大きさの比較のため、一円玉を並べてみる。 |
2016年7月下旬
低山の峠道にトチノキの種が落ちていました。
その種子に大きな丸い穴が一つ開いていました。
これはアカネズミ(Apodemus speciosus)が食べかけた食痕でしょうか。
普通は穴が2つ残るはずですが、この種に穴は一つだけです。
なぜか途中で採食を止めたのですかね?
それともアカネズミとは別な種類の齧歯類による食痕なのかな?
『哺乳類のフィールドサイン観察ガイド』p132より
アカネズミの代表的なフィールドサインといえば、オニグルミの「2つ穴食痕」だ。両側の合わせ目上に2つの穴を空け、穴から中身をかき出して食べる。内部にはかき出した際についた門歯(切歯)のひっかき傷が残る。固い殻のある食べ物は共通してこの食べ方をするらしく、オニグルミだけではなく、サワグルミやウメの種子も同じような2つ穴食痕になる。
インターネットで検索してみると、「吉野・大峰フィールドノート」というサイトで次の記事を見つけました。
●アカネズミとトチノキとの関係について
豊凶の差が少なく、毎年確実に大きな実をつけてくれるトチノキの堅果が、アカネズミの社会を維持していくには、とても重要となってくる。
トチノキの種子には、非常に毒性の強いサポニンが含まれていて、人がこれを食用にする際にもたいへんな手間と時間がかかる。したがって、アカネズミにとっては、まさに命がけの知恵比べがここでも繰り広げられているはずだ。
その場で見上げるとトチノキが枝葉を茂らせていました。
枝に実がなっていたかどうか、現場で確認するのを忘れました。
写真を見ても見当たりません…。
※ この記事は動画ネタではなく写真のみです。
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