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2026/02/11

晩秋にカキノキの下でニホンザルの群れが落果を拾い食い・木登り【トレイルカメラ】

 

2024年11月下旬

シーン0:11/27・午後13:21・くもり・気温24℃(@0:00〜) 
カキノキの下に散らばっていた落果を1箇所にまとめて、計10個の落柿を自動撮影カメラで見張っています。 

ニホンザルMacaca fuscata fuscata)の登場シーンを以下にまとめました。 


シーン1:11/30・午前9:50・小雨・気温3℃(@0:02〜) 
冷たい雨がぱらつく朝に、柿の木の下に座った猿が落柿を両手で持って拾い食いし始めました。 
監視カメラに背を向けて座ったニホンザルの毛皮は雨で少し濡れています。 
果肉だけ食べ、熟柿の果皮や種子は吐き出しました。 
食べながらときどき振り返ってくれたおかげで、食餌シーンがしっかり撮れました。 
猿は次の落柿を拾って2個目を食べ始めました。  

食事中も常に左右をキョロキョロ見回して警戒しています。 
群れと一緒に行動しているはずですが、仲間の姿は写っていません。 
やがて猿はカキノキの幹に飛びついて登り始め、画角の外に消えました。 

シーン2:11/30・午前9:57・小雨・気温3℃(@1:56〜)
さっきの個体が柿の木から地上に下りたばかりなのか、それとも別個体が来たのか、給餌場で拾った落柿を口に咥えて右下に持ち去りました。 

シーン3:11/30・午前10:14・くもり・気温3℃(@2:02〜) 
約15分後、雨は止んだようです。 
通りすがりの猿が悪戯したのか、監視カメラの画角がいつの間にか斜めになっていました。 

左手に落柿の欠片を持った幼い子猿がカキノキの根元で木登りしようとしていました。 
まだ上手く登れず地面に滑落したら、手前から別個体が登場しました。 
てっきり子猿の母親♀なのかと思いきや、給餌場を素通りして子猿にも構わず、すぐに左へ立ち去りました。 
給餌場に残った子猿は落柿を食べ始めました。 

カキノキ樹上に登っていた別個体が左奥の地上に飛び降り、左上奥のスギ林縁に向かって歩き去りました。 
やがて子猿も食べかけの落柿を持ったまま、左へ走り去りました。 
その後もカキノキ樹上からときどき物が次々に落ちてくるということは、別個体の猿が樹上採食しているようです。 
風で揺れる動きではありません。 

シーン4:11/30・午前10:26・くもり・気温4℃(@2:41〜)
左からニホンザルの成獣がやって来ました。 
周囲を見渡したのに給餌場の落柿には目もくれず、カキノキの幹に飛びつくと、木登り開始。 
画角の外に消えたので、採食シーンは撮れませんでした。 
ときどきカキノキ樹上から食べかすが落ちてきます。 

シーン5:11/30・午前10:32・くもり・気温5℃(@2:52〜) 
おそらく同一個体が樹上から地面に跳び下りたようです。 
給餌場の落柿には興味を示さず、左に立ち去りました。 


つづく→

2026/02/10

晩秋にカキノキの下で夜な夜な落果を拾い食いするホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2024年11月下旬

シーン0:11/25・午前後・気温(@0:00〜) 
明るい日中にたまたま撮れた現場の状況です。 
畑の端に立つカキノキの果実が熟して落ちていました。 
計8個の落果を拾い集めて一箇所にまとめ、カキノキの木の下に来る野生動物を自動撮影カメラで監視することにしました。 
落果の味見をしてないので、甘くなった柿と渋柿を見分けられません。 

ちなみに、今秋カキノキの葉は紅葉しませんでした。 
葉が緑のまま、ほぼ完全に落葉してしました。 
これも異常気象の影響かもしれません。 

ホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の登場シーンを以下にまとめました。 


シーン1:11/26・午前4:04・気温-4℃(@0:03〜) 
深夜未明に獣道を左からタヌキのペアabが相次いで登場しました。 
慎重に給餌場へ近づくと、後続個体bはすぐにカキノキ落果を見つけ、その場で食べ始めました。 
その間に警戒心の強い先行個体aは左へ引き返してしまいました。 

後続個体bは少し前進すると、給餌場で見つけた大き目の柿の実を口に咥えました。 
少し手前に運んでから、食べ始めました。 
しばらくすると、ようやく先行個体aが恐る恐る給餌場の柿の実を咥えました。 
少し左に運んだだけで、なぜかその場に捨てて餌場に戻りました。 
別な落果を選ぶと、咥えて足早に左へ運び去りました。 
監視カメラの存在に気づいて警戒しているのでしょうか。 
後続個体bが手前で食べ続けている柿の実の果肉は少し硬そうです。 

シーン2:11/26・午前4:09(@2:02〜)
左に立ち去るタヌキの尻尾だけ写っていました。 


シーン3:11/26・午前4:14(@2:07〜) 
左の獣道を通って来たタヌキが給餌場に近づきました。 
林床の匂いを嗅ぎ回っている間にふとカメラ目線になりました。 

