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2019/04/18

珍しい色(中間型)のコカマキリ♀を見つけた!



2018年10月中旬

郊外の路上で見慣れない色のカマキリが居ました。
私が近づくと静止し、私を見上げています。
複眼の中央にある偽瞳孔が昼間なのに黒く、やや広がっています。
飼育経験からすると、寿命が近いのかもしれません。
元気なカマキリなら私の動きに合わせて顔を動かすはずなのに、私が回り込んでもこのカマキリは顔の向きが変わりませんでした。

私が指を近づけると体を左右に揺すりました。
そのまま指で触れると慌てて逃げ出しました。
慌てたせいか、路上に転んで擬死(死んだふり)しました。
(これも老化現象だったりして…?)

パッと見ただけではこのカマキリの種類が分からず、一時的に捕獲することにしました。
手掴みすると鎌を構え、翅を広げて威嚇します。
よくよく調べると、コカマキリ♀(Statilia maculata)でした。
通常のコカマキリは茶色ですが、珍しい緑色型が稀にいると聞いています。
しかし、今回の個体はその中間のような色をしています。

そっと離すと自分から地面に飛び降り逃げて行きました。
車に轢かれないように、撮影後に改めて道端の草むらへ放り投げてやりました。


保育社『検索入門:セミ・バッタ』という図鑑でコカマキリについて調べると、

褐色型は明るい黄土色から暗黒褐色までさまざまで、個体に寄る濃淡の差が大きい。淡色の個体では、紅色味をおびることがある。後翅は体色に準じた褐色で網目状の模様を現すが、その発達程度は個体差が大きい。褐色型の場合、前胸背にある黒色帯はふつう明瞭に発現する。緑色型の個体は少ない。緑色型の後翅は、ほぼ無紋で半透明。前胸腹板の黒色帯は発現しない。体全体が赤褐色味をおびた緑色で、後翅には褐色の網目状の模様が明瞭な、中間型と思われる個体がまれに見られる。(p156-157より引用)

どうやら、今回の個体は中間型の体色らしいです。

もう一つ、図鑑を読んで初めて知ったのは分布についでです。
「本州では山形県・宮城県以西」とのこと。
私のフィールドでコカマキリはありふれた普通種ですが、分布の北限に近いのだそうです。




※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


コカマキリ♀緑色(中間)型@路上
コカマキリ♀緑色(中間)型@路上

2019/03/23

クルマバッタモドキを捕食するコカマキリ♀



2018年10月中旬

舗装された農道でコカマキリ♀(Statilia maculata)がクルマバッタモドキOedaleus infernalis)を捕食していました。

獲物を鎌で捕らえたコカマキリ♀は私が近づくと警戒し、こちらを見上げてじっとしています。
左の鎌で獲物の胸部(翅)を、右の鎌で獲物の頭部をガッチリ挟み込んでいます。
虫の息の獲物がヒクヒクと動きました。
餌食となったクルマバッタモドキは、後脚の脛節が赤く、膝(後腿節末端)は黒色でした。
胸背にトレードマークのX紋があります。
やがて警戒を解いたコカマキリ♀が獲物を生きたまま貪り食い始めました。
頭部の脳や胸部の飛翔筋が好きなようです。
コカマキリが獲物を食べながら顔を動かすと、偽瞳孔も動いて見えます。

獲物の胸背(後頭部?)に噛み付くと、クルマバッタモドキが急に力強く跳んで逃げようとしました。
一緒に宙を飛ばされたコカマキリ♀は鎌で獲物を離しませんでした。
その後も何度かバッタが必死に跳んで脱走を試みました。
頭部の脳を食われても胸部の末梢神経節が残っていれば、なんとか脚を動かせるようです。

数時間後に現場を再訪すると、コカマキリ♀は居なくなっていたものの、路上に食べ残しを見つけました。
現場検証のようにクルマバッタモドキの死骸を採寸しましたが、後翅を広げて黒紋の有無を確認すべきでしたね。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


