2019年8月上旬・午後
民家の裏庭に植栽されたセイヨウニンジンボクで今年もキムネクマバチ♀(Xylocopa appendiculata circumvolans)が訪花していました。
この組み合わせは既にこのブログで報告済みです。
▼関連記事(1年前の撮影)しかし当時は風が強くてセイヨウニンジンボクの花序が激しく揺れ、虫撮りには悪条件の日でした。
セイヨウニンジンボクの花蜜を吸うクマバチ♀の群れ
ということで、1年ぶりに同じ場所へ定点観察にやって来ました。
無風で快晴の撮影日和です。
セイヨウニンジンボクの花から花へ忙しなく飛び回るクマバチ♀の腹背は白い花粉で汚れているのに、後脚の花粉籠は空荷でした。
吸蜜シーンをよく見ると正当訪花ではなく、穿孔盗蜜していました!
花筒の根元を外側から噛んで穴を開け、そこから舌を差し込んで蜜腺を舐めているのです。
これは昨年の撮影で全く見落としていた点です。
盗蜜に専念すると、雄しべに触れないので集粉しません。
後脚の花粉籠が空荷なのも納得です。
植物にとっては、せっかく送粉者への報酬として用意した花蜜を盗まれてしまうのは損失になります。
クマバチ♀の盗蜜シーンを240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:42〜)
クマバチ♀の複数個体を撮影。
翅の破損具合が異なるので明らかに別個体と分かります。
連日の酷暑のせいか、どうも花の盛りは過ぎてしまったようです。
クマバチが訪花中に萎れかけた花弁がハラハラと舞い散る様子が写っています。
末期の花の雄しべにはもう花粉が残っていないのかもしれません。
花序に残った花が少なくなったおかげで穿孔盗蜜に気づくことが出来ました。
昨年の観察でクマバチ♀の盗蜜に気づかなかったのは、風揺れのせいだけでなく、花盛りで多数の花が花序に密生していて蜂の口元がよく見えなかったからでしょう。
あるいは、クマバチ♀は舌の長さに応じて採餌戦略(正当訪花と穿孔盗蜜)に個体差がある可能性も考えられます。
過去の記事を遡って再検討したところ、雄蜂♂もやはり盗蜜していました。
▼関連記事(別の場所で1年前に撮影)セイヨウニンジンボクの花で盗蜜するクマバチ♂【ハイスピード動画】
出来ればついでにセイヨウニンジンボクの花に残された盗蜜痕をじっくり調べたかったのですが、他人様の庭には勝手に入れないので諦めました。(撮影は公道から)
一方、同じ日に撮ったオオハキリバチ♂は盗蜜せずに正当訪花で吸蜜していました。
▼関連記事
セイヨウニンジンボクの花蜜を吸うオオハキリバチ♂
クマバチ♀@セイヨウニンジンボク訪花採餌(盗蜜?)写真は背側からしか撮れず。 |
クマバチ♀@セイヨウニンジンボク訪花採餌(盗蜜?) |
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