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2026/10/16

コカマキリの死骸に群がり引きずって巣に運ぶ怪力のクロヤマアリ♀

 

2026年9月中旬・午後14:55頃・くもり 

山麓の農村部で路上にコカマキリ(Statilia maculata)の死骸が横たわっていました。 
やや乾燥した死骸ですが、おそらく舗装路を横断中に車に轢かれて死んだロードキルのようです。 

クロヤマアリ(Formica japonica)のワーカー♀が3匹、コカマキリの死骸に集まっていました。 
コカマキリの頭部が失われているのは、アリなどのスカベンジャーに解体されたのか、それとも交尾中に性的共食いされた♂なのかもしれません。 
ただし、死んだコカマキリの性別を調べていません。 

1匹のクロヤマアリ♀がコカマキリの左鎌を大顎で咥えると、死骸を丸ごと後ろ向きに引きずって運び始めました。 
もの凄い怪力ですね! 
他の2匹のアリは協力しないで、コカマキリの死骸に乗って噛みつきながら一緒に運ばれていくだけです。 
しばらくすると、2匹目もコカマキリの鎌を咥えて一緒に運び始めたものの、すぐに止めて別の箇所に移動してしまいました。 
無理しないで死骸を細かく解体した方が得策だと判断したのかな? 


【考察】
コカマキリで性的共食いの事例が報告されているのかどうか、Perplexity AIに訊いてみると、可能性はあるものの、野外での確実な観察記録はないそうです。




【追記】
後日(2026年10月中旬)に郊外を15kmぐらい散歩した際に見つけたコカマキリのロードキルを写真で記録してみました。
4匹中3匹で、車に踏み潰されて破裂した腹部から黄色い卵巣が露出していて痛々しいです。
なんとも気が滅入るラインセンサスですが、交通量の少ない過疎地の路上でこれほど多くのロードキルが見つかるとは驚きです。
輪禍の犠牲になるのは、コカマキリの♂よりも身重な♀が多いのかもしれません。
自動運転で路上の「虫けら」もできるだけ回避しながら安全に走行できるように改良して欲しいものです。







舗装路を横断中の生きたコカマキリも5〜6匹ぐらい(数え忘れた)救出し、片っ端から道端の草むらに移動してやりました。
♀は産卵に適した場所を探し歩いているのでしょう。

関連記事(8年前の撮影)▶ 農道を横断するコカマキリ♀


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昆虫のロードキルについては本も出版されておらず、哺乳類に比べて研究があまり進んでいないようです。
その点についてPerplexity AIに訊くと、以下のように回答してくれました。

はい。哺乳類に比べると、昆虫のロードキル研究はかなり少なく、分類群・地域・季節によって研究の空白も大きいです。ただし「研究がほとんどない」というより、近年は昆虫を対象にした研究が増えており、問題は調査・同定・個体数への影響評価が難しいため、実態が過小評価されやすいことです。

なぜ研究が少なく見えるのか

哺乳類は死体が比較的大きく、種同定や発見が容易です。一方、昆虫では次の問題があります。

  • 車に轢かれると体が飛散し、短時間で乾燥・破壊される。
  • アリ、ハエ、カラス、タヌキなどにすぐ除去される。
  • 走行車両に付着したり、道路脇へ吹き飛ばされたりする。
  • 種同定には顕微鏡や専門知識が必要で、科や目までしか同定できないことも多い。
  • 死亡個体数が非常に多く、全数調査が難しい。
  • 飛翔中に衝突した個体と、道路を歩いて横断中に轢かれた個体を区別しにくい。

そのため、哺乳類のロードキル本のように「種ごとの記録」が蓄積しにくく、研究ではしばしば「昆虫全体」「ハチ類」「チョウ類」「双翅目」といった大きな分類群で扱われます。無脊椎動物の道路死亡は、実際には多いのに、多くが科・属レベルにも同定されないという指摘があります。 mdpi