コカマキリ♀@クルマバッタモドキ捕食
コカマキリ♀@クルマバッタモドキ捕食
コカマキリ♀@クルマバッタモドキ捕食
コカマキリ♀@クルマバッタモドキ捕食
コカマキリ♀@クルマバッタモドキ捕食
コカマキリ♀@クルマバッタモドキ捕食
コカマキリ♀@クルマバッタモドキ捕食

クルマバッタモドキ死骸:側面(コカマキリ♀食痕)+scale
クルマバッタモドキ死骸:側面(コカマキリ♀食痕)+scale
クルマバッタモドキ死骸:側面(コカマキリ♀食痕)+scale
クルマバッタモドキ死骸:背面(コカマキリ♀食痕)

2019/01/22

桑の葉で獲物を待ち伏せるコカマキリ



2018年9月上旬

細い農業用水路沿いの草むらでコカマキリStatilia maculata)が桑の葉に乗ってじっとしていました。

鎌を体の前に構え、ときどき顔だけキョロキョロと動かしています。
獲物を待ち伏せしているようですが、緑のヤマグワの葉の上で褐色のコカマキリは保護色になっていません。
したがって、ハナカマキリのような攻撃的擬態とは言えないでしょう。
せめて近くで咲いている花に潜んで訪花昆虫を待ち伏せた方が良い気がするのですけど、何か別の思惑があるのでしょうか?
(ただの日光浴?)

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


コカマキリ:側面@クワ葉+獲物待ち伏せ
コカマキリ:背面@クワ葉+獲物待ち伏せ

2018/12/31

農道を横断するコカマキリ♀



2018年9月下旬

舗装された農道で昼下がりにコカマキリ♀(Statilia maculata)と出会いました。
初めは私を見上げて警戒し、路上で静止していました。
卵が詰まっている腹部が重そうです。

やがて警戒を解くと農道をゆっくり横切り始めました。
胸の前に鎌を構え、一歩ずつ体を前後に揺すりながら優雅に移動します。(4本脚歩行)
急ぐ時は前脚(鎌)の先も地面に付いて歩きます。(6本脚歩行)
ときどき一時停止し、辺りを警戒しています。
ツユクサの花などが咲いている道端の草むらを目指しているようですが、途中で動かなくなりました。
先を急ぐ用事があった私は、コカマキリ♀が農道を渡り切るまで待ち切れませんでした。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


コカマキリ♀@舗装農道横断

2017/01/02

マリーゴールドの花壇で飛ぶコカマキリ♀



2016年9月中旬

平地で車道の端を歩いていたら目の前でコカマキリ♀(Statilia maculata)が少し飛んで逃げたので存在に気づきました。
(映像はここから。)
もうこの時期は幼虫ではなく、有翅の成虫になっています。

マリーゴールドの咲き乱れる道端の花壇でこちらを警戒しながらゆっくり歩き回ります。
訪花する昆虫を待ち伏せして狩らないかな?と期待していると急に飛び立ち、見失ってしまいました。
引きの絵にすれば飛翔シーンがしっかり撮れたのに残念でした…。



2016/12/20

オオカマキリ♀とハリガネムシの死骸に群がるアリ



2016年9月上旬

郊外の住宅地の路上で車に轢かれてぺしゃんこになったオオカマキリ♀(Tenodera aridifolia)の死骸を見つけました。
そのロードキルに、かなり小さなクロアリ(種名不詳)の大群が集まっていました。

もし映像からアリの種類を見分けられる方がいらっしゃいましたら、ぜひ教えて下さい。
こんな小さなアリが時間をかけて巨大な獲物を少しずつ解体する様子を微速度撮影したら面白そうです。
このとき私はひどく疲労困憊していた上に夕暮れ時だったので、蟻を接写するのも採集するのも億劫で怠りました。


後になって写真を見直すと、オオカマキリ♀の体内に寄生してたハリガネムシの一種が脱出後に干からびて死んでいました。

現場ではハリガネムシに全く気づきませんでした。


2015/01/20

コカマキリ♂がジョロウグモ(蜘蛛)の網から脱出



2014年9月下旬

山裾のお寺の境内でジョロウグモNephila clavata)があちこちに網を張っていました。
どういう訳か、その一つにコカマキリ♂(Statilia maculata)が引っかかっていました。
地上からの高さは目測で約2m。
死んでいるのかと思いきや、動きました。
クモに悟られないよう擬死しているのかな?
枠糸に近い部分なので、糸に粘着性がないようです。

