2022/12/25

ミズナラの幹を登るトゲアリ♀の行列:仲間の成虫を運んで引っ越し

 

2022年8月中旬・午後13:10頃・くもり 

里山の尾根道の横に立つ朽ちかけたミズナラの幹にトゲアリPolyrhachis lamellidens)の行列ができていました。 
仲間の成虫を大顎で咥えて運んでいるワーカー♀が居たので、新しい巣へ引っ越し中なのだと分かりました。 
アリの死骸を餌として巣に運んでいるだけかと初めは思いましたが、運ばれているアリの胸から赤い棘が生えているのが見えたので、同種の成虫と分かります。 
運んでいるのは羽化直後の若い成虫だと思います。 
女王アリなら体長がもっと大きいはずです。 
互いに向かい合って大顎で噛み合い、怪力で持ち上げると前進で木登りしてます。 
荷物が樹皮にひっかかって登りにくいときは、少し登る向きを変えて角度をずらして障害を乗り越えます。 
空荷で登る後続の個体に追い越されたり、上から降りてくる個体とすれ違ったりしています。 
追い越す際には触角で触れて同じコロニーの仲間だと確認していました。 
コロニー引っ越し作業の序盤なのか終盤なのか分かりませんが、他に卵や幼虫・蛹を運んでいるワーカーは居ませんでした。 
ムネアカオオアリの引っ越しは過去によく見かけたのですけど、トゲアリでは初見です。
▼関連記事(0、11年前の撮影) 
仲間を運んで引っ越すムネアカオオアリ♀の行列 
仲間の成虫を咥えて引越しするムネアカオオアリ

トゲアリの行列は朽ちかけたミズナラの幹の洞を通り過ぎて更に登っていました。
新しい営巣地を突き止められませんでしたが、樹洞内にあるはずです。 
辺りでミンミンゼミ♂が鳴いています♪ 

マクロレンズを装着しようか迷いました。
もたもたしている間に成虫を運搬する個体が私の届かない高さまで登ってしまいそうだったので、通常のマクロモードで接写しました。 
レンズをあまり近づけ過ぎると、肝心の被写体が影になってしまいます。 

営巣には洞の出来るようなある程度太い、一定の樹齢のある樹木が必要なため、あまり若く細い樹木ばかりの林にはほとんど生息していない。 営巣 ある程度太い、樹齢のある樹木の根元近くにある洞等を巣に利用していることが多い。樹種はコナラを筆頭に、クヌギ、スダジイ、サクラ等が多い。原則としてこれらは即ち、後述の寄生対象である宿主アリが営巣していた場所ということになる。ただ、何らかの理由で環境が悪化すると、一旦乗っ取りに成功して繁栄した巣穴を捨てて、近距離の別所に引っ越す場合もある。 本種は他のアリのコロニーに一時的に寄生する一時的社会寄生を行う。wikipedia:トゲアリより引用)



関連記事(1年後の撮影)▶ 幼虫を運んで引っ越しをするトゲアリ♀の行列 

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