すでに分かっていること

代表的なのは、道路を飛び越える昆虫が車両に衝突する「vehicle strike」の研究です。カナダの高速道路で行われた調査では、約90 km/hの道路で10万匹以上の死んだ無脊椎動物が確認され、特にハチ類、チョウ類、ハエ類などが多く含まれていました。別の整理では、ハチ類が約26.9個体/km/日、チョウ類が約10.1個体/km/日という値が示されています。 anl.bayern

ただし、この数値は道路、速度、交通量、季節、天候、周辺植生によって大きく変動します。高交通量の道路では、1 kmあたり1日250個体程度という推定もあります。 cb.iee.unibe

また、道路脇の環境が昆虫を引き寄せる場合、道路は単なる移動障害ではなく、**「生息場所に見えるが、利用すると死亡しやすい生態学的わな」**になる可能性があります。花の多い草地や植生中央分離帯は、ハナバチやチョウを誘引する一方、道路横断や車両衝突を増やすことがあります。 link.springer

「昆虫全体が大きな影響を受ける」とは限らない

ここは重要です。道路上で大量の死骸が見つかっても、それだけで個体群への影響が大きいとは限りません。

2024年のレビューでは、道路を利用する成虫のうち、車両衝突で死亡するチョウの割合は、調査例ではおよそ0.6~7%と推定されています。これは道路脇を利用する成虫を分母にした値であり、地域全体の個体群への影響を直接示すものではありません。 academic.oup

一方で、影響が大きくなりやすいのは次のような昆虫です。

  • 飛翔能力が低く、道路を歩いて横断する種。
  • 飛べない種や地表性の種。
  • 毎年、繁殖地・越冬地・餌場の間を道路横断する種。
  • 生息地が道路によって分断された小個体群。
  • 道路脇の花や灯火に誘引される種。

特に飛べない甲虫や大型の地表性昆虫では、直接の轢死だけでなく、道路が移動を妨げる「障壁」になることが問題になります。道路を避けることで、餌場や繁殖場所に到達できなくなったり、個体群が分断されたりするためです。 academia

日本で不足している点

日本でも、道路が昆虫に及ぼす影響についての研究はありますが、哺乳類・両生類・爬虫類のロードキル研究ほど体系化されていません。特に不足しているのは次の分野です。

  • 日本の農道・林道・山間道路での昆虫死亡率の長期データ。
  • コウチュウ目、バッタ目、カメムシ目など、飛翔性以外の分類群の比較。
  • 水田、ため池、湿地周辺でのトンボ類・水生昆虫の道路影響。
  • ヘイケボタルなど、成虫の移動距離が短い種への道路の障壁効果。
  • 道路照明と昆虫の誘引・衝突・捕食リスクの関係。
  • 車に付着して死ぬ個体と、道路上で轢死する個体の区別。
  • 道路死亡が地域個体群の維持率や遺伝的交流に与える影響。

日本語で「昆虫のロードキル」と検索すると、哺乳類のロードキルに比べてまとまった単行本や一般向け記録が少なく見えるのは、このような調査上の難しさに加えて、研究テーマとして長期観測されにくかったためだと思われます。

観察するなら

身近な道路で調べる場合、単に死骸を拾うよりも、次のような設計にすると有用な記録になります。

  • 同じ道路区間を固定し、毎回同じ距離を調査する。
  • 調査時刻、気温、降雨、風、路面の湿り具合を記録する。
  • 道路の幅、制限速度、交通量、周辺植生を記録する。
  • 道路中央、路肩、側溝、植生側を分けて記録する。
  • 同じ死骸を繰り返し数えないよう、チョークや小石などで位置を管理する。
  • 可能なら調査前後を動画撮影し、清掃者や捕食者による死骸消失を確認する。
  • 種同定に自信がなければ、無理に種名を付けず「ハナバチ類」「双翅目」「小型甲虫類」などに留める。

例えば、ため池へ向かう細い農道では、トンボやハナバチの衝突数だけでなく、道路を横断する個体数、横断方向、周辺の開花植物、時間帯を記録すると、「道路が殺している」のか、「道路脇の環境が誘引して横断を増やしている」のかを区別しやすくなります。

