2022/08/20

里山の尾根道を遊動する野生ニホンザルの群れと遭遇

 

2022年6月下旬・午後16:05頃・ くもり

里山の尾根道を縦走していたら、野生ニホンザルMacaca fuscata fuscata)の群れと遭遇しました。 
私が立ち止まって静かに撮影を始めると、あまり恐れずにどんどん近寄って来てくれました。 
結構人馴れしたニホンザルのようです。 
猿と直接目を合わせずに目を伏せて、カメラのバックモニターやファインダーだけを見るようにするのがコツです。
夏毛のニホンザルは痩せて見えます。 

ニホンザルの成獣が尾根道に座り込んで、文字通り道草を食っていました。(採食メニューは不明) 
若い個体も山道で立ち止まり、イネ科植物の葉や穂の先を食いちぎっています。 
座ったまま右足で自分の頭や右脇腹を掻きました。 
山道の右横に繁った灌木に隠れた個体が何か緑の植物の葉を食べています。 
左右の藪に隠れていた個体が次々と細い尾根道に出てきてくれました。 
尾根道に突っ立っている私が彼らの遊動路を通せんぼしていても、猿たちは私の方をちらっと一瞥しただけで、落ち着いて迂回して藪の中を通り過ぎました。 

ニホンザルの群れが遊動した後の山道には深緑色の新鮮な糞が点々と残されていました。 
以下に縦走路で見つけた順で糞の写真を掲載します。


つづく→野生ニホンザルが鱗茎?を掘り出して採食した謎の植物【名前を教えて】

獣糞の下に潜む謎の甲虫?

2022/08/19

休耕田で採食中に高々と飛び上がるキジ♂の謎(野鳥)

 

2022年6月中旬・午後15:40頃・くもり・強風


雑草の生い茂った休耕田でキジ♂(Phasianus versicolor)がうろついて採食していました。
それまでは定期的に縄張り宣言の母衣打ちをしていたのに、なぜかもう披露してくれなくなりました。 
キジ♂は草地の地面をついばんでいます。 
採食メニューは不明ですが、頭を上げた際にときどき嘴に草を咥えていました。 
風が強く吹き、立ってカメラを構えている私の体ごと持っていかれそうになります。
体幹トレーニングでもっと鍛えないといけませんね。

長々と撮影していたら、キジ♂が突然、羽ばたきながら垂直に飛び上がりました。(@4:40) 
こんな行動は今まで見たことがありません。 
鳴き声を発することなく、ほぼ同じ地点に着地しました。 
謎のハイジャンプを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@4:44) 
その後は何事もなかったように、採食徘徊を続けています。 

明らかに用水路を飛び越える行動ではありません。 
草むらで蛇に遭遇して驚いたのでしょうか? 
しかしヘビが相手ならキジは捕食するはずです。 
巣穴から出てきた野ネズミに驚いたのかもしれません。
それとも、見通しの悪い草地で高々と飛び上がって周囲を警戒したのかな? 
キジは飛ぶのがあまり得意ではないので、しつこく撮影する私から逃げようと(遠くに移動しようと)飛び立ったものの、強い逆風に流されて真下に着陸してしまったのでしょうか?
普通、鳥が飛び立つ直前には予想がつくのですけど、今回のキジ♂は予備動作なしでいきなり飛び上がりました。 
関連記事(10年前の撮影)▶ キジ♂の飛び立ち【ハイスピード動画】
タゲリの求愛ディスプレイのハイジャンプを連想しました。
(当地でタゲリの実物を見かけたことはありません。)
私の知る限り、キジの求愛行動のレパートリーにハイジャンプは含まれていません。

※ 退屈な(冗長な)前半部を編集でカットしようか迷いました。
謎のハイジャンプを解釈するのに前後の文脈が大切かもしれないので、あえてノーカットでお届けしました。 
お忙しい方は4:30辺りまで一気にスキップしてご覧ください。
   

2022/08/18

飛びながら夜の池に着水するコウモリの目的は飲水か捕食か?【暗視映像:トレイルカメラ】

前回の記事(撮影:2021年11月中旬):▶ 飛びながら池の水を飲むコウモリ【暗視映像:トレイルカメラ】
2022年6月中旬〜下旬 

山中の水場にトレイルカメラ(無人センサーカメラ)を設置すると、今季も毎晩のようにコウモリ(種名不詳)が飛来していました。 
今回は単独で飛来したシーンをまとめました。 
コウモリの活動時間帯は日によってまちまちのようです。 

