2020/06/11

食べ残したクルミを貯食するハシボソガラス(冬の野鳥)



2020年1月上旬・午後12:30頃・小雪

小雪がちらつく午後に、ひと気のない広い駐車場でハシボソガラスCorvus corone)が割れたクルミの堅果をほじくって食べていました。
オニグルミの固い殻を空中から舗装された地面に何度も投げ落として割ったと思われますが(※)、お馴染みのクルミ割り行動は今回見逃してしまいました。

※ 駐車場に車は一台も停まっていませんでした。
したがって、停車中の車のタイヤの前にクルミを置いて発進時に割らせる作戦を行ったとは考えにくいです。

カラスのすぐ横には未だ割れていないクルミの実(黒っぽい)がもう一つ転がっています。
割れた殻の中身をほじくって栄養豊富な実を食べ終えると、ハシボソガラスはもう満足したようです。
私にじっと見られているので、警戒して食欲が失せたのかもしれません。

カラスは食べ残したクルミの殻を嘴で拾い上げると、トコトコ歩いて駐車場を横断しました。
ときどき小走りになりながら駐車場の端まで持って行くと、枯れた草むら(セイタカアワダチソウの群落?)の根際にクルミの実を埋めて隠しました。
カラスの貯食行動をこれほどしっかり観察できたのは初めてです!
近くで別個体が嗄れ声で鳴いていますが、食料を隠す現場を見られると仲間に盗まれてしまうので注意が必要です。

駐車場に戻ってきたカラスの嘴にはクルミの実は無くなっていました。
ひと仕事終えたカラスは「やれやれ」と言わんばかりに、路面に嘴を擦り付けて拭います。
ふわりと飛び上がると、横に建つ高い塀の天辺に止まりました。
食料が乏しい冬の間、カラスは貯食した場所をどれだけ記憶しているのでしょう?
もし忘れてしまったら、今回埋めたクルミの実は割っていませんから、リスや野ネズミのようにハシボソガラスもクルミの種子散布に貢献することになります。

今思えば、撮影直後にハシボソガラスが貯食したクルミを探しに行くべきでしたね。
もしかしたら他の餌や宝物がザクザクと出てきたかもしれません。
しかし盗掘現場をカラスに見られたら、人間不信になったり一生恨まれたりしそうです。(食べ物の恨みは恐ろしい)


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