つまり、昆虫のロードキルは「研究がない」のではなく、死亡数の把握までは進んでいるが、種別・地域個体群・長期的影響まで結びつけた研究が不足している、というのが現状です。 link.springer

2024/10/03

ヤマハッカの訪花昆虫を狙ってオオカマキリ♀が待ち伏せするもクマバチ狩りに失敗

 

2023年9月下旬・午前11:55頃・晴れ 

里山の草に覆われた斜面で褐色型のオオカマキリ♀(Tenodera sinensis)が笹の葉(種名不詳)の上に乗っていました。 
周囲でヤマハッカの群落が花を咲かせているので、オオカマキリ♀は訪花昆虫を狙って待ち伏せしているようです。 
虫が近くに来る度に向きを変えて、狙いを定めます。 

ヤマハッカの花畑では実際にキムネクマバチ♀(Xylocopa appendiculata circumvolans)やシロオビノメイガ(Spoladea recurvalis)などが吸蜜していました。 

関連記事(同所同日の撮影)▶  


オオカマキリが狩りをする瞬間が撮れるのではないかと期待して、ハイスピード動画に切り替えて長撮りしてみたものの、獲物がカマキリの手が届く射程距離になかなか入ってくれません。(その映像は退屈なので割愛) 
シロオビノメイガがヤマハッカの花から飛び立つと、オオカマキリ♀はそっちを見ました。 

遂に、オオカマキリ♀が待ち伏せしている笹の葉の近くに咲いたヤマハッカの花にクマバチが飛来しました。 
耳を澄ますと、クマバチが羽ばたく重低音の羽音♪が聞こえます。 
オオカマキリ♀は笹の葉の縁から身を乗り出して鎌を素早く一閃しました。 
カマキリがぶら下がるようにササの葉陰に隠れてしまったので、狩りの成否を見届けられませんでした。 
私がなんとか撮影アングルを変えて草むらの隙間から覗き込むと、オオカマキリ♀は獲物を捕食していませんでした。 
右の鎌を舐めて掃除し始めました。 
クマバチの羽音が鳴り続けていますし、狩りは失敗だったようです。 
もしもクマバチ♀がオオカマキリ♀の鎌で捕らえられたときに毒針や大顎で反撃するかどうか興味があったのですが、間一髪で天敵から逃げ延びたようです。 


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別個体のオオカマキリ♀@ヤマハッカ花畑+獲物待ち伏せ

2024/08/16

翅が奇形のオオカマキリ♀褐色型を見つけた!

 

2023年10月下旬・午後14:30頃・くもり 

里山で林道を下っていると、なぜか水を満タンに入れた2Lペットボトルが道端に横倒しで放置されているのを見つけました。 
林業関係者や登山客が水筒代わりに持ってきて、飲まずに置き忘れてしまったのでしょうか? 
(現場近くに水を汲める場所はありません。)
何かの重りにしては、目的が分かりません。 
水入りペットボトルに猫よけの効果があると信じているヒトが、その応用で野生動物を防除したくて置いたのかな? 
だとすれば1本だけでなく、もっと沢山置いてそうなものです。 

ペットボトルの謎はともかく、その上になぜか褐色型のオオカマキリ♀(Tenodera sinensis)が鎮座していました。 
前翅も後翅も全ての翅が激しく捻れくれていることに気づきました。 
どうやら羽化に失敗して奇形になったようです。 
そのため、赤黒い腹背が剥き出しになっています。 
褐色型のオオカマキリは普通、前翅が緑色に縁取られているはずなのに、この個体は全身が茶色です。 
コカマキリなのか?と急に自信がなくなってきました。 
しかし、コカマキリなら前脚脛節の内側に独特の模様があるはずです。 

私が人差し指でオオカマキリ♀の鎌や胸背に触れても、無反応でした。 
鎌を前方に伸ばした前習えの姿勢をくずしません。 
ファイティングポーズを取ったまま死んでいるのかと思いきや、手掴みで捕獲したら、ようやく少し暴れました。 
手のひらに乗せると、少し歩いて地面に飛び降りました。 
奇形の翅では羽ばたいて飛ぶこともできません。

