2024年7月上旬〜中旬
シーン0:7/5・午後15:20・晴れ(@0:00〜)
明るい日中にたまたま撮れた現場の様子です。
郊外に1本だけ植栽されたアンズ(杏)の木から黄色く熟した果実が落ちて散乱していました。
放置されたまま誰も収穫に来ないので、野生動物がアンズの落果を食べに来る様子を自動撮影カメラで監視することにしました。
撮影しやすいように、落果を拾い集めてアンズの木の下の1箇所にまとめました。
ニホンザルやタヌキ、テンが拾い食いするのではないかと予想しています。
野鳥では果実食のヒヨドリが甘い果肉を啄むかもしれません。
昆虫では昼間にスズメバチ類が飛来して果肉を齧るかな?
ちなみに、アンズの木の横の草地に野生動物が座り込んだ形跡がありました。
カモシカやイノシシの塒 ではないかと予想しています。
そっちも気になるのですが、トレイルカメラの数が足りないので、アンズ落果の方を優先することにします。
この餌場に野ネズミ(ノネズミ)が夜な夜な通ってくる様子を以下にまとめました。
シーン1:7/7・午前0:21(@0:05〜)
深夜に1匹の野ネズミが登場しました。
ごちそうの山に前足を掛けてアンズ落果の匂いを嗅いでいました。
黒い徘徊性甲虫(種名不要:オサムシ? カミキリムシ?)も落果に誘引されていたのですが、少し離れているので野ネズミは暗闇で気づいていないようです。
もし野ネズミが甲虫を見つけていれば、獲物として捕食したはずです。
謎の甲虫は、アンズ熟果の傷に頭部を突っ込んで甘い果肉を食べているのでしょうか?
(発酵した果汁を吸汁しているのかな? )
野ネズミは手前に立ち去りました。
1.5倍に拡大した上でリプレイ。(@0:31〜)
シーン2:7/8・午後18:45(@0:56〜)日の入り時刻は午後19:07。
翌日も日没前の夕方に早くも野ネズミが餌場に来ていました。
アンズ落果の匂いを嗅ぎ回り、少し味見したようです。
しかし野ネズミは何かに驚いたのか、落果の山から手前に素早く飛び降りて姿を消しました。
アンズ落果に野ネズミの歯型が残っているかどうか、食痕を確認すべきでしたね。
シーン3:7/9・午後19:45(@1:39〜)
その次の日も、晩に野ネズミがチョロチョロと餌場に登場しました。
手前からアンズ落果の山に来ると、落果(腐果)を少し食べたようです。
シーン4:7/10・午前0:44(@2:38〜)
日付が変わった深夜に、野ネズミが再び登場。
しかし、なぜか餌場には近寄らずに立ち去りました。
シーン5:7/10・午前0:57(@2:56〜)
約10分後に、野ネズミがアンズ落果の山に通りかかりました。
ところがアンズにはあまり興味を示さず、林床をうろついて餌を探しています。
シーン6:7/10・午前2:13(@3:18〜)
アンズ落果の少し右、下草の陰に野ネズミが来ていたのですが、奥へ立ち去りました。
シーン7:7/10・午前3:33(@3:40〜)
野ネズミがアンズ落果の匂いを嗅いでいました。
果肉を食べていると、画面の左下から黒い甲虫(種名不詳)が歩いて登場。
ニアミスしたものの、アンズに夢中の野ネズミは甲虫には見向きもせず、何事もなくすれ違いました。
シーン8:7/10・午前3:40(@4:40〜)
野ネズミはアンズ落果の山の上で少し場所を変え、別な落果を齧っていました。
最後に画面の上端の草むらから別個体の野ネズミが現れたようで、白い目が光っています。(@5:35〜)
餌資源を巡って野ネズミ同士が争うのか、成り行きを見届ける前に残念ながら1分間の録画が終わってしまいました。
シーン9:7/10・午前3:46(@5:40〜)
アンズ落果の山の上に野ネズミが陣取って、食事をしています。
シーン10:7/10・午後19:01(@6:40〜)
雨が降る晩に、野ネズミが餌場の左上エリアをうろちょろしていました。
シーン11:7/11・午前3:30(@7:00〜)
日付が変わった未明に野ネズミが左から登場。
林床に鼻面を突っ込んで匂いを嗅ぎながら歩き回ります。
ようやく餌場に来ると、腐りかけたアンズ落果を選んで食べ始めました。
シーン12:7/11・午後20:22(@8:00〜)
同じ日の晩にも野ネズミが餌場に来ていました。
雨は止んでいました。
アンズ落果の山に乗っていたカキノキ落ち葉の匂いを嗅いだだけで、左へ立ち去りました。
シーン13:7/11・午後22:01(@8:28〜)
約1時間40分後にも野ネズミが餌場の左下エリアをうろついていました。
監視カメラの電池がだいぶ消耗しています。
シーン14:7/12・午前4:21(@8:44〜)日の出時刻は午前4:23。
翌日の日の出直前に登場した野ネズミは、アンズの腐果を少しかじっただけ(匂いを嗅いだだけ?)で立ち去りました。
※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。
【考察】
本当はアンズの樹上に実った状態の果実を食べに来る野生動物を観察したかったのですが、夏の時期は葉が生い茂って撮影しにくいのです。
次善の策として、落果を餌として使いました。
野生動物への給餌(餌付け)を、特に人家に近い場所でやるのは色々と問題をはらんでいます。
しかし今回は、私が餌を外から持ち込んだのではありません。
果樹の下に散乱していた落果を移動して一箇所にまとめただけなので、給餌には該当しません。
(個々の移動距離はせいぜい数m。)
もちろん私はアンズの落果を1個も持ち去っていませんし、味見もしていません。
専門的にはアンズ落果のパッチ操作実験、資源配置操作実験、自然資源集積実験、落果集積実験などと色々な言い方をされるらしいのですが、ちょっとした実験の真似事をしてみたのです。
野ネズミは初めなかなかアンズ落果を食べようとしませんでした。
監視カメラを警戒していたのではなく、アンズの落果が完全に熟するまで待っていたようです。
結局、野ネズミはアンズの熟果を少し食べただけで、熱狂的に食い漁るほどではありませんでした。(期待はずれ)
野ネズミが慎重だったのは、アンズの未熟な果実や種子にはアミグダリンという青酸配糖体の毒が含まれていることを知っていたのでしょう。
発酵したアンズの果肉を食べすぎると、野ネズミはアルコールの過剰摂取で酔っ払うのではないか?、と予想したものの、酩酊状態は観察されませんでした。
ドングリやクルミなどの堅果だと野ネズミは持ち去って貯食するのですが、アンズの果実(核果)を運ぶことは一度もありませんでした。
ちなみに後日(7月下旬)に定点観察すると、アンズ果肉が腐り果てた後に残された種子の多くがいつの間にか持ち去られていました。
種子散布の過程を見逃してしまったことになります。
おそらく野ネズミの仕業(アンズの種子を貯食した?)だと思われますが、そこまで長期間トレイルカメラで見届ける忍耐がありませんでした。
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