2019/12/03

杉の枝でブランコ遊びを楽しむニホンザル(白猿を含む群れ)



2019年7月下旬・午前6:00〜7:33

山麓に植林されたスギ(杉)林の林縁で枝が激しく不自然に揺れているのが気になりました。
そっと近づいてみると、早朝から野生ニホンザルMacaca fuscata fuscata)の群れが楽しげに遊んでいました。
ターザンごっこ(忍者ごっこ?)をして遊んでいるのは主に若い子猿たちのようで、微笑ましい光景でした。

雑草で覆われた急斜面の土手から林縁のスギの枝に飛びついて木によじ登ります。
樹上で隣のスギの木の枝に跳び移ることもあります。
得意満面で枝にこしかけています。
猿の体重でしなって揺れる横枝から手でぶら下がり、林床に飛び降ります。
横枝から両手を離して足だけで逆さまにぶら下がり、アクロバチックに地面に飛び降りる個体もいました。
再び斜面を少し登り返し、またスギの枝へ身軽に跳びつきます。
急斜面を一気に駆け下りて助走をつけてからスギの枝に飛びつく個体も多くいました。
ニホンザルのとんでもない身体能力に惚れ惚れしますね。

雑木林に比べてスギ林にはニホンザルの採食メニューが乏しく、遊動中にわざわざ立ち寄る用事はないはずです。
撮影した行動は、明らかに遊びとして楽しんでいます。
山から降りてきた群れが杉林へ遊動する必要に迫られた単純な行動(移動手段)ではなく、ニホンザル達はこの一連の遊びを飽かずに繰り返していました。

遊んでいる群れの中には毛皮が白っぽい若い白猿(アルビノ? 白変種?)も1頭混じっていて、とても目立ちます。
アルビノは網膜の色素も薄いために視力が弱いことが多いそうです。
しかし、この白猿が遊んでいる動きは群れの健常個体と全く遜色ありませんでした。
このブランコ遊びは両眼立体視で距離感を掴むのが大切なので、もし視力が悪かったら危なくて出来ないはずです。
ということは、完全なアルビノではなくて白変種なのかもしれません。

遊びという行動は高い知能と生活の余裕がある種にしか発現しません。
野生ニホンザルの空中ブランコを特等席で堪能できて幸せでした。
時が経つのも忘れて夢中で撮った動画をまとめてみました。
ただし時系列順ではなく、動画で説明する演出の都合で順番を少し入れ替えてあります。
猿を見つけた当初は死角が多くてアングルがいまいちだったのですが、警戒されないように少しずつ近づいてようやく撮影できました。
欲を言えば画角のことを考えて私も急斜面を林縁まで降りて猿たちと同じ目線で撮影したいところでした。
ところが、遊んでいる群れに私が同じ高さまで近づこうとするとニホンザルは露骨に警戒して逃げ腰になったので、諦めて斜面の上から望遠レンズで撮影を続けました。

撮影中、近くでハシブトガラスが鳴く声が聞こえました。
カラスも賢いですから、ニホンザルのブランコ遊びを見て学び、そのうち同じ遊びを真似し始めないかな…と期待してしまいます。
ニホンザル@スギ枝ブランコ遊び
ニホンザル@スギ枝ブランコ遊び
ニホンザル@スギ枝ブランコ遊び

↓【おまけの動画】
「Crows Playing Swinging from a Branch」(by NCARalphさん)



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