2020/06/10

訪花中のベニシジミにヒメウラナミジャノメが誤認求愛?



2019年6月中旬・午後15:40頃

川沿いの堤防に咲いたキリンソウの群落でヒメシジミ♂(Plebejus argus micrargus)とベニシジミLycaena phlaeas daimio)が仲良く並んで花蜜を吸っていました。

吸蜜中のヒメシジミ♂は青い翅表を全開にしていますが、ベニシジミは半開きだった翅を途中からしっかり閉じてしまいました。
右に居たヒメシジミ♂が先に飛び去った後で、ちょっとした面白い事件が起こりました。
まずは1/5倍速のスローモーションでご覧下さい。
その後に等倍速でリプレイします。

ヒメウラナミジャノメYpthima argus)が左から低空で飛来すると(@1:13)、一度は通り過ぎたのに戻って来ました。
そしてベニシジミの真上で激しく羽ばたいてホバリング(停飛)しました。
これは誤認求愛なのでしょうか?
所属する科も違うのに、たまたま翅を閉じていたベニシジミの翅裏の色合いや斑紋がヒメウラナミジャノメの目には同種の異性(他人の空似)に見えたのかもしれません。
急にちょっかいをかけられたベニシジミが飛んで逃げると、ヒメウラナミジャノメはすかさず追尾します。
しかしすぐに相手が別種だと気づいたようで、ヒメウラナミジャノメはどこかへ飛び去りました。
ベニシジミは一回り飛んだだけで、近くのキリンソウの花にすぐ舞い戻ってきました。
もし蜜源植物を巡る縄張り争いだとしたら、ヒメウラナミジャノメは戻って来たベニシジミを許さず執拗に追い払うはずです。

一瞬の出来事で、残念ながら私にはヒメウラナミジャノメおよびベニシジミの性別が見分けられません。
映像だけで性別が分かる達人がいらっしゃいましたら教えてください。
ヒメウラナミジャノメ♀♂の正常な求愛行動も未見です。


【追記】
かなり古い本ですが、『原色日本昆虫生態図鑑IIIチョウ編』(1972年)でヒメウラナミジャノメについて調べると、
樹林を好むジャノメチョウ科としては珍しく花によく集まり、(中略)♂は互いに追飛を行なうがなわばりはつくらない。交尾飛翔型は←♀+♂。(p243より引用)



ベニシジミ春型(左)+ヒメシジミ♂(右)@キリンソウ訪花吸蜜

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