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2026/01/15

ツリフネソウ種子の爆発的自動散布【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2024年9月下旬・午後15:00頃・くもり 

河畔林にツリフネソウの群落が点在していました。 
赤紫色の花がまだ咲いていて、実が熟しつつあるようです。 

前からやってみたかった、種子散布の実演をしてみました。 
右手で蒴果を摘んだらパチンと弾け、黒くて丸い種子が勢い良く飛散しました。 
裂けた果皮がクルクルと丸まります。 
このような種子散布の方法を自動散布と呼びます。
ヒトが刺激することで飛散するのだから動物散布ではないか!と突っ込まれそうですが、ツリフネソウの蒴果が充分に熟して乾燥すると、触れなくても自然に破裂するのだそうです。
実演を何度か繰り返すと、今にも弾けそうな熟果をほぼ見分けられるようになりました。 

ツリフネソウの種子が高速で弾け飛ぶ様子を240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:45〜) 
なぜか弾けなかった蒴果を強引に裂いて、中から黒い(焦げ茶色)種子を取り出して見せました。 
中の種子が少し未熟で黄緑色のこともあります。 

後半はNG集です。(@3:41〜) 
ツリフネソウの蒴果が未熟だと、指で強く押し潰しても破裂しません。 


※ ツリフネソウの種子が弾け飛ぶ音が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


この日はピンセットを持参してなかったので、指で直接挟みました。
「ピンセットよりも指の方が蒴果に広い面で圧力をかけやすい」という利点もありますが、肝心の蒴果が指で隠れてしまい、実演動画を撮影する上では問題になります。 


スーパースローの動画を撮れたことに満足してしまい、せっかく得られたツリフネソウの種子を採集するのを忘れてしまいました。 


このときはピンセットを使ってスマートな実演動画になったのですが、正直に言うと指で押し潰す方が容易でした。


【アフィリエイト】 

2026/01/05

ニホンアナグマはイチョウの落果(銀杏)を食べるか?【トレイルカメラ】給餌実験

 



2024年10月中旬 

イチョウの種子は被食型の動物散布で分布を広げることが知られています。
私が調べたタヌキの溜め糞場でも秋になるとイチョウの種子が未消化のまま含まれていました。 
イチョウの熟した果肉(正確には外種皮)からは酪酸由来の糞便のような独特の酷い悪臭がしますが、種子散布者となる野生動物の興味を引くためだと考えられています。 
野生動物がイチョウの落果を丸呑みにして食べるシーンを撮るのが次の目標です。 
しかし、人通りの多いイチョウ並木の下にトレイルカメラを設置するのは無理そうです。
そこで、ちょっとした給餌実験をして、イチョウの種子散布を調べてみることにします。 


シーン1:10/10・午後13:17・晴れ・気温24℃(@0:00〜) 
シーン1:10/10・午後13:55・晴れ・気温26℃(@0:04〜) 
平地の二次林にあるニホンアナグマMeles anakuma)の営巣地(セット)を自動撮影カメラで見張っています。 
イチョウ並木の下に熟して落ちていた果実、銀杏ぎんなんを道中で6個だけ拾い集めてきました。 
(ちなみに、まだ黄葉していませんでした。)
アナグマの巣口L、Rの中間地点にひとまとめにした銀杏を置いてみました。 
ここはホンドタヌキも頻繁に通う獣道にもなっています。 
給餌した銀杏をタヌキやアナグマが食べてくれるかな? 
この二次林にイチョウの木は全く生えていません。



シーン2:10/12・午後16:38・晴れ・気温19℃(@0:12〜) 
2日後、営巣地に侵入したタヌキを追い払うために巣穴Lから出てきたアナグマ(前の記事を参照)が、セットをうろついています。 
ようやく私が給餌した臭い銀杏を嗅ぎ当てました。 
興味津々のアナグマが鼻先を付けて銀杏の匂いを嗅ごうとすると、地面で銀杏(イチョウの熟果)が転がってしまいます。 
しかし、結局アナグマは銀杏を食べませんでした。 



シーン3:10/12・午後16:38(@1:12〜) 
別アングルで設置した監視カメラは、薄暮のためモノクロで録画していました。
残念ながら、ギンナンを給餌した地点が、手前のミズキ枯木の陰になって見えません。 
アナグマが銀杏(イチョウ落果)の匂いを長々と嗅ぎながら鼻先で転がしたものの、食べず仕舞いでした。 


シーン4:10/12・午後16:56(@1:51〜)
約20分後に、アナグマが再び銀杏の匂いを嗅ぎに来ました。 
地面に転がっていたイチョウの落果を見つけると、前脚で押さえながら食べようとしましたが、やはり食べませんでした。 

しばらくすると、別個体のアナグマが巣穴Lの入口から外に出てきました。 
個体識別ができていませんが、この2頭は親子(母子)なのかな? 
給餌場に後から合流した個体も、ギンナンの匂いを嗅いだだけで、やっぱり食べませんでした。 


シーン5:10/21・午後16:56・晴れ・19℃(@2:52〜)
シーン5:10/21・午後13:18・晴れ・18℃(@3:03〜) 
給餌期間を終えた現場の様子です。 
給餌した銀杏(イチョウ落果)が少し散らばっていたものの、食べられないまま残っていました。 
イチョウの果肉には天然の防腐剤が含まれているのか、カビが生えたり腐ったりもしていませんでした。 
異臭を嫌ってアナグマが銀杏を土で埋めることもありませんでした。 
我々ヒトのように単純な糞便臭と誤認する訳ではないようで、銀杏の上に自らの排泄物(糞尿)でマーキングすることはありませんでした。