トレイルカメラを新調したら画質が格段に向上(FHD:1920×1080)しただけでなく、フレームレートが15fpsから25fpsに上がったおかげで、コウモリの素早い羽ばたきが旧機種よりも滑らかに記録できるようになりました。 

夜行性のコウモリは池の水面スレスレを掠めるように低く飛びながらときどき一瞬だけ着水し、その度に水面に波紋が広がります。 
この着水時にコウモリは何をしているのでしょうか? 
1/3倍速のスローモーションでリプレイしてみると、口ではなく足を水面につけているような気がします。 
てっきり私はコウモリが飛びながら池の水を飲みに来ているのだと思っていたのですが、海外のウオクイコウモリのように水中または水面の獲物を捕食している可能性が出てきました。 
残念ながら動画のフレームレートが25fpsでは未だ非力です。 
説得力のある映像を撮るためには、せめて60fpsは欲しいところです。
4Kや8K画質とかの高画質競争よりも、動画のフレームレートを上げてくれるようメーカーにお願いします。 
写真家なら複数のストロボを連続で焚いてコウモリが着水する瞬間を切り取る工夫を考えるのでしょうが、私はあくまでも動画で勝負したいのです。 
コウモリはツバメのように飛びながら水面に口を付けて水を飲むのではなく、とりあえず体を適当に濡らしてから後でどこかにぶら下がって口で毛繕いしながら水分補給するのかな?

波紋が広がる直前の水面にミズスマシやアメンボは居なかったので、水生昆虫の捕食が目的ではなさそうです。 
着水ポイントの水中にオタマジャクシなどの獲物の姿は見えませんでした。 
また、私はこの小さな池で小魚を見たことはありません。

コウモリの着水地点が毎回ほぼ同じであることも、飲水説を裏付けていると思います。 
もし池の獲物を捕食しているのであれば、コウモリは水面のあちこちで(ランダムに)着水するはずです。 
被捕食者も天敵に狩られないように必死で逃げたり隠れたりするはずだからです。

雨が降る夜にコウモリが水場に飛来しないことも飲水説を支持しています。 

エコロケーションのためにコウモリが発する超音波をヒトの可聴域に変換するバットディテクターとトレイルカメラの動画を組み合わせて同時に記録できたら面白そうです。(今後の課題) 
獲物を狩る直前に発する超音波と、飲水行動の際の超音波は声紋パターンが違うはずです。
なによりも、超音波の声紋だけでコウモリの種類を同定できるかもしれないという可能性が魅力的です。


シーン1:6/20・午後19:54・気温19℃ 

シーン2:6/20・午後20:48・気温20℃(@0:53) 
池の上を低くぐるぐる回っただけで奥に見える森に飛び去りました。 

新しいトレイルカメラでは気温データも映像の下に表示されるようになりました。
しかし、連続して動画撮影するとカメラ内部の発熱により、気温が急上昇しているように見えるため、気温データの解釈には注意が必要です。 
夜が更けているのに短時間で気温が1〜2℃不自然に上がります。 
昼間の撮影ではこの症状が出ないので、暗視映像のための赤外線投光器が特に高熱を発するようです。 
トレイルカメラをしばらく放置するとすぐに冷めます。 

シーン3:6/20・午後23:05・気温18℃(@1:04) 

シーン4:6/21・午前00:15・気温18℃(@1:13) 

シーン5:6/21・午後20:20・気温19℃(@1:51) 

シーン6:6/23・午後21:24・気温18℃(@2:06) 
池を何周も飛び回った後に、画面右上隅に写っている此岸のスギの枝葉を掠めるようにコウモリが飛び、枝葉が揺れました。(@2:20) 
コウモリの翼がうっかり杉の枝葉に触れてしまったのか、それとも杉の枝葉に止まっていた虫を素早く捕食した可能性もありそうです。 
1/3倍速のスローモーションでリプレイしても、狩りをしたかどうか分かりませんでした。(@2:51) 

シーン7:6/23・午後21:42・気温19℃(@4:49) 
ガガンボや夜蛾などの昆虫が暗闇の水場で飛び回っていますが、コウモリがそれを狙って飛びながら狩りに成功したシーンは今のところ撮れていません。 

シーン8:6/23・午後22:55・気温18℃(@5:12) 

シーン9:6/25・午後19:53・気温19℃(@5:46) 
池の上をコウモリが低空で何度も飛び回ります。 
今回はカメラに近いところで着水してくれました。 
珍しく画面に対して横向きで飛びながら着水するシーンが撮れました。 

シーン10:6/25・午後20:24・気温21℃(@6:50) 

