2012年5月下旬
岸から伸びた潅木に掴まりながら渓流を遡上していたら、手を伸ばした枝に蛇が居て目が合いました。
予想外のニアミスにどっきりしましたが、水音のせいで蛇も私の接近に気づかなかったのかもしれません。
目測で体長約2mの立派なアオダイショウ(Elaphe climacophora)でした。
アオダイショウは落ち着くと舌の出し入れを始めました。
なんとなく、これから脱皮するのかと思いました。
しかし横顔をクローズアップしても、目は特に白く濁っていません(脱皮の兆候なし)。
やがて蛇は向きを変え、枝を伝ってこちらに向かって来ました。
枝伝いにゆっくり上へ移動していきます。
ヘビの木登りを目の当たりにするのは初めてでした。
下半身で体を支えたまま、持ち上げた上半身で行き先の経路を探索しています。
蛇腹だけを使った登り方は実にしなやかで美しく、惚れ惚れします。
樹上でも必ず枝の上面を伝って蛇行で移動するようです。
(枝の下面にぶら下がることはない。)
下から見上げると、アオダイショウの下面は白色でした。
野鳥の卵や雛を狙って、樹上に鳥の巣を探し回っているのかもしれません。
しばらく登ると疲れたのか、枝に顎を乗せて静止。
wikipediaの記述によると、
(アオダイショウが)樹上に上るときには枝や幹に巻きついて登っていくのではなく、腹盤の両端には強い側稜(キール)があり、これを幹や枝に引っかけることでそのまま垂直に登ることができ、樹上を移動する。壁をよじ登ることもできる。
次は、蛇が川面を泳ぐ様子を動画に撮りたいなー。
【追記】
内山りゅう『ヘビのひみつ (ふしぎいっぱい写真絵本)』によると、
アオダイショウみたいに、木登りをするヘビもいる。木登りができるのは、お腹にある鱗が角張っていて、引っかかるから。背中の表面には、つるつるした鱗がある。(p9-11より引用)
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