【考察】 
当地のアナグマは銀杏(イチョウ熟果)の強烈な匂いが気になるようですが、2頭とも食べませんでした。 
私の知る限り、この辺りでイチョウの木は次々に伐採されて雄株しか残っていません。
もしかすると当地のアナグマは銀杏(イチョウの果実)を見るのも匂いを嗅ぐのも初めてなのかもしれません。 

やはりイチョウの種子散布者の本命は、アナグマではなくタヌキなのでしょう。 


2026/01/03

キツリフネ種子の爆発的自動散布【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2024年10月上旬・午後13:10頃・くもり時々晴れ 

山麓の道端でキツリフネの黄色い花が咲き乱れる大群落を見つけました。 
一部の蒴果が熟して膨らんでいたので、前からやってみたかった種子散布の実演をしてみました。 
いつも持ち歩いているピンセットを取り出して熟果を挟むと、音を立てて勢いよく弾け、種子が飛び散りました。 
種子の放出直後、果皮が細長く裂けてクルクルっとコイル状に丸まり、ピンセットの先端に巻き付きました。 

※ キツリフネの種子が弾け飛ぶ音が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


キツリフネの熟果は刺激すると一瞬で破裂して肉眼ではよく見えないので、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:26〜) 
スーパースローにすると、飛び散る種子がきれいに写っていました。 
しかし種子の色が茶色ではなく黄緑色だったので、まだ完全には熟していなかったのかもしれません。 
種子が完全に熟していれば、ピンセットで蒴果を強く摘まなくても、触れただけで破裂したはずです。 
さらに、熟した蒴果がよく乾燥すれば、触らなくても自然に破裂するのかもしれません。 

自動散布の実演がとても楽しかったので、面白がって何度も繰り返しました。 
この動画は(@2:45)で終わらせても良かったのですが、肝心の蒴果にピントが合わなかったNGシーンも最後に追加しておきます。 
私の貧乏性というか、編集で削除するのが惜しくなってしまいました。 
奥ピンでキツリフネ群落の様子も分かりますし、飛び散る種子に一瞬だけピントが合いました。 

身近な草木の実とタネ ハンドブック』を紐解くと、ツリフネソウとキツリフネの種子について解説してありました。
(キツリフネは)ツリフネソウと同じしくみでタネを飛ばす。タネの表面には(ツリフネソウよりも:しぐま註)細かい凹凸がある。(p66より引用)

(ツリフネソウは)タネが熟してもなお果皮の外層が伸び続けるため、内側に巻き込む力が加わり、実は瞬間的に破裂してタネが弾ける。
タネを飛ばすしくみはホウセンカと同じだが、タネの数は2〜3個と少なく、果皮も強く丸まる。(p66より引用)

この本でツリフネソウやキツリフネは「重力に逆らってタネを飛ばす」と書いてあったのですが、それだと種子が上向きに飛ぶことになってしまいます。
しかし、必ずしもそうではありません。
水平方向に大きな初速度を種子に与えることで、地面に落下するまでの滞空時間を稼ぎ、遠くまで射出しているのです。

さて、種子を自動散布する植物が弾性エネルギーを蒴果の中に溜め込むためのエネルギーは、どこから得ているのでしょうか?
Perplexity AIに質問した回答がこちらです。

種子を自動散布する際の「弾性エネルギー」は、結局のところ光合成によって得た化学エネルギーに由来する。植物が作った有機物を材料として細胞壁や組織構造を形成し、その乾燥や膨圧変化によって力学的なひずみ(弾性エネルギー)が蓄えられる。

エネルギーの出どころ

  • 植物は光合成で得たエネルギーを使ってセルロースやリグニンなどの細胞壁成分を合成し、果皮や種皮の厚さ・配向・層構造を作り込む。これらの構造が、後に収縮・反転して種子を弾き飛ばす「バネ」として働く。

  • 自動散布型の蒴果では、果皮細胞が乾燥して収縮したり、生きた細胞の膨圧が変化したりすることで内部にひずみエネルギーが蓄積し、ある閾値を超えた瞬間に急激な裂開と反転が起こるとされる。wikipedia

仕組みのイメージ

  • 乾燥収縮型(スミレ類など)の場合、果皮の内外で繊維の配向が異なるため、乾燥に伴って不均一な縮みが生じ、それがねじれ・反り返りを生み出す。これはあらかじめ光合成産物を使って作られた「構造設計」による受動的な力学現象と考えられる。wikipedia

  • 膨圧依存型(カタバミ類など)では、生きた細胞内の浸透圧調節にエネルギーが使われ、その結果として高膨圧状態が維持されることで弾性的な張力が生じ、刺激をきっかけに膜が反転して種子を飛ばすと説明されている。kinomemocho+1

要するに、弾性エネルギー自体は物理的には「水分状態や組織構造が生む受動的なひずみ」だが、そのひずみを生み出す材料と微細構造を用意するためのエネルギー源は、すべて光合成起源の化学エネルギーだと整理できる。


余談ですが、動画の冒頭でキツリフネの葉に形成された虫こぶ(虫えい、ゴール)が画面上部に写っています。(@0:00〜0:12) 
撮影中は気づきませんでした。
ネット検索で調べてみると、このタイプの虫こぶはキツリフネハオレタマゴフシと呼ばれ、キツリフネコブアブラムシ (Eumyzus gallicola)が寄生しているらしい。 