シーン11:6/25・午後21:48・気温20℃(@7:08) 
1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@7:29) 

シーン12:6/25・午後22:16・気温21℃(@8:16) 

シーン13:6/26・午前00:03・気温20℃(@8:33) 
1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@8:49) 

シーン14:6/26・午後20:04・気温21℃(@9:23) 
得体の知れない虫が多数、夜の池で活動しています。 
水面を素早く遊泳したり、空中を飛び回ったりしています。 
小さな尺取虫が池の落枝の上で途方に暮れたように徘徊しています。 
これらはコウモリの獲物として小さ過ぎる(超音波で探知できない?)のか、飛来したコウモリは狩ろうとしていないようです。



2022/08/17

河畔林でタヌキの溜め糞に群がるオカダンゴムシ♀♂

 

2022年6月中旬・午後13:00頃・くもり 

ホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が河畔林の地面に残した溜め糞場rvに微小のアリ(種名不詳)に混じって多数のオカダンゴムシ♀♂(Armadillidium vulgare)が集まっていました。 
♀も♂も両方いて、大小様々な個体が含まれていました。 
タヌキの糞をせっせと食べて分解してくれているのでしょう。 
糞塊の真上よりも辺縁部に好んで集まるようです。 

ところで、ダンゴムシと言えば外来種(普通種)のオカダンゴムシしか私は知りません。 
しかし森林性の在来種コシビロダンゴムシの可能性もありますかね?(見分け方を私は知らないので、真面目に検討していません。)
日本にはもともと、コシビロダンゴムシという土着のダンゴムシがいたが、コシビロダンゴムシはオカダンゴムシより乾燥に弱く、森林でしか生きられないため、人家周辺はオカダンゴムシが広まっていった[3]。(wikipediaより引用
現場はニセアカシアが優占する河畔林です。
溜め糞の横に立つニセアカシアの幹をダンゴムシが何匹も登り降りしていて、根際にも多く見つかりました。 

山中など他のタヌキ溜め糞場ではダンゴムシが集まっているのを見た記憶がありません。 
念のためにこのブログを検索してみたら、単に私が忘れているだけでした。(汗)
関連記事(6年前の撮影@水辺のコンクリート護岸)▶ タヌキの溜め糞とオカダンゴムシ♀

 

2022/08/16

山中の池から岸に上陸したアズマヒキガエル【トレイルカメラ】

 

2022年6月下旬・午後12:00頃・晴れ・気温23℃ 

山中の水場にやって来る野生動物を監視するために今季も無人センサーカメラ(トレイルカメラ)を設置してみました。 
動画の冒頭から画面の左下隅に鎮座している黄土色の塊がアズマヒキガエルBufo japonicus formosus)です。 
どうやら池から岸に上陸したばかりのようです。 
そもそも変温動物のヒキガエルに対してどうしてトレイルカメラが反応できているのか不思議です。
残念ながら顔が見切れてしまっていますが、体表がゴツゴツしています。 
やがてゆっくりと此岸の崖を登り始めました。
関連記事(約8か月前の撮影)▶  
大雨の朝に水場の岸を登るアズマヒキガエル【トレイルカメラ】 
雨の日に池の岸をうろつくアズマヒキガエル【トレイルカメラ】
この池で晴天時にヒキガエルが登場したのは初めてです。 
梅雨時だからでしょうか? 
春の繁殖行動(いわゆるカエル合戦)や産卵を記録しそびれてしまったので、来季の楽しみです。

新しい機種のトレイルカメラを導入したら、撮影日時だけでなく気温や月齢などの情報も動画に書き込まれるようになって便利です。

2022/08/15

左の翼から出血したカワラヒワ♂の謎(野鳥)

 

2022年6月中旬・午後13:45頃・晴れ 

郊外の新興住宅地で路上(車道)に居たカワラヒワ♂(Carduelis sinica)が近づく私を警戒し、路肩に移動しました。 
左の翼を少し持ち上げ、肩口を頻りに羽繕いしています。 
羽繕いする嘴の先端が赤く染まっているのが気になります。 
どうやら左の翼から出血しているようです。 
両足を揃えてピョンピョン跳んで前進する際に、両肩は左右対称でした。 (素人目には、左の翼が不自然に曲がっている?)
てっきり私は左翼が骨折しているのかと初めは思いました。 
走行車と衝突事故を起こしたのか、それとも民家の窓ガラスに激突したのでしょうか? 

