2011/01/12
ヒメクモバチの採土と泥玉作り1
2009年10月中旬
個体識別のマーキングを施したヒメクモバチ(旧名ヒメベッコウ)の一種♀(種名不詳)の定点観察(17日ぶり)。
巣作りに先立って巣材の泥を集めて来るのですが、一連の作業を初めて通して観察することが出来ました。
背中の白点マークが目立つので、地味で小さい蜂でも見失うことなく追跡できるのです。
巣から飛び立った蜂は目の前の草地に降り、先ず朝露を飲み干します。
次に近くの崖(というと大袈裟ですが)まで移動し、大顎と前脚で地面を掘り採土します。
帰巣の途中で足を止め、水を吐き戻しながら土粒を咀嚼し滑らかな泥玉に練り上げます。
これを巣材として泥巣に塗りつけるのです。
同じ作業を飽かずに繰り返します。
意外と近い所から繰り返し採土して来ることが分かりました(泥巣から直線距離で3mぐらい)。
吸水も毎回行なう訳ではありませんが、葉上の水滴が無くなるまで同じ場所を記憶している様子。
この日は巣上で泥玉を置く位置は毎回まちまちで、育房群の全体を泥で塗り潰そうとしていました。
口は泥玉を作るときだけ使い、腹端は塗りつけのときだけと効率よく使い分けています。
(パート2に続く)
※ 造巣行動の流れを分かり易く示すために、同じ日に撮った映像の順番を一部入れ替えて再構成してあります。
《参考》 『ハチの生活』 岩田久二雄 岩波科学の本 p151-
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