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2025/12/21

栃の実を拾い集める(トチノキ落果から種子を採る)

 

2024年9月下旬・午後15:50頃・晴れ 

秋は実りの季節です。 
公園に植栽されたトチノキ大木の下に落果が散乱していました。 
素人目に栃の実はクリ(栗)と似ているので、てっきり堅果なのかと勘違いしていたのですが、植物学的に正しくは蒴果なのだそうです。 
ぶ厚い果皮には予め3本の切れ目が入っていて、手でかんたんに割って中の種子を取り出すことができます。 
落下の衝撃で蒴果が自然に割れて種子が飛び出すこともよくあります。 
それぞれの蒴果には、大きな種子が1個含まれています。 


蒴果が熟してもトチノキの葉はまだ青々としていましたが、一部の枝では黄葉が始まっていました。


トチノキの種子は貯食型の動物散布で分布を広げると考えられています。 
トチノキの種子散布者についてCopilot AIに相談すると、以下の回答が得られました。
栃の実(トチノキの種子)を食べる日本の野生動物や野鳥には、以下のようなものがあります: 野生動物 ツキノワグマ:栃の実を好んで食べることで知られています1。 リス:種子を貯蔵する習性があり、栃の実もその対象となります1。 ネズミ:リスと同様に、栃の実を貯蔵して食べます1。 シカ:稀にですが、栃の実やその若い芽を食べることがあります1。 野鳥 カケス:栃の実を食べることが知られています1。 これらの動物や鳥たちは、栃の実を重要な食料源として利用しています。興味深いですね!他にも知りたいことがあれば教えてください。 はい、ニホンリス(日本リス)は栃の実を食べます。リスは一般的に木の実や種子を好んで食べる習性があり、栃の実もその一つです。彼らは栃の実を貯蔵し、冬の間に食料として利用します。

地面に落ちていたトチノキ種子の中には、食べかけのものがありました。 
おそらく鳥に嘴で突かれた食痕だと思います。 
現場は街なかの公園なので、カケスを見かけたことはありません。
おそらくカラスがつついて食べたのでしょう。







短時間で栃の実を袋いっぱいに採取できました。 
後で数えたら181個もありました。 
これから種子散布の実験に使うには充分な量です。 



栃の実をあまり欲張って採り尽くしてしまうと、現場付近に生息する野生動物が越冬するための食料がなくなってしまいますから、山菜採りと同じく適度に残しながら採集しました。 

余談ですが、トチノキ大木の下に立って見上げるように葉裏を撮ったスナップ写真に、謎の昆虫が多数写っていました。
現場ではまったく気づかず、写真を拡大しても虫の正体が分かりません。
トチノキの葉裏に好んで群がる昆虫がいるのでしょうか?
セミの幼虫がトチノキの葉裏で羽化したのかと思ったのですが、たぶん違いますね


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2025/12/18

夜の水場に来てカメラの三脚にぶつかるニホンイノシシの家族群【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年9月下旬 

シーン0:9/17・午後13:02・晴れ・気温34℃(@0:00〜) 
山中に少し開けた湿地帯があり、その水溜りSに来る野生動物を自動撮影カメラで見張っています。 
ニホンイノシシSus scrofa leucomystax)が群れで登場したシーンを以下にまとめました。 


シーン1:9/25・午後18:56・気温17℃(@0:02〜) 
これは前回紹介した動画の抜粋です。 
左からイノシシ成獣が単独で現れ、水溜りSの対岸を右に立ち去りました。 
水を飲んだり泥を浴びたりしなかったのは、監視カメラに気づいて警戒したからかな? 

シーン2:9/25・午後19:38・気温18℃(@0:02〜) 
約40分後に、画面の左からイノシシの母子が縦列でやって来ました。 
乳房の発達した母親♀が先行し、3頭の幼獣が後から付いて来ます。
乳房の有無を見比べるだけでも、シーン1で登場したイノシシ成獣とは別個体であることが分かります。 

母子ともに水溜りSの水面に口を付けて水を飲みました。 
母親♀が先頭になってカメラの方に向かって来ます。 

♀の背中の毛皮に多数付着しているのは、泥が乾いた土の粒かもしれませんが、どうやらひっつき虫のようです。
もちろん虫ではなくて、付着型動物散布される植物の種子です。 
幼獣の毛皮にはあまり付着していないのが興味深いです。 
イノシシの成長および換毛に伴い、ひっつき虫が付着しやすい毛質に変化するのかもしれません。 
(※ マダニがイノシシに体外寄生している可能性もありそうですが、モノクロの暗視映像では、しっかり見分けられません。)
幼獣2頭の毛皮に瓜模様はありませんでした。 
つまり、ウリ坊と呼ばれる時期よりも成長しています。 

母親♀が監視カメラの存在に気づくと、ちょっと怯えた様子で右に立ち去りました。 
小声の低音でブーブー鳴く声が聞こえます。 
幼獣たちも母親♀の後を次々とついて行きますが、体高が低いのでカメラにはしっかり映りません。

しばらくしてから、画面の左端に立っているホオノキの左からイノシシ成獣が顔を出しました。(@1:50〜) 
さっきの母親♀がぐるっと回って戻ってきたのでしょうか?
耳などに付着したひっつき虫?の数が明らかに少ないので、別個体の成獣と分かりました。 