飢えているのか寿命が近いのか、ひどく衰弱している印象です。 
産卵前らしく、腹部は膨満していました。

今回カマキリがペットボトルの上に乗っていたのは、たまたまでしょうか?
後で思いついたのですが、もしかして透明の水入りペットボトルには太陽光が反射して、ハエやハチ、トンボなどの虫が誘引されるのかもしれません。
だとすれば、このカマキリは獲物を待ち伏せしていたことになります。 
普通、カマキリは花の上などで待ち伏せします。
カマキリだけが水入りペットボトルに誘引されるとしたら、それはそれで面白い現象です。


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2023/08/20

跳んで逃げるオオカマキリの幼虫

 

2022年7月下旬・午後12:45頃・晴れ 

低山の細い山道を登っていると、ススキの葉の上にオオカマキリ(Tenodera sinensis)の幼虫が乗っていました。 
左右の鎌を揃えて前に構え、獲物を待ち伏せしているようです。 
武器となる鎌をときどき口で舐め、手入れを怠りません。

横を向いたオオカマキリ幼虫の目線の先を追うと、左隣のススキの葉にいつの間にかトンボが止まっていました。 
アキアカネ(Sympetrum frequens)の未熟♀のようです。 
急に飛び立つと、すぐにまた同じススキの葉に舞い戻りました。 
1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみると、アキアカネ♀は急に上空を見上げてから飛び立っていました。 
上空を飛来した昆虫を狩ろうと緊急発進したようです。 
しかし、着陸したアキアカネ♀は口に獲物を咥えておらず、狩りは失敗だったようです。 
オオカマキリの幼虫はトンボが離着陸する動きに無反応でした。 
獲物としては大き過ぎますし、遠くて鎌が届く射程距離ではありません。 

私がカメラをマクロモードに切り替えてレンズを近づけると、オオカマキリ幼虫は慌ててススキの葉を伝って逃げ、隣の葉へピョンと跳び移りました。 
ススキの葉身をどんどん登り、逃げる場所がなくなりました。 
指でそっと腹端に触れると、驚いたオオカマキリ幼虫は躊躇なく地面に跳び下りました。 
1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 
カマキリの成虫ならジャンプしながら羽ばたいて、遠くまで飛び去ることが可能です。 
不完全変態のカマキリ幼虫は成虫に体型がそっくりでも翅が未だありません(無翅)。 
カマキリの幼虫は体重が軽いので、高所から落ちても平気です(体にダメージが無い)。 
地上で見失ってしまい、カマキリ幼虫の逃避行動は成功です。 

関連記事(13年前の撮影)▶ オオカマキリ幼虫

2021/05/11

民家の外壁にオオカマキリ♂

 

2020年9月下旬・午後14:45頃・晴れ 

山間部の集落で民家の庭を羽ばたいて高く飛んでいるカマキリがいました。 
慌ててカメラを向けたものの、貴重な飛翔シーンを撮るには間に合いませんでした。 
白い外壁に止まった後でズームインすると、褐色型のオオカマキリ♂(Tenodera sinensis)ですかね? 
身軽に飛んだ(=体重が軽い)ことと、触角がやや長いことから、♂だろうと思います。 
(チョウセンカマキリ♂の可能性は?) 
外壁は垂直で滑りやすく、カマキリは体重を支えきれず今にも滑落しそうです。 
再び飛ぶかと期待してしばらく長撮りしても、休んだままでした。(退屈なのでカット) 
♀なら日当たりのよい西向きの外壁の高いところに産卵してもおかしくありませんが、♂は一体何をしに来たのでしょう? 
高いところから♀を探しているのでしょうか?(探雌飛翔に疲れた?) 
それとも、毎晩暗くなると外灯が点いて獲物となる虫がよく集まるのかもしれません。

 

2021/03/11

♀1♂2で交尾するコカマキリを見つけたが…

 

