もできなくなりました。 

そこへハシブトガラスCorvus macrorhynchos)がタヌキの目の前に舞い降りました。 
画角の左端でカラスの顔が見切れてしまい、何をしているのか分からなかったのですが、くるっと振り返って右を向いてくれたら、ハシブトガラスが嘴に獣の抜け毛の束を咥えていました。 
産座に敷き詰める巣材を集めているようです。 
アナグマの死骸を食べていたタヌキが死骸を巣口Rの近くまで引きずってきて、そこからカラスは毛を毟り取って来たのかな?


 ハシブトガラスは、巣口Lで身動きできない「いざりタヌキ」から体毛を直接毟りたそうにしていますが、実行しませんでした。 

しばらくすると、ハシブトガラスが2羽一緒に左から登場しました。 
まさか、スカベンジャー(死肉食)のカラスが衰弱したタヌキの死を待ちきれずに、襲って捕食するでしょうか? 
足腰の弱った「いざりタヌキ」は、カラスに襲われないように巣口Lに籠城しているのかもしれません。 
健常個体のタヌキなら、これほど至近距離にカラスが来て挑発したら、逆に襲いかかろうとしたりカラスを追い払ったりするはずです。 


シーン2:3/30・午後16:07・晴れ・気温20℃(@0:00〜) 
別アングルに設置した監視カメラで続きが撮れていました。 
(こちらのカメラには西日が直接当たって、気温が高く表示されます。) 

巣口Lの窪みに座り込んだ「いざりタヌキ」が身震いし、毛繕いを始めました。 
その近くでハシブトガラスがタヌキの様子を見ています。 
死期が近いのを知っていて、あわよくば生きているうちから捕食したいのでしょうか?
産座用の巣材としてタヌキの毛を直接毟り取りたいのかもしれません。 
カラスはトコトコ歩いて営巣地を横切ると、もうひとつの巣口Rに行くと中の様子を覗き込みました。 
林床で巣材となる枯れた落ち葉(アナグマの死骸由来の抜け毛かも?)を拾い集めると、右に飛び去りました。 


ハシブトガラスの巣材集めを1.5倍に拡大した上でリプレイ。(@2:00〜) 


シーン3:3/30・午後16:07・晴れ・気温16℃(@2:18〜) 
その後も、巣口Lで呆然としている「いざりタヌキ」の様子を5倍速の早回しでご覧ください。 
もしかすると、巣口Lの窪みにはまってしまって、抜け出すことが出来ないのかもしれません。 
下半身が麻痺した状態で地中の巣穴に出入りするのは大変です。 
下手したら、二度と地上に出れなくなるかもしれません。 

この後どうなったのか、とても気になりますが、監視カメラに写っていませんでした。 


つづく→

2025/03/12

木から飛び降り雪山へ遊動する野生ニホンザルの群れ

 

2023年12月下旬・午後14:20頃・くもり 

スノーシューを履いて雪山探索から下山したら、麓で野生ニホンザル♀♂(Macaca fuscata fuscata)の群れと遭遇しました。 
里の集落で採食していたようですが、私の姿を見ると警戒し、どんどん山に戻って行きました。 
短い飛び降りシーンと木登りシーンは、1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 

※ 同じ日に撮ったとりとめのない動画ですが、順番を変更しました。 


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ムシトリナデシコの花壇で虫撮り:キタテハ♀夏型【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年6月中旬・午後13:45頃・晴れ 

堤防路の花壇に咲いたムシトリナデシコの群落で夏型のキタテハ♀(Polygonia c-aureum)が訪花していました。 
翅をしっかり閉じたまま口吻を伸ばして吸蜜しています。 
やがて半開きで翅を開閉するようになりました。 
翅表の地色が薄いので♀と判明。 
集散花序の上では、わざわざ飛ばずに歩いて次の花へ移動します。 (省エネ時短)

キタテハがムシトリナデシコの花から飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:55〜) 
訪花中にキタテハが中脚で顔を拭い、付着した花粉を落としました。
(ちなみに、タテハチョウ科の前脚は退化しています。) 
私が痺れを切らして物を投げつけたら、ようやく飛んでくれました。 



2025/03/11

死んだニホンアナグマから乗っ取った巣穴でホンドタヌキの群れが早春の夜に繰り広げるドラマ【トレイルカメラ:暗視映像】いざりタヌキ他

 



