2016年7月下旬
峠道の法面を補強する土留のコンクリート壁面に蟻道を見つけました。(標高〜645m地点)
道端の側溝から上に真っ直ぐ伸び、壁面の排水口(直径7cm)に続いています。
蟻道の幅は15mm、側溝からの高さを測ると54cmでした(穴の下縁まで)。
映像では15cm定規を蟻道に並べてみせました。
素人目には、土に細かい木屑を混ぜたような巣材でした。
途中一箇所だけ蟻道が未完なため、通路が丸見えになっています。
小さくて腹端が尖ったアリが蟻道を行き来しています。
排水口の奥に巣があるのでしょうか?
大雨が降ったら排水口内の巣は水没の危険に晒されそうで心配です。
ワーカー♀がときどき卵や幼虫、蛹など白い物を咥えて運搬していました。
蟻道の上下両方向に運んでいたので、どちらがメインの巣なのか不明です。
発達段階に応じて育児部屋を引っ越すのでしょうか。
マクロレンズで接写していたら、画面内に突然フキバッタの仲間(種名不詳)が下から登ってきたので驚きました。(@3:11)
蟻道や巣穴(排水口)の真上をよじ登ったのに、アリはフキバッタを攻撃しませんでした。
蟻道を作るアリということで、トビイロケアリ(Lasius japonicus)で良いのかな?
アリを採集、採寸していないので、トビイロケアリで大丈夫かどうか自信がありません。
蟻道を壊してみてアリが修復する様子を微速度撮影で記録するのも面白そうです。
【追記】
「ありんこ掲示板」にて質問したところ、シン・ハン@管理人さんより以下の回答を頂きました。
ケアリですね。 ケアリはとんでもなく複雑(体毛の数とか、触覚の節の数とかで同定)なのですが、トビイロケアリで良いと思います。 奴隷狩りは行いません。おそらく、上も下も巣なんでしょう。巣の中を移動してるだけだと思ってください。
巣の通路と考えた方が近いと思います。
本宅は地面で、石垣の排水口の中が増築分、もしくは逆って感じで、動画の蟻道は安全に本宅と増築を行き来するための通路と
【追記2】
新開孝『虫のしわざ観察ガイド—野山で見つかる食痕・産卵痕・巣 食痕・産卵痕・巣・卵』によると、
(トビイロケアリが作る)アーケードは、アリをねらうノミバエの寄生を避けるためらしい。(p61より引用)
私はてっきり家畜のアブラムシを囲う(天敵から守る)ための構造物だと思っていたので、意外でした。
15cm定規を並べる |
0 件のコメント:
コメントを投稿