2024/07/31

給餌場でオニグルミ落果の果皮を剥いてから運び去る野ネズミ【トレイルカメラ:暗視映像】

前回の記事(前年に撮影):▶ フクロウ襲撃前後の野ネズミのオニグルミ堅果運搬作業【トレイルカメラ:暗視映像】 


2023年10月下旬 
野外に様々な木の実(堅果)の給餌場を設けて、どんな野生動物がやって来るかトレイルカメラで撮影するプロジェクトをこの秋も始めました。 
昨年やり残した課題が幾つかあるのです。 
餌場の場所は昨年(2022年)と全く同じで、里山の林道脇の法面に生えたカラマツ大木の根元にある窪みです。 
まずは緑色の果皮がついたままのオニグルミ落果を拾い集めてきて、給餌場に山盛りに積み上げて置きました。 
昼行性のニホンリスや夜行性の野ネズミ(ノネズミ)がクルミを持ち去って貯食することを期待しています。 
前年にはオニグルミの果皮を予め剥いた殻付きの堅果を給餌したのですが、今季は過保護にするのを止めました。 
緑色の果皮が一部は茶色くなりつつあり、白カビが生えかけたものも混じっています。 
(放置すると最終的にオニグルミ落果の果皮は真っ黒に腐って自然に剥がれ落ちます。)
オニグルミ落果を見つけた野ネズミはその場で果皮をかじり取ってから貯食のため持ち去るでしょうか? 
それとも、果皮の付いたまま持ち去って、そのまま地中に埋めて隠すのでしょうか? 

カラマツ根元の窪みからクルミが溢れそうになったので、メインの右側に30個、左側に6個と2箇所に分散して置きました。 
野ネズミが餌場でクルミを物色する際に、丸いクルミが斜面からゴロゴロと転がり落ちることが予想されます。 
餌場の下にストッパーとして落枝を何本も並べておくことにしました。

 


シーン0:10/24・午前10:03・晴れ(@0:00〜) 
明るい時間帯にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
30個のオニグルミ落果の山が画面の中央に置かれていて、残り6個の山は左側にあるはずなのに、画面にはしっかり写っていません。 


シーン1:10/25・午後22:39(@0:04〜) 
夜な夜な林床で餌を探し回っていた野ネズミがようやく給餌場を見つけました。 
オニグルミの落果を転がしたりして、物色しています。 
興奮したように右往左往してから、選んだ落果の果皮をその場で剥き始めました。 
オニグルミの果実を前足で転がしながら、果皮を口で細かく噛み千切っては横に吐き捨てています。 
オニグルミの果皮には大量のタンニンが含まれていて渋いはずなのに、野ネズミは平気なのでしょうか? 
果皮を吐き出すにしても、口内の舌や粘膜のタンパク質が変性しないのかな?
90秒間の録画時間内には持ち去りませんでした。 


シーン2:10/25・午後23:13(@0:04〜)
次に野ネズミが給餌場に来るまで、だいぶ時間が開きました。 
クルミを選んでいる間に警戒してしばらくフリーズしていました。 
警戒を解くと、前回と同じ場所で果皮を剥き始めました。 


シーン3:10/25・午後23:23(@2:41〜) 
次のクルミを選ぶと、邪魔な果皮を剥き始めました。 
なぜか途中で作業を止めて、左の餌場へ移動しました。 
何が気に入らないのか、クルミを持ち去ることなく、左へ立ち去ってしまいました。 
やはりオニグルミ果皮に含まれるタンニンの渋さに辟易しているのかな? 


シーン4:10/26・午前3:04(@3:44〜) 
日付が変わった翌日の未明に、野ネズミが再び餌場に現れ、クルミ落果を選んでいました。 
カビ臭いのが嫌いなのか、あちこちで果皮を少しずつかじって回るだけです。 


シーン5:10/26・午後20:59(@4:02〜)
 夜行性の野ネズミは、明るい日中には巣穴に戻って寝ているので、夜にならないと餌場に現れません。 
果皮を剥く作業を途中で中断してしまい、斜面を探索し始めました。 
オニグルミを貯食する場所を予め探しているのかな? 
シシガシラという常緑シダ植物の下に潜り込んだところで録画終了。 


シーン6:10/26・午後21:05(@5:11〜) 
左右の餌場を順に訪れて果皮を少し剥いてから、斜面を左下へ立ち去りました。 


シーン7:10/26・午後21:07(@6:07〜) 
野ネズミが右の餌場Rの窪みから顔を出しました。 果皮を齧って剥き始めても、途中で止めて別のクルミに浮気するため、最後まで剥き終わりません。 

