2022年9月上旬・午後16:30頃・くもり
郊外の舗装路でアオダイショウ(Elaphe climacophora)が横たわっていました。
ひび割れたアスファルトに対して、アオダイショウの体色は保護色にはなっていません。
動画を撮りながら私がゆっくり近づいても、蛇はすぐには逃げませんでした。
車に轢かれた死骸(ロードキル)なのかと思いきや、口から赤い舌をチロチロと出し入れし始めました。
この日は曇り空で、路面に触っても熱くなかったので、日光浴していた訳でもなさそうです。
カメラをパンして全身像を写すと、なぜか滑らかな曲線を描いておらず、カクカクとした折れ線状になっていました。
尾端に付着しているのは、脱皮殻(抜け殻)の欠片なのかな?
しばらくすると警戒を解いたアオダイショウが、ようやく蛇行で逃げ始めました。
赤い舌をちろちろと素早く出し入れして周囲の匂いを嗅ぎ取りながら進みます。
車道を横断すると、路肩の草むらへするすると逃げ込んで隠れました。
コオロギ♂やハヤシノウマオイ♂など秋の虫がかすかに鳴く声が聞こえます。
アオダイショウの素早い舌の動きを240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@2:40〜)
二股に別れた舌の先端部は、赤黒くなっています。
ちろちろと舌を出し入れすると、柔らかい先端部は上下にもしなやかに動きます。
関連記事(2年前の撮影)▶ アオダイショウの高速ベロ【HD動画&ハイスピード動画】
道を横断しているアオダイショウにちょっとした事件が起こりました。
路面スレスレに低空で飛来した黒く小さな蜂?が、アオダイショウの横顔に激突したのです。(@3:19〜)
蜂に特攻されてもアオダイショウは瞬きひとつせず、全く動じませんでした。
(蛇には解剖学的にまぶたが無いので、瞬きすることができません。)
虫が蛇に狙いを定めて攻撃したというよりも、ただのうっかり衝突事故のようです。
寄生蜂♀や寄生バエ♀が出会い頭に蛇の体内に素早く皮下注射のように産卵したのだとしたら非常に面白いのですが、そのような事例は聞いたことがありません。
その後、進行方向の目の前を小さな虫(黒い蜂?)が歩いても、アオダイショウは舌を使って捕食することはありませんでした。 (@4:00〜)
捕食よりも逃避行動を優先していたのでしょう。
ヘビを手で捕獲できるようになりたいと私は常々思っているのですが、この日は疲労困憊していたので自重しました。
アオダイショウは毒蛇ではありませんが、下手に手を出して万一噛まれ傷が腫れたりしても、コロナ禍が続く状況では気軽に病院にも行けませんから。
↑【おまけの映像】
"Slow motion tongues offer a snapshot of evolution" by Science Magazine
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