一体どうしてコカマキリはこんな窮地に陥ったのでしょう?
決して私がジョロウグモに給餌するためにコカマキリをクモの巣に投げつけた訳ではありません。
ジョロウグモの網にかかった獲物を横取りしようと自分の意志でやって来たとしたら非常に興味深いのですが、わざわざ屋根から枠糸を伝い歩きして辿り着いたとは思えません。
おそらく単に屋根から飛び降りようとして網に引っかかったのでしょう。

一方、網が振動しているのに左上に占座したジョロウグモ♀もなぜか反応しません。
獲物としては危険過ぎると察知しているのでしょうか?

しばらくするとコカマキリ♂は恐る恐る(?)網から脱出を始めました。
糸に粘着力はあまり無さそうですが、上手く歩けない様子。
なんとか苦心して方向転換すると不安定な足場で体勢を立て直しました。
羽ばたいて下の草むらに飛び降り、無事に生還。

※ 白飛び気味の前半だけYouTubeの動画編集時に自動色調補正を施してあります。

細いクモの糸も少し強調されました。



【追記】
初め私はこのコカマキリをなぜか♀だと思い込んでいたのですけど、YouTubeのコメント欄でバナナ王国の王バナナイズジャッチメントさんから♂だとご指摘を頂きました。
触角が長いとオスでメスはオスより短いです後は腹が細いほうがオスでメスはやや太ってますあとオスは遠くまで飛べてメスはそんなに飛べません
という訳で、性別を♀から♂に訂正しておきます。


2014/05/19

オオカマキリ♀の歩行【ハイスピード動画】



2013年9月中旬

河川敷の縁石を歩くオオカマキリ♀(Tenodera aridifolia)を240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。
初めはカメラを凝視していたカマキリが警戒を解くと、風に揺れるように体を揺らしながら独特のリズムでぎくしゃくと歩行開始。
実は前方にトンボが止まっていたのですけど、忍び寄って狩りを行う前に飛んで逃げられました。

スローモーションにしたら何気ない歩行もドラマチックになるかな?と期待したのですがいまいち。
無駄にドラマチックなBGMを付ければまた印象が変わりますかね?


2012/12/17

オオカマキリ♀の脱糞



2012年9月中旬

庭の下草を歩いていた褐色型のオオカマキリ♀(Tenodera aridifolia)を拾い上げ、ひとしきり遊んでもらってから資材置き場に置いてやりました。
しばらくすると、肛門からぽとりと脱糞しました。
体を揺らしながら丸太の上をゆっくり前進して退場。

オオカマキリの排便を自然条件下で初めて観察できました。
飼育下での映像はこちら


2012/12/16

オオカマキリを狩るチャイロスズメバチ♀



2012年8月下旬

林縁の草むらでチャイロスズメバチVespa dybowskii)のワーカー♀が狩りをしていました。
下草に隠れて様子がよく分からずもどかしいのですが、獲物はなんとオオカマキリのようです。
緑色型オオカマキリの死骸(後翅や脚の断片など)が林床に散乱しています。
チャイロスズメバチが獲物の腹部を噛み切って葉に止まり、肉団子を作り始めました。

この腹部は細いので、オオカマキリ♂かもしれません。
接写しようとレンズを近づけると、蜂が作業を切り上げて巣へ飛び去ってしまいました。
肉団子は未だ完全なミンチ状にはならず、獲物の細長い腹部の原型が残っていました。

しかも獲物の半分をうっかり落としています。

しばらくすると同一個体と思われる蜂が戻って来ました。
下草の同じ辺りを低空飛行で探索しています。
結局、先程と同じ場所に降り立ちました。
大顎で腐葉土を掘っています。
よく見ると、褐色の小さなアリ(種名不詳)が右往左往しています。
今度はなんと、蜂が地中から青虫を掘り出しました。
獲物は緑色型ヨトウムシの仲間でしょうか。

