2011/01/31

コマユバチに二次寄生したヒメフタオヒメバチ




2010年11月上旬

草むらで採集した白い繭塊を室内飼育してみたら、サムライコマユバチの一種(Cotesia sp.)が羽化してきました(詳細記事はこちら)。
五月雨式に成虫が羽化してくるので、飼育容器をそのまま放置。
数日後、容器内に白っぽい体の個体が少数混じっているのに気づきました。
当初はアルビノ(白色変異)みたいな変異個体かと思ったのですが、どうやら二種類の蜂が混じっているようです。
褐色タイプの蜂は腹端の長い産卵管が目につきます。
先陣を切って羽化した黒色タイプよりも褐色タイプは少数派ながら長生きしました。



蜂が出尽くした11月中旬に死骸を回収して数えてみると、黒色タイプ:褐色タイプ=39:11=3.55:1。
蜂類情報交換BBSにて写真鑑定してもらったところ、
「このヒメバチは、フタオヒメバチ亜科の一種です。ヒメフタオヒメバチあたりではないかと思いますが、やはり、標本を見なければ何とも言えません。コマユバチCotesia sp.が寄主(鱗翅目の幼虫)の中にいる内に寄生したものと思います。」
と専門家にご教示頂きました。
日本産ヒメバチ目録を参照すると、ヒメフタオヒメバチの寄主としてCotesia属は Cotesia kariyai カリヤサムライコマユバチ, Cotesia ruficrus キアシヤガサムライコマユバチなどが報告されています。
ということは、今回の黒いコマユバチ(Cotesia属の一種)はそのいずれかなのかもしれません。
こちらのサイトに両者の繭の写真が掲載されていますが、確かに私の採集した繭と似てますね。



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