タヌキは大きな柿の実を一度は咥えたのに、滑って落としてしまいました。 
同じ落果を拾い直し、左に運びかけたものの、細い落葉灌木に引っかかりました。 
夜の暗闇でタヌキは目があまり見えてないようです。 
方向転換して手前に少し運ぶと、地面に置いて柿の実を食べ始めました。 
果皮や種子を吐き出さず、軽く咀嚼しただけで一口ずつ丸呑みしています。 

やがて左から後続個体が登場。 
餌場の匂いを嗅ぎながら右に素通りしかけたところで、2分間の録画が終わりました。 


シーン4:11/26・午前4:17(@4:07〜) 
後続個体が右へ立ち去るところでした。 
柿の実を口で運んではいませんでした。 
先行個体の姿はもうありませんでした。 


シーン5:11/26・午後20:56・雨天・気温11℃(@4:13〜) 
同じ日の晩には、小雨が降っていました。 
画面の左端で右往左往していたタヌキが給餌場に戻って来ると、落ち葉の匂いを嗅ぎ回っています。 


シーン6:11/26・午後20:59・雨天(@4:38〜) 
右下へ立ち去ったタヌキは柿の実を口に咥えていませんでした。 
そのままカキノキの周囲をぐるっと回りながら、落柿を探しているようです。 
手前の獣道を右へ立ち去りました。 


シーン7:11/27・午前0:58・雨天・気温10℃(@5:18〜) 
日付が変わった深夜に、右から給餌場に来たと思われるタヌキが柿の実を食べていました。 
毛皮が雨で濡れています。 

タヌキは落果をかじるだけでなく、舌でペロペロ舐めました。 
ついに1個を完食して飲み込みました。 
舌舐めずりをすると、次の落果を探して奥へ移動したところで、2分間の録画が終わりました。 


シーン8:11/27・午後13:02・くもり・気温17℃(@7:18〜)
ちょうど半日後の明るい日中に撮れた現場の様子です。 
給餌場には落柿が2個しか残っていませんでした。 
6/8個は野生動物に食べられたことになります。


【考察】 
野生動物への給餌(餌付け)を、特に人家に近い場所でやるのは色々と問題をはらんでいます。 


しかし今回は、私が餌を外から持ち込んだのではありません。 
撮影しやすいように、果樹の下に散乱していた落果を移動して一箇所にまとめただけなので、給餌には該当しません。 
(個々の移動距離はせいぜい数m。)
もちろん私はカキノキの落果を1個も持ち去っていませんし、味見もしていません。
専門的にはカキノキ落果のパッチ操作実験、資源配置操作実験、自然資源集積実験、落果集積実験などと色々な言い方をされるらしいのですが、ちょっとした実験の真似事をしてみたのです。 

秋になるとタヌキの溜め糞場でカキノキの丸くて平べったい種子が未消化のまま糞と一緒に排泄されるようになります。 
したがって、タヌキが柿の実を食べることは予想されていたのですが、実際に採食シーンを撮影できてミッシングリンクが埋まりました。
カキノキの種子は被食型で動物散布されることになります。 
タヌキがカキノキの落果を口に咥えて少し運んだだけでも(たとえ食べずに捨てても)、植物の種子にとっては母樹から少し移動したことになり、ありがたい散布者です。 
撮れた映像を見る限り、タヌキはカキノキに登りませんでした。(木登りは苦手?)

樹上に残った熟柿を食べに来る動物や野鳥を監視カメラで撮るのが次のテーマとなります。


つづく→


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2026/02/05

シラカシの堅果(ドングリ)を給餌箱から持ち去る野ネズミ【トレイルカメラ:暗視映像】貯食行動?

 



2024年11月中旬

シーン0:11/11・午後12:23・晴れ(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
街路樹シラカシの堅果(いわゆるドングリ)を拾い集め、里山の朽ちた倒木に設置した給餌箱に入れてみました。 
野ネズミ(ノネズミ)の登場シーンを以下にまとめます。 

シーン1:11/12・午前1:46(@0:02〜) 
深夜に倒木を右から登ってきた野ネズミが、左端を調べてから引き返して給餌箱に入りました。 
ドングリを物色してから、倒木を右へ駆け下りました。 
動きが早すぎて、ドングリを運んでいるかどうか、いまいち不明です。 

シーン2:11/12・午前4:08(@0:13〜) 
約2時間20分後の未明に野ネズミが再登場。 
給餌箱に入るとドングリを咥えて?倒木を駆け下りたものの、右端で立ち止まりました。 
なぜか引き返して倒木を登り返すと、倒木をあちこち探索しています。 
途中でドングリを落としてしまった訳ではないので、不思議です。 
再び給餌箱の中に入ると、シラカシ堅果を咥えて?倒木を右へ駆け下り、姿を消しました。 

シーン3:11/13・午前2:51(@0:48〜) 
翌日も深夜に野ネズミが給餌場に来ました。 
倒木の右端から野ネズミが斜めの倒木を一気に左へ駆け上がり、左端から下の地面を覗き込んでから右に戻りました。 
朽ちた倒木を右往左往しただけで、餌箱にはなぜか入りませんでした。 

