2023年11月上旬・午後17:05頃・気温15℃(日の入り時刻は午後16:40)
林床に積もった落ち葉を踏みしめる足音を忍ばせながら、1頭のタヌキがアナグマの巣口Rの横を通り過ぎました。
しばらくすると(約15秒後)、アナグマが巣穴Rの奥から顔だけ覗かせて外の様子をうかがいました。
このアナグマは左右の目の大きさが均等なので、ここで出産・育仔した母親♀ではない別個体です。
その間に、もう1頭のタヌキは、別の巣穴L付近で何か小さな虫を捕食しようとしています。
おそらく穴居性のカマドウマ幼虫だと思うのですが、アナグマの巣穴に居候している虫の大群がいて、それを狩ろうと様々な鳥獣が繰り返しやって来るのです。 (千客万来)
ここで虫がよく捕れることを学習した結果、採餌のためにタヌキが毎日巡回するルートにアナグマの巣口が含まれているのです。
録画が一旦打ち切られ、次にトレイルカメラが起動したときには、巣口Lにタヌキの姿はなく、常緑のヒメアオキ群落の奥で右往左往していました。
アナグマが巣穴Rから飛び出してきて、不届きな侵入者(タヌキ)を追い払ったようです。
巣穴の主である丸々と太ったアナグマは、逃げた侵入者を深追いしたり吠えたりすることなく、静かに巣口Lでタヌキの残り香を嗅いでいました。
これは赤外線カメラによる暗視映像で、暗闇で繰り広げられている事件だということを思い出してください。
※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。
【考察】
夏の間、この営巣地は長らくアナグマが不在でした
アナグマの空き巣に近所のタヌキが日夜やって来ては、巣口を点検したり虫を捕ったりしていました。
秋が深まると、越冬のためにアナグマが再び巣穴に住み着くようになったようです。
隣近所に住むホンドタヌキとニホンアナグマが営巣地でニアミスするシーンを録画できたのは、これが初めてかもしれません。
図々しくセットに侵入したタヌキをアナグマが撃退する決定的瞬間を撮り損ねたのは残念です。
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