2018年9月上旬
用水路沿いの農道脇に生えたヨモギの群落でマメハンミョウ(Epicauta gorhami)を見つけました。
ヨモギの大き目の葉に乗って身繕いしています。
後脚で腹背を掻いたり、中脚と後脚を擦り合わせたりしていました。
マメハンミョウは天敵に襲われそうになるとカンタリジンという強力な毒液を分泌することで有名です。
この黄色い毒液にヒトが素手で触れるとひどい水疱を生じてしまうので注意が必要です。
実際にカンタリジンは自然界でマメハンミョウの身を守るためにどれぐらい有効なのでしょうか?
下から登って来たクロヤマアリ(Formica japonica)のワーカー♀は、マメハンミョウを攻撃しませんでした。
出会い頭に触角で軽く触れただけで蟻は慌てて逃げ出しました。
化粧を済ませたマメハンミョウは向きを変え、ヨモギの茎を降り始めました。
実はすぐ下のヨモギ葉上には先程から緑色のニホンアマガエル(Hyla japonica)が香箱座りして獲物を待ち伏せしていました。
果たして狩りの瞬間が見れるでしょうか?
▼関連記事
毒虫アオバアリガタハネカクシを捕食したトノサマガエルが嘔吐
マメハンミョウは保護色のニホンアマガエルの存在を知ってか知らずか、その背中を無遠慮に踏みつけて行きました。
カエルは目の前から近づいてきたマメハンミョウを襲って捕食するどころか、踏まれてもちょっと身じろぎしただけで、跳んで逃げることもありませんでした。
マメハンミョウは有毒だと過去に身を持って学習した結果、捕食するのを忌避しているのだろう、というのが教科書的なストーリーです。
しかし東北地方のマメハンミョウは、毒を持っていることをアピールする警告色をなぜか失いつつあるらしいので、話がややこしいのです。
このカエルがたまたま満腹だったり、獲物にするには大き過ぎたのかもしれません。(飼育下で実験を繰り返してみないと分かりません)
ヨモギの茎の更に下方にはもう一匹のニホンアマガエルが潜んでいました。
全く気付かなかった私は動画の撮影を止めてしまい、2匹目のカエルとの遭遇戦は記録できませんでした。
マメハンミョウを捕獲して毒液カンタリジンを分泌する様子を動画に記録したかったのですが、手袋やピンセットを持って来なかったので、次回の宿題になります。
つづく→ヨモギの花と葉を食べるマメハンミョウ
0 件のコメント:
コメントを投稿