2011/01/03
落とし物を探すトゲアシオオクモバチ♀
2010年5月中旬
山道を下っていたら目の前を黒い蜂が歩いて横切りました。
何か獲物を運んでいます。
近付いた私に驚いた蜂は獲物を地面に残したまま飛び去ってしまいました。
(映像はここから。)
蜂が戻って来るまでの間に獲物(体長10㎜)をじっくり検分。
腹面に外雌器が認められるので♀成体です。
闇クモ画像掲示板で写真鑑定してもらうと、ヤマヤチグモ(Tegecoelotes corasides)の可能性が高いだろうと教えて頂きました。
蜂に狩られた際に刺された毒針によって完全に麻痺しています。
歩脚は切り落とされていません。
歩脚で隠れてよく見えない頭胸部や眼列の様子をしっかり記録する前に蜂が戻ってきてしまいました。
一方、蜂の方は蜂類情報交換BBSにてトゲアシオオクモバチ♀(Priocnemis irritabilis)と教えてもらいました。
蜂は歩いたり低空飛行したり辺りを必死に探し回りますが、なかなか落し物を見つけられません。
クモのすぐ近くまで来ては何度も素通りしてしまったりと見ていてもどかしいほどでした。
クモのことなどすっかり忘れてしまったのかと心配でした。
動きの無い物を視覚で認識するのは苦手なのだろうか。
クモの傍らに立つ私を警戒していたのかもしれません。
それともクモがあるのは分かっていながら、巣へ運ぶ行き先を偵察していたのかな?
ようやく獲物を再発見(3:45)。
その場でしばらく休息すると、運搬開始(5:05)。
クモの糸疣ではなく歩脚を大顎で咥え、後ろ向きに引きずりながら歩いて運びます。
林道横の落ち葉が積もった場所まで来ました。
(つづく)
≪追記≫
クモ狩りの行動を再現させる方法の一つとして運搬中の蜂を驚かせて獲物を離させ、戻ってきた蜂の目の前で麻痺した獲物をピンセットなどで動かしてやると蜂は再び毒針で刺すらしいです。
しかし下手に動くと蜂はすぐ逃げてしまうので、今回は我慢して手出しせずに見守りました。
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