シーン3:11/13・午前3:50(@1:02〜) 
1時間後に野ネズミが倒木を右から左に駆け上がり、躊躇なく餌箱に飛び込みました。 
ドングリ(シラカシ堅果)を物色した後で、右へ立ち去ったのですが、頬袋にドングリを入れて持ち去ったかどうか、動きが早すぎて見えません。 
倒木の右端で立ち止まったときも、口元にドングリは見えませんでした。 

シーン4:11/13・午前4:03(@1:15〜) 
13分後に再び野ネズミが餌箱の中に入っていました。 
しばらくドングリを物色してから、倒木を右へ下りました。 

シーン5:11/16・午後13:40(@2:01〜) 
おまけの動画です。
3日後の昼間、木枯らしというほど強い風ではありませんが、秋風に吹かれてオニグルミ?の落ち葉が盛大に舞い散る様子がたまたま撮れていました。 

シーン6(@2:51〜)
給餌箱に野ネズミが来たシーンを1.5倍に拡大した上で1/3倍速のスローモーションでリプレイしてみましょう。 
野ネズミが給餌箱からシラカシ堅果(ドングリ)を頬袋に詰めて持ち去ったと思うのですが、説得力のある映像は撮れませんでした。 


【考察】 
野ネズミは餌箱に通ってシラカシの堅果(ドングリ)を持ち去りました。
ヒマワリの種子は殻を剥いて食べましたが、ドングリは冬越しに備えて貯食しているようです。

野ネズミはもっと喜んで足繁く餌箱に通ってくると予想していたのに、意外な反応でした。
シラカシ堅果は貯食する餌としてあまり気に入らないのでしょうか? 
他の堅果や種子を給餌したときよりも訪問頻度が低いことは確実です。 
餌箱の中身をヒマワリ種子から急にシラカシ堅果に変更したので戸惑っているのかな?
山中にシラカシが自生してないので、シラカシのドングリを野ネズミが食べ慣れてないのかもしれません。(食べず嫌い?) 

反省としては、今回給餌したシラカシ堅果は小粒のドングリが多かったのが問題かもしれません。
小粒のドングリだと野ネズミが口に咥えて運ぶのではなく、頬袋に詰めて運ぶため、運搬してるかどうか映像でしっかり見極められません。
小粒のドングリを予め取り除いて、大粒のシラカシ堅果のみ給餌すべきでしたね。
給餌箱に残ったドングリの数を数えていくつ減ったか調べるべきだったのですが、忙しくてつい横着してしまい、初めに入れた数も不明です。
 
ドングリの大きさとタンニンという毒の含有量には一般的な相関関係は認められないらしい。

樹種タンニン含有量 (g/100g乾燥)ドングリサイズ例 (長さ×幅 cm, 重量目安)備考 jspp+1
ミズナラ6.71.5-2.5 × 1-1.5 (中型)タンニン最多、中型
コナラ4.81.6-2.2 × 0.8-1.2 (小型-中型)タンニン高、小型
シラカシ4.51.5-2.0 × 1.0-1.5 (小型)タンニン高、小型
アラカシ4.41.5-2.0 × 1.0-1.5 (小型)タンニン高、小型
クヌギ1.32.0-2.5 × 1.5-2.0 (大型)タンニン中、大型
イチイガシ1.21.5-2.0 × 1.0-1.5 (小型-中型)タンニン中
スダジイ1.01.0-1.5 × 0.8-1.2 (小型)タンニン低、小型
マテバシイ0.52.0-3.0+ × 1.5-2.0 (大型)タンニン最低、大型

この表は、Perplexity AIがまとめたものです。
私はこれまで、ミズナラとシラカシの堅果で野ネズミに給餌実験の真似事をしました。
当地の野ネズミはシラカシよりもミズナラ堅果の方が好きなようです。
(きっちり定量的に調べてはいませんし、シラカシについては追試が必要かもしれません。)

島田卓哉『野ネズミとドングリ: タンニンという毒とうまくつきあう方法 』p147に掲載された図5.1によると、「栄養学的な観点からドングリは大きく3つのタイプに分けられる」そうです。
タイプ2のドングリは、(タンニンなどの:しぐま註)総フェノール量は多く、代謝エネルギーは低いという特徴を持ち、コナラやミズナラ、(シラカシ:しぐま註)などが含まれる。


つづく→ 


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2026/01/28

地中から貯食物を掘り出して持ち去るニホンリス【トレイルカメラ】

 



2024年11月上旬・午前7:50頃 

里山の林縁で斜めに伸びている古い朽木の先に給餌箱を設置し、その中にヒマワリ(向日葵)の種子を一杯に詰めておきました。 
リスや野ネズミが食べに来てくれることを期待しています。 



ある朝、ニホンリスSciurus lis)がようやく現れました。 
倒木の途中に乗ったリスが上体を起こし、給餌箱の方を凝視していました。 
美味しそうなヒマワリ種子の匂いがするはずなのに、ニホンリスは警戒しているのか給餌箱には近寄らず、手前の林床に飛び降りました。 

