2021年10月上旬・午後20:20頃
山中の小さな水場にトレイルカメラ(無人センサーカメラ)を仕掛けたら、衝撃映像が撮れていました!
夜に真っ暗な里山の林道を歩いて来たツキノワグマ(Ursus thibetanus)が水場に登場したのです。
カメラ目線の両目が爛々と白く光っています。
実は池の岸辺にクリの実を数個置いてみたのですが、クマは全く気づいた素振りがありません。
岸から池の水を飲み始めました。
ピチャピチャ♪と舌で水面を舐める音が聞こえます。
喉を潤したツキノワグマは右前脚から慎重に入水しました。
池の中央まで進んでも浅くて半身浴の状態です。
赤外線の暗視映像はモノクロで分かりにくいのですが、全身の毛皮に点々と付いている異物は「ひっつき虫」(動物散布型の種子)ですかね?
赤外線では白く光って見えます。
この水場を「熊の湯」と名付けたくなりますけど、温泉(露天風呂)ではありません。
山の湧き水が窪地に浅く溜まっただけです。
冷たい水に体を浸したクマの満足げな息遣いがハァハァ♪と聞こえます。
ようやく胸元に白い三日月紋が見えました!
今後の個体識別に使えそうです。
クマは半身浴のままで、背中や頭に水を掛けたりしませんでした。
私が見慣れている鳥の水浴とは全く違いました。
秋の夜なのにクマが火照った体を水風呂で冷やしたかったのかな?
ときどき鼻先だけ水面下に沈めました。
恍惚の表情に見えますが、まさか水中で排泄してたりして…?
クマが池の中で向きを変えた時に、歩脚の長いザトウムシの仲間がカメラの前を横切りました。(@2:41)
しかしクマは暗闇でザトウムシが見えてないのか無反応でした。
赤外線カメラの存在も全く気にしていません。(見えてない?)
約3分間も水浴を楽しんだツキノワグマは、元の岸に戻ると左前脚から上陸しました。
身震いして水気を切ったり毛繕いなどはせずに、そのまま林道を立ち去りました。
録画の尺にピッタリ収まってくれたのも奇跡です。
こんな大迫力の映像が撮れただけでもトレイルカメラの元が取れた気になりました。
実は昨年(2020年12月上旬)、水場の近く(直線距離で650m離れた地点)の雑木林の斜面(標高470m地点)で熊棚らしきフィールドサインを見つけています。
落葉性広葉樹(樹種不明;クヌギ?クリ?)の上部の枝が大きく折られていて、そこだけ枯れ葉が枝に残っていました。
当時は半信半疑だったのですが、この山域に野生のクマが生息している確証が遂に得られました。
たとえ低山でも入山時には護身用の熊よけスプレーを携帯する必要があると痛感しました。
前時代的な「熊よけ鈴」やラジオを過信して命を預けるのは危険です。
熊よけスプレーがもっと普及すれば値段も下がるはずです。
山間部のコンビニや自動販売機で気軽に買えるようになったら良いのに、と思います。
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