シーン3:9/25・午後19:40(@2:05〜) 
約50秒後に、監視カメラが再び起動すると、 水溜りSの対岸を右から左へ横切るイノシシ成獣が写っていました。 
ちょっと立ち止まってカメラを気にしてから、左に立ち去りました。 

次に右から別個体の成獣♀が登場し、水溜りをジャブジャブ歩いて左に渡りました。 
腹面に乳首が見えるので母親♀と分かります。 
その後から幼獣4頭が左に通過したようですが、体高が低い幼獣はカメラに写りにくいです。 

幼獣の一頭が途中で、トレイルカメラの三脚にうっかりつまづいたようです。 
ユキツバキ群落の中に隠すように三脚を立ててトレイルカメラを固定し、水溜りSを監視しているのです。 
怒ったイノシシが三脚に何度も頭突きをしている(八つ当たり?)ような衝撃音が聞こえます。 (←擬人化した解釈)
鼻面で林床を掘り起こしながら餌を探し歩いているときに、暗闇で三脚とぶつかっただけかもしれません。 
幸い、三脚が壊れることはありませんでした。 

シーン4:9/27・午後22:31・気温20℃(@2:57〜) 
2日後の晩には単独行動のイノシシが写っていました。 
左の手前から来て泥水溜りSへ向かいます。 
通りすがりにホオノキの幹で体を擦り付けたのか、空中に短い抜け毛が大量に舞っています。 
毛皮には乾いた泥がべっとり付着しています。 

イノシシは水溜りSの水面に口を付けて泥水を飲んだものの、今回も泥浴び(ヌタ打ち)をしませんでした。 
後ろ姿の股間に睾丸は見えず、牙が短いので♀成獣だと思います。 
対岸に渡ると右へ立ち去りましたが、右上奥にあるもう一つの水溜りNには立ち寄らなかったようです。 


※ イノシシの鳴き声などが聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


【考察】
ニホンイノシシは母子の家族群が基本ですが、それでは説明できないような、もう少し大きな群れを(一時的に?)形成して活動しているようです。
イノシシをしっかり個体識別できるようになれば、面白くなりそうです。
ニホンイノシシは母系社会なのでしょうか?
Perplexity AIの回答がこちら。

ニホンイノシシは母系社会の要素を持つが、厳密には単独型の社会構造です。雌は子豚とともに家族単位で行動し、時に血縁の母親同士が集まるため母系的なグループが見られますが、成獣雄は単独生活が基本です。maff+1

社会構造の特徴

雌親とその子豚が中心となり、母系グループを形成しますが、雄の子は1~2歳で離脱して単独行動に移行します。choujuhigai
交尾期以外は雄雌の接触が少なく、群れは主に雌と幼体の家族単位に限られます。inohoi

母系要素の限界

母系グループは一時的で、成獣雌も単独生活する個体が多く、安定した大規模群れは形成しません。maff
遺伝的に地域固有のグループが存在しますが、社会的結束は弱く、基本的には単独型です。naro


つづく→

2025/12/14

ポポーの種子を採る

2024年9月中旬 

ポポーという北米東部原産のエキゾチックな果物を初めて食べてみたら、美味しかったです。
「果実の形がアケビに、果肉の色や味、質感がカキノキに似るためアケビガキとも呼ばれる」とのことで、まさにその通りでした。 

熟した液果の甘い果肉を食べながら選り分けた黒い大きな種子を水洗いしてから乾かし、資料用の標本として保存します。 
黒光りする平べったい種子で、形はまちまちでした。

ポポーの種子散布は、哺乳類による被食型動物散布と予想されます。 
原産国では木登りの得意なオポッサムやアライグマがポポーの果実を食べ、種子散布を担っているのだそうです。
日本で外来植物のポポーを大規模に栽培したとして、種子散布者の候補としては、木登りできるニホンザル、ホンドテン、ハクビシンなどが考えられます。 
もしもポポーの落果をホンドタヌキが拾い食いしたら、溜め糞場に未消化の種子が出てくるかもしれません。 

関連記事のまとめ ▶ 植物の種子コレクション

2025/12/09

ザクロの果実を食べかけで捨てたのは誰のしわざ?【フィールドサイン】


2024年9月下旬・午後14:00頃・くもり 

山麓を流れる水路沿いの小径にザクロの果実が落ちて粉々に割れていました。 
周囲にザクロの木は生えていません。
近所の民家の庭木から何者かが果実を持ち去り、少し味見してから捨てたようです。 
私が真っ先に疑ったのはニホンザルです。
山里に頻繁に出没する猿たちの食べ残しだろうと予想しました。
「ニホンザル採食植物リスト」のPDFを参照すると、ザクロが含まれていました。
三戸幸久. ニホンザル採食植物リスト. Asian paleoprimatology, 2002, 2: 89-113.
ただし、食べたのが果実なのか葉なのか肝心の情報が記述されていません。
元の文献は、金森研究室『愛知県内のニホンザルの現状(1990)』とのことですが、原典まで辿り着けませんでしt。


最近になって、ツキノワグマの可能性もあると知りました。 


庭に植栽されたザクロの木をトレイルカメラで監視して、秋に果実を食べに来る野鳥や野生動物の証拠映像を撮ってみたいものです。
テンやハクビシンなども怪しいと睨んでいます。
また、ザクロは鳥媒花らしいので、初夏に咲く花でヒヨドリやメジロなどの鳥が吸蜜する代わりに授粉を媒介する様子も観察してみたいものです。


