2024年9月上旬・午後14:40頃・晴れ
平地の湿地帯の端に咲いたナガボノシロワレモコウの群落でホソヒラタアブ♀(Episyrphus balteatus)が訪花していました。
この組み合わせは初見です。
左右の複眼が中央(頭頂)で接していないので、♀と分かります。
翅を半開きにしたまま口吻を伸縮させて雄しべの葯を舐めています。
ナガボノシロワレモコウの蜜腺はもっと奥にあるはずなので、ホソヒラタアブ♀は吸蜜している訳ではないようです。
花穂から飛び立っても少し離れた空中でちょっとホバリング(停空飛翔)しただけで、すぐに元の花穂に着陸して食事を再開しました。
ホソヒラタアブ♀の停飛を240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:18〜)
なぜかナガボノシロワレモコウの花穂にチョンチョンと脚先で触れるだけで、なかなかしっかり着地しようとしません。
花穂が風で揺れて着陸しにくい訳でもなく、無風でした。
足先の感覚器で花の味見をしているのかな?
よく見ると、この花序には先客のツマグロキンバエ(Stomorhina obsoleta)が訪花していました。
ナガボノシロワレモコウの花穂は長いので、同じ花穂でも少し離れた位置に留まれば2匹とも平和に摂食できると思うのですけど、ライバルの訪花昆虫を蜜源植物から追い払おうとする占有行動なのでしょうか?
ホソヒラタアブ♀の度重なる挑発に苛立ったのか、ついにツマグロキンバエがホソヒラタアブに突進して追い払いました。
しばらく撮り続けても、飛び去ったホソヒラタアブは戻って来ませんでした。
体長では劣るのに、ツマグロキンバエはホソヒラタアブよりも蜜源植物を巡る争い(占有行動)に勝ったことになり、興味深い事件でした。
小競り合いしている暇があったら、隣に咲いたナガボノシロワレモコウの花穂にさっさと移動すれば良いのに…と思ってしまいます。
ホソヒラタアブ♀は一体なぜ自分から挑発しておいて、ツマグロキンバエを恐れたのでしょうか?
ツマグロキンバエはアブに寄生するハエではありません。
ハエやアブを専門に狩る天敵の狩蜂に誤認したのなら、挑発しないで逃げるべきでしょう。
ツマグロキンバエについて調べてみると、幼虫の生態についてはほとんど解明されていないらしく、好蟻性が疑われているそうです。
実はこの後、スズバチもナガボノシロワレモコウに訪花していたのですけど、撮り損ねてしまいました。
関連記事(7年前の撮影)▶ ナガボノシロワレモコウの花蜜を吸うスズバチ♂
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