2022年7月中旬・午後19:13頃(日の入り時刻は午後19:06)
コンクリートブロックで護岸された川岸の獣道を自動撮影カメラ(トレイルカメラ)で監視してみて、一番驚愕したのはツキノワグマ(Ursus thibetanus)が登場したことです。
暗闇の暗視映像で一瞬、黒猫かと思ったのですが、かなりの大型獣なので熊と判明しました。
当地は山に囲まれているため、西の山の陰に日が沈むと暗くなり始め、日の入り時刻の直後(黄昏時)にはもうだいぶ暗いです。
カメラを固定したニセアカシアの木の幹の根際の匂いを嗅いでいました。
トレイルカメラの高さは地上から約150cm 。
爪研ぎなどはしないで、すぐに右へ(川岸を下流へ)立ち去りました。
熊の鼻息がかすかに聞き取れます。
短い登場シーンを1/3倍速のスローモーションでリプレイ。
※ 動画編集時に自動色調補正を施して明るく加工しています。
※ 音声を正規化して音量を強制的に上げています。
こんな平地の河畔林にツキノワグマが生息するとは知りませんでした。
しかも日没の直後(7分後)に現れました。
こんな貧弱な(ニセアカシアばかりの幅の狭い)河畔林に迷い込んだ熊が気の毒です。
植生を見る限り、ツキノワグマを養えるほど豊かな環境とは思えません。 (ドングリの木が少ない)
おそらく山では強い個体に負けて縄張りを持てずに、低地の川沿いに押し出された(進出する羽目になった)若くて弱い個体ではないかと想像します。
あるいは繁殖期に♀を探し歩く♂なのかもしれません。
ヒトと不幸なニアミスを起こさないように祈ります。
トレイルカメラの電池を交換する際に、撮れた映像を現場でチェックするのですが、熊が写っていたので戦慄しました。
これ以降、私は平地の河畔林でも油断せずに護身用の熊よけスプレーを必ず持参するようになりました。
山形県が公式にまとめている「令和4年ツキノワグマ目撃マップ~やまがたクマっぷ2022~」(Googleマップへのリンク)を参照すると、現場の近くで目撃例があるようです。
ヤマケイ新書 田口洋美『クマ問題を考える:野生動物生息域拡大期のリテラシー』を読んで、勉強になった箇所を抜き書きさせてもらいます。
・東北地方の山岳帯では4月下旬から5月中旬頃になると、成獣のオスの行動範囲が広がりはじめ、動きに落ち着きがなくなってくる。それは5月中旬頃から7月下旬頃にかけて交尾期を迎えるため
・山形や宮城などの南奥羽地域では、ツキノワグマが人間を襲い捕食するという話はほとんど耳にすることができない
・ツキノワグマは河川をまったく怖がらない。平然と渡り、平然と泳ぎもする・都市を貫流する河川は大型獣の移動路であり、泳ぎ下るものすらある。
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