2024年3月下旬 

平地の二次林で死んだニホンアナグマMeles anakuma)の営巣地(セット)を乗っ取ったホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)を自動撮影カメラで監視しています。 
今回は2日間で少なくとも計4頭のタヌキが登場します。 
♀♂ペアがこの巣穴の新しい主で、他には(交通事故で?)麻痺した下半身を引きずって歩く「いざりタヌキ」が登場します。 


シーン1:3/24・午後20:18・降雪・気温5℃(@0:00〜) 
小雪がちらつく晩に、2頭のタヌキabが巣口R付近に来ていました。
採餌から戻ってきた♀♂ペアでなのでしょうか? 
尻尾の黒斑で個体識別できるかな? 

多数の落枝で戸締まり(隠蔽)された巣口Rに1頭♀aが苦労して潜り込みました。 
2頭目♂bが巣口Rで順番待ちしていると、画面の右下から3頭目cがやって来ました。 
♂bに誰何されたcは、怯えたように腹這いの服従姿勢になりました。 
それを見た♂bはcを攻撃するでもなく左に引き返すと、巣口R横に左足を上げながら排尿マーキングしてから、入巣R。 
独り残されたcは欠伸してから立ち上がり、巣口Rに近づきました。 
その背後から4頭目の個体dが右下から登場。 
dは右後脚を引きずって歩く「いざりタヌキ」でした。 


シーン2:3/24・午後20:20・降雪(@1:00〜) 
「いざりタヌキ」はどこに行ったのか、姿が見えません。 
巣穴の主♀♂に入巣Rを許されたのでしょうか? 

出巣Rしたばかりの家主と思われるタヌキが単独で身震いしました。 
辺りを見回してから入巣R。 
しばらくすると、同じ巣穴Rからタヌキが外に出てきました。 
身震いしてから左の巣穴Lに向かい、匂いを嗅ぎました。 


シーン3:3/24・午後20:30・降雪・気温7℃(@1:39〜) 
10分後に2頭のタヌキが戻ってきて、夜の営巣地をうろついています。 
1頭は「いざりタヌキ」で、麻痺した右後脚を痛々しく跛行しています。 
もう1頭は林縁をうろつき、2つの巣口LRを順に点検して回ります。
この2頭で行動を共にしているということは、♀♂ペアなのかもしれません。 


シーン4:3/24・午後20:34・降雪・気温8℃(@2:39〜) 
3頭のタヌキが仲睦まじく顔を寄せ合い、巣口Rを覗き込んでいます。 
なんとなく、巣穴の主である♀♂ペアではなく、余所者の3兄弟っぽい気がするのですが、個体識別ができていません。 
1頭が(勇気を出して?)巣穴Rに入り、それを巣口Rで見守る2頭(どちらかが「いざりタヌキ」?)が対他毛繕いを始めました。 
家主のタヌキがせっかく落枝で戸締まりしても、同種のタヌキに対しては防犯効果が薄いようで、あっさり突破されてしまいます。 


シーン5:3/24・午後20:59・降雪・気温5℃(@3:39〜) 
25分後に監視カメラが起動すると、3頭の健常タヌキが写っていました。 
そのうちの1頭が入巣R。 
残りは1頭が巣口Rに留まり、もう1頭が奥の林内に立ち去りました。 


シーン6:3/24・午後21:00・降雪(@4:22〜) 
奥の林内を左から右へ白く光る眼がやって来ました。 
その正体はタヌキ♀でした。 
途中で立ち止まって林床に腰を低くかがめて放尿マーキングしたようです。 
排尿姿勢から♀と分かります。 
営巣地には近寄らず、そのまま右へ向かいました。 

健常タヌキ♀がマーキングしたシーンを1.5倍に拡大した上でリプレイ。(@4:56〜) 


シーン7:3/24・午後22:26・降雪・気温2℃(@5:03〜) 
左から来たタヌキが手前に回り込んで巣口Rを見たものの、そのまま右へ立ち去りました。 
実は画面の右下済で、別個体のタヌキがじっと座り込んでいました。 
映像を早回しにすると、身動きしていることが分かります。 
カノッサの屈辱のように、入巣Rが許されるまでじっと待っているのでしょうか? 

