2024年6月中旬
シーン0:6/7・午後13:40・晴れ(@0:00〜)
明るい昼間にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。
山林に湧き水が年中滲み出す湿地があり、浅い水溜りを水場として利用しに来る野生動物や野鳥を観察するために、旧機種の自動撮影カメラで見張っています。
シーン1:6/14・午後18:05〜(@0:06〜)日の入り時刻は午後19:06。
夕方になって監視カメラが起動したのは、至近距離で小さなクモ(種名不詳)が垂直円網を張り始めたからでした。
10倍速の早回し映像でお届けします。
変温動物の動きには反応しないはずなのに、センサーの反応性を高感度に設定すると旧機種のトレイルカメラは誤作動してしまうようです。
クモが巣を作ったのは湿地帯に隣接するスギ植林地の林縁で、スギの木の下に横枝や下生えなどを足場として利用しているようです。
ピントが全然合っていませんが、クモは粘着性のある横糸を密に張りながら螺旋状に動き、次第に円網の中心に向かっています。
円網の中心で放射状の縦糸が合流する中心部分を甑 と呼ぶのですが、風で揺れる甑が白くぼんやり見えています。
横糸を張るクモの螺旋運動の半径がどんどん小さくなります。
午後18:25には横糸を張り終えて円網が完成したようで、クモは甑に下向きで占座しました。
垂直円網は風で絶え間なく揺れています。
日没前の約20分間で横糸を張り終えたことになります。
クモはなぜこの場所に造網したのでしょうか?
現場は湿地帯に隣接するスギ植林地の林縁で、風通しは良さそうです。
スギの木の下に横枝や下生えなどを足場として利用して網を張ったようです。
夜に赤外線の暗視カメラが頻繁に起動しますが、可視光を発していませんから、走光性の虫は集まってこないはずです。
シーン2:6/14・午後19:33(@1:24〜)
辺りが完全に暗くなると、監視カメラが照射する赤外線を反射してクモの円網がとてもよく見えるようになりました。
クモの巣がレースのように夜風に揺れて美しいのですが、奥の水場に来る被写体がほとんど見えなくなってしまいました。
シーン3:6/15・午後19:19(@1:40〜)日の入り時刻は午後19:06。
クモは基本的に毎晩、獲物捕獲装置としての円網を取り壊して張替えます。
しかし翌日には、クモが網の横糸を張り直す行動がなぜか録画されていませんでした。
夕方に無風だったのかな?
日没直後に監視カメラが起動したときには、新しく完成した円網が夜風に揺れていました。
円網の位置が前日から少しだけずれています。
水場に来たイノシシが立てる物音(泥浴び、ヌタ打ち?)がかすかに聞こえます。
※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
※ イノシシの物音が聞き取れるように、動画の一部は編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。
【考察】
昼間にトレイルカメラを設置したときにはクモの網が取り壊されていて無かったので、こんな撮影トラブルはまったく予想できませんでした。
トレイルカメラのすぐ近くで網を張るクモは撮影の邪魔なので、次回からは造網の足場となりそうな、枯れた横枝や下生えをきれいに取り除きました。
こういう予想外のトラブルがあるので、トレイルカメラの保守作業に通う間隔を開け過ぎてしまうと、せっかく長期間設置しても狙った被写体がほとんど撮れていなくて悔しい思いをすることがあります。
徘徊性のザトウムシ(クモの遠い親戚)にはまた別の問題があり、なぜかトレイルカメラのレンズの上に被さるように長時間居座って、撮影の邪魔をします。
関連記事(同時期の撮影)▶ トレイルカメラのザトウムシ対策で粘着トラップを試してみる(その1)イモムシの捕獲
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