2023年10月中旬・午後13:15頃・くもり
平地のスギ防風林に長年放置された手押し車の錆びたフレームの中にニホンアナグマ♀♂(Meles anakuma)の溜め糞場stmpがあります。
定点観察に来てみると、新鮮な黒い下痢便が残されていました。
ベッコウバエ♀♂(Dryomyza formosa)がアナグマの溜め糞に群がっていました。
糞塊上に居たのは交尾後ガード中の♀♂ペアが3組と、単独個体の♀が1匹です。
すぐ横の細い落枝の上にもベッコウバエがもう1匹(性別不明)、止まっていました。
(腹部の色でベッコウバエの性別判定が可能です。)
♀の背後からマウントしている♂は交尾器を結合していないので、正確には交尾中ではありません。
交尾を済ませた後も配偶者♀がライバル♂と交尾しないよう、♀が自分の精子で確実に受精した卵を産むまでガードしているのです。
ベッコウバエ♀が獣糞から吸汁している間、交尾後ガード中の♂はおとなしくしています。
やはり、ベッコウバエ♂が翅を素早く開閉して翅の斑点模様を誇示するディスプレイ行動は求愛誇示(あるいは♂同士の威嚇誇示)なのでしょう。
糞塊の表面に大量に付着している白っぽい薄片はベッコウバエの卵です。
ベッコウバエ♀の産卵行動を観察・撮影してみたいのですが、じっくり腰を据えて取り組む必要がありそうです。
今回のように少し離れた位置から溜め糞を見下ろすように撮っても、ベッコウバエ♀の腹端がしっかり見えません。
ベッコウバエ♀の真横からローアングルのマクロレンズで狙って待ち構える必要があるのですが、私がカメラをセッティングしている間にベッコウバエの群れは警戒して散り散りに飛び去ってしまうのです。
ハエが溜め糞場stmpに戻ってくるまで辛抱強く待てるかどうかがポイントです。
ベッコウバエの卵を採集して持ち帰り、1齢幼虫が孵化する様子を観察するのも面白そうです。
他には、ハクサンベッコウバエ(Neuroctena analis)が1匹とキンバエ類(種名不詳)が2匹、アナグマの溜め糞上で吸汁していました。
また、オオヒラタシデムシ(Necrophila japonica)の成虫が1匹、食糞していました。
鬱蒼としたスギ林の中は昼間でもかなり薄暗いので、望遠マクロではどうしても画質が粗くなります。
光量不足でAFが被写体に合焦しにくいのです。
マクロレンズを装着したら更に暗くなることが予想されます。
強力な照明を使うと、その熱で溜め糞が乾燥したり、眩しい光をハエが嫌がって逃げたりしてしまうかもしれません。
静止画の写真を撮るだけなら薄暗くてもストロボを焚くだけで済むのですけど、動画で記録したい私はいつも悩むことになります。
いっそのこと、赤外線の暗視カメラで動画撮影する方が楽かもしれません。
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