2025/11/29

喉をブルブル震わせて真夏の暑さをしのぐアオサギ(野鳥)体温調節

 

2024年8月下旬・午前10:20頃・晴れ(薄曇り)・気温35℃ 

水田とトウモロコシ畑(飼料用のデントコーン)に挟まれた農道に1羽のアオサギArdea cinerea jouyi)が佇んでいました。 
喉のたるんだ皮膚を絶えずプルプルと振るわせているのは、呼吸による唾液の蒸発を促進して体温を下げようとしているのでしょう。
鳥には汗腺が発達していないので、発汗で体温を冷やすことができないのです。
撮影現場の気温を測ると35℃で、とても蒸し暑く、不快指数も高そうです。 
炎天下の地面からは陽炎が立ち昇っています。 
カワウではよく見かける体温調節の行動ですが、アオサギでは初見です。 

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カメラを構えた途端にアオサギは私を警戒して歩き去り、飛び去りました。 
逃げる際に腹立たしげな鳴き声を発したり脱糞したりしませんでした。 
奥に向かって低空で少し飛んだだけで、同じ砂利道の中央草帯に着陸。 
私から離れると、再び喉袋を震わせています。 

やがてアオサギは砂利道を歩いて横断すると、用水路に近づきました。 
イネ科雑草の茂みに隠れ、アオサギの頭部しか見えなくなりました。 
草いきれの中で、依然として喉を震わせています。 
そんなに暑いのなら日陰(木陰)に入ったり、早く用水路に入水して涼んだりすればよいのに、と思ってしまいます。 
おそらく、私が立ち去るまで油断なく様子を窺っているのでしょう。 


【考察】 
夏の暑さを凌ぐ体温調節でカワウとアオサギが同じ放熱行動をしているのが興味深く思いました。 
しかし、カツオドリ目ウ科とペリカン目サギ科は系統的に近くはありません。
離れた系統で何度も独立に収斂進化した行動なのか、それとも共通の祖先の時代から始まった進化的に古い行動なのでしょうか? 
Perplexity AIに質問すると、前者なのだそうです。

カワウとアオサギが喉の皮膚を震わせて体温を下げる行動は、口の中の水分を蒸発させて放熱し、体温調節をするためのものです。この放熱行動は鳥にとって汗をかけない代わりの重要な体温調節手段であり、多くの鳥で独立に進化した適応の一つと考えられます。特に、カワウはカツオドリ目、アオサギはペリカン目(サギ科)に属し系統的には近くないため、この行動は共通の祖先から受け継がれたものではなく、収斂進化の結果と考えられます。

近縁のトキやペリカン、カツオドリなど大型の水鳥でも同様に口や喉を使った蒸発冷却の行動が観察されることが多く、この体温調節戦略は複数の鳥類系統群で収斂的に進化した生理行動である可能性が高いです。


大型の水鳥や鳥類全般で共通して見られる喉や口を震わせて蒸発冷却する体温調節行動が、進化的に古く共通の祖先から始まった可能性は確かにあります。こうした基本的な生理的適応は祖先的特徴として継承されることもあります。ただし、サギ類(ペリカン目)とカワウ(カツオドリ目)は系統的にかなり離れており、両者の共通祖先はかなり古いため、同じ蒸発冷却の行動が系統的継承によるものか、獲得した環境適応という別々の進化の結果かわかりにくいのが実情です。

しかし、詳細に比較すると形態的な違いや生理的な仕組みの面で差異もあり、それぞれの系統で独立に発達させた可能性(収斂進化)を考えるのが妥当とされます。これは鳥類に限らず、多くの恒温動物で暑熱ストレス対策として口や皮膚を使う蒸発冷却が複数系統で独立に進化したという進化生物学の一般的傾向です。