その辺りで3日後の3/27にニホンアナグマの死骸を私が発見したのですが、3/24の時点でタヌキが死骸を見つけて食べ始めたのかどうか不明です。 
アナグマの死骸が残雪の下にまだ埋もれていたり、あるいはタヌキが別の場所から引きずって来た可能性があるからです。 


シーン8:3/25・午前2:10・降雪・気温2℃(@5:29〜) 
日付が変わった深夜になっても、小雪がちらついていました。 
健常タヌキが営巣地をうろつき、地面の匂いを嗅ぎ回っています。 


シーン9:3/25・午前3:02・降雪・気温1℃(@6:29〜) 
1頭のタヌキaが巣口Rを見下ろすように佇んでいます。 
実はもう1頭bが左の暗がりへ立ち去るところでした。 
さらにもう1頭のタヌキcが巣口Rから顔だけ出して振り返り、侵入者?aを警戒しています。 
巣口LRの中間地点でaが座り込み、辺りを警戒しています。 
苦労してようやく出巣Rしたタヌキcが巣外でaと挨拶を交わしました。 
cは「いざりタヌキ」でした。 
巣口Rのちょっとした崖(窪地、アナグマが掘ったアクセストレンチ)をよじ登るのにも苦労しています。
aと「いざりタヌキc」は♀♂ペアなのかもしれません。


シーン10:3/25・午前3:08・降雪・気温2℃(@7:29〜) 
5分後に監視カメラが起動すると、左端の暗がりを1頭のタヌキが左へ立ち去るところでした。 
そして営巣地には誰もいなくなりました。 
特に「いざりタヌキ」の行方が気になります。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】 
下半身を麻痺した「いざりタヌキ」も巣穴Rに出入りしていることが新たに分かりました。 
てっきり家主のタヌキ♀♂ペアに入巣を拒まれていると思っていたので、意外でした。 
もしかすると、家主の♀♂ペアが留守だったのでしょうか? 
巣穴Rの中は広くて、♀♂ペアと「いざりタヌキ」は別々の居住区に住んでいるのかもしれません。
♀♂ペアと血縁関係にあるヘルパーが一緒に住み着いている可能性もあり得ます。

「いざりタヌキ」は歩行スピードがきわめて遅く、採餌効率が悪いため、自然治癒で回復しなければ長生き出来そうにありません。 
この辺りに野犬はいませんが、例えばキツネやテン、イタチなどの小型(中型)肉食獣が手負いの「いざりタヌキ」と出会ったら、襲って捕食するでしょうか?

アナグマから乗っ取った巣穴を巡って、近隣から集まったタヌキ同士で何かすごく興味深い複雑なドラマが連日起こっているようです。 
早春はタヌキの発情期であることも複雑なドラマに関係がありそうです。 
しかし、タヌキの個体識別ができないことには深い解釈が出来ず、歯痒い限りです。 
今後AIや画像認識がさらに発達して、トレイルカメラの定点映像から自動的に野生動物の個体識別をしてくれる時代が到来するのを心待ちにしています。 
それまで私は定点監視の動画を撮り貯めておきます。


早春の林床で採食するアトリ?の群れ【冬の野鳥:トレイルカメラ】

 

2024年3月下旬

シーン0:3/27・午後15:14・晴れ(@0:00〜) 
早春の二次林林床にニホンアナグマMeles anakuma)の死骸が横たわっていたので、自動撮影カメラで監視することにしました。 


シーン1:3/30・午前10:00・くもり(@0:04〜) 
スカベンジャーのホンドタヌキによって死骸が持ち去られた2日後の朝に、見慣れない鳥の群れが写っていました。 
残雪が溶けて落ち葉に覆われた林床を歩きながら、あちこちで地面を啄んでいます。 
(冒頭で落ち葉めくりをしたかもしれません。) 

初めにアナグマが死んでいた地点に集まっている様子はなく、散開した群れがあちこちで採食していました。 
この時期にカラスは産座に敷く巣材(柔らかな獣毛や落ち葉)を林床で拾い集めていましたが、今回の鳥は巣材集めではなく、採食行動でしょう。 

モノクロの映像から鳥を同定するのは困難ですけど、冬鳥のアトリ♀♂(Fringilla montifringilla)ですかね? 
頭部が黒っぽいのがポイントかもしれません。 
もし間違っていたら、ご指摘いただけると助かります。 
もし冬鳥のアトリなら、もうじき北の繁殖地へ渡去するはずですから、当地で巣材を集めるはずがありません。 


