2019年7月下旬・午前7:33〜8:15
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野生ニホンザルが深い水路内に落ちて出れなくなった?
シーン1:(@0:00〜)
山麓を流れる用水路内で別個体のニホンザル(Macaca fuscata fuscata)がコンクリート壁面下部に生えた緑色の苔(地衣類?)を採食していました。手で苔や泥を引っ掻いて少しずつ崩し、何か小さいものを指で摘み上げては口に運んでいます。
苔(地衣類?)そのものではなく、中に潜んでいる虫を捕食しているのかもしれません。
採食時の利き手は不明です。(左手→右手と両方使用)
ニホンザル@水路内岸壁+コケ?採食 |
私が見ていることに気づくと警戒したものの、この個体はパニックには陥りませんでした。
水路の壁面に設置された梯子を身軽に登って水路から脱出しました。
この用水路は深いので、水量が多い時にヒト(特に幼児、児童)が誤って落ちると溺死する悲劇が起きてしまいます。
そのような水難事故を防ぐために、水路に落ちて流されたヒトが自力で脱出できるように梯子や浮きのついた鎖が水路に沿って何箇所も(等間隔で?)設置されています。
野生ニホンザルは誰に教わった訳でもないのに、この梯子を自在に使いこなして水路内に出入りしていました。
水路の両側には落下防止のため(ヒト用に)高いフェンスが設置されているのですが、身軽で身体能力の高いニホンザルにとってはこんなフェンスを乗り越えるのは朝飯前です。
先程、水路内に閉じ込められてパニックになっているように見えた個体も、落ち着きを取り戻せば自力で脱出できるはず(助けは無用)と分かり、安心しました。
誤って水路内に落ちたのではなく、自ら梯子を使って水路の底へ降りて行ったのでしょう。
シーン2:(@0:51〜)
コンクリート岸壁の上端に腰掛けて居た個体が下向きで(頭から先に)梯子を降りて、逆立ちするように水路の底に着きました。この時期、水路を流れる水量は少なく水深は浅いです。
この個体はまず水面に口を付けて水を飲みました。
続いて水路の底を手で引っ掻いて食べ物を探しているようです。
やがて採食を止めて梯子に戻ると一気に上まで登り、更にフェンスもよじ登ると手摺に並んで座る仲間に合流しました。
躍動する体の毛皮から水飛沫が飛び散っています。
そのまま水路横の木の枝に飛び移ってブランコ遊びを始めました。
シーン3:(@2:25〜)
水路内で計3頭のニホンザルがバラバラで採食?水遊び?していました。非常用梯子の真下に居た個体が水面に口を付けて水を飲みました。
両手で川底を繰り返し引っ掻いているような仕草は、小さな水棲動物(カニや水生昆虫、小魚、オタマジャクシなど)を捕食しようとしているのでしょうか?
それともヌルヌルした水苔の感触を楽しんでいるのかな?
そこへ別個体が真っ逆さまに梯子を伝って水路内に降りて来ました。
この猿もまずは水面に口を付けて喉の乾きを癒やしました。
しばらく水底を両手でさらって何かを採食すると、仲間同士でふざけ始めました。(水飛沫を跳ね上げながら追いかけっこ)
シーン4:(@3:48〜)
用水路沿いの手摺を歩いてきた個体がフェンスを伝って水路内に降りて行きました。絶え間ない蝉しぐれに混じって、水路の両側の山林に散開したニホンザルたちが鳴き交わす声もときどき聞こえてきます。
野生ニホンザルが非常用ハシゴを使って水路内に自由に出入りできることを示す決定的な証拠映像が撮れたのは収穫です。
猿は水を全く恐れていませんでした。
ニホンザルの群れが居なくなってから巻き尺で測ると、水路の幅は2.5m、コンクリート岸壁の高さは1.6mでした。
※ 撮影順ではなく、ストーリーを考えて映像素材の時系列を入れ替えています。
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