2023年6月下旬・午後14:30頃・曇のち晴れ
翅を開閉しながら吸蜜しています。
この組み合わせは初見です。
夏型の場合、翅表の色彩が淡いのは♀の特徴なのだそうです。(参考:『フィールドガイド日本のチョウ』p223)
ムシトリナデシコの花序を歩き回っていたキタテハ♀がバランスを崩しました。
体勢を立て直そうと羽ばたいたついでに、少しだけ飛んで移動します。
花から飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:37〜)
少し飛んで隣の花序に移動します。
伸ばした口吻の先端で花筒の入口を探り当てると、深く差し込んで吸蜜していることがスローモーションでよく分かります。
蜜標を目印にして訪花しているはずですが、花筒の開口部を探り当てるのに苦労しています。(視覚ではなく口吻の触覚に頼っているように見えます)
園芸品種のムシトリナデシコでは品種改良の結果、花弁の根元にあるはずの蜜標が目立たなくなってしまったのでしょうか?
紫外線写真を撮って確認してみたいものです。
ムシトリナデシコ(虫取撫子)がムシトリと呼ばれる理由は、茎に強い粘着性を有する区間があり、地上から登ってくるアリなどを吸着(捕虫)するからです。
関連記事(11年前の撮影)▶ ムシトリナデシコに来る虫の話
捕らえた獲物を体外消化する食虫植物ではなく、送粉に寄与しないアリなどの盗蜜者が訪花するのを排除するための進化的適応と考えられています。
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