それとも先程の落し物(緑色型オオカマキリの腹部の残り半分)でしょうか。
アリに邪魔されない場所で肉団子を作るため、獲物を咥えてすぐに飛び立ちました。
近くの笹の葉などあちこちに移動するも、結局肉団子を作らずそのまま巣へ持ち帰りました。

しばらく待つと、同じ場所にまた蜂が舞い戻ってきました。
味を占めたというか、よほど成功体験が忘れられないのでしょう。
再び腐葉土を掘ったりしています。
探索の合間に身繕い。
草葉の陰で何かごそごそしているが、死角でほとんど様子が見えません。
その間にアリがオオカマキリの死骸の断片を運んでいます。

本当に同一個体が狩場に繰り返し飛来するのか確かめるには、一時捕獲して麻酔下で個体識別のマーキングを施す必要があります。
この日は捕虫網を持参しておらず、諦めました。

巣と狩場を何度も往復していたのに、残念ながら巣の位置も突き止められませんでした。


3年前にも、チャイロスズメバチ♀が地中から蛾の蛹を掘り出した後で同じ狩場に執着しているのを観察しています。
関連記事→「チャイロスズメバチの狩りと肉団子作り




餌食となったオオカマキリ

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2012/12/09

コカマキリ♀の飛び立ち【ハイスピード動画】



2012年9月中旬

今季初見のコカマキリStatilia maculata)成虫は未だ痩せている♀でした。
草むらから拾い上げて板に乗せ、飛び立つ瞬間をハイスピード動画(220 fps)に撮ってみました。
驚かせて飛び立たせることはせずに、自発的に飛ぶのを気長に待ちます。
カメラの準備が出来る前に飛ぼうとしたら、カマキリの目の前で手を振れば気を逸らせることができます。
軽く屈んでジャンプしながら翅を広げ、羽ばたいて飛び去りました。
なんとか粘って飛び立ちを2回撮れました。
映像後半は更に50%スローダウンしたリプレイです。

カメラを三脚に固定し、もう少し引きの絵でも撮りたかったです。
側面ではなく後ろ姿を撮るようにすれば、飛び去る行き先まで滞空時間が長く撮れたかもしれません。
画角が縦で短くなるので、一長一短かも。



2012/04/03

コカマキリ♀bの卵鞘作り



コカマキリの飼育記録

2011年11月中旬・室温20℃

夜にふと気づくと、コカマキリ♀bが産卵していました。
飼育容器はDVDスピンドル容器をリサイクルしたもので、止り木として割り箸を斜めに入れてあります。
今回で5個目の卵鞘は割り箸の下面に産みつけられていました。
前回の産卵から13日後になります。
ちなみに、この♀は飼っていたコカマキリの中で最後まで生き残った長寿かつ多産の個体です。
容器の蓋を開けてもコカマキリ♀bは無我の境地で泡立て作業を続けます。
インターバル撮影(微速度撮影)の準備が間に合わなかったので、今回は通常のマクロ動画で記録してみました。


産卵の♀は口髭が活発に動いています。
頭が容器の底に付いてしまい窮屈そう。
なぜもっと上の場所から産み始めなかったのか不思議。
体を横に「く」の字に曲げてなんとか凌いでいるものの、首を寝違えないか心配になります。
♀はこれより下に行きたくても移動できないので、今回の卵鞘は全体の造型が寸足らずになってしまいました。
一仕事終えた♀はようやく窮屈な姿勢から開放され、満足気に身繕い。
産卵後のコカマキリ♀は腹端に白い付着物があるので、野外でもすぐ見分けられます。



2012/03/16

コカマキリの危険な情事(性的共食い未遂→マウント→交尾器結合)


コカマキリの飼育記録
2011年10月中旬・室温24℃

しばらく飼育してきたコカマキリStatilia maculata )♀bに婿入りさせようと、新たに採集してきた♂2匹と順番にペアリングしてみました。
初めに同居させた♂bとは相性が悪かったのか、マウントするものの交尾器の結合まで至りませんでした。
この♂bはぐったりしていて、ひどく体力の弱った個体のようでした。

