前回の記事:▶ アリに噛まれて飛び起きたパートナー♀を心配するニホンザル♂
2022年10月上旬・午後13:55頃・くもり
山間部の峠道にニホンザル(Macaca fuscata fuscata)の♀♂ペアが居座って、長々と相互毛繕いしています。
普段の私なら離れた位置に留まって野生動物を動画でじっくり長撮りするのですが、この日はどうしても猿の横を通り過ぎて道を先に進まないといけない用事があり、少し急いでいました。
どのぐらい効果があるか分かりませんが、ニホンザルを警戒させないように、まず迷彩柄のマスクを装着しました。
猿が油断して2頭とも下を向いたときに忍び足でゆっくり近づき、顔を上げたら停止する、という「ダルマさんが転んだ」作戦のスタートです。
逃げられても仕方がないと思いつつやってみたら、「餌付け」しなくても至近距離(2〜3m)まで近づくことができました。
ブラインドに隠れるのではなく、野生動物に自分の身をあえて晒して丸見え状態で慣れてもらう「ヒト付け」はフィールドワーカーの達人の極意ですが、その真似事に成功したようです。
もしかすると、これまで山中で何度も遭遇したことのある群れの一員で、私のことはすっかり顔馴染みだったのかもしれません。(「またアイツか…」)
注意点としては、餌を決して与えないことと、決して猿の目を直視しないことです。
手元のデジカメのバックモニターまたはファインダーを常に見るようにします。
ニホンザルと直に視線を合わせてしまうと、彼らの世界では喧嘩を売ってることになります。
「何だてめぇー、ガンつけやがったな!」
女子供の場合は怒った猿に襲われるリスクさえありますから、真似するときは自己責任でご注意ください。
女性や子供は大人の男性に付き添ってもらうか、サファリパークのように車中から観察するようにした方が安全でしょう。
(私が女子供に差別意識がある訳ではなく、ニホンザルの習性として現実がそうなので、ヒトの世界のポリコレをニホンザルの世界に持ち込んでもどうにもできません。)
こちらが常にゆっくり動く姿を見せることで「いざとなったら自分たちの方が素早く逃げられる」という自信を猿にもたせることができます。
「鈍臭い奴だな〜」と良い意味で舐めてくれたら、ニホンザルに近づいても怖がらなくなります。
よほど私のことを人畜無害と信頼してくれたのか、互いに毛繕いしながらチラチラとこちらを見つつも、全く逃げようとしませんでした。
目の前の路上に黄色い落ち葉がハラハラと舞い散っても、ニホンザルは気にしません。
後半はさすがに緊張したように起き上がって逃げ腰になりましたが、それでも対他毛繕いを続けています。
ひょっとすると私から餌をもらえるのかと期待していた可能性もありますが、深刻な猿害問題を知っている私は野生ニホンザルに給餌したことは一度もありません。
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