2020/12/31

チョウセンカマキリ♀がアレチウリの花で獲物を待ち伏せハナアブを捕食する一部始終

 

2020年9月中旬・午後15:55頃・くもり  

川沿いの土手に蔓延るアレチウリの群落で、褐色型のチョウセンカマキリ♀(Tenodera angustipennis)が葉に乗ってじっとしていました。 
アレチウリに訪花する昆虫を待ち伏せているようです。 

しばらくすると右下のクズの葉に黒いハエ(種名不詳)が飛来して葉の上を徘徊したのに、カマキリは眼中にないのか無反応でした。 
おそらく鎌の射程距離ではないことを自覚しているのでしょう。 

その次には、ハナアブの一種がアレチウリの花に飛来しました。 
撮影中はハナバチ(蜂)の仲間かと思ったのですが、1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみると、ハナアブと分かりました。 
残念ながら、ハナアブの吸蜜シーンは手前の花の陰に隠れて見えませんでした。 
チョウセンカマキリ♀は鎌状の前脚を構えると、前後に揺れながら慎重ににじり寄ります。 
鎌を一閃すると俊敏なハナアブを見事に捕らえました。 
その場で捕食開始。 
獲物の頭部から胸部、腹部と平らげ、翅は食べ残しました。 
獲物の腹背がオレンジ色と黒の横縞模様で、ヒラタアブの仲間のようです。 
ハナアブの蜂に似せるベーツ型擬態はカマキリに通用しなかったことになります。 
(そもそもオオカマキリは毒針を持つミツバチやハナバチ類も難なく捕食すると思われます。) 

完食するとチョウセンカマキリ♀はこちらに顔を向けて舌舐めずり。 
獲物を捕らえるために閉じていた右鎌を開くと、獲物の体液の雫が鎌に付着していました。
カメラ目線で凝視している複眼には偽瞳孔が見えます。 
「見たなー!」と言わんばかりの、凄みのある殺し屋の目つきにぞっとしました。
食後のカマキリは汚れた鎌の掃除・身繕いをするはずですけど、先を急ぐ用事があった私は待ち切れずに現場を離れました。 

野外でカマキリが獲物を狩る瞬間を観察したのはこれが初めてでした。 
次回はハイスピード動画で狩りの瞬間を記録してみたいものです。


【追記】
よく調べずにてっきりオオカマキリ♀だと思い込んでいたのですが、チョウセンカマキリ♀と訂正します。

 

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