2020年10月下旬・午後15:25頃・くもり 

農村部の舗装路で3匹のコカマキリ♀♂(Statilia maculata)を発見。 
交尾中の♀♂ペアにあぶれ♂が干渉しているようです。 
交尾ペアをよく見ると、マウントしてるだけで交尾器は結合していません。 
コカマキリは体色が多型です。 今回の♀は緑色型、♂は薄い黄土色と焦げ茶色の2匹でした。 飼育下ならともかく、野外で交尾干渉を観察できる機会は滅多にないのに、ここで無念にもカメラのバッテリーが切れてしまいました。 
私が急いでバッテリー交換している間に、コカマキリのあぶれ♂は交尾ペアから離れてしまいました。 
♂同士の争い(♀の争奪戦)がどのように決着が付いたのか、見届けられずに残念でした。 

もう一度再現してくれないかと、強制的にあぶれ♂を交尾ペアにしつこく近づけても、互いに怖がって逃げ回るばかりで二度と♀に交尾を挑もうとしませんでした。 
今思えば、カマキリ♂は下手に正面から♀に近づくと共食いされる恐れがあるので、♀の背後から慎重に近づかないと安全に交尾できません。 
そのため、♀の傍で♂同士の争いは淡白なのかもしれません。 
遂には、♀は♂を背負ったまま自発的に私の手から路上に飛び降りました。 

交尾ペアに対して一番の「お邪魔虫」は私でしたね。 
道に車が来るのではないかと気が気でなくて、雑で散漫な撮影になってしまいました…。 
カメラのバッテリーをもっと早く交換しておくべきだったと、つくづく悔やまれます。 




 

2021/02/21

チョウセンカマキリ♀緑色型の一時捕獲

 

2020年10月中旬・午後13:10頃・くもり
▼前回の記事 
オカワカメの花で獲物を待ち伏せするチョウセンカマキリ♀緑色型
アカザカズラ(別名オカワカメ)の花に居たチョウセンカマキリ♀(Tenodera angustipennis)を手掴みで生け捕りにして、識別点を確認しました。 
胸部の前脚のつけ根の間に橙色斑があるのがチョウセンカマキリの特徴です。 
ここが赤いチョウセンカマキリを長年探し続けているのですけど、どうやら私のフィールドには生息していないようです。(絶滅した?) 
この辺りで出会うのはオオカマキリとコカマキリばかりです。
後翅の色で見分ける方法もあるのですが、片手でカメラを持って動画撮影しながらだとカマキリの後翅を広げられないので今回はやれませんでした。 
 元居たオカワカメの花に戻してやると、すぐに登って行きました。



 
長年この見分け方をしていたのですが、うろ覚えだったのでネット情報を見直すと、自信が無くなってきました。
胸がオレンジ色の個体はチョウセンカマキリと書いてあるサイトも多く、だとするとこの個体はオオカマキリ♀ではなくチョウセンカマキリ♀になります。
やはり横着せずに後翅も確認すべきでしたね…。
後で訂正するかもしれません。
過去の記事でも誤同定してたかも…?

【追記】
「生きペディア」というサイトの解説記事「チョウセンカマキリとオオカマキリ、見分けや違いは何?!」を読んで初めて知ったのですが、顔に走る緑色の縦条でも見分けられるのだそうです。
オカマキリもチョウセンカマキリも前頂部に3本の緑の帯があり、頭楯部から上唇部にかけて2本の線になって繋がっています。

この前頂部から頭楯部への左右の2本の帯はチョウセンカマキリの方が上唇部から先端に行くにつれ、狭くなってゆきます。

そして頭頂部の3本の濃い緑の帯もオオカマキリは細く、チョウセンカマキリは太い帯です。そして上唇部の濃い緑の帯の色の薄い部分はチョウセンカマキリが狭まって見えます。

