2023年10月下旬・午後14:45頃・くもり
山道の脇で灌木の葉をのんびり採食していたニホンカモシカ♀(Capricornis crispus)が急に身を翻して林道に出てきました。
明らかに緊張した表情です。
後で分かったことですけど、2人の登山客(キノコ狩りの老人♂)がつづら折れの山道を下から登ってきたのをカモシカが鋭い聴覚で聞きつけたのです。
動画の音量を上げても聞き取れませんが、模範的な登山客は熊よけの鈴を鳴らし、携帯ラジオも大音量で鳴らしていました。
(これで熊よけスプレーも持参していたら、ツキノワグマ対策は万全です。)
この騒音を嫌った野生のカモシカ♀は、助走をつけてから林道の法面を駆け上がり、逃げて行きました。
若い雑木が生い茂る斜面に隠れると、カモシカの地味な灰色の毛皮はまるで目立たなくなります。
カモシカの逃避行動(逃走シーン)を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:18〜)
今回は道幅が広い上に山道の両側にカモシカの逃走経路が残されていたから良かったものの、狭い山道の前後をヒトに挟まれて追い詰められたと感じたカモシカは、パニックになって私の方に突進してきた可能性もありそうです。
いざというときのために、私もフィールドでは熊よけスプレーと鈴を常に携帯しています。
熊よけの鈴は、TPOに応じて消音できるストッパー付きの物が便利です。
以上で三部作の完。
野生のカモシカに餌付けなんかしなくても、じっくり時間をかけて人馴れ(ヒト付け)させれば、このように長時間の直接観察が可能です。
やり方が分かれば、あとはひたすら山に通って観察の回数を増やすだけです。
【追記】
時と場合によって違うようですが、ニホンカモシカの中には、登山者が鳴らす熊よけの鈴の音を聞くと、逆に興味津々で近寄って来る個体がいます。
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