2016年6月上旬
高圧線の鉄塔に営巣したハシボソガラスの定点観察#1
郊外に送電する高圧線の鉄塔a#21にハシボソガラス(Corvus corone)が営巣していました。
鉄塔の上部に小枝を組み合わせて丸い座布団のような巣が作られています。
私が下からカメラを向けた途端に、カラスが巣から飛び去りました。
営巣段階がどのぐらい進んでいるのか、下から見ても全く分かりません。
造巣を始めたばかりなのか、抱卵中なのか、それとも既に雛鳥が孵っているのでしょうか?
親鳥はすぐに巣へ戻ってきました。(帰巣シーンは撮り損ね)
巣に座ってキョロキョロ辺りを見回している親鳥の細い嘴が見えたので、このとき初めてハシボソガラスと分かりました。
次に出巣したのは私が構えていたカメラを下ろした瞬間だったので、やはりかなり警戒しているようです。
電力会社にすぐ駆除されそうですが、定点観察に通ってみます。
実は高圧線を支える一つ隣の鉄塔bにも同様の巣を見つけたのですけど、使われている様子はありません。(写真は次回)
カラスの偽巣(dummy nest)なのかな?
『カラスは街の王様だ』p13によると、
ハシボソガラスの巣は落葉広葉樹やマツなどの明るい樹枝上に割と開放的に作られるのに対し、ハシブトガラスではクスなどの常緑広葉樹の樹冠部の茂みにひっそりと作られる傾向がある。(中略)巣の高さは、警戒心の強さを反映してか、一般にハシブトガラスの方が高い。
同書p143によると、
カラス類では、偽巣と呼ばれる、実際には使用しない巣を造ることがよくある。
【追記】
松原始『カラスの教科書』p48によると、
(ハシブトガラスおよびハシボソガラスの)両種ともに好きなのは高圧送電線の鉄塔だ。営巣場所などいくらでもありそうな場所でさえ送電鉄塔に営巣している場合があるから、「他になくて仕方なく」とも限らない。普通は巣が見えるのを嫌うハシブトガラスでさえも、だ。あからさまに、どこから見ても丸見えだと思うのだが、カラスの基準ではあれで「囲まれている」事になるのだろうか。高さがあれば、見えても巣が守れるからいいのか。
つづく→#2:親鳥が巣から雛の糞を捨てに行く
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