2023年7月下旬・午後14:30頃・曇りときどき晴れ
翅を深く下げて休んでいます。
右中脚の先(跗節)が欠損している個体でした。
狩った獲物に必死で反撃されて足先を噛み千切られたのかもしれません。
今回初めて知ったのですが、図鑑『日本のトンボ』によると、ナツアカネ♀は翅の基部に橙色斑が現れる個体もいるとのこと。
頭部をグリグリ動かして大きな複眼で上空を油断なく見張り、何か他の昆虫が飛来すると直ちに飛び立ちます。
獲物を待ち伏せする上でこのネジバナはお気に入りの止まり場らしく、飛び立ってもすぐに同じ花序に戻って来ます。
ネジバナに訪花すると言っても、花蜜や花粉が目当てではありません。
花に止まる向きにはこだわらないようです。
ちなみに、この株は右回りにねじれて咲く螺旋花序でした。
(野生のネジバナで螺旋の向きは、右回りと左回りの株が1:1で見つかるらしい。)
この個体がネジバナの花序に離着陸する瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:17〜1:13)
ナツアカネ未成熟♀は、左上を見上げてから飛び立ちました。
離陸直前にフェイントをかけるように、スクランブル発進の角度を変えたのが興味深く思いました。
上空を高速で通り過ぎる獲物に対応して、軌道を先読み(高速軌道計算)したのでしょう。
すぐに同じネジバナに戻ってきて着陸。
前回とほぼ同じ方向に止まりました。
しっかり横を向いてくれたときにトンボの口元に注目すると、獲物を咥えてなかったので、狩りには失敗したようです。
狩りに成功したシーンは高画質のFHD動画で撮れていました。
ネジバナの天辺から飛び立って戻ってきたナツアカネ♀は、口に何か小さな黒っぽい昆虫を咥えていました。
その場でムシャムシャと獲物を咀嚼して捕食します。
食事に脚を使うことは全くありません。
この獲物を食べ終える前に、ナツアカネ♀が再び飛び立ちました。
今回の狩りは失敗したようです。 (獲物に逃げられた)
食べかけの獲物を咀嚼し続けて、完食しました。
捕食中に、手足を使わずに口の動きだけで、獲物の食べられない翅を落としました。
この食べ残しを拾ってじっくり調べたら、獲物の正体が大まかにでも突き止められたかもしれませんね。
後半は、狩りの成功シーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@2:19〜)
このナツアカネ♀個体は観察の後半になると、ネジバナの花から移動して近くの下草(イネ科)に止まり直しました。
後ろ向きでは口元が見えず、狩りの成否が不明です。
それでも背側から撮れたので、順番を入れ替えて冒頭シーンに採用しました。
周囲の林からミンミンゼミ♂(Hyalessa maculaticollis)♂の鳴く声♪が聞こえます。
【アフィリエイト】
0 件のコメント:
コメントを投稿