諦めて次の♂c(左の触角が途中で折れ曲がった個体)と入れ替えました。
初めは飼育容器からとにかく逃げ出そうと暴れる♂c。
ガラス板を被せてしばらくするとようやく落ち着いてくれました。
♂cが身繕いする間、♀bは油断なく見張っていました。

煩雑なので以下は個体の記号を略して♀、♂と表記します。
(映像はここから。)



止り木で♂が動いた瞬間、♀が反射的に鎌で襲いかかりました。
(攻撃の決定的瞬間は撮り損ねてしまいました。)
驚いた♂は威嚇誇示。
翅を目一杯広げ、腹部を膨らませつつ反らせシューシュー♪と威嚇音を発しています。
下にいる♀と互いに鎌が絡まっています。
軽量の♂は下に引きずり下ろされた格好。
♀の射程距離ですけど、♀の側に追撃、捕食の意志は無いようです。
しばらくすると♀が呆然と♂を離しました。
この♀は産卵間近でここ数日は食欲が無いのです。
性的共食い」はカマキリの交尾行動の代名詞のように言われていますが、未遂に終わりました。
隅に追い詰められた♂は身がすくんだのか、まるで擬死したみたいに全く動かず♀と対峙。
どこかに致命傷を負ったようには見えないので、おそらくショック状態(動物催眠状態?)なのでしょう。
襲われるまで♀の存在に気づかなかったのかもしれません。
しばらくして♂がようやく復活し、身繕いを始めました。
果たしてこのトラウマを乗り越えてもう一度♀に挑むでしょうか?

止り木の端に妙な姿勢でぶら下がっている♀に♂がアプローチ。
♀は油断無く睨みつけています。
緊張感のある対峙が続きます。
今度の♂は慎重です。
ここで♂は鎌(前脚)を揃えて謎の「前ならえ運動」を行いました。
これは採集前に単独の♂が野外でやった前ならえ運動と同じです。
♀との距離を測るための行動でしょうか。
それとも「同種の♂だよ」と求愛ディスプレーを行い、♀の攻撃性を宥めようとしているのだろうか。
この間、♀は静止したままです。

♀は壁を登ろうともがいています。
それを止り木から見下ろす♂。
遂に♂が意を決して、♀に飛びつきざまに鎌で♀の胴体を捕獲しました。
♀は特に驚いた素振りは示さず、咄嗟に反撃することもありませんでした。

♀が妙な体勢でいるため(止り木から中途半端にぶら下がっている)、♂がうまく背中に乗り移れないでいます。
♂が完全に止り木を離れたものの、♀の背に前後逆に乗ってしまいました。
♂を背負ったまま遂に♀が床へ落下すると、その隙に♂がマウントの向きを変えました。
これ以降、♀は落ち着いて交尾できる場所を探してしばらく徘徊を続けます。

マクロレンズの装着にもたついている間に交尾器が結合する肝心の瞬間は撮り損ねてしまいました。
♀は大人しく静止しており、ときたま暇そうに身繕いします。
この♂は経験豊富(床上手)なのか♀との相性が良いのか、一発でがっちり結合に成功。
長時間の交尾中、鎌で♀の背にしがみついたままの♂がときどき身震いするのが気になりました。
移精に伴う運動なのだろうか。
それとも♀の徘徊を抑制したり攻撃性を宥めたりする合図なのかな?と想像を逞しくしました。

(映像はここまで。)

翌朝も同じ姿勢で交尾を続けていました。
やがて♂は♀に食われることなく無事に離れました。
隔離した♀に水と生き餌を与えると、その日の晩に産卵していました。
本個体は前回も交尾直後に産卵しています。



2012/02/20

交尾不調でもマウントを続けるコカマキリ♂♀ペア(100倍速映像)



2011年10月上旬
コカマキリ成虫の飼育記録

コカマキリStatilia maculata)が交尾する一部始終を飼育下で観察するため、♂と♀bを同居させてみました。
夜の11時頃にペアリングを始めると♂はすぐに♀の隙を見て背後からマウントしました。
ところがどういう訳か交尾器の結合が上手くいかず、すぐに外れてしまいます。
何度か失敗すると、その後はマウントしつつも♂は交尾器の結合を諦めたようでした。