今回私が出会った個体の顔写真を見ると、緑の縦帯が3本あったことから、やはりチョウセンカマキリと判明しました。


平凡社『日本動物大百科8昆虫I』を紐解くと、
 両者(オオカマキリとチョウセンカマキリ:しぐま註)は形態や行動が似ているにもかかわらず、オオカマキリが、山ぎわや林縁のクズ、ススキ、セイタカアワダチソウ、ササ類などが混生する草地に多いのに対して、チョウセンカマキリは、水田やその休耕地および開けた草原に多く、両種はある程度すみわけている。ただし、林縁などのオオカマキリの優占地でも、チョウセンカマキリが少しは生息していることが多いのに対して、水田周辺の環境では、オオカマキリがまったく見られないことがある。(p95〜96より引用)
今回の撮影現場は平地の新興住宅地で、すぐ裏には水田や休耕田が広がっていました。
したがって、いかにもチョウセンカマキリの生息地に相応しい環境です。
恥ずかしながらこの年齢になってようやく近縁2種の見分け方をマスターしたので、馴染みのなかったチョウセンカマキリを改めて飼育してみるつもりです。





 

2021/02/05

オカワカメの花で獲物を待ち伏せするチョウセンカマキリ♀緑色型

 

2020年10月中旬・午後13:05頃・晴れ

民家のお洒落な庭に咲いたアカザカズラ(別名オカワカメ)の花穂に緑色型のチョウセンカマキリ♀(Tenodera angustipennis)が乗って辛抱強く獲物を待ち伏せしていました。 
ちらっとこちらを見てから、ゆっくり歩いて少し前進。 
カメラ目線になると偽瞳孔が目立ちます。 
緑色型のチョウセンカマキリはオカワカメの白い花や緑の葉に対してあまり目立ちません。 
ハナカマキリの攻撃的擬態(※追記2参照)ほど巧妙ではありませんが、一応、カモフラージュになっています。 

目の前のアカザカズラに訪花したハエ(種名不詳)を狩ろうと前脚の鎌を素早く伸ばしたものの、敏捷なハエは飛んで逃げてしまいました。 
狩り失敗の瞬間をまずは1/10倍速のスローモーションでご覧ください。(@0:56) 
続けて等倍速でリプレイ。 


狩りに成功する瞬間をハイスピード動画で記録したかったのですが、この日は時間的な余裕がなくて諦めました。
野外でカマキリの狩りの成功率はどのぐらいなのでしょう?
 
▼関連記事(1ヶ月前の撮影) 
チョウセンカマキリ♀がアレチウリの花で獲物を待ち伏せハナアブを捕食する一部始終


【追記】

この個体を初めはオオカマキリと思い込んでいたのですが、チョウセンカマキリと訂正します。 



【追記2】

小松貴『昆虫学者はやめられない: 裏山の奇人、徘徊の記』という本を読んで私が一番驚いたことがハナカマキリに関する「不都合な真実」です。

東南アジアに、ハナカマキリという有名なカマキリがいる。外見がランの花そっくりな姿をしており、(中略)このカマキリがランの花の上に止まって獲物を待つ写真が高頻度で掲載されている。(中略)実は、これらの写真は全部ヤラセと思っていい。(中略)

実際にハナカマキリが自然下でどう過ごしているかというと、花も何もない緑の葉上に、ただ無造作にいるらしいことが近年わかってきた。(p112〜113より引用)

写真家がヤラセに手を染める理由も詳しく書いてあって、さもありなん、と私は思いました。 


2020/12/31

チョウセンカマキリ♀がアレチウリの花で獲物を待ち伏せハナアブを捕食する一部始終

 

2020年9月中旬・午後15:55頃・くもり  

川沿いの土手に蔓延るアレチウリの群落で、褐色型のチョウセンカマキリ♀(Tenodera angustipennis)が葉に乗ってじっとしていました。 
アレチウリに訪花する昆虫を待ち伏せているようです。 

しばらくすると右下のクズの葉に黒いハエ(種名不詳)が飛来して葉の上を徘徊したのに、カマキリは眼中にないのか無反応でした。 
おそらく鎌の射程距離ではないことを自覚しているのでしょう。 