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 
旧機種のトレイルカメラには明るい昼間に正常なフルカラーで撮れなくなるという変な癖があるのですが、新機種よりも頑丈で壊れにくいので、だましだまし使い続けています。

2025/03/10

夕方に水路の手摺を伝い歩くニホンザルの群れ

 

2023年12月中旬・午後16:05頃・くもり・日の入り時刻は午後16:24

野生ニホンザルMacaca fuscata fuscata)の群れが山麓の用水路の手すりを伝い歩いて遊動していきます。 
夕方でかなり薄暗くなり、カメラのAFが被写体に合焦しにくくなりました。 
地面の草地に寝そべって対他毛繕いを受けている個体もいました。 
ねぐらとなる森を目指しているようですが、私は途中で追跡を断念しました。

早春にトウホクサンショウウオの繁殖池をタイムラプス動画で監視してみると…#2

 



2024年3月下旬 

里山の湧き水が溜まった小さな泉が毎年早春にはトウホクサンショウウオHynobius lichenatus)やヤマアカガエルRana ornativentris)の繁殖池になっています。
両生類の産卵行動を観察するために、インターバル撮影専門のカメラで監視してみました。 
明るい昼間だけ1分間隔で撮影する設定にしました。

残念ながら、3/22〜27の6日間しか撮れていませんでした。 
その後は寒の戻りで大雪が降った日に、カメラの上に積もった雪の重みで固定したカメラの画角が下にずれてしまい、池を監視できなくなりました。 

スギの落枝(生葉および枯葉)を池の水中に沈めておいたのですが、後日に現場入りして調べても、トウホクサンショウウオの卵嚢は落枝に全く産み付けられていませんでした。 
対岸に少しだけトウホクサンショウウオの卵嚢が見つかりました。 
やはりスギの生葉から溶けだす未知の成分が両生類にとって忌避物質(弱毒)なのかもしれません。 

タイムラプス動画を見直すと、ときどき池の水中に両生類が出没していました。 
しかし、映像の早回しスピードが早すぎて、カエルかサンショウウオか、よく分かりません。 
落枝に産卵を始めればもっと長居するはずです。 

今季の作戦は失敗に終わりました。 
トウホクサンショウウオやヤマアカガエルはもしかすると夜の方が活発に産卵するかもしれないので、次回は赤外線で暗視できるトレイルカメラを使って終日のタイムラプス撮影をしてみるつもりです。



2025/03/09

早春の枯野でクズの蔓を咥えて引っ張るホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年3月下旬 

シーン0:3/19・午後13:16・晴れ・気温26℃(@0:00〜) 
雪解けが進む早春の休耕地で、ホンドギツネVulpes vulpes japonica)の疥癬個体がホンドタヌキNyctereutes viverrinus)から乗っ取った営巣地を自動撮影カメラで見張っています。 


シーン1:3/23・午前1:42・気温-4℃(@0:03〜) 
うっすらと夜霧が立ち込める深夜に、単独行動のタヌキが手前の枯野を左から右へ横切りました。 
画面右端に自生するオニグルミ灌木から垂れ下がっているクズの蔓の匂いを嗅ぐと、口に咥えてグイグイと引っ張り始めました。 
タヌキはここをよく往来するのに、こんな行動をしたのは初めてです。
木質化したクズの蔓を引きちぎって食べたところで消化できないはずですけど、このタヌキはよほど飢えているのか、それとも遊びの一種なのでしょうか? 
たまたま虫の居所が悪くて、クズの蔓に八つ当たりしたのかな?


続けてタヌキは巣口Rに向かい、顔を突っ込んで匂いを嗅いでいます。 
入巣Rしそうだったのですが、1分間の録画が終わってしまいました。 
キツネの巣穴に侵入して再び奪還するつもりなのか、それとも疥癬キツネに撃退されてしまうのか、見届けられずに残念です。 
来る繁殖期にキツネとタヌキが同じ巣穴を共有する(同じ穴の狢)ことはあり得るのでしょうか?


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 



早春の林床で落ち葉を拾い集めるハシボソガラスの謎(野鳥)産座の巣材集め?

