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2024年3月下旬
ニホンアナグマ(Meles anakuma)が死んだ後も、自動撮影カメラでその営巣地(セット)の監視を続けています。
ホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)が巣穴を乗っ取ったようです。
シーン1:3/30・午後16:04・晴れ・気温14℃(@0:00〜)
下半身を麻痺した個体と思われるタヌキが、巣口Lから顔を出して外の様子を伺っています。
心なしか、ブルブル震えているようです。
足が不自由で食べ物を充分に摂れず、カロリー不足で低体温なのでしょう。
夕方の時間帯は巣口Lの窪地は日が当たらず、日光浴もできなくなりました。
そこへハシブトガラス(Corvus macrorhynchos)がタヌキの目の前に舞い降りました。
画角の左端でカラスの顔が見切れてしまい、何をしているのか分からなかったのですが、くるっと振り返って右を向いてくれたら、ハシブトガラスが嘴に獣の抜け毛の束を咥えていました。
産座に敷き詰める巣材を集めているようです。
アナグマの死骸を食べていたタヌキが死骸を巣口Rの近くまで引きずってきて、そこからカラスは毛を毟り取って来たのかな?
関連記事(3日前の撮影)▶ ホンドタヌキ2頭がアナグマの死骸を一緒に食べ、1頭が引きずって持ち去る【トレイルカメラ:暗視映像】
ハシブトガラスは、巣口Lで身動きできない「いざりタヌキ」から体毛を直接毟りたそうにしていますが、実行しませんでした。
しばらくすると、ハシブトガラスが2羽一緒に左から登場しました。
まさか、スカベンジャー(死肉食)のカラスが衰弱したタヌキの死を待ちきれずに、襲って捕食するでしょうか?
足腰の弱った「いざりタヌキ」は、カラスに襲われないように巣口Lに籠城しているのかもしれません。
健常個体のタヌキなら、これほど至近距離にカラスが来て挑発したら、逆に襲いかかろうとしたりカラスを追い払ったりするはずです。
シーン2:3/30・午後16:07・晴れ・気温20℃(@0:00〜)
別アングルに設置した監視カメラで続きが撮れていました。
(こちらのカメラには西日が直接当たって、気温が高く表示されます。)
巣口Lの窪みに座り込んだ「いざりタヌキ」が身震いし、毛繕いを始めました。
その近くでハシブトガラスがタヌキの様子を見ています。
死期が近いのを知っていて、あわよくば生きているうちから捕食したいのでしょうか?
産座用の巣材としてタヌキの毛を直接毟り取りたいのかもしれません。
カラスはトコトコ歩いて営巣地を横切ると、もうひとつの巣口Rに行くと中の様子を覗き込みました。
林床で巣材となる枯れた落ち葉(アナグマの死骸由来の抜け毛かも?)を拾い集めると、右に飛び去りました。
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関連記事(翌日の撮影)▶ 早春の林床で落ち葉を拾い集めるハシボソガラスの謎(野鳥)産座の巣材集め?
ハシブトガラスの巣材集めを1.5倍に拡大した上でリプレイ。(@2:00〜)
シーン3:3/30・午後16:07・晴れ・気温16℃(@2:18〜)
その後も、巣口Lで呆然としている「いざりタヌキ」の様子を5倍速の早回しでご覧ください。
もしかすると、巣口Lの窪みにはまってしまって、抜け出すことが出来ないのかもしれません。
下半身が麻痺した状態で地中の巣穴に出入りするのは大変です。
下手したら、二度と地上に出れなくなるかもしれません。
この後どうなったのか、とても気になりますが、監視カメラに写っていませんでした。
つづく→
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