♀がときどき体を左右に揺するのは♂への催促だろうか?
♂はときどき♀の背中からずり落ちそうになるのか、慌てたように身動きします。
(鎌が痙攣するようなもがくような動き)

(映像はここから)
夜中は5秒間隔のインターバル撮影で監視を続けました。
カメラのバッテリーが切れるまで8時間40分もの間、マウント姿勢のまま結局交尾に至りませんでした。
暇を持て余した♀は、止り木でときどきカメラを睨んだり身繕いしたりしていました。


翌日の午後、痺れを切らした♀が止り木で方向転換した際に♂が遂に力尽きて♀の背中から落下しました。
ひどく消耗しており自力で立ちあがれず、そのまま♂は寿命を迎えました。
下に敷いた紙に♀が排泄した糞が計6粒落ちていました。
♀bの方は毎日充分な生き餌を与えているせいか、不甲斐ない交尾相手にも共食い行動を起こすことはありませんでした。

この♂は左右の後脚が欠損しています。
これが交尾行動に影響したのだろうか。
あるいは♂がライバルから♀を守る「交尾前ガード」の行動なのかと首をひねって見てましたが、どうやら♂の健康状態に問題があったようです。
(栄養状態が悪かった? 寿命間近だった?)
それとも交尾器の相性が悪かったのだろうか。

生き物相手の撮影はなかなか一筋縄では行きません。
野外で別の元気な♂を捕まえてきて、もう一度婿入りさせてみることにします。
(つづく)



2012/01/18

飼育コカマキリ♀に牛乳を与える【冬の代用食】



2011年12月中旬

今季はコカマキリ♀(Statilia maculata)を4匹も飼育していました。
寿命で次々と死んでいく中、♀bの一匹だけが元気に生き残っています。
この個体は9月下旬に成虫を採集して以来、飼育下で5個も卵鞘を産んでくれました。
最も多産かつ長寿の個体ということで、どうしても情が湧いてきました。
しかし冬になると雪国では生き餌を安定して確保するのが極めて困難になります。
ハエ類すらも見当たらなくなりました。
インターネットで検索してみると、カマキリの代用食として牛乳を与えている人がいらっしゃいました。
確かに栄養豊富かつ手軽(入手が容易・安価)で、なかなか良さそうです。
早速私も試してみることに。

毎日給水していた方法と同じで綿棒に浸してからコカマキリ♀bの口元に近づけると、初回は少し嫌がる素振りを見せたものの、すぐに吸い付いて雫を飲み始めました。
(関連記事→「飼育ウスバカマキリ♀への給水
皆さんはスポイトやストロー、注射器、筆など、各自がやり易い方法で与えれば良いと思います。
冷蔵していた牛乳をそのまま与えると体温が下がるので、常温まで戻してから給餌するようにしています。
一日一回満腹するまで飲ませます。
(うちのコカマキリは満腹するともう嫌がって綿棒から顔を背けたり仰け反ったり鎌で押し退けたりします。)
牛乳は腐るので綿棒は使い捨てにします。

果たして寿命がどれだけ伸びるか実験です。
驚くべきことに、この記事を書いた現在(年を越して1/18)もコカマキリ♀bは毎日の牛乳だけで生き続けています。
外は根雪となりカマキリ成虫は当然死に絶えているはずです。
室温は15℃前後、朝の最低室温は約12℃。
ただし活動性は低く、終日止り木で静止しているだけです。
足腰もめっきり弱くなりました。


ご存知の通り、牛乳は栄養素のバランスに優れた完全食品と言われています。
孵化直後のカマキリ若齢幼虫も小さな生き餌の確保に苦労します(飼育経験の未熟な私はいつも失敗)。
もしカマキリ幼虫も牛乳だけである程度まで大きく育ってくれるのなら非常に助かります。


【追記】
最後は牛乳も飲まなくなり、このコカマキリ♀bは1/30遂に大往生を遂げました。
死ぬ一週間ぐらい前に一度だけ、ようやく採れた一匹のハエを飼育容器に投入してみたのですが捕食しませんでした。