【考察】
いつものように、Perplexity AIに謎解きのブレインストーミングの相手になってもらいました。
ザクロは中東から西南アジアを原産国とする外来種で、日本の山林には自生しません。

ザクロの果実は厳密には典型的な漿果ではないものの、液果状の特異な多肉果なのだそうです。
果実の外側は厚く比較的硬い外果皮(革質)で覆われ、その内部に多数の種子が詰まり、それぞれが多汁な仮種皮(sarcotesta)に包まれています。​
このように「果皮の一部が多汁で、種子周囲が食用となる」という点で、広義の液果=多肉果の一種と扱われ、「液果状」と表現されることが多いです。

ザクロの種子は動物散布(被食散布)が主な散布様式と考えられます。
たとえ鳥や獣に果実を食べられなかったとしても、ザクロの母樹から運ばれて遠くに捨てられた今回の事例は、動物散布型の種子散布に半ば成功しているとみなせます。





↑【おまけの動画】
「シマリスがザクロを食す/Chipmunk is eating a pomegranate」 by Bikke the chip シマリスと暮らす さん 

私が期待したような野生シマリスの生態動画ではなく、飼育個体にザクロの実を給餌した様子を撮った映像でした。
本州にシマリスは生息しませんが、ニホンリスが山里の庭まで降りてきてザクロを食べていたら面白いですね。
リスがザクロの果実を丸ごと持ち去って貯食するのは、重すぎて無理な気がします。
そもそも、長期保存の可能な堅果しかリスは貯食しないはずです。


 

↑「ザクロとメジロ (4K) / pomegranate and Japanese White-eye」by 1890 atrsさん 

野鳥のメジロが開裂した果実から多汁な果肉(ではなく正確には仮種皮)に包まれた種子を嘴で1粒ずつ取り出して、次々と丸呑みしています。 
しかしザクロの果実を丸ごと咥えて運ぶのは、重過ぎて非力なメジロには無理でしょう。 
ヒヨドリも果実食性ですが、体格が中型なのでザクロの小さな実しか運べないはずです。 



 

 ↑「ヒヨドリとザクロの実 秋冬 かわいい 好物 庭に来る野鳥 茶色のほっぺ 定点カメラ 留鳥 bulbul and pomegranate」 by ふわはるな さん 

開裂したザクロの果実を庭で給餌した様子を定点カメラで撮影しておられます。
ヒヨドリはメジロと同様にザクロの種子を1個ずつ食べている(丸呑み)だけで、果実を丸ごと持ち去ろうとはしていません。

ヒヨドリよりも大型のカラスなら、ザクロの果実を丸ごと咥えて運ぶのも可能かもしれません。



【アフィリエイト】



【追記】
2024年10月上旬

路上でザクロの落果が潰れていました。
おそらく通りかかった車に踏まれて潰されたのでしょう。(ロードキルの一種?)
見上げると、民家の庭木にザクロの果実が赤く色づいていましたが、まだ開裂していませんでした。

ザクロの落果を食べに来る野鳥や野生動物がいないかどうか、トレイルカメラを設置して調べてみるのも面白いかもしれません。







2025/12/07

森のドングリを運んで貯食するカケス【野鳥:トレイルカメラ】

 



2024年9月中旬・午前8:20頃・気温22℃ 

雨上がりなのか、ニホンアナグマの営巣地(セット)は全体に少しモヤがかかっていました。 
カケスGarrulus glandarius)がマルバゴマギの枯れた灌木に止まっていました。 
1.5倍に拡大すると、嘴にドングリ(樹種不明:ミズナラ?)を咥えていました。 
今季もカケスがドングリの貯食作業を始めたようです。 
止まり木から右に少し飛んだカケスは、獣道に降り立つと少し右に移動して画角の外に消えました。 
肝心の貯食作業が録画できず、残念無念。 

しばらくすると、別個体のカケスが左から飛来し、画面左の木に止まってから、左下の林床に飛び降りました。 
この個体は空荷でした(ドングリを持っていない)。 
最後にセットを横切るように、左から右へ飛び去りました。 
2羽のカケスは♀♂つがいとは限らず、先行個体のカケスがドングリを隠す様子をこっそり見ていて、後で盗むつもりなのかもしれません。 


関連記事(1年前の撮影)▶  


【余談・考察】 
翌年(2025年)はドングリの大凶作となり、ここでトレイルカメラによる定点観察を続けても同様のシーンがまったく撮れませんでした。 
ドングリを貯食できなかったカケスは無事に冬が越せるのでしょうか? 
山に登っても、ドングリ(ミズナラとコナラの堅果)の落果が本当に全く見つかりません。 
定量的な調査をしない私でも、2025年はドングリが凶作の年だとはっきり実感できました。 
ただし、ブナ科でもクリだけは実っていました。
ドングリを貯食できなかった野ネズミやニホンリスにとって、無事に越冬できるかどうか死活問題です。 
翌年は野ネズミの数が激減していることが予想されます。

2025年はツキノワグマの人里への異常出没が社会問題となっていて、まさに今回と同じトレイルカメラ(平地の二次林に設置)にもクマが何度も写るようになりました。(映像公開予定) 
日本国内の各地域によって事情は違いますが、少なくとも私のフィールドでは、「複数種のドングリ類の同時凶作に伴う餌不足で飢えたクマが人里まで行動範囲を広げざるを得ない」という説明が一番しっくりきます。 
私が調査活動するフィールドの植生はブナ帯よりも標高が低いミズナラ帯なので、ブナの豊凶については実体験がない私は何も言えません。