 



2024年3月下旬・午前11:40・くもり後晴れ

林床に横たわっていたニホンアナグマMeles anakuma)の死骸がホンドタヌキによって持ち去られた後も、トレイルカメラによる監視を続けています。

昼前にハシボソガラスCorvus corone) が地上に現れ、落葉樹の枯れた落ち葉を拾い集めていました。
一旦集めた落ち葉を足で押さえながら、嘴で細かくほぐす行動も見られました。
遠くにいる仲間(つがいのパートナー?)と1回だけカー♪と鳴き交わしました。
集めた落ち葉を咥えたまま飛び去りました。
特定の樹種の落ち葉だけをカラスが選んで拾い集めているとしたら面白いのですけど、私には見分けられませんでした。


※ 動画編集時にモノクロ加工を施しています。 
トレイルカメラ旧機種の癖で昼間に撮った映像の画面全体で赤色が点滅する症状が出て目障りだからです。


【考察】
これを見た私はてっきり、産座の巣材集めだろうと思いました。
カラスの巣材は主に小枝や木質の蔓などです。 
枯れた落ち葉をカラスが産座の巣材として集めるのは珍しいかもしれません。 
日本鳥の巣図鑑:小海途銀次郎コレクション』 (大阪市立自然史博物館叢書5)でハシボソガラスの巣材について調べると、
産座には多量のスギ皮、シュロの繊維、獣毛、ビニールなどを敷き詰め…(p311より引用)


今回の行動で他の解釈ができるかどうか、Perplexity AIを使ってブレインストーミングしてみました。 (出典リンクURLは割愛。)
早春の林床でカラスが落ち葉(枯葉)を拾い集めて持ち去る行動について、産座の巣材収集以外にも以下のような解釈が考えられます: 
## 巣の修繕 
カラスは通年で巣のメンテナンスを行うことがあります[6]。秋や冬の間に傷んだ巣を修復するために、落ち葉を集めている可能性があります。 
## 食料探し 
1. 落ち葉の下や周辺に潜む昆虫や小動物を探している可能性があります[4]。 
2. 落ち葉に付着した水分を飲料水源として利用している可能性もあります[4]。 
## 巣以外の用途 
1. 落ち葉を使って食べ物を覆い隠すなど、食料の保管や管理に利用している可能性があります[1]。 
2. 落ち葉を使って他の物体を覆うなど、道具として使用している可能性もあります[1]。 
## 行動学的解釈 
1. 置き換え行動(displacement behavior)の一種である可能性があります[2]。カラスが何らかのストレスや葛藤状態にあり、それを解消するために落ち葉を集めるという第三の行動を取っている可能性があります。 
2. 好奇心や遊びの一環として落ち葉を集めている可能性もあります。カラスは知能が高く、様々な物体に興味を示すことが知られています[5]。 
## 繁殖行動の一環 
落ち葉を集めて運ぶ行動が、求愛行動や番いの絆を強める行動の一部である可能性があります。 この行動自体が、繁殖の準備や相手へのシグナルとなっているかもしれません。 
これらの解釈は可能性の一部であり、実際の理由を特定するにはさらなる観察や研究が必要です。カラスの行動は複雑で文脈依存的であるため、個々の状況に応じて解釈が異なる可能性があります。

食料探しの可能性については、個人的に納得できません。 
普通の食料探しなら落ち葉をめくって探したはずなのに、私が観察したハシボソガラスは、拾い集めた落ち葉を何枚も咥えたまま持ち去ったからです。 

 「落ち葉を使って食べ物を覆い隠す」という解釈はあり得るかもしれません。 
しかし早春の時期には落ち葉が地面のそこらじゅうにありますから、わざわざ隠蔽偽装材を予め集めてから貯食場所に持っていく必要はないはずです。 
貯食場所の近くで落ち葉を調達できるはずですから、ちょっと不自然な解釈のような気がします。 

数日前にアナグマの死骸が横たわっていた地点で落ち葉拾いをしていた、という点が重要かもしれません。 
産座の巣材として獣毛は貴重ですが、前日にハシブトガラスが持ち去ってしまった後です。 
あてにしていた獣毛が見つからないフラストレーションから、ハシボソガラスは置き換え行動(=転移行動)として落ち葉を拾い集めたのかもしれない、と想像してみました。 



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