その次には、ハナアブの一種がアレチウリの花に飛来しました。 
撮影中はハナバチ(蜂)の仲間かと思ったのですが、1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみると、ハナアブと分かりました。 
残念ながら、ハナアブの吸蜜シーンは手前の花の陰に隠れて見えませんでした。 
チョウセンカマキリ♀は鎌状の前脚を構えると、前後に揺れながら慎重ににじり寄ります。 
鎌を一閃すると俊敏なハナアブを見事に捕らえました。 
その場で捕食開始。 
獲物の頭部から胸部、腹部と平らげ、翅は食べ残しました。 
獲物の腹背がオレンジ色と黒の横縞模様で、ヒラタアブの仲間のようです。 
ハナアブの蜂に似せるベーツ型擬態はカマキリに通用しなかったことになります。 
(そもそもオオカマキリは毒針を持つミツバチやハナバチ類も難なく捕食すると思われます。) 

完食するとチョウセンカマキリ♀はこちらに顔を向けて舌舐めずり。 
獲物を捕らえるために閉じていた右鎌を開くと、獲物の体液の雫が鎌に付着していました。
カメラ目線で凝視している複眼には偽瞳孔が見えます。 
「見たなー!」と言わんばかりの、凄みのある殺し屋の目つきにぞっとしました。
食後のカマキリは汚れた鎌の掃除・身繕いをするはずですけど、先を急ぐ用事があった私は待ち切れずに現場を離れました。 

野外でカマキリが獲物を狩る瞬間を観察したのはこれが初めてでした。 
次回はハイスピード動画で狩りの瞬間を記録してみたいものです。


【追記】
よく調べずにてっきりオオカマキリ♀だと思い込んでいたのですが、チョウセンカマキリ♀と訂正します。

 

2020/03/08

オオカマキリ♀がコンクリート護岸で獲物を待ち伏せ



2019年9月下旬・午後14:53

河原のコンクリート護岸でオオカマキリ♀(Tenodera aridifolia)が佇んでいました。
立ち上がって鎌を構え、獲物を待ち伏せているのでしょうか?
完全に静止してはおらず、まるで風に吹かれている植物のように、体を左右に揺らしています。

実は、(ツルガ?)ハキリバチ♀の巣穴のすぐ左上でこのオオカマキリ♀を見つけたのです。
もしかすると巣穴に出入りするハキリバチ♀を待ち伏せて狩ろうとしているのか?と少し期待しました。
カメラと三脚が2セットあればカマキリとハキリバチの動向を別々に監視・録画したいところです。
この日は1台しかカメラが無かったので、下手すると注意力が散漫になって「虻蜂取らず」になりそうです。
仕方なく、ハキリバチ♀の巣穴に全神経を集中することにしました。
気づくといつの間にかオオカマキリ♀は居なくなっていました。
どうやら、たまたま通りかかっただけのようです。


オオカマキリ♀:顔@コンクリート護岸
オオカマキリ♀:背側@コンクリート護岸

2019/04/18

珍しい色(中間型)のコカマキリ♀を見つけた!



2018年10月中旬

郊外の路上で見慣れない色のカマキリが居ました。
私が近づくと静止し、私を見上げています。
複眼の中央にある偽瞳孔が昼間なのに黒く、やや広がっています。
飼育経験からすると、寿命が近いのかもしれません。
元気なカマキリなら私の動きに合わせて顔を動かすはずなのに、私が回り込んでもこのカマキリは顔の向きが変わりませんでした。

私が指を近づけると体を左右に揺すりました。
そのまま指で触れると慌てて逃げ出しました。
慌てたせいか、路上に転んで擬死(死んだふり)しました。
(これも老化現象だったりして…?)

パッと見ただけではこのカマキリの種類が分からず、一時的に捕獲することにしました。
手掴みすると鎌を構え、翅を広げて威嚇します。
よくよく調べると、コカマキリ♀(Statilia maculata)でした。
通常のコカマキリは茶色ですが、珍しい緑色型が稀にいると聞いています。
しかし、今回の個体はその中間のような色をしています。