 

 ↑【おまけの動画】 
【解明】クマの話は、日本の構造問題だった(小池伸介/ツキノワグマ/ヒグマ/出没/捕獲/駆除) by NewsPicks /ニューズピックス 

「ドングリに豊凶の周期があるのは、種子捕食者を減らしてドングリの全滅を避けようとするブナ科植物側の生存戦略である」という話をクマの専門家が分かりやすく解説しています。 
例えば素数ゼミの話も、基本的には同じ対捕食者戦略です。 


つづく→

2025/10/22

有毒植物ナニワズの種子

2024年6月下旬 

平地の二次林でジンチョウゲ科の低木ナニワズ(別名エゾナニワズ、エゾナツボウズ)に今年も赤い実がつきました。 
早くも黄葉が始まっていて、夏になると落葉してしまいます。 
雪国なのに、緑の葉を付けた状態で冬を越すという不思議な樹木です。(冬緑性) 

ナニワズの熟果
未熟果と熟果

ジンチョウゲ科のナニワズは、花、葉、樹皮、果実などにクマリン系配糖体のダフィニン(daphnin)を含む有毒植物です。 
確かに、ナニワズの葉に虫食い跡(食痕)を一度も見たことがありません。 

山渓ハンディ図鑑4『樹に咲く花:離弁花2』でナニワズのことを調べようとしても、近縁種のオニシバリ(別名ナツボウズ)の写真しか掲載されていませんでした。
果実は有毒。 種子のようにみえるのはかたい内果皮に包まれた核。なかに種子が1個ある。 (p594-595より引用)

ナニワズの果実は液果状の核果(正確には液果ではない)で、その種子は被食型の動物散布で分布を広げると考えられています。 
具体的には、ヒヨドリなど果実食性の鳥類がナニワズの果実を丸呑みにした後、遠くに飛んでから未消化の種子を糞と一緒に排泄し、運が良ければ発芽するのでしょう。 
ヒヨドリはナニワズの毒に対して耐性があるようです。 
トレイルカメラを使って、ナニワズの熟果を食べに来る鳥や動物を私もいつか観察してみたいものです。 


これから種子散布を調べるための資料として、採取してきたナニワズの熟果から果肉を水で洗い流し、種子(核)を得ました。
もしもタヌキやニホンザル、ヒヨドリなどの糞にナニワズの種子が含まれていれば、果実を食べたことが分かります。    


関連記事()▶ 植物の種子コレクション

ナニワズの葉と熟果@方眼紙
ナニワズの種子(核)@方眼紙

2025/10/18

ビワの種子を採る

2024年6月中旬 

ビワ(枇杷)の果実が旬なので、食後のデザートで熟果を食べました。 
薄甘い果肉を食べながら、種子を吐き出します。 
1個の果実に複数の種子(平均21/4=5.25個)が含まれていました。
集めた種子を水洗いしながら、こびりついた果肉を古い歯ブラシで擦ってみたら、種子の皮が少し剥がれてしまいました。 
よく乾燥させた種子を方眼紙上で写真に撮りました。 

種子散布や糞分析の資料として保存します。
例えば、タヌキの溜め糞にビワの種子が未消化のまま含まれているかもしれません。


以下の写真は水増しではなくて、同じ物を逆側からも撮影したものです。
ストロボ光の当たる角度で見え方が少し変わるので。

フィールドベスト図鑑『日本の有毒植物』によると、ビワの種子には青酸配糖体のアミグダリンが含まれているので要注意とのことでした。
知らなかったのですが、ビワはバラ科に属する帰化植物です。

私が食べるビワの果実は庭木から採れるもので、甘みが弱くて、あまり美味しいと思ったことがありません。 
しかし果肉の甘みが増すような品種改良もされているそうです。 


【追記】 
ビワの果実はてっきり核果だと思っていたのですが、Perplexity AIに確認してみたら、仁果に分類されるのだそうです。 
植物学は難しいですね。 
ビワ(枇杷)の果実は核果ではありません。分類上、ビワは「仁果(にんか)」に属しています。仁果はリンゴやナシと同じく、花床(花托)が発達して可食部になる果実のことであり、ビワもこのグループに含まれます。一方、モモやウメのように固い核(種)を果皮が包むタイプのものが「核果」と呼ばれます。この違いは、可食部がどの花の構造から発達するか、種子のまわりにどのような組織ができるかで決定されます。


【考察】
ビワの種子は被食型の動物散布で分布を広げます。 
果実を丸呑みにした動物が移動した先で種子を未消化のまま排泄し、運が良ければ新天地で実生が発芽します。
果実の形態分類は異なっても、仁果、液果、核果はいずれも被食型動物散布なのです。

NHKの動物番組「ダーウィンが来た!」でビワの種子散布を扱った回が2023年に放送されました。 
果実が実るビワの木に監視カメラを設置したり、市民科学の手法で視聴者から提供された情報も含めると、ビワの種子散布者として、鳥類ではカラスとワカケホンセイインコ、哺乳類ではハクビシン、タイワンリス、イノシシなどが判明したそうです。 

私もこれから自分なりに調べてみるつもりです。
たとえ二番煎じでも、自分の住む地域(フィールド)で自分で実際に調べてみることが大切です。
ささやかながらも新しい発見がきっとあるはずです。