餌を牛乳だけにしてから糞にも変化があり、粘り気の強い便を排泄するようになりました。


【参考動画】



↑この方は脱脂綿に牛乳を含ませて給餌しています。


『机の上で飼える小さな生き物』という飼育指南書 p104 によると、
「カマキリがミルクを飲むことは一部の専門家の間ではよく知られていることらしい。」

2011/11/29

飼育コカマキリ♀dの卵鞘作り@LCD下(60倍速動画)



コカマキリ♀dの飼育記録
2011年11月上旬・室温24℃



前回の産卵@飼育容器天井から8日後、コカマキリ♀dが2個目の卵鞘を作り始めました。
DVDスピンドル容器を再利用した中で飼っていたのですが、この日は止り木の下面に静止して腹部をひくひくさせていました。
ここ数日は食欲が無くなり※、いかにも産卵しそうな気配でした。
※コカマキリ♀を何匹も飼育してみると、食欲が落ちるのは産卵の前兆の一つのようです。
産卵シーンを容器越しではなく直接観察したかったので、容器の外に出してやりました。
水平の止り木を用意して乗せてやるも、気に入らなかったようで卓上をあちこち徘徊します。
ようやくPCモニターの下面(プラスチック)にぶら下がって落ち着きました。
やがて案の定、クリーム色の卵鞘を泡立て始めました。
コカマキリ♀の側面から3秒間隔のインターバル撮影で記録しました。
三脚の設置を焦ってしまい、水平がきちんと取れていませんね…。
夕方の74分間(16:33-17:47)の産卵行動を60倍速の早回し映像でご覧下さい。


産卵シーンを何度も見逃したり、思い通りの産卵基質を選んでくれなかったり(撮影アングルをうまく確保できず)と苦労しましたが、コカマキリ♀を4匹も飼育して試行錯誤の末にようやく満足のいく映像が撮れました♪


このまま室内に卵鞘を放置すると、季節外れに幼虫が孵化してしまいます。
乾いた卵鞘を産卵基質からナイフで削り取り、割り箸に接着剤(木工用ボンド)でくっ付けました。
これを屋外に移して冬越しさせます。



2011/11/25

コカマキリ♀dの卵鞘作り@飼育容器天井(微速度撮影)

コカマキリ♀dの飼育記録
2011年10月下旬・室温20℃→18℃



身重のコカマキリ♀dが野外で鉄パイプの下面にぶら下がって何時間も静止して居ました。
いかにも卵鞘を産みそうな予感がしたので、飼育するため夕方に採集しました。
近くに居たアシグロツユムシ♀と同じ容器に入れて持ち帰ると、捕食していました(半分食べ残し)。
コカマキリ♀による卵嚢作製の微速度撮影をなんとか物にすることを今季の目標にしており、これが4匹目(a-d)の飼育です。



産卵を観察しやすいよう透明プラスチックのDVDスピンドル容器で飼うことにしました。
コカマキリ♀dは容器の天井に逆さまにぶら下がる姿勢で、なんとその日の晩に白い卵鞘を泡立て始めました。
夕方に鉄パイプの下にずっと止まっていたのは、やはり産卵の準備だったようです。


透明の容器越しに上から見下ろすアングルでカメラを三脚にセットし、3秒間隔のインターバル撮影を開始。
コカマキリ♀の腹面と卵鞘の裏側という珍しいアングルです(飼育下ならでは)。
まるで白い絵の具を塗るように泡立てていきます。
約2.5時間(PM19:40〜22:15)の行動を60倍速の早回しでお届けします。

卵鞘が完成するとコカマキリ♀は身繕いや徘徊を始めました。
一仕事を終えた♀の腹端に白い卵鞘の泡が付着しています。
ちなみに、この白い産卵痕は野生のコカマキリ♀にも認められます。


卵鞘は乾くと固くなって褐色になります。


2011/11/12

コカマキリ♂が独りで「前ならえ」の練習



2011年10月中旬
以前フィールドで交尾中のペアを見つけて以来、コカマキリStatilia maculata)の♂成虫を見分けられるようになりました。
この日は堤防の石段で続けざまに♂を二匹発見(映像はそのうちの一匹♂cの行動)。