地中の浅い所に埋めて隠しておいた餌を掘り出すと、口に咥えて手前に持ち去りました。 
監視カメラの画角の死角に入ってしまったのが残念です。 
ちらっと見えた餌は黒っぽかったので、おそらくオニグルミの堅果を貯食していたのでしょう。 
実はこの場所は、オニグルミの古い巨木が横にそびえ立っています。 
空腹のリスがその場でクルミの殻を割って食べたのか、それとも(貯食物を盗まれないように)別な場所にオニグルミ堅果を埋め直したのか、見届けられませんでした。 

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】 
昼行性のリスへの給餌実験がどうしても上手く行きません。 
夜行性の野ネズミは同じ給餌箱に通ってくれるのに、リスの警戒心の強さが際立ちます。

それでも今回は貯食物の掘り出しという貴重なシーンを垣間見ることが出来たので、一歩前進です。
人為的に給餌なんかしなくてもニホンリスの自然な営みを撮影できるのなら、それに越したことはありません。

この里山にはオニグルミの木が点在しているのですが、過去に伐採された結果なのか、連続したクルミ林になっていません。
オニグルミを主食とするニホンリスにとっては暮らしにくそうですが、アカマツや植林されたカラマツなども利用して細々と暮らしているのだろうと推測しています。


つづく→ 


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2026/01/15

ツリフネソウ種子の爆発的自動散布【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2024年9月下旬・午後15:00頃・くもり 

河畔林にツリフネソウの群落が点在していました。 
赤紫色の花がまだ咲いていて、実が熟しつつあるようです。 

前からやってみたかった、種子散布の実演をしてみました。 
右手で蒴果を摘んだらパチンと弾け、黒くて丸い種子が勢い良く飛散しました。 
裂けた果皮がクルクルと丸まります。 
このような種子散布の方法を自動散布と呼びます。
ヒトが刺激することで飛散するのだから動物散布ではないか!と突っ込まれそうですが、ツリフネソウの蒴果が充分に熟して乾燥すると、触れなくても自然に破裂するのだそうです。
実演を何度か繰り返すと、今にも弾けそうな熟果をほぼ見分けられるようになりました。 

ツリフネソウの種子が高速で弾け飛ぶ様子を240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:45〜) 
なぜか弾けなかった蒴果を強引に裂いて、中から黒い(焦げ茶色)種子を取り出して見せました。 
中の種子が少し未熟で黄緑色のこともあります。 

後半はNG集です。(@3:41〜) 
ツリフネソウの蒴果が未熟だと、指で強く押し潰しても破裂しません。 


※ ツリフネソウの種子が弾け飛ぶ音が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


この日はピンセットを持参してなかったので、指で直接挟みました。
「ピンセットよりも指の方が蒴果に広い面で圧力をかけやすい」という利点もありますが、肝心の蒴果が指で隠れてしまい、実演動画を撮影する上では問題になります。 


スーパースローの動画を撮れたことに満足してしまい、せっかく得られたツリフネソウの種子を採集するのを忘れてしまいました。 


このときはピンセットを使ってスマートな実演動画になったのですが、正直に言うと指で押し潰す方が容易でした。


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2026/01/05

ニホンアナグマはイチョウの落果(銀杏)を食べるか?【トレイルカメラ】給餌実験

 



2024年10月中旬 

イチョウの種子は被食型の動物散布で分布を広げることが知られています。
私が調べたタヌキの溜め糞場でも秋になるとイチョウの種子が未消化のまま含まれていました。 
イチョウの熟した果肉(正確には外種皮)からは酪酸由来の糞便のような独特の酷い悪臭がしますが、種子散布者となる野生動物の興味を引くためだと考えられています。 
野生動物がイチョウの落果を丸呑みにして食べるシーンを撮るのが次の目標です。 
しかし、人通りの多いイチョウ並木の下にトレイルカメラを設置するのは無理そうです。
そこで、ちょっとした給餌実験をして、イチョウの種子散布を調べてみることにします。 


シーン1:10/10・午後13:17・晴れ・気温24℃(@0:00〜) 
シーン1:10/10・午後13:55・晴れ・気温26℃(@0:04〜) 
平地の二次林にあるニホンアナグマMeles anakuma)の営巣地(セット)を自動撮影カメラで見張っています。 
イチョウ並木の下に熟して落ちていた果実、銀杏ぎんなんを道中で6個だけ拾い集めてきました。 
(ちなみに、まだ黄葉していませんでした。)
アナグマの巣口L、Rの中間地点にひとまとめにした銀杏を置いてみました。 
ここはホンドタヌキも頻繁に通う獣道にもなっています。 
給餌した銀杏をタヌキやアナグマが食べてくれるかな? 
この二次林にイチョウの木は全く生えていません。



シーン2:10/12・午後16:38・晴れ・気温19℃(@0:12〜) 
2日後、営巣地に侵入したタヌキを追い払うために巣穴Lから出てきたアナグマ(前の記事を参照)が、セットをうろついています。 
ようやく私が給餌した臭い銀杏を嗅ぎ当てました。 
興味津々のアナグマが鼻先を付けて銀杏の匂いを嗅ごうとすると、地面で銀杏(イチョウの熟果)が転がってしまいます。 
しかし、結局アナグマは銀杏を食べませんでした。 