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2025/10/12

ウメの種子をせっせと運んで貯食する野ネズミ【トレイルカメラ:暗視映像】

 

前回の記事:▶ ウメの落果から種子を採る 

2024年7月下旬

シーン0:7/23・午前11:57・晴れ(@0:12〜) 
明るい日中にたまたま撮れた現場の状況です。 
集めておいたウメ(白梅)の種子を餌箱に39個入れて、朽ちたスギ倒木の端に設置しました。 
果肉をきれいに取り除き、種子をしっかり乾燥させてあります。 

無人センサーカメラで餌箱を監視すると、昼行性のリスが来るかと期待したのに、来るのは夜行性の野ネズミ(ノネズミ)ばかりでした。

シーン1:7/24・午後21:45(@0:16〜) 
晩に野ネズミ(ノネズミ)が餌箱に来てくれました。 
給餌箱の中に入ってウメの種子を口に咥えると、右へ運んで行きます。 
これまで給餌したオニグルミの堅果よりも軽そうです。 
(実際の重さを測るべきでしたね。) 
倒木の右下で立ち止まり、種子をクルクルと回して持ち直しました。 

この日はもう餌箱に戻ってこなかったということは、ウメの種子を割って中身を味見したものの、気に入らなかったのかな? 
ここで気になるのは、毒の問題です。 
バラ科サクラ属植物の種子 (種皮の内部にある胚と胚乳からなる仁)には、種を守るために青酸配糖体であるアミグダリンが多く含まれています。 
梅干しを食べた後に種子を割って中に含まれる仁を食べるのが好きな人もいますが、食べ過ぎないように注意されたはずです。
野ネズミはウメの種子に含まれる青酸の毒性に気づいて忌避するのでしょうか? 


シーン2:7/25・午後22:01(@0:50〜) 
翌日の晩遅くになってようやく野ネズミが餌箱に戻ってきました。
(ただし、前夜と同一個体とは限りません。) 
前回よりも手際よくウメの種子を運び去りました。 
途中で立ち止まって種子をクルクルと回して持ち直す行動は前夜と同じです。 


シーン3:7/25・午後22:26(@1:19〜) 
餌箱からウメの種子を搬出。 


シーン4:7/25・午後22:28(@1:30〜) 
餌箱からウメの種子を搬出。 
監視カメラの起動が遅れ、ウメの種子を咥えた野ネズミが倒木を右へ渡り終えるところでした。 
しばらくすると、左下の林床を野ネズミがうろついています。(@1:29〜) 
おそらく別個体ではなく、さっきの野ネズミがウメの種子を埋める場所を探索しているのでしょう。 


シーン5:7/25・午後22:29(@2:21〜) 
餌箱からウメの種子を搬出。 
またもや監視カメラの起動が遅れ、野ネズミは倒木を右へ渡り終えるところでした。 
小雨がぱらついています。 


シーン6:7/25・午後22:32(@2:28〜) 
餌箱からウメの種子を搬出。 


シーン7:7/25・午後22:35(@2:39〜) 
餌箱からウメの種子を搬出。 
野ネズミが倒木上でちょっと立ち止まって、種子を持ち直しました。 


シーン8:7/25・午後22:36(@2:46〜) 
餌箱からウメの種子を搬出。 
林床に降りた野ネズミは、倒木の右奥のシダ群落の根元をウロチョロしているようです。 


シーン9:7/25・午後22:38(@2:59〜) 
餌箱からウメの種子を搬出。 


シーン10:7/25・午後22:40(@3:04〜) 
餌箱からウメの種子を搬出。 


シーン11:7/25・午後22:41(@3:12〜) 
餌箱からウメの種子を搬出。 
林床を歩いて倒木の下まで来て、貯食する場所を探索しています。
地面を試掘したものの、残念ながら手前の茂みに隠れてしまい、実際の貯食シーンを見届けられませんでした。 


シーン12:7/25・午後22:46(@3:50〜) 
餌箱からウメの種子を搬出し、どこか林床に埋めたようです。 


シーン13:7/25・午後22:48(@4:05〜) 
餌箱からウメの種子を搬出。 


シーン14:7/25・午後22:49(@4:12〜) ◎
餌箱からウメの種子を搬出。 
埋める場所を変えたようで、右奥のシダ群落の奥をうろつく野ネズミの目が白く光っています。 


シーン15:7/25・午後22:50(@4:21〜) ◎
ようやく野ネズミが餌箱の中に入っている様子が撮れていました。
ウメの種子を咥えて右へ運んで行きます。 


シーン16:7/25・午後22:52(@4:28〜) ◎
餌箱からウメの種子を搬出。 
種子を咥えたまま倒木の下の林床を左へ向かい、草むらに姿を消しました。 


シーン17:7/25・午後22:54(@4:47〜)◎ 
今回初めて、野ネズミが倒木上の餌箱に入る瞬間が撮れていました。 
すぐにウメの種子を1個咥えて右へ運びます。 
しばらくすると、倒木を伝って右から走って戻り、巣箱に入りました。 
次の種子を選んで右へ搬出。 
倒木上で立ち止まり、種子を持ち直してから右へ向かいます。 
倒木の奥のシダ群落の根元をうろちょろしている野ネズミの白い目が光っています。 


シーン18:7/25・午後22:55(@5:28〜) ◎ 
餌箱からウメの種子を搬出。 
近くの地面に埋めて隠す作業の効率が上がったらしく、すぐにまた右から倒木を駆け戻りました。 
餌箱に飛び込んだところで1分間の録画が終了。 
雨が降っても野ネズミは平気で貯食作業を続けています。 


