2017/12/02

ニホンイタチの死骸



2017年7月上旬・早朝

ノスリ(野鳥)の捕食シーンを撮影した後に同じ道を更に数百メートル進むと、道端に野生動物(哺乳類)の死骸が転がっていました。
夜に車に轢かれたのでしょう。(ロードキル
あるいは先ほど見たように、ノスリなど猛禽類の食べ残しなのかな?
新鮮な死骸ではなく、腹部が死肉食の動物(鳥類?)に食い荒らされていました。
頭部が無傷なら死骸を採集して頭骨の標本を作ってみたかったのですが、損傷が激しかったため、写真で記録するだけに留めました。


採寸する定規を持参しておらず、仕方なく自分の靴と比べてみたところ、頭胴長は約30cmでした。
現場は平地の田園地帯を横切る車道で、溜池の裏手でした。
ホンドテンと迷ったのですけど、これはニホンイタチMustela itatsi)ですかね?
もし間違っていたら、ご指摘願います。

動物の死骸を見つける度に、屍肉食の昆虫を定点観察したり生物分解の過程を記録したいのですけど、この時期は忙しくてとても余力がありませんでした。
どうせカラス(やトビ)にすぐ持ち去られたり食い荒らされてしまうでしょう。(…と自分に言い聞かせて、その場を離れました)
それでも、この辺りにイタチが生息しているという証拠は、私にとって貴重な情報です。




【追記】
川口敏『哺乳類のかたち ~種を識別する掟と鍵~』を読むと、詳しい解説がありました。
・テンとイタチを見分けるポイントは足だ。足の裏を見てもいいし、毛の色でもいい。テンの足は黒いがイタチは黄褐色から茶褐色で黒ではない。 (p26より引用)
・テンとイタチでは、足の裏の肉球の数や配列の違いで識別できる。  (p30)

しかし写真を見返しても、残念ながら足の裏を撮っていませんでした。
イタチの体色はテンと比べるとかなり地味だが、暗いチョコレート色から明るい山吹色までの変異がある。この変異は、体の大きさがある程度相関している。結論を先に言うと、体の大きなイタチの毛色は明るく、小さなイタチは暗い。(中略)このほか、毛色は季節によっても変化する。夏毛と冬毛を比べると、夏毛は暗く、冬毛は明るい。(中略)野外では性別や年齢はわからないので、毛色を頼りにこの2種を識別するのはやはり無理であろう。 (p32)
・近縁な種が同じところで生活することを「同所的分布」と言い、このような地域では体サイズの違いは顕著に表れるので、体の大きさを測定すれば、種を容易に識別できる。したがって、イイズナ、オコジョ、ニホンイタチ、テンの4種は性別と外部計測値だけで識別できる。最低、頭胴長(鼻の先から肛門までの長さ)、尾長(肛門から尾の先端までの長さ、ただし毛の長さは含まない)、後足長(かかとから指の先端までの長さ、ただし爪の長さは含まない)は計測する。値は3ケタあれば十分。  (p28-29)
今後の教訓として、同定するにはやはり現物を採集してしっかり調べないと駄目ですね。

・イタチも♂が極端に大きなグループで、(中略)♂の体長は♀の2〜3倍にもなる。しかし、イタチはハーレムを形成するわけではない。発情期になると、♂はテリトリーを拡大する(このとき交通事故による死亡数も増加する)。 (p38



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