2019年8月上旬・午後14:38〜15:16・快晴・猛暑
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葛の葉を切り取るクズハキリバチ♀【HD動画&ハイスピード動画】
クズハキリバチ♀(Megachile pseudomonticola)が巣材を集める行動を今季になってようやく観察できたのが嬉しくて、5日後にもいそいそと撮影にやって来ました。
川岸に蔓延るクズ群落に巣材集めに通って来る複数個体を撮影。
240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:38〜)
蜂はクズの葉縁にまたがって下へ下へと大顎で噛み切っていきます。
丸く(卵型または楕円形)切り取られる葉片をふたつ折りに曲げながら腹面に脚で抱えます。
切り落とす直前に羽ばたきを始め、巣に向かって飛び去りました。
無駄のない流れるような匠の技を何度見ても惚れ惚れします。
クズハキリバチ♀の営巣地を突き止められなかったのが残念でした。
葉片を空輸すると空気抵抗がかなり大きくなるようで、帰巣速度はゆっくりです。
蜂を見失わないように走って追いかけたら巣まで辿り着けるかな?
翌年も次世代の♀が同じ場所で巣材を集めるのか、とても気になります。
(そもそも、どうして複数個体♀が同じ場所で巣材集めに来るのでしょう?)
【追記】
小松貴『絶滅危惧の地味な虫たち (ちくま新書)』によると、
(クズハキリバチは)ハキリバチの例に漏れず、古木に空いた小穴や竹筒、地面の裂け目といった空隙に営巣する。そして、巣材として道端に茂っているクズの葉を利用する習性を持っている。本種のクズの葉に対する執着はかなり強く、他種の植物の葉は周囲にクズが生えていない場合に限り、やむを得ず利用する程度だという。また、営巣地点から約10メートル以内にある至近のクズ群落から、葉の切り出しを行う傾向が強い。(p175より引用)
私が観察した事例では、葉の切り出し地点と営巣地は明らかに10m以上離れていました。
飛ぶ速度は比較的遅く、しかも至近に営巣箇所があるはずなので、跡を追いかけると比較的簡単に巣まで誘導してもらえる。(同書p176より引用)
今回は撮影を優先しましたが、次に機会があれば、私も巣材を持ち去るクズハキリバチ♀を追いかけてみることにします。
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