シーン3:10/12・午後16:38(@1:12〜) 
別アングルで設置した監視カメラは、薄暮のためモノクロで録画していました。
残念ながら、ギンナンを給餌した地点が、手前のミズキ枯木の陰になって見えません。 
アナグマが銀杏(イチョウ落果)の匂いを長々と嗅ぎながら鼻先で転がしたものの、食べず仕舞いでした。 


シーン4:10/12・午後16:56(@1:51〜)
約20分後に、アナグマが再び銀杏の匂いを嗅ぎに来ました。 
地面に転がっていたイチョウの落果を見つけると、前脚で押さえながら食べようとしましたが、やはり食べませんでした。 

しばらくすると、別個体のアナグマが巣穴Lの入口から外に出てきました。 
個体識別ができていませんが、この2頭は親子(母子)なのかな? 
給餌場に後から合流した個体も、ギンナンの匂いを嗅いだだけで、やっぱり食べませんでした。 


シーン5:10/21・午後16:56・晴れ・19℃(@2:52〜)
シーン5:10/21・午後13:18・晴れ・18℃(@3:03〜) 
給餌期間を終えた現場の様子です。 
給餌した銀杏(イチョウ落果)が少し散らばっていたものの、食べられないまま残っていました。 
イチョウの果肉には天然の防腐剤が含まれているのか、カビが生えたり腐ったりもしていませんでした。 
異臭を嫌ってアナグマが銀杏を土で埋めることもありませんでした。 
我々ヒトのように単純な糞便臭と誤認する訳ではないようで、銀杏の上に自らの排泄物(糞尿)でマーキングすることはありませんでした。


【考察】 
当地のアナグマは銀杏(イチョウ熟果)の強烈な匂いが気になるようですが、2頭とも食べませんでした。 
私の知る限り、この辺りでイチョウの木は次々に伐採されて雄株しか残っていません。
もしかすると当地のアナグマは銀杏(イチョウの果実)を見るのも匂いを嗅ぐのも初めてなのかもしれません。 

やはりイチョウの種子散布者の本命は、アナグマではなくタヌキなのでしょう。 


2026/01/03

キツリフネ種子の爆発的自動散布【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2024年10月上旬・午後13:10頃・くもり時々晴れ 

山麓の道端でキツリフネの黄色い花が咲き乱れる大群落を見つけました。 
一部の蒴果が熟して膨らんでいたので、前からやってみたかった種子散布の実演をしてみました。 
いつも持ち歩いているピンセットを取り出して熟果を挟むと、音を立てて勢いよく弾け、種子が飛び散りました。 
種子の放出直後、果皮が細長く裂けてクルクルっとコイル状に丸まり、ピンセットの先端に巻き付きました。 

※ キツリフネの種子が弾け飛ぶ音が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


キツリフネの熟果は刺激すると一瞬で破裂して肉眼ではよく見えないので、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:26〜) 
スーパースローにすると、飛び散る種子がきれいに写っていました。 
しかし種子の色が茶色ではなく黄緑色だったので、まだ完全には熟していなかったのかもしれません。 
種子が完全に熟していれば、ピンセットで蒴果を強く摘まなくても、触れただけで破裂したはずです。 
さらに、熟した蒴果がよく乾燥すれば、触らなくても自然に破裂するのかもしれません。 

自動散布の実演がとても楽しかったので、面白がって何度も繰り返しました。 
この動画は(@2:45)で終わらせても良かったのですが、肝心の蒴果にピントが合わなかったNGシーンも最後に追加しておきます。 
私の貧乏性というか、編集で削除するのが惜しくなってしまいました。 
奥ピンでキツリフネ群落の様子も分かりますし、飛び散る種子に一瞬だけピントが合いました。 

身近な草木の実とタネ ハンドブック』を紐解くと、ツリフネソウとキツリフネの種子について解説してありました。
(キツリフネは)ツリフネソウと同じしくみでタネを飛ばす。タネの表面には(ツリフネソウよりも:しぐま註)細かい凹凸がある。(p66より引用)

(ツリフネソウは)タネが熟してもなお果皮の外層が伸び続けるため、内側に巻き込む力が加わり、実は瞬間的に破裂してタネが弾ける。
タネを飛ばすしくみはホウセンカと同じだが、タネの数は2〜3個と少なく、果皮も強く丸まる。(p66より引用)

この本でツリフネソウやキツリフネは「重力に逆らってタネを飛ばす」と書いてあったのですが、それだと種子が上向きに飛ぶことになってしまいます。
しかし、必ずしもそうではありません。
水平方向に大きな初速度を種子に与えることで、地面に落下するまでの滞空時間を稼ぎ、遠くまで射出しているのです。

さて、種子を自動散布する植物が弾性エネルギーを蒴果の中に溜め込むためのエネルギーは、どこから得ているのでしょうか?
Perplexity AIに質問した回答がこちらです。

種子を自動散布する際の「弾性エネルギー」は、結局のところ光合成によって得た化学エネルギーに由来する。植物が作った有機物を材料として細胞壁や組織構造を形成し、その乾燥や膨圧変化によって力学的なひずみ(弾性エネルギー)が蓄えられる。

エネルギーの出どころ

  • 植物は光合成で得たエネルギーを使ってセルロースやリグニンなどの細胞壁成分を合成し、果皮や種皮の厚さ・配向・層構造を作り込む。これらの構造が、後に収縮・反転して種子を弾き飛ばす「バネ」として働く。