そっと離すと自分から地面に飛び降り逃げて行きました。
車に轢かれないように、撮影後に改めて道端の草むらへ放り投げてやりました。


保育社『検索入門:セミ・バッタ』という図鑑でコカマキリについて調べると、

褐色型は明るい黄土色から暗黒褐色までさまざまで、個体に寄る濃淡の差が大きい。淡色の個体では、紅色味をおびることがある。後翅は体色に準じた褐色で網目状の模様を現すが、その発達程度は個体差が大きい。褐色型の場合、前胸背にある黒色帯はふつう明瞭に発現する。緑色型の個体は少ない。緑色型の後翅は、ほぼ無紋で半透明。前胸腹板の黒色帯は発現しない。体全体が赤褐色味をおびた緑色で、後翅には褐色の網目状の模様が明瞭な、中間型と思われる個体がまれに見られる。(p156-157より引用)

どうやら、今回の個体は中間型の体色らしいです。

もう一つ、図鑑を読んで初めて知ったのは分布についでです。
「本州では山形県・宮城県以西」とのこと。
私のフィールドでコカマキリはありふれた普通種ですが、分布の北限に近いのだそうです。




※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


コカマキリ♀緑色(中間)型@路上
コカマキリ♀緑色(中間)型@路上

2019/03/23

クルマバッタモドキを捕食するコカマキリ♀



2018年10月中旬

舗装された農道でコカマキリ♀(Statilia maculata)がクルマバッタモドキ(Oedaleus infernalis)を捕食していました。

獲物を鎌で捕らえたコカマキリ♀は私が近づくと警戒し、こちらを見上げてじっとしています。
左の鎌で獲物の胸部(翅)を、右の鎌で獲物の頭部をガッチリ挟み込んでいます。
虫の息の獲物がヒクヒクと動きました。
餌食となったクルマバッタモドキは、後脚の脛節が赤く、膝(後腿節末端)は黒色でした。
胸背にトレードマークのX紋があります。
やがて警戒を解いたコカマキリ♀が獲物を生きたまま貪り食い始めました。
頭部の脳や胸部の飛翔筋が好きなようです。
コカマキリが獲物を食べながら顔を動かすと、偽瞳孔も動いて見えます。

獲物の胸背(後頭部?)に噛み付くと、クルマバッタモドキが急に力強く跳んで逃げようとしました。
一緒に宙を飛ばされたコカマキリ♀は鎌で獲物を離しませんでした。
その後も何度かバッタが必死に跳んで脱走を試みました。
頭部の脳を食われても胸部の末梢神経節が残っていれば、なんとか脚を動かせるようです。

数時間後に現場を再訪すると、コカマキリ♀は居なくなっていたものの、路上に食べ残しを見つけました。
現場検証のようにクルマバッタモドキの死骸を採寸しましたが、後翅を広げて黒紋の有無を確認すべきでしたね。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


コカマキリ♀@クルマバッタモドキ捕食
コカマキリ♀@クルマバッタモドキ捕食
コカマキリ♀@クルマバッタモドキ捕食
コカマキリ♀@クルマバッタモドキ捕食
コカマキリ♀@クルマバッタモドキ捕食
コカマキリ♀@クルマバッタモドキ捕食
コカマキリ♀@クルマバッタモドキ捕食

クルマバッタモドキ死骸:側面(コカマキリ♀食痕)+scale
クルマバッタモドキ死骸:側面(コカマキリ♀食痕)+scale
クルマバッタモドキ死骸:側面(コカマキリ♀食痕)+scale
クルマバッタモドキ死骸:背面(コカマキリ♀食痕)

2019/01/22

桑の葉で獲物を待ち伏せるコカマキリ



2018年9月上旬

細い農業用水路沿いの草むらでコカマキリ(Statilia maculata)が桑の葉に乗ってじっとしていました。

鎌を体の前に構え、ときどき顔だけキョロキョロと動かしています。
獲物を待ち伏せしているようですが、緑のヤマグワの葉の上で褐色のコカマキリは保護色になっていません。
したがって、ハナカマキリのような攻撃的擬態とは言えないでしょう。
せめて近くで咲いている花に潜んで訪花昆虫を待ち伏せた方が良い気がするのですけど、何か別の思惑があるのでしょうか?
(ただの日光浴?)

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


コカマキリ:側面@クワ葉+獲物待ち伏せ
コカマキリ:背面@クワ葉+獲物待ち伏せ

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