2018/02/27

巣の外皮を増築するコガタスズメバチ♀



枯木に営巣したコガタスズメバチの定点観察#3



▼前回の記事→#2

2016年7月上旬・正午前後

3日ぶりの定点観察。
枯れ枝の先端近くに作られた巣でコガタスズメバチVespa analis insularis)のワーカー♀が巣口の下の外皮ポケットを増築していました。
外で巣材を集めてきた個体はなぜか帰巣するといつも巣内に一旦入ります。
すぐに外皮の増築を始めれば良いのにと、いつも不思議です。
女王蜂に帰巣の挨拶をするのか、幼虫との栄養交換で空腹を満たすのか、巣内で巣材のパルプをじっくり噛みほぐすのか、考えても分かりません。
いつか巣内を直接に観察して突き止めたいものです。
しばらくすると巣材を咥えたワーカー♀が巣内から出てきて外皮上を歩き回ります。
増築が必要な場所を決めると、2匹が並んで作業を始めました。

途中で一匹が場所を変え、外皮の上部(裏側)も増築するようになりました。

その間に、胸背が黄色い花粉で汚れた個体が巣に出入りしています。
このワーカー♀黄は前回#1も居たので、個体識別できて好都合です。
自分で身繕いしても胸背の汚れは前脚で掻き落とすことができず、ワーカー♀同士で相互身繕いする習性も無いのでしょう。
このワーカー♀黄は造巣作業には従事せずに、幼虫のための獲物を狩る専門の係なのかもしれません。
ただし私が見ている限りでは、いつも手ぶらで帰巣していました。

撮影中、近所で誰かが草刈機を使って除草作業をしています。
凄まじい騒音ですが、コガタスズメバチのコロニーは別に苛立っている素振りはありませんでした。


つづく→#4


左の個体は巣材のパルプ団子を咥えている。
コガタスズメバチ♀2匹で外皮の増築
胸背が黄色い花粉で汚れているコガタスズメバチ♀個体が帰巣
前回より巣の外皮が全体的に少し大きくなっています。



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