2023年6月下旬・午後14:35頃・くもり
農村部の畑の横でヒメウラナミジャノメ♀(Ypthima argus)を見つけました。
道端に咲いたドクダミの群落で訪花吸蜜しているかと初めは思ったのですが、よくよく観察すると、地表の枯草に潜り込んで腹端を擦りつけています。
地面を歩き回りながら、あちこちの枯草に腹端をチョンチョンと付けています。
産卵中の腹端の動きをようやく側面からしっかり撮れました!
1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@1:17〜1:46)
ヒメウラナミジャノメ♀の産卵行動は初見です。
本種幼虫の食草はイネ科やカヤツリグサ科の生葉なのだそうです。
(『フィールドガイド日本のチョウ』p271より)
それなのに、食草ではなくわざわざ枯葉や枯草に産卵する行動が進化してきたのは不思議です。
寄生蜂への対策なのでしょうか?
しかし、ヒメウラナミジャノメの卵は薄い緑色なので、本来は緑の生葉に産卵する方が目立ちません(保護色)。
茶色の枯草に産み付けると逆に目立ってしまうはずです。
卵から孵化した幼虫は、近くに生えた食草を自力で探し出す必要があります。
鈴木知之『虫の卵ハンドブック』でヒメウラナミジャノメの産卵習性について調べると、
産卵場所は、枯葉・葉(イネ科のチヂミザサなど) 。♀は食草の葉裏や周辺の枯れ葉などに、1卵ずつ産卵する。(p109より引用)
産卵の合間に休息(日光浴)する際には、翅を開きました。
この♀個体には、後翅の外縁に切れ込み状の損傷があります。
左右対称の損傷なので、鳥に襲われかけたビークマークかもしれません。
(多数の眼状紋で威嚇していても、飛翔中は鳥に襲われることがあるのかもしれません。)
少し休むと、次の産卵を始めます。
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