私が動画を撮りながらそっと近づくと、カワラヒワ♂は慌てて飛び立ち、右折して逃げました。 
飛翔シーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 
意外にも飛翔能力に問題は無さそうと分かり、拍子抜けしました。 

もしかしてチドリがよくやるような偽傷行動だったのかな?
つまり、すぐ近くに自分の巣や巣立ち雛がいて、私の注意をそこから逸らすために親鳥がわざとらしく怪我をした演技をしていたのでしょうか? 
しかしカワラヒワが偽傷行動するという話は聞いたことがありません。 
血を流していたということは禁断の自傷行為になり、あり得ないでしょう。
ちなみに海外では吸血性のフィンチが知られています。(ハシボソガラパゴスフィンチ

最後に思いついた仮説は、吸血性の体外寄生虫です。 
左の翼で吸血していたマダニ?をカワラヒワ♂が取り除いて捕食したのかもしれません。

2022/08/14

川の護岸で夜な夜な餌を探し回る野ネズミ【暗視映像:トレイルカメラ】

 

2022年6月中旬〜下旬

川辺りのコンクリートブロックが敷き詰められた護岸を行き交う野生動物をトレイルカメラ(無人センサーカメラ)で監視しています。 
夜な夜な野ネズミ(ノネズミ)が出没するので、10日間の暗視映像記録をまとめてみました。 
夜行性の野ネズミが餌を探し歩いているのでしょう。 
素人に個体識別は難しく、同一個体の野ネズミが繰り返し写っているのか、それとも複数個体が写っているのか、不明です。 
一度に複数個体が同じ映像に写ることはありませんでした。 
アカネズミなのかヒメネズミなのか、映像で見分けられる方がいらっしゃいましたら、教えてください。 

現場は河畔林の林縁で、緩やかなスロープには雑草や灌木が繁茂しているために、古びたコンクリートブロックがほとんど見えなくなっています。 
河畔林の落葉が長年堆積して腐葉土となり、川が増水した際に土砂が被ったりして、コンクリート護岸の表面には土壌が薄く形成されているのです。 
川はカメラのすぐ背後を左から右へ流れています。 

シーン1:6/11・午後20:13 
画面の右下を右に向かって(下流へ)走り去りました。 
赤外線の暗視映像では野ネズミの目だけが白く光って見えます。 


シーン2:6/11・午後21:20(@0:05) 
画面中央に見えるフキの丸い葉の左から左下に向かって移動しました。 


シーン3:6/12・午前0:29(@0:14) 
雨上がりでカメラのレンズがやや曇っています。 
フキの葉の左隣りに野ネズミが佇んでいました。 
フキの葉の下をくぐって右下へチョロチョロと徘徊。 


シーン4:6/13・午後20:18(@0:55) 
画面の左端にすぐ消えました。(川上へ移動) 


シーン5:6/16・午後20:58(@1:05) 
画面中央やや上の草むらから土手を右上に登りました。 
下草の隙間から野ネズミの光る眼だけがチラチラと移動して見えます。 


シーン6:6/16・午後21:08(@1:28) 
画面中央から右上に向かって土手を登って行きます。 


シーン7:6/17・午前2:19(@1:53) 
画面右を右下に向かって駆け下りました。 


シーン8:6/18・午後20:37(@2:01) 
画面右上の土手の緩斜面の草むらが揺れ、野ネズミが隠れて何かしています。 (採食?)
ゆっくり左下へ降りて来ました。 
途中でフキの葉の下をくぐり抜け、手前に生えたケヤキの葉の死角を抜けて画面左端へ姿を消しました。 


シーン9:6/19・午後20:01(@3:04) 
画面右端から左下に護岸のスロープをピョンピョン降りて来ました。 
途中でなぜか大跳躍を披露してくれました。 
障害物を飛び越えたり何かに驚いたりした訳では無さそうです。 
最後は画面の左で護岸を上に登り返したようです。 
大ジャンプのシーンを1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@3:24) 


シーン10:6/20・午前1:07(@3:40) 
画面中央から右下へチョロチョロと草むらを深夜徘徊。 


シーン11:6/20・午後19:38(@3:57) 
画面左を下に向かって移動。 
草むらに隠れてすぐに見失ってしまいました。 

シーン12:6/21・午前0:50(@4:08) 
画面中央から右に草むらを移動。 


シーン13:6/21・午後19:50(@4:20) 
画面左端の草むらを左へ徘徊。 


シーン14:6/21・午後22:26(@4:29) 
下草に覆われたコンクリート護岸を左上から下に降りて来ます。 
野ネズミの1対の白い目だけが草むらの隙間からチラチラと光って見えます。 



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