後半はようやく一つのクルミに集中して、果皮を剥き続けるようになりました。 
5倍速の早回し映像でご覧ください。 
作業の途中でクルミが斜面をうっかり転がり落ちてしまいました。 
幸いすぐ下の落葉で止まり、野ネズミは転がったオニグルミ堅果を取りに行きました。 


シーン8:10/26・午後21:11(@7:21〜) 
餌場の右下の斜面で野ネズミが立ち止まったまま動きません。 
至近距離で起動したトレイルカメラを警戒してフリーズしているのかな? 
目はしっかり開いたままなので、居眠りではありません。 
警戒を解くと、前脚で毛繕いをし始めました。 


シーン9:10/26・午後21:36(@7:46〜) 
右の餌場Rに来ていた野ネズミが、果皮向き作業を中断して左へ逃走しました。 
直後にツキノワグマが現れたので、接近を察知した野ネズミが慌てて逃げたようです。 



シーン10:10/26・午後22:04(@8:09〜) 
クマが立ち去り、ほとぼりが冷めてから、野ネズミが左の餌場Lに戻って来ていました。 
オニグルミの果皮を剥いています。 


シーン11:10/26・午後22:36(@8:27〜) 
左の餌場Lに来ていた野ネズミが右の餌場Rに移動し、果皮を剥き始めました。 
1.5倍に拡大した上で、5倍速の早回し映像でご覧ください。 


シーン12:10/26・午後22:38(@8:45〜) 
果皮をほぼ剥き終えたのに、なぜか野ネズミは餌場を右往左往しています。 
遂に、果皮を剥いたオニグルミの殻を口に咥えて左へ持ち去りました。 
オニグルミの殻の表面が真っ黒に見えるのは、タンニンで染まっているせいです。


シーン13:10/26・午後22:41(@9:16〜) 
右の餌場Rで次に選んだオニグルミ落果を齧って果皮を剥いています。 


シーン14:10/26・午後22:49(@9:34〜) 
餌場Rで一心不乱にオニグルミの果皮を剥いています。 
最後まで一度やり遂げてから(貯食の成功体験)、ようやく集中して果皮を剥くようになりました。 
殻付きのオニグルミ堅果を持ち去る前に、無駄な果皮を取り除き、少しでも軽くしたいのでしょう。 


シーン15:10/26・午後22:55(@9:52〜) 
餌場Rで果皮剥き。 
剥き終えたオニグルミ堅果を持ち去って貯食するシーンがなかなか撮れません。 


シーン16:10/26・午後23:02(@10:10〜) 
このところ野ネズミは餌場Rで物色に手間取らず、迷わずに果皮剥き作業を始めるようです。 
剥きかけのクルミを持って一段下へ移動してから、作業を続けます。 


シーン17:10/26・午後23:08(@10:28〜) 
餌場Rで果皮を剥いていた野ネズミが、うっかり隣のオニグルミ落果を給餌場からいくつも転がり落としてしまいました。 
こんなこともあろうかと私が予め置いていたストッパー(横に並べておいた数本の落枝)のおかげで、斜面の途中で丸いオニグルミ落果はすぐ止まりました。 


シーン18:10/26・午後23:14(@10:46〜) 
餌場Rで野ネズミがオニグルミの果皮を剥き終わると、その殻を咥えて左へ運んで行きます。 
運び方も慣れて、前回よりもスムーズになりました。 


シーン19:10/26・午後23:16(@12:01〜) 
野ネズミが次のクルミを物色中に餌場Rから転がり落としてしまいました。 


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 


後日に現場検証すると、餌場Rには野ネズミが剥いて捨てたオニグルミの果皮が黒変し、大量に残されていました。
オニグルミの落果5個が野ネズミに搬出されないまま、餌場R付近に残されていました。


落果を取り除いた後。黒変した果皮が散乱している。





【考察】
昼行性のニホンリスがオニグルミ落果を持ち去るのではないかと期待したのですけど、一度も現れませんでした。
リスの貯食行動を狙うなら、樹上などもっと出現頻度の高い地点で給餌しないといけないようです。

90秒間の録画時間では短すぎて、野ネズミが果皮を剥き終えてからオニグルミ堅果を持ち去るまでなかなか見届けられませんでした。 
次回はもっと長く設定する必要がありそうです。




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