鳥が喉を震わせて放熱しているときは、イヌのパンティングのように激しく呼吸しているわけではありません。鳥が口を開けてハアハアと呼吸し、口内の水分を蒸発させて体温を下げる「パンティング」に似た行動はありますが、喉の皮膚を震わせる行動自体は、そこまで激しい呼吸とは別の微細な震えによる放熱作用が主体です。

カワウなどでは、喉の毛細血管が多くある部位を震わせることで効率よく放熱し、呼吸を激しくして熱を逃がす行動とは少し異なります。一方で、口を開けて浅く速い呼吸をする行動は鳥にも見られ、気道や口腔内の水分の蒸発で体温調節を助けています。このため、喉震わせ放熱中に激しく息をするイヌのパンティングのような呼吸とは若干異なり、両者の組み合わせや状況により違いがあります。


アオサギやカワウが喉を震わせて放熱するときには、主に喉周辺の薄い筋肉群を小刻みに収縮させています。この運動は喉の皮膚やその下の血管を振動させ、広い範囲で蒸発冷却を促進します。具体的には、喉の筋肉(例えば環甲筋や輪状甲状筋など喉頭を動かす筋群)が微細な振動運動を繰り返すことで、喉の皮膚を震わせています。

この動きはイヌのパンティングのような深くて激しい呼吸運動とは違い、比較的浅く速い収縮で繊細に制御されているため、呼吸とは独立しながらも放熱効果を高める微細な筋肉運動です。また、この振動運動が血管の近くで起きることで血液の熱交換が効率化され、蒸発冷却と共に体温引き下げに寄与しています。

この喉震え(喉振動)運動は、どちらも水鳥の体温調節適応として観察されており、夏の暑さや高温環境の中で特に重要な放熱行動です.midorinotori


喉を震わせて放熱する行動がカラスで見られないのはなぜでしょうか? 
全身真っ黒な羽根に覆われたカラスは夏にとても暑いはずです。
カラスは餌を運ぶために伸縮可能な喉袋も持っているはずです。
しかしスズメ目カラス科では喉を震わせる放熱行動が進化しなかったようで、別の行動で暑さを凌いでいるそうです。

カラスが夏に喉を震わせて放熱する行動をあまり見られない理由は、カラスが体温調節に多様な方法を組み合わせているためです。カラスは口を開けて浅く速い呼吸(パンティング)をして口腔や喉の湿った部分から水分を蒸発させて気化熱を利用し放熱します。また、翼をわずかに開いて脇の下に風を通し放熱効率を上げたり、日陰でじっとして活動時間を早朝や夕方に集中させることで直射日光と暑さを避けています。

喉袋はカラスにはなく、サギなどのような明確な喉袋をもつ種とは異なります。カラスは羽毛の黒さによる熱吸収があるものの、羽毛の空気層が断熱層の役割も果たし体幹の温度上昇を抑えます。黒羽は熱を吸収しやすい反面放熱も良いため、日陰に入れば比較的効率的に体熱を放散できます。

したがって、喉を震わせるような明確な放熱行動はカラスでは観察されにくく、代わりにパンティングや翼を広げるなど複合的な行動で体温調節するのが特徴です。このため、喉の震えを伴う放熱はカラスではあまり見られないだけで、暑さ対策はしっかり行われています。

まとめると、

  • カラスは喉袋を持たず、喉を震わせて放熱する行動は基本的に見られない。

  • 口を開けてパンティングし口腔で水分蒸発を利用して冷却。

  • 翼を広げて腋下に風を通し、活動時間帯や場所の選択で熱ストレスを避ける。

  • 黒い羽毛は熱吸収と断熱の両方の特性を持ち、日陰入りなどで効率的に放熱。

この適応戦略により、カラスは暑い夏も体温調節を可能にしています.getridofpestanimals+4


気温が高くても風が吹いている気象条件、あるいは湿度が高くて蒸散効果が期待できない条件下で、鳥の体温調節行動がどう変化するか、観察するのも面白そうです。


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