シーン19:7/25・午後22:57(@5:46〜) 
餌箱からウメの種子を搬出。 


シーン20:7/25・午後23:00(@5:52〜) 
餌箱からウメの種子を搬出。 


シーン21:7/25・午後23:01(@5:57〜) 
餌箱からウメの種子を搬出。 


シーン22:7/25・午後23:04(@6:03〜)◎ 
餌箱の中に入って次に運ぶウメの種子を選ぶと、倒木を右へ駆け下りました。 
そのまま倒木の下の林床を左へ向かい、草むらに消えました。 


シーン23:7/25・午後23:06(@6:23〜)◎ 
餌箱からウメの種子を搬出。 
しばらくすると、倒木を右から走って戻り、餌箱の中に入りました。 
次の種子を選んで右へ。 


シーン24:7/25・午後23:08(@6:41〜)◎ 
餌箱からウメの種子を搬出。 
しばらくすると、奥の草むらから戻ってきた野ネズミが倒木を右から駆け上がり、餌箱の中に入りました。 
休むことなく次の種子を選んで右へ。 


シーン25:7/25・午後23:11(@7:08〜)◎ 
梅の種子を運んだまま倒木の下の林床を左へ向かい、草むらに消えました。 
左下から林床を右へ戻ってくる様子も撮れていました。 
右下隅から倒木に登り、左の餌箱に駆け戻ります。 
餌箱に飛び込んで次の種子を選び、右へ搬出。 


シーン26:7/25・午後23:14(@7:54〜)◎ 
餌箱からウメの種子を搬出。 
しばらくすると、倒木を右から戻ってきて餌箱に入りました。 


シーン27:7/25・午後23:17(@8:07〜)◎ 
餌箱からウメの種子を搬出。 
しばらくすると、右下隅から倒木を登ると、左へ走って餌箱に飛び込みました。 
すぐにまた次の種子を咥えて右へ運び出します。 


シーン28:7/25・午後23:24(@8:26〜) 
餌箱からウメの種子を搬出。 
奥の草むらで貯食場所を探しているようです。 


シーン29:7/25・午後23:26(@9:26〜) 
餌箱からウメの種子を搬出。 


シーン30:7/25・午後23:34(@9:34〜)◎ 
餌箱からウメの種子を搬出。 
そのまま倒木の下の林床を左へ向かい、草むらに消えました。 


【考察】 
野ネズミはウメの種子を見つけると、その場では食べずに、1個ずつせっせと運んであちこちに隠し、貯蔵するようです。(貯食行動)

ウメの種子に含まれるアミグダリンという青酸配糖体の毒に対して、野ネズミは耐性があるのでしょうか?
逆に植物側(ウメ)の立場になって考えると、種子散布を助けてくれる共生関係の野ネズミに対して毒を盛ることはしないはずです。
充分に熟した果実の種子であれば、毒性は失われているのかな?

 野ネズミが地中に埋めてくれた後に食べ忘れたウメの種子は、運が良ければ発芽するはずです。 
つまり、ウメの種子散布は貯食型の動物散布(※ 追記参照)であり、野ネズミと共生関係にあることが分かります。 
何年後かには、春になるとこの近くで梅の花が咲くでしょうか? 
たった39個の種子を給餌しただけでは、種子散布に成功する確率は限りなくゼロに近いでしょう。 
現場はスギ植林地の林床で、オニグルミの大木が隣にそびえ立ち、実生の光合成に必要な日照があまり多くありません。 
冬になると積雪量が多い豪雪地帯の山林ですから、ヒトが過保護な雪囲いもしないでウメの幼木が無事に育つのは至難の業です。 
そもそも実験に使ったウメの種子は、果肉を洗い落とした後にドライヤーで強制乾燥したので、熱で発芽能力が失われてしまったかもしれません。 


野ネズミはウメの種子をどのように食べるのでしょうか?
アカネズミの代表的なフィールドサインといえば、オニグルミの「2つ穴食痕」だ。両側の合わせ目上に2つの穴を空け、穴から中身をかき出して食べる。内部にはかき出した際についた門歯(切歯)のひっかき傷が残る。固い殻のある食べ物は共通してこの食べ方をするらしく、オニグルミだけではなく、サワグルミやウメの種子も同じような2つ穴食痕になる。(p132より引用)


謎の夜蛾は、ウメの種子には誘引されませんでした。 


※【追記】
ウメの種子散布は、被食型の動物散布がメインと考えられます。
熟した甘い果肉を目当てに動物がウメの果実(核果)を丸ごと飲み込み、消化されなかった種子が遠くに運ばれてから糞と一緒に排泄されるのです。
だとすれば、野ネズミはウメにとって種子捕食者でもあります。

現実の自然界はもっと複雑です。
たとえば、ウメの落果を食べたタヌキが溜め糞場で排泄した種子を野ネズミが持ち去って貯食するかもしれません。
この場合、野ネズミはウメの種子の二次散布者になります。
(重力散布が一次だとすると、タヌキが二次散布者、野ネズミは三次散布者になります。)


本当はウメの種子ではなく熟果をそのまま給餌するつもりでした。
ところが、その前にやった実験で、同じバラ科サクラ属のアンズではアミグダリンを嫌ってか落果を食べる野生動物がほとんどいなかったので、種子に切り替えたのです。




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