  • 自動散布型の蒴果では、果皮細胞が乾燥して収縮したり、生きた細胞の膨圧が変化したりすることで内部にひずみエネルギーが蓄積し、ある閾値を超えた瞬間に急激な裂開と反転が起こるとされる。wikipedia

仕組みのイメージ

  • 乾燥収縮型(スミレ類など)の場合、果皮の内外で繊維の配向が異なるため、乾燥に伴って不均一な縮みが生じ、それがねじれ・反り返りを生み出す。これはあらかじめ光合成産物を使って作られた「構造設計」による受動的な力学現象と考えられる。wikipedia

  • 膨圧依存型(カタバミ類など)では、生きた細胞内の浸透圧調節にエネルギーが使われ、その結果として高膨圧状態が維持されることで弾性的な張力が生じ、刺激をきっかけに膜が反転して種子を飛ばすと説明されている。kinomemocho+1

要するに、弾性エネルギー自体は物理的には「水分状態や組織構造が生む受動的なひずみ」だが、そのひずみを生み出す材料と微細構造を用意するためのエネルギー源は、すべて光合成起源の化学エネルギーだと整理できる。


余談ですが、動画の冒頭でキツリフネの葉に形成された虫こぶ(虫えい、ゴール)が画面上部に写っています。(@0:00〜0:12) 
撮影中は気づきませんでした。
ネット検索で調べてみると、このタイプの虫こぶはキツリフネハオレタマゴフシと呼ばれ、キツリフネコブアブラムシ (Eumyzus gallicola)が寄生しているらしい。 





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2025/12/21

栃の実を拾い集める(トチノキ落果から種子を採る)

 

2024年9月下旬・午後15:50頃・晴れ 

秋は実りの季節です。 
公園に植栽されたトチノキ大木の下に落果が散乱していました。 
素人目に栃の実はクリ(栗)と似ているので、てっきり堅果なのかと勘違いしていたのですが、植物学的に正しくは蒴果なのだそうです。 
ぶ厚い果皮には予め3本の切れ目が入っていて、手でかんたんに割って中の種子を取り出すことができます。 
落下の衝撃で蒴果が自然に割れて種子が飛び出すこともよくあります。 
それぞれの蒴果には、大きな種子が1個含まれています。 


蒴果が熟してもトチノキの葉はまだ青々としていましたが、一部の枝では黄葉が始まっていました。


トチノキの種子は貯食型の動物散布で分布を広げると考えられています。 
トチノキの種子散布者についてCopilot AIに相談すると、以下の回答が得られました。
栃の実(トチノキの種子)を食べる日本の野生動物や野鳥には、以下のようなものがあります: 野生動物 ツキノワグマ:栃の実を好んで食べることで知られています1。 リス:種子を貯蔵する習性があり、栃の実もその対象となります1。 ネズミ:リスと同様に、栃の実を貯蔵して食べます1。 シカ:稀にですが、栃の実やその若い芽を食べることがあります1。 野鳥 カケス:栃の実を食べることが知られています1。 これらの動物や鳥たちは、栃の実を重要な食料源として利用しています。興味深いですね!他にも知りたいことがあれば教えてください。 はい、ニホンリス(日本リス)は栃の実を食べます。リスは一般的に木の実や種子を好んで食べる習性があり、栃の実もその一つです。彼らは栃の実を貯蔵し、冬の間に食料として利用します。

地面に落ちていたトチノキ種子の中には、食べかけのものがありました。 
おそらく鳥に嘴で突かれた食痕だと思います。 
現場は街なかの公園なので、カケスを見かけたことはありません。
おそらくカラスがつついて食べたのでしょう。







短時間で栃の実を袋いっぱいに採取できました。 
後で数えたら181個もありました。 
これから種子散布の実験に使うには充分な量です。 



栃の実をあまり欲張って採り尽くしてしまうと、現場付近に生息する野生動物が越冬するための食料がなくなってしまいますから、山菜採りと同じく適度に残しながら採集しました。 

余談ですが、トチノキ大木の下に立って見上げるように葉裏を撮ったスナップ写真に、謎の昆虫が多数写っていました。
現場ではまったく気づかず、写真を拡大しても虫の正体が分かりません。
トチノキの葉裏に好んで群がる昆虫がいるのでしょうか?
セミの幼虫がトチノキの葉裏で羽化したのかと思ったのですが、たぶん違いますね


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2025/12/18

夜の水場に来てカメラの三脚にぶつかるニホンイノシシの家族群【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年9月下旬 

シーン0:9/17・午後13:02・晴れ・気温34℃(@0:00〜) 
山中に少し開けた湿地帯があり、その水溜りSに来る野生動物を自動撮影カメラで見張っています。 
ニホンイノシシSus scrofa leucomystax)が群れで登場したシーンを以下にまとめました。 


シーン1:9/25・午後18:56・気温17℃(@0:02〜) 
これは前回紹介した動画の抜粋です。 
左からイノシシ成獣が単独で現れ、水溜りSの対岸を右に立ち去りました。 
水を飲んだり泥を浴びたりしなかったのは、監視カメラに気づいて警戒したからかな? 