カメラを凝視する顔はなんとも小狡そうな表情に見えてしまいます。
この個体は左の触角が途中で直角に折れ曲がっています。



植物の蔓を少し登ると、立ち止まって奇妙な行動を始めました。
鎌を構える「拝みポーズ」はカマキリにごく普通ですが、カメラ目線のまま「前ならえ」するように繰り返し鎌を曲げ伸ばししています。
後半は上体を反らしながら、まるで天に救いの手を求めるような動きで空を切ります。


撮影後に採集して持ち帰り、飼育中のコカマキリ♀とペアリングさせました。
すると♂が♀に注意深く接近してマウントするまでに同じような「前ならえ行動」を示し、鎌で♀との間合いを測っているように見えました。
(動画はこちら→「コカマキリの危険な情事」)

ちなみに、カマキリが獲物を捕食する際はこんな素振り運動をせずに鎌で一発で仕留めます。
(悠長に練習なんかしていたら獲物に逃げられてしまいます。)




従って、今回の不思議な屈伸行動をあえて解釈するならば、繁殖期で性衝動の高まった独り身の♂が無聊を慰める一種の真空行動※だったのではないかと妄想しました
これまで何匹もコカマキリ♀を飼育してきましたが、少なくとも♀成虫では今まで見たことがない行動です。


※『岩波生物学辞典・第4版』より引用
中枢が強く活性化されているのに鍵刺激が現われないと,閾値がはなはだしく低下して鍵刺激を待たずに反応が解発されてしまうこともあり,これを真空活動(vacuum activity,真空行動)とよぶ.(中略)生得的解発機構とそれに関連するさまざまな概念(固定的動作パターン・真空行動・転位行動・リリーサーなど)は,動機づけのエネルギーの蓄積と解放という生理学的事実に裏付けられていない比喩にもとづくものとして,用いるべきでないとする意見も強い.



2011/10/13

コカマキリ♀cの卵鞘作り@石裏(60倍速動画)



コカマキリ♀cの飼育記録
2011年9月下旬・夕方・室温23℃→22℃


前日、交尾中のコカマキリ♂♀ペアを採集してきました。

コカマキリStatilia maculata )♀cを広い飼育容器に移すと、早速夕方から卵鞘を泡立て始めました。
止り木として斜めに入れた割り箸に逆さまにぶら下がった状態で、置き石の平らな裏面に産み付けています。
プラスチックの容器越しで観察しにくいアングルですが、3秒間隔でインターバル撮影してみました。
照明の光が石の裏まで回るような工夫として、飼育容器の下に鏡を敷いてみました。
約2時間半でコカマキリ特有の形状をした小振りの美しい卵鞘が完成しました。




2011/10/12

コカマキリ♂♀cの交尾



2011年9月下旬

水路沿いの鉄柵の下にぶら下がって交尾中のコカマキリを発見。
既に交尾器が結合した状態でマウントしています。
実はコカマキリの♂成虫をしっかり見るのはこれが初めてかもしれません。
♂♀共に褐色型ですが、♂の方が色が薄く体格差も歴然としています(♀>♂)。
夕方で暗くなってきたので、最後まで見届けようと交尾中のペアを採集して持ち帰りました。
♀cが動き回っても♂は結合したまま♀cにしがみ付き決して離れようとしません。
明るいところで結合部をじっくり接写。
♀cは二匹分の全体重を支えます。
暇な♀cは交尾中にのんびりお化粧しています。


進展が無いので油断していたら結合解消の瞬間を撮り損ねました。
開放的な場所で交尾させたせいか、♂は♀cに食われる(性的共食い)ことなく無事に別れました。
直後に羽ばたいて遠くに離れる♂を見ています。
♀よりもかなり小柄なので、背後からマウントに成功すれば♀の鎌が♂頭部にも届かない気がします。

もう二匹コカマキリ♀を飼っているので(♀a-L1と♀b)、順次ペアリングさせるべく♂を体力回復するまで隔離しておきます。
次回は出会いから交尾器結合に至るまでの過程(求愛?)を観察してみる予定です。







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