2023年4月上旬・午後15:55頃・晴れ
平地のスギ林を探索していたら、1箇所に鳥の羽毛が大量に散乱していました。
狩りに成功した猛禽が獲物の羽毛を毟り取った跡だと思われます。
辺りに血痕や鳥の死骸(肉や骨)は見当たりませんでした。
捕食者は、テンやキツネなど肉食獣の可能性もありますかね? (※追記3参照)
近くのスギの根本が白い鳥の糞で汚れていました。
スギ樹上に塒 入りした鳥が襲われて餌食になったのか、それとも羽根を毟る作業中に猛禽が脱糞したのかな?
さて、捕食された鳥の種類は何でしょうか?
白くてフワフワした短い保温用の羽毛と、黒くて長い飛翔用の羽毛が混じっています。
他に色の付いた羽根は無く、地味な色合いの鳥のようです。
カラスの羽根は真っ黒でもっと長いはずなので、除外しました。
留鳥のドバトやムクドリにしては生息環境がおかしいです。(スギ林に居るのは変)
しかし、捕食者が近くの農地などで狩った獲物をここまで運んできてから羽毛を毟った、という可能性もあり得ます。
鳥の専門家は採取した羽毛を詳細に調べて種類を同定できるそうです。
今回、私はそこまでしていません。
DNAバーコーディングの外注キットが安価に普及すれば、羽毛や糞の試料から素人でも同定できるようになるはずです。
関連記事(5か月後の撮影)▶ アナグマの旧営巣地で落ち葉をめくって虫を探すクロツグミ♂【野鳥:トレイルカメラ】
繁殖のために早くも渡来したクロツグミ♂が捕食者に狩られてしまったのではないか、と推理しています。
山形県でクロツグミが見られるのは4月下旬ぐらいからとされているので(参考:『やまがた野鳥図鑑』)、例年よりもかなり早い渡来になってしまいます。(温暖化の影響?)
羽根を毟られた時期が私には判断できません。
もしも冬の積雪期に狩りが行なわれたのだとすると、被害者クロツグミ♂説はご破算になります。
もしかして留鳥のヒヨドリですかね?(ヒヨドリの羽根はもっと茶色の気がします)
その後も定点観察に通うと、スギ林床に残る大量の羽毛が少しずつ減っていき、最後には全て無くなりました。
屍肉食性の昆虫が集まるかと期待したものの、古い羽根を食べる昆虫は全く見ていません。 (※追記参照)
春から初夏にかけて野鳥の繁殖期(造巣期)ですから、産座に敷くための巣材として鳥が持ち去ったのでしょう。
鳥が巣材集めに通う様子を無人センサーカメラで撮影したかったのですが、今後の課題です。
限られた台数でやりくりしているので、今回は泣く泣く諦めました。
関連記事(2、5、15年前の撮影)▶
※ いつもの私の悪い癖で、カメラを忙しなく振り回しながら撮影してしまい、酔いそうな動画になってしまいました。
現場の状況を映像で記録するときは、もっとゆっくりゆっくりカメラを動かさないといけません。
苦肉の策として、1/2倍速のスローモーションに加工してお届けします。
落葉落枝を踏みしめる音声が間延びしているのはそのためです。
【追記】
中村圭一『たくましくて美しい 糞虫図鑑』という本を読んで知ったのですが、コブスジコガネの仲間は糞虫の仲間なのに獣糞を食べず、動物や鳥の古い死骸やペリットを食べるのだそうです。
鳥の羽を与えて飼育することが可能だとか。
私は未だ出会ったことがありません。
【追記2】
捕食者の猛禽はタカ類を想定していたのですが、フクロウ(Strix uralensis)の可能性も出て来ました。
2024年3月上旬に少し離れたスギ林内で昼間からフクロウの鳴き声を聞きました。
【追記3】
猛禽類が獲物を捕獲した後、むしった羽根が散乱したような場所が見つかることもあります。(中略)哺乳類による捕食跡もよく似ているので、どちらか判断に困ることもありますが、そんなときは羽根の根元、羽軸の基部が残っているかどうか、ビークマーク(クチバシによる捕食跡)と呼ばれる跡がないか、骨まで残っていればかみ砕かれていないかなどに注意して見てみましょう。
(大型の猛禽類は)羽軸を折ってむしり取るような羽根の抜き方はしません。
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