2023年4月下旬・午前10:45頃・晴れ
広大な刈田の上空で1羽のトビ(Milvus migrans)が鳴きながら逃げ回っていました。
♀♂番 と思われる2羽のハシボソガラス(Corvus corone)がしつこく空中戦を仕掛けています。
カラスはトビよりも体格で劣るものの、空中で敏捷に小回りがききます。
刈田の上空で上昇気流に乗って帆翔しているトビは、次々に襲い来るカラスの攻撃をひらりひらりとかわすしかなく、反撃できません。
空中戦の合間にハシボソガラスの嗄れ声がかすかに聞こえます。
トビは鳴き声のバリエーションが乏しく、モビングされている間もピーヒョロロ♪と甲高い声で鳴きました。
※ 鳴き声が聞き取れるように動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。
途中でハシボソガラスの1羽がモビング(擬攻撃)から離脱しました。
やがてカラスが2羽とも居なくなった後、ホッとしたトビが私の真上を帆翔してくれました。
よく晴れた青空を背景にトビを間近から見上げると、尾羽の縁が摩耗した個体でした。
カラスに引き抜かれたのか、それとも換羽中なのかな?
しばらくするとカラスがまた戻ってきて、トビにモビングを再開。
いつもより激しいモビングでした。
ハシボソガラス♀♂の縄張り(営巣地の周辺)から追い出すまで続きます。
春はカラスの繁殖期が始まり、猛禽への敵対心が最大限に高まっているのです。
私の知る限りトビはカラスの卵や雛を捕食しないはずですけど、カラスは猛禽の種類を識別できず無差別にモビングするようです。
トビにとっては、濡れ衣のとばっちりですね。
この2種はスカベンジャー(屍肉食の掃除屋)としてのニッチが同じなので、ライバルを縄張り(餌場)から追い出したいのかもしれません。
ハシボソガラスの巣がどこにあるのか、見つけられませんでした。
空中戦になるとカラスの方が優位なので、どうしてもトビが可哀想に写ります。
しかし、トムとジェリーの追いかけっこのように連日飽きずに繰り返しているとしたら、意外とトビは顔馴染みのカラスを挑発してスリルを楽しんでいるのかもしれません(性格の悪いトビの遊び?)。
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