2021/12/05

山道の溜め糞を匂っただけで通り過ぎるホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2021年9月上旬・午前2:12・気温11℃ 

里山の山道に設置した無人センサーカメラ(トレイルカメラ)の前を深夜に横切るホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の姿が撮れていました。
前回の記事:▶ 夜の山道で溜め糞に排便するホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】
4日前にはこの溜め糞(画面中央)で排泄したのに、今回はなぜか匂いを嗅いだだけで通り過ぎました。 
縄張り内で異常が無かった溜め糞では排便しないのかな? 
糞によるタヌキ同士のコミュニケーションを調べるには、タヌキの個体識別ができるようにならないといけません。 
同一個体か別個体か分かりませんが、前回と今回は山道をパトロールする方向も逆でした。 

【追記】
今泉忠明『動物たちの可愛いウンチ』を読み返すと、「タヌキは共同トイレを使用」という章がありました。
・タヌキは尾根道など比較的開けたところに溜糞をすることが多い(p190より引用)
・タヌキは糞の山が自分たちのものであろうとなかろうと、共同トイレを利用する(p192より)
・見知らぬタヌキの糞があると、最初は15〜30秒も嗅いでいる。自分の糞に関しては2〜5秒がふつうだから、きわめて興味をもって嗅いでいる(中略)次の回からは興味は急激に薄れ、2、3回目からは自分のものとの時間差はなくなる。(p192より)
・1頭のタヌキは、自分の行動圏内にほぼ10ヶ所の溜糞をもっている(中略)1つの溜糞を複数のタヌキが利用しており、季節によって使用する頻度が異なり(p193より)
・行動圏はお互いに重なりあっており、それぞれの溜糞のうちのおよそ4割を共有している。(p194〜195より引用)


【追記2】
以下の写真はトレイルカメラによる動画撮影から10時間後に私が現場に来たときの溜め糞cの様子です。
新鮮な糞は残っておらず、古い糞は生物分解が進んでほとんど原形を留めていません。
地面に黒い染みのような跡が残っていました。

溜め糞の横にキノコが育っていました。
獣糞や死骸の近くに生えてくるキノコ(アンモニア菌など)があるらしいので、これから勉強していきます。
溜め糞を栄養にキノコが成長する過程を微速度撮影してみるのも面白そうです。






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