ヤマトシリアゲ♂がマルバゴマキの果実に留まって腹端から白濁した液体を1滴排泄していた場合、この液体は「尿(尿液)」と考えてよいです。シリアゲムシ成虫は固形の糞のほかに尿も排泄しますが、腹端から滴るように排出される白濁した液体は尿にあたります。
昆虫一般において、固形の糞とは別に尿としての水分や老廃物を含む液体が排泄されることが知られており、シリアゲムシも例外ではありません。オスが縄張りや求愛行動中に尿を排出することは生理的に自然な行為とされています。yamahaku.pref.yamaguchi+2
よって、その白濁した液体は尿である可能性が高いです。
餌となるマルバゴマキ熟果にベッコウシリアゲ♂が長々と居座っていたのは、おそらく♀に求愛給餌(婚姻贈呈)するためと思われます。
プレゼントが用意できたら♂は性フェロモンを放出して♀を誘引するらしいのですが、今回の排泄行為と関係あるのでしょうか?
シリアゲムシの♂は交尾相手の♀を誘引するために性フェロモンを放出します。複数の学術報告や観察から、オスは腹部を持ち上げる独特の姿勢をとりながらフェロモン腺を露出させ、フェロモンを放出してメスを誘引する行動が確認されています。この行動は餌のそばで行われることが多く、メスを呼び寄せて交尾の機会を増やす目的があります。またオスは餌(死んだ昆虫など)をメスにプレゼントするため、その場所でメスを待ち受けています。
この性フェロモンの放出はシリアゲムシ属の多くの種で見られる一般的な配偶行動であり、ヤマトシリアゲやキバネシリアゲなどでも報告されています。sizenkansatu+4
シリアゲムシの性フェロモンは一般的に目に見えない無臭の気体(揮発性の化学物質)とされています。成虫のオスは腹部を持ち上げてフェロモン腺を露出し、この気体状の性フェロモンを放出してメスを誘引します。
一方で、オスが腹端から白濁した水滴を排泄する観察例がありますが、これは性フェロモンそのものではなく、排泄物(尿)である可能性が高いです。研究報告では、シリアゲムシはフェロモン放出行動と同時に唾液を吐いたり、尿を排泄することがあり、白濁した液体が性フェロモンであるという直接的な証拠はありません。したがって、白濁した液体を性フェロモンと考えるのは誤解であり、この液体は生理的な排泄物と理解するのが妥当です。shinshu-u+2
まとめると、性フェロモンは無臭の気体であり、目に見える白濁した水滴が性フェロモンである可能性は非常に低いです。
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