2023年9月下旬
平地のスギ防風林にある「根曲がり巣穴」を見張っていると、営巣地周辺の林床にクロツグミ♂(Turdus cardis)と思われる黒い鳥が登場しました。
シーン1:9/23・午後13:56(@0:00〜)
クロツグミ♂なら腹面は白いはずですが、上から見下ろすと真っ黒な背中しか見えません。
巣口を取り囲む根曲がり灌木(樹種はマルバゴマギ?)を経由して、ホッピングしながら左へ向かいました。
シーン2:9/25・午前8:08(@0:15〜)
2日後は、珍しく日中にフルカラーで録画されていました。
(旧機種のトレイルカメラは昼間の録画の挙動が不安定で悩まされます。)
右上の朽ちた風倒木に黒い鳥が止まっています。(赤丸に注目)
林床に飛び降りると、採食行動(落ち葉めくり?)を始めたようですが、後ろ姿で肝心の口元が見えません。
シーン3:9/25・午前8:11(@0:55〜)
同一個体?のクロツグミ♂が戻ってきたようです。
林床の落ち葉を嘴で左右に素早く跳ね除けて、下に隠れた虫を探しています。
クロツグミ♂の嘴は黄色いはずですが、この動画ではそう見えないので、私の同定が間違っているのかと不安になります。
高木清和『フィールドのための野鳥図鑑:野山の鳥』を紐解いてクロツグミの食性を調べると、
地上を跳ね歩いて餌を採る姿はツグミに似て落葉や土をくちばしでかき分けて餌を探す。(中略)食性:昆虫類、幼虫、クモ類、ミミズ類、木の実(p86より引用)
バードリサーチニュースの生態図鑑でクロツグミの食性を調べると、
主に地上で昆虫やムカデ,ミミズなどを食べる.木の頂で飛翔性の昆虫を捕食することもある.キヅタ,ヒョウタンボク,サクラ類などの実も食べる.ヒナにはミミズを多く運ぶ.
まさに図鑑の記述通りの採食行動をしています。
ただし、落葉めくりをする鳥は何種類も知られています。
シーン3:9/25・午前9:30・晴れ(@1:13〜)
驚いたことに、根曲がり巣穴の中にクロツグミ♂が一時侵入していたようです。
なぜ私が驚いたかというと、もしもテンやイタチなど肉食獣の巣穴だとしたら下手すると自殺行為になるからです。
逆に、野鳥が恐れることなく巣穴に入ったということは、(今は)肉食獣が棲む巣穴ではないのでしょう。
入巣シーンは撮り損ねたものの、巣穴から外に出て来る様子が撮れていました。
ピョンピョンと跳んで(ホッピング)出巣すると、そのまま右へ飛び去りました。
この時期の根曲がり巣穴には、野ネズミぐらいしか野生動物(哺乳類)は住んでいないようです。
他には暗所を好む昆虫(カマドウマ類?)が巣穴の奥に集結しているようで、それを狙ってタヌキが捕食しによく来ます。
関連記事(同所で同時期の撮影)▶ 根曲がり巣穴に潜り込んで虫を捕食しようと奮闘するホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】
今回のクロツグミ♂も、虫を食べるため巣穴に潜り込んだのでしょう。
※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。
こんな平地の森にもクロツグミが生息しているとは知りませんでした。
以前、この近くで猛禽?に捕食された黒い鳥の謎がこれで解けました。
関連記事(5ヶ月前の撮影)▶ 捕食されたクロツグミ♂?の羽毛が散乱するスギ林【野鳥のフィールドサイン】
つづく→
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