前回の記事:▶ 珍しく日の出直後に溜め糞場で排便する夜行性のホンドタヌキ【暗視映像:トレイルカメラ】河畔林にある溜め糞場rvをトレイルカメラで長期間監視してきたのですが、最近になってなぜかホンドタヌキ(Nyctereutes viverrinus)が全く現れなくなりました。
最盛期には仲良く♀♂ペアで現れたり一晩に何度も複数個体が登場したりしていたのに、5月下旬(5/23)の夜中に排便した映像記録が最後になりました。
現場入りする度に調べても生物分解された古い糞の残渣が残っているだけで、新鮮な糞が全く見つからなくなりました。
タヌキが来なくなった理由を推理してみました。
溜め糞場を見下ろすようにトレイルカメラを設置してあるのですけど、夏になり林床からぐんぐん伸びた下草が撮影の邪魔になりました。
肝心の溜め糞が下草の葉に覆い隠されて見えなくなってしまうのです。
そこでイタドリやイネ科植物などの邪魔な雑草を何本か取り除きました。(伸びた茎をナイフで根元からカット)
なるべく現場を改変しないように、必要最小限に留めたつもりです。
もしかすると、この草刈りが不味かったのかもしれません。
共同トイレを覆い隠してタヌキに安心感を与えていた下草が急に無くなって開放的になり、警戒したのでしょうか?
しかし、ここよりもずっと開放的で丸見えな場所(林道や山道の真ん中など)にある別の溜め糞場では問題なくトレイルカメラで調査できているのが不思議です。
もうひとつの心当たりは、溜め糞場rvを訪問する夜行性のタヌキがトレイルカメラの存在を気にして頻りにカメラ目線になっていた点です。
野生動物の目には見えにくいとされる赤外線LEDがタヌキには見えるのか、それとも撮影中のトレイルカメラが発するかすかなノイズが気になるようです。
赤外線と言いつつ、ヒトの目から見ても、夜の起動時には赤く光って見えます(可視光域を含む)。
すっかり嫌気が差したタヌキがどこか別な場所に溜め糞場を作り直したのなら良いのですけど、交通事故などで死んだのではないかと心配です。
溜め糞場rvのすぐ裏手にある川沿いの獣道に別のトレイルカメラを仕込んでみると、5/31の夜中にタヌキが通りかかりました。(溜め糞場rvには立ち寄らず)
関連記事▶ 川の護岸をホンドタヌキが深夜徘徊【暗視映像:トレイルカメラ】したがって、少なくとも1頭は健在と分かり一安心。
タヌキのことは半ば諦めて、溜め糞場rvの林床に夜な夜な現れる野ネズミの撮影に注力しようと頭を切り替えました。
溜め糞場rvの周囲にトレイルカメラをもう1台設置して、ローアングルからも林床を狙うようにしました。
小さな野ネズミを前よりも間近で撮れたら種類を同定できるようになるかもしれません。
2台体勢で監視を始めると、タヌキが戻って来たようです。
2022年6月下旬・午前1:32
ローアングルのトレイルカメラLが記録した暗視映像です。
深夜にニセアカシア立木の隙間から何か獣が川沿いの獣道を右へ(上流へ)歩いて行くのがチラッと見えました。
(ペアで行動するタヌキの後続個体?)
次に藪の奥から鼻面を突っ込んで溜め糞場rvの様子を確認しました。
低い位置で赤く光るトレイルカメラLの赤外線LEDに驚いたようで、謎の野生動物は慌てて顔を引っ込めて逃げてしまいました。
「暗闇で赤い目が光る怪物がいつもと違う場所に居た! ヤバイ、待ち伏せされた?」とでも思ったのでしょう。
1/3倍速のスローモーションでリプレイしても横顔がはっきり見えません。
従来通りハイアングルから狙う別のトレイルカメラHには残念ながら同時刻に何も写っていませんでした。
おそらくホンドタヌキだろうと思うのですけど、ハクビシンの可能性もありますかね?
しかし、ハクビシンはトレイルカメラL&Hを神経質に警戒する素振りを見せたことがありません。
関連記事(11日後の撮影)▶ 河畔林の古い溜め糞場を偵察に来たハクビシン【トレイルカメラ:暗視映像】
これに懲りたのか、タヌキはもう二度と溜め糞場rvに来なくなってしまいました。 (トレイルカメラに全く写らなくなった)
※ 動画編集時に自動色調補正を施して明るく加工。
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