シーン2:9/25・午後19:38・気温18℃(@0:02〜) 
約40分後に、画面の左からイノシシの母子が縦列でやって来ました。 
乳房の発達した母親♀が先行し、3頭の幼獣が後から付いて来ます。
乳房の有無を見比べるだけでも、シーン1で登場したイノシシ成獣とは別個体であることが分かります。 

母子ともに水溜りSの水面に口を付けて水を飲みました。 
母親♀が先頭になってカメラの方に向かって来ます。 

♀の背中の毛皮に多数付着しているのは、泥が乾いた土の粒かもしれませんが、どうやらひっつき虫のようです。
もちろん虫ではなくて、付着型動物散布される植物の種子です。 
幼獣の毛皮にはあまり付着していないのが興味深いです。 
イノシシの成長および換毛に伴い、ひっつき虫が付着しやすい毛質に変化するのかもしれません。 
(※ マダニがイノシシに体外寄生している可能性もありそうですが、モノクロの暗視映像では、しっかり見分けられません。)
幼獣2頭の毛皮に瓜模様はありませんでした。 
つまり、ウリ坊と呼ばれる時期よりも成長しています。 

母親♀が監視カメラの存在に気づくと、ちょっと怯えた様子で右に立ち去りました。 
小声の低音でブーブー鳴く声が聞こえます。 
幼獣たちも母親♀の後を次々とついて行きますが、体高が低いのでカメラにはしっかり映りません。

しばらくしてから、画面の左端に立っているホオノキの左からイノシシ成獣が顔を出しました。(@1:50〜) 
さっきの母親♀がぐるっと回って戻ってきたのでしょうか?
耳などに付着したひっつき虫?の数が明らかに少ないので、別個体の成獣と分かりました。 

シーン3:9/25・午後19:40(@2:05〜) 
約50秒後に、監視カメラが再び起動すると、 水溜りSの対岸を右から左へ横切るイノシシ成獣が写っていました。 
ちょっと立ち止まってカメラを気にしてから、左に立ち去りました。 

次に右から別個体の成獣♀が登場し、水溜りをジャブジャブ歩いて左に渡りました。 
腹面に乳首が見えるので母親♀と分かります。 
その後から幼獣4頭が左に通過したようですが、体高が低い幼獣はカメラに写りにくいです。 

幼獣の一頭が途中で、トレイルカメラの三脚にうっかりつまづいたようです。 
ユキツバキ群落の中に隠すように三脚を立ててトレイルカメラを固定し、水溜りSを監視しているのです。 
怒ったイノシシが三脚に何度も頭突きをしている(八つ当たり?)ような衝撃音が聞こえます。 (←擬人化した解釈)
鼻面で林床を掘り起こしながら餌を探し歩いているときに、暗闇で三脚とぶつかっただけかもしれません。 
幸い、三脚が壊れることはありませんでした。 

シーン4:9/27・午後22:31・気温20℃(@2:57〜) 
2日後の晩には単独行動のイノシシが写っていました。 
左の手前から来て泥水溜りSへ向かいます。 
通りすがりにホオノキの幹で体を擦り付けたのか、空中に短い抜け毛が大量に舞っています。 
毛皮には乾いた泥がべっとり付着しています。 

イノシシは水溜りSの水面に口を付けて泥水を飲んだものの、今回も泥浴び(ヌタ打ち)をしませんでした。 
後ろ姿の股間に睾丸は見えず、牙が短いので♀成獣だと思います。 
対岸に渡ると右へ立ち去りましたが、右上奥にあるもう一つの水溜りNには立ち寄らなかったようです。 


※ イノシシの鳴き声などが聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


【考察】
ニホンイノシシは母子の家族群が基本ですが、それでは説明できないような、もう少し大きな群れを(一時的に?)形成して活動しているようです。
イノシシをしっかり個体識別できるようになれば、面白くなりそうです。
ニホンイノシシは母系社会なのでしょうか?
Perplexity AIの回答がこちら。

ニホンイノシシは母系社会の要素を持つが、厳密には単独型の社会構造です。雌は子豚とともに家族単位で行動し、時に血縁の母親同士が集まるため母系的なグループが見られますが、成獣雄は単独生活が基本です。maff+1

社会構造の特徴

雌親とその子豚が中心となり、母系グループを形成しますが、雄の子は1~2歳で離脱して単独行動に移行します。choujuhigai
交尾期以外は雄雌の接触が少なく、群れは主に雌と幼体の家族単位に限られます。inohoi

母系要素の限界

母系グループは一時的で、成獣雌も単独生活する個体が多く、安定した大規模群れは形成しません。maff
遺伝的に地域固有のグループが存在しますが、社会的結束は弱く、基本的には単独型です。naro


つづく→

2025/12/14

ポポーの種子を採る

2024年9月中旬 

ポポーという北米東部原産のエキゾチックな果物を初めて食べてみたら、美味しかったです。
「果実の形がアケビに、果肉の色や味、質感がカキノキに似るためアケビガキとも呼ばれる」とのことで、まさにその通りでした。 

熟した液果の甘い果肉を食べながら選り分けた黒い大きな種子を水洗いしてから乾かし、資料用の標本として保存します。 
黒光りする平べったい種子で、形はまちまちでした。

ポポーの種子散布は、哺乳類による被食型動物散布と予想されます。 
原産国では木登りの得意なオポッサムやアライグマがポポーの果実を食べ、種子散布を担っているのだそうです。
日本で外来植物のポポーを大規模に栽培したとして、種子散布者の候補としては、木登りできるニホンザル、ホンドテン、ハクビシンなどが考えられます。 
もしもポポーの落果をホンドタヌキが拾い食いしたら、溜め糞場に未消化の種子が出てくるかもしれません。 

関連記事のまとめ ▶ 植物の種子コレクション

2025/12/09

ザクロの果実を食べかけで捨てたのは誰のしわざ?【フィールドサイン】


2024年9月下旬・午後14:00頃・くもり 

山麓を流れる水路沿いの小径にザクロの果実が落ちて粉々に割れていました。 
周囲にザクロの木は生えていません。
近所の民家の庭木から何者かが果実を持ち去り、少し味見してから捨てたようです。 
私が真っ先に疑ったのはニホンザルです。
山里に頻繁に出没する猿たちの食べ残しだろうと予想しました。
「ニホンザル採食植物リスト」のPDFを参照すると、ザクロが含まれていました。
三戸幸久. ニホンザル採食植物リスト. Asian paleoprimatology, 2002, 2: 89-113.
ただし、食べたのが果実なのか葉なのか肝心の情報が記述されていません。
元の文献は、金森研究室『愛知県内のニホンザルの現状(1990)』とのことですが、原典まで辿り着けませんでしt。


最近になって、ツキノワグマの可能性もあると知りました。 


庭に植栽されたザクロの木をトレイルカメラで監視して、秋に果実を食べに来る野鳥や野生動物の証拠映像を撮ってみたいものです。
テンやハクビシンなども怪しいと睨んでいます。
また、ザクロは鳥媒花らしいので、初夏に咲く花でヒヨドリやメジロなどの鳥が吸蜜する代わりに授粉を媒介する様子も観察してみたいものです。


【考察】
いつものように、Perplexity AIに謎解きのブレインストーミングの相手になってもらいました。
ザクロは中東から西南アジアを原産国とする外来種で、日本の山林には自生しません。

ザクロの果実は厳密には典型的な漿果ではないものの、液果状の特異な多肉果なのだそうです。
果実の外側は厚く比較的硬い外果皮(革質)で覆われ、その内部に多数の種子が詰まり、それぞれが多汁な仮種皮(sarcotesta)に包まれています。​
このように「果皮の一部が多汁で、種子周囲が食用となる」という点で、広義の液果=多肉果の一種と扱われ、「液果状」と表現されることが多いです。

ザクロの種子は動物散布(被食散布)が主な散布様式と考えられます。
たとえ鳥や獣に果実を食べられなかったとしても、ザクロの母樹から運ばれて遠くに捨てられた今回の事例は、動物散布型の種子散布に半ば成功しているとみなせます。





↑【おまけの動画】
「シマリスがザクロを食す/Chipmunk is eating a pomegranate」 by Bikke the chip シマリスと暮らす さん 

私が期待したような野生シマリスの生態動画ではなく、飼育個体にザクロの実を給餌した様子を撮った映像でした。
本州にシマリスは生息しませんが、ニホンリスが山里の庭まで降りてきてザクロを食べていたら面白いですね。
リスがザクロの果実を丸ごと持ち去って貯食するのは、重すぎて無理な気がします。
そもそも、長期保存の可能な堅果しかリスは貯食しないはずです。


 

↑「ザクロとメジロ (4K) / pomegranate and Japanese White-eye」by 1890 atrsさん 

野鳥のメジロが開裂した果実から多汁な果肉(ではなく正確には仮種皮)に包まれた種子を嘴で1粒ずつ取り出して、次々と丸呑みしています。 
しかしザクロの果実を丸ごと咥えて運ぶのは、重過ぎて非力なメジロには無理でしょう。 
ヒヨドリも果実食性ですが、体格が中型なのでザクロの小さな実しか運べないはずです。 



 

 ↑「ヒヨドリとザクロの実 秋冬 かわいい 好物 庭に来る野鳥 茶色のほっぺ 定点カメラ 留鳥 bulbul and pomegranate」 by ふわはるな さん 

開裂したザクロの果実を庭で給餌した様子を定点カメラで撮影しておられます。
ヒヨドリはメジロと同様にザクロの種子を1個ずつ食べている(丸呑み)だけで、果実を丸ごと持ち去ろうとはしていません。

ヒヨドリよりも大型のカラスなら、ザクロの果実を丸ごと咥えて運ぶのも可能かもしれません。



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【追記】
2024年10月上旬

路上でザクロの落果が潰れていました。
おそらく通りかかった車に踏まれて潰されたのでしょう。(ロードキルの一種?)
見上げると、民家の庭木にザクロの果実が赤く色づいていましたが、まだ開裂していませんでした。

ザクロの落果を食べに来る野鳥や野生動物がいないかどうか、トレイルカメラを